しつけて委員長3
まだおねしょをしてしまう委員長。
シーツには見事なレモン色の染みが。
●3章目 おねしょ!
「昨日は危ないところだったわね……」
二時限目の国語の授業を終えて呟いたのは、真面目な委員長こと円華だった。
昨日の下校中は我慢できずにショーツを穿いたまま尿意を放ってしまったけど、まさかその様子を見られていただなんて。
幸いなことに、わざとおもらしをしたとは思われていないようだし、学園で言いふらそうとしている素振りも見られない。
(だけど、できるだけ早いうちに……今日中にでも念のために口止めしておかないと……)
そんなことを考えながら、円華は教室から廊下に出て、トイレへと急ぐ。
昨日のことを思いだしただけで、自然と尿意がこみ上げてきてしまったのだ。
「ふう……」
トイレの個室のドアを閉め、細いため息をつく。
ショーツを降ろして洋式のトイレに座る。
既にショーツの裏側は、円華の軽失禁によって黄ばんでいた。
それでもここまでくれば、もう安心だ。
「はぁぁ……」
しゅいいいいいい……。
おまたの力をほどいていくと、鋭い音とともにレモネードが弾ける。
ツーンとしたアンモニア臭が、見えない湯気となって立ち昇ってきた。
やがておしっこは勢いを失い、水面へと落ちていき……、
「……って、あれ? なんかおかしい」
しょわわわわわ……。
異変に気がついたのは、どんなに尿意を放っても、おしっこが終わらないからだった。
どんなにおしっこを放っても、止めどなくレモン水が便器に弾けている。
しかも、なぜか分からないけど、おまたが生温かくなってきて、それはお尻の方にまで広がってきて――、
「ま、まさかこの感触は……!!」
ハッとなっておしっこを止めようとしても手遅れだった。
取り返しのつかない温もりに、お尻が包み込まれていて……、
☆
「ハッ!?」
異変を感じた円華が飛び起きると、そこはいつもの自分の部屋のベッドだった。
あまり女子女子した趣味はないので、机やポールハンガーなど、最低限のものがあるだけの質素な部屋。
だけどその部屋は、ツーンとしたアンモニア臭に蒸れ返っていた。
その発生源は――。
「ああ、やっぱり……」
もわ……っ。
鼻を突くのは、ツーンとしたアンモニア臭。
そしてぺったりとお尻に貼り付いてくるショーツの感触。
嘘だと思って、お尻を手で撫で回してみると、ショーツはジットリと濡れていた。
円華は、この年にもなっておねしょをしてしまったのだ。
「ううっ、こんなに漏らしちゃうなんて……」
真っ白なシーツには、円華のおねしょによって巨大な世界地図が作り上げられていた。
いつも愛用しているピンクと白のしましまショーツも、円華のおしっこによってジトジトに濡れている。
洗いざらしたTシャツも、円華のおしっこでレモン色に染まっていた。
「ゆうべはちゃんとおトイレに行ってから寝たのに……」
円華は涙目になりながら、自らの失敗を見つめる。
円華は、たまにやってしまうことがあった。
旅行先や、テストの前とか、緊張しているときにやってしまうらしい。自分の身体のことながら、そのへんはよく分からない。
……わかっていれば、こんな苦労はしないんだろうけど。
「緊張、してたのかしら」
昨日はプールでおしっこしているところをバレそうになったし、それに公園の茂みでおもらししているところを見られてしまった。
だから、無意識のうちに緊張して膀胱が硬くなってしまっていたのだろうか?
色々と分析してみるけど、しかしやらかしてしまったことには変わりはない。
「おしっこシーツ、取り替えておかないと」
シーツを剥がすと洗濯かごに放り込んで、布団は物干し竿に掛けておく。
今日は一日中晴れるそうだから、学校から帰ってきて取り込めば問題ないだろう。
何度もおねしょをしてきた円華の手際は、驚くほどよかった。
「本当は、こんなことに慣れたくないのに……」
呟きながらタンスを開ける。
そこには円華が愛用しているしましまショーツがのり巻きのようにくしゅくしゅに……しかし整然と丸められていた。
その内の一枚を広げると、何度もおもらし遊びやおねしょをしてきたせいか、しっかりと洗濯しているというのに、おまたが当たっているところはかすかに黄ばんでいる。
このショーツには、円華の性癖が染みついているのかも知れなかった。
「やっぱりやめとこ」
しかし円華は広げたショーツを丸めると、タンスの中にしまう。
円華は部屋の隅っこに置いてある大きなピンクのビニル袋を持ち出す。
すでに開いているビニル袋から取り出したのは――、
「今日はおむつ充ておいたほうがいいわよ、ね」
円華は憂鬱げに呟く。
円華が手にしているのは、薄型の紙おむつだった。
ピンクの花柄模様があしらわれていて、円華くらいの年頃の女の子も抵抗なく充てられるようにと、メーカー側の熱意を感じられる逸品だ。
子供のとき一度だけ教室でおもらししてしまったとき、お守り代わりに用意してあるのだ。
おねしょをしてしまった朝や、不安な日はおむつを穿いて登校することにしていた。
ショーツタイプの紙おむつもあるけど、円華は一度に漏らしてしまう量が多いからテープタイプの紙おむつを愛用している。
「お守り代わりなんだから……」
言い訳するように、床の上におむつを広げると、そこにお尻を乗っける。
おむつでおまたを覆い隠すようにして、横からテープで留めれば完成だ。
これでもしもおしっこをしたくなっても、おむつが受け止めてくれることだろう。
「でも今日は止めておいたほうがいいわよ、ね……」
プールでバレそうになったし、公園の茂みでは見られてしまったし。
それなのに今日もわざとおもらしをしているところを見られたら、それこそ言い訳できなくなってしまう。
(それに御影君、口止めしておいたほうがいい、わよね)
おむつを充てたまま、セーラー服を着ている。
短く詰めたスカートだけど、おむつを充てても見えないくらいにはギリギリに調整してあるから大丈夫なはずだ。
「はぁ……。久しぶりのおむつだなぁ……」
憂鬱げなため息をつくと、
ジョッ、
早くも軽失禁してしまう。
そういえばおねしょの処理に夢中で、朝のトイレに行き忘れていた。
念のために、カバンの中に替えのおむつも入れておいたほうがいいだろう……。
この小説は同人誌の『大決壊! しつけて委員長』に収録してある小説です。
フルサイズのイラスト6枚も収録されています。
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