レモネードオアシス 2022/06/10 14:09

真夏の夜の冒険2

6月に入って各地で梅雨入りしてハッキリしない天気が続いていますが皆様はお元気でしょうか。
僕はなんとか生きてます。


今日は金曜日ということで、新作の短編小説を更新していきたいと思います。
6月中には終わるはずの集中連載ですので、楽しんでもらえたら嬉しいです。

※グロテスクでホラーな描写があるので、ご注意ください。


目次

旧校舎のトイレの怪(カテゴリー)

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登場人物

・ヒロイン1
中野恵美(なかのえみ)
中学二年生。
14歳

明るく活発的な性格。
いつも千晶をぐいぐい引っ張っていくような感じの性格。

亜麻色の髪の毛をポニーテールにしている。

白の洗いざらしたTシャツに、黒の三分丈のスパッツ。



・ヒロイン2
平坂千晶(ひらさかちあき)
中学二年生。
14歳。

内気な性格。
恵美とはクラスメート。
いつも恵美の後ろを突いているような感じの少女。

黒髪を二つ結びにしている。

・白のサマーワンピースを着ている。


二人の身長は同じくらい。


真夏の冒険2

 なにしろ、ドアの向こうで行われていたのは、二人が期待していたこと……セックスなどではなかったのだ。

 そこにいたのは――、
 セーラー服を着た、一人の少女。
 黒髪を腰の辺りまで伸ばし、前髪をパッツンと切り揃えている。
 ただ、その両脚は床から浮いていて、首に巻き付いたロープによって吊り上げられている。

「うっ、うううっぐぅ!」

 少女は地面を探し求めるかのように両脚で空を掻いている。
 だがその脚が地面につくことはない。
 なにしろ30センチほどの高さに吊り上げられているのだ。
 少女が足掻くたびに、スカートが捲れ上がってショーツが見える。
 こんな状況だというのに、可愛らしいピンクの花柄のショーツだった。

「あっ、ガッ……ご……ごぉぉっ」

 首に巻き付いているロープを外そうと、少女は必死になって藻掻いている。
 首から上はドス黒くチアノーゼに変色していて、口からはダラダラとヨダレを垂らしている。

「ごひゅっげっ、げぇぇっ!」

 よほど苦しいのだろう。
 セーラー服の少女は、信じられないほどに太い舌を突き出していた。
 その舌からは、ヨダレが垂れてきていて――、

「大変! 助けないと!」

 最初に動いたのは千晶だった。
 なんとか少女の身体を抱え上げて支えようとする。
 だけどセーラー服に包まれている少女の身体は熱くなっていて、しかも暴れ回っている。
 うまく支えることができない。

「恵美ちゃんも……手伝って……っ」
「あ、う、うん!」

 恵美に声をかけると、眺めているだけだった恵美を協力して支えようとしてくれる。
 だけど、女の子二人の力なんてたかがしれていた。
 それに暴れ回っている人間というのは、想像している以上に力が強い。

「ゲッ、げふ……! んご……ごっ」

 吊り上げられている少女が暴れるあまりに、右足からローファーが脱げる。
 黒い靴下を履いた脚が剥き出しになる。
 一日中、ローファーを履いていたのだろう。

 むわぁ……。

 剥き出しになった少女の黒ソックスから、ツーンとした汗の香りが撒き散らされる。
 それどころか、納豆のような蒸れ返って発酵した、恥ずかしい臭気も漂わせている。
 だけどそれでも少女の身体を離すわけにはいかない。

「ごっ、ゴポ……ッ! ゲッ、ゲェェ……!」

 少女の口からは止めどなくヨダレが溢れ出し、空気を求め突き出されている舌も長くなってきている。

(せめて、椅子があれば……っ)

 少女の身体を支えながら、千晶は部屋を一瞥する。
 だけどほのかなランタンに照らされた室内は、ガランとしている。
 身体を支えられそうなものは、なにもない。
 それでもなんとか少女の身体を支えようとしていると――、

「がっ、がふっ」

 少女の口から大量のヨダレが噴き出してきて、信じられないほど大量のヨダレが飛沫となって溢れ出してくる。

 ビクッ! ビククッ!

 少女の身体が一際大きく痙攣し――、
 それでも支えていると、やがて、動かなくなる。
 暴れ回っていた少女の身体から、信じられないくらいに力が抜けていく。
 ただ時折、思いだしたかのように、

 ピクンッ――、ピクンッ――。

 痙攣するばかりになっていた。

「えっ、うそ……」

 それでも千晶は信じられず、少女の身体を支えようとしている。
 そんな、
 目の前で人が死んでしまうことなんて、あっていいはずがない。
 きっと恵美も同じ気持ちなんだと思う。
 恵美も一緒になって、少女の身体を支えようとしてくれていた。
 だけど――、

 しゅいいいいいいいいいいいい……。

 すぐ耳元――、少女のセーラー服のスカートのなかから、くぐもった水音が聞こえてくると、じんわりと両腕が生温かく濡れる。

「うわわ!?」
「ひっ!?」

 急に漏れ出してきたおしっこに驚いて、恵美と千晶は支えることも忘れて後ずさっていた。

「がふっ!」

 支えを失った少女の首が絞まり、喉が潰れる声が漏れる。
 それでもぶら下がった少女は完全に弛緩していて、

 ゴキンッ!

 頸椎が外れる音が鳴り響くと、少女の首がビニール袋のように伸びていった。

 ピクンッ、ピクンッ。

 かすかに少女身体は痙攣し、それでも完全に弛緩しているのか、

 しゅわわわわわわわわわわわわわわ……。

 スカートのなかから、くぐもった水音が止まらない。
 つるんとした内股を、おしっこが滝のように流れ落ちていき、つま先から雫となって落ちていく。

 もわっ、もわわ……っ。

 アンモニア臭と、靴下から漂ってきている納豆のような発酵臭が漂ってきている。
 それは、夢なんかじゃない。
 現実なのだ。

「ひっ! あっ! あっ! ひぃぃっ!」

 ログハウスに嬉々として乗り込んできたはずの恵美は――、
 尻餅をつき、少女だったもの――死体を見上げ、口をパクパクとさせている。
 恵美のスパッツに包まれている股間からは、

 しゅわわわわわわわわわわわわわ!

 勢いよくおしっこが噴きだしてきていた。
 クロッチとスパッツという三重の布を突き破って、一メートルは飛んでいる。
 どうやら恐怖のあまり、恵美は失禁してしまったらしかった。
 だがそんな恵美を笑う余裕は、千晶にも残されてはいなかった。

「う、うそ……、いや……っ」

 千晶もまた、いまにも腰を抜かして、失禁しそうになっていたのだから。
 それでもなんとか立ち続け、震える膝小僧に鞭打って必死になって我慢していると、

 ぼふっ!

 唐突に鳴り響いたのは、くぐもった爆音。
 それは、吊り上げられて弛緩している少女のスカートのなかから聞こえてきた。

(な、なに!? もうこれ以上はやめて……!)

 千晶は心のなかで泣き叫んでいる。
 だけど現実というのは実に残酷で、

 ブリブリブリッ!
 ビチッ! ビチビチビチビチッ!

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垂れ流されるのはおしっこだけではない。

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