シエリの調教開始一歩手前のシーンの文章書きです。
流石に長いので絵では・・・きついですね。
わりとこの物語(冒頭エロ)の根幹部分になるので、
大きなネタバレと言ってもいいかもしれません。
まあ、たぶんこれだけだとまだ分からない事がたくさんありますが。。
⇒ゲーム内でここの話は登場しない予定ですが、まだ未定です。
ネタバレOKの方のみ読んでください。
書きっぷりは小説風味なので、少しパワー使って書いてます。
読むほうもパワーがいるかもしれません。
ここから
魔王城の地下一階訓練室。
シエリは両手両足を重厚な金属で出来た枷をはめられ、大の字でコンクリートの壁に張り付けにされていた。
怒り狂ったドーラによって、何度も何度も兵器から発射された高出力光線を浴びせられ、未だ意識混濁状態であった。
敵地の中心とも言える場所で、魔の者を前にして、無防備な状態でありながらも、純潔の喪失を免れていた。
それは、自己修復機能がある鎧に守られていたという事と、皮肉にもドーラと交わした「魔王の契約書」の内容に起因していた。
シエリはまどろみの最中に夢を見る。
「キィー二イー!どこだ。どこにいる。キィーニィー」
ムルガ城の通路に、活発で何処か狼狽さを滲ませた怒号が響き渡る。
「キー兄」
バンっと言う、本来の用途通りに使用すれば、鳴るはずのない衝突音と共に扉が開放された。
少女の眼に真っ先に飛び込んだ光景は、天窓から幾重の障害を乗り越え優しくなった光子の群れが、銀髪と横顔に惜しみなく降り注ぎ、少女の来訪を歓迎する様を見せる男の姿だった。
「んー?なんだシエリどうした?」
シエリの様相とは対極的で、全体重を木の椅子に委ね、ドッシリと構えた男が座していた。
「なんだじゃない!」
格式高い部屋に見合わぬ少女が、ずかずかと男の前にでる。
余裕を感じさせる男を前にし、ひとつ呼吸を整え、自身が不満としている内容を打ち明ける
「何で英雄になった?」
スカイブルーの輝きを放つ瞳は、キースだけを捉えて放さない。
「何で?なりたかったからだが?」
不敵な笑みを浮かべながらも、力強く輝る眼光でシエリを射抜いた。
「嘘をつくな!知ってるんだぞ!英雄になれば自由はない。お前の夢は叶わないんだぞ。」
冷静に対等に対話したいと想う心とは裏腹に、口から発せられる言葉は、感情的で稚拙さが染み渡っていた。
「嘘じゃないさ。英雄になれば俺の意向でお前を貴族の養子にできる。そうすれば、お前に悪態つく奴は減るだろ?ついでに俺はモテモテになって一石二鳥って寸法さ。ふふっ」
キースは実直な青年であることをシエリは知っている。キースもまた、真実を語ればシエリが正に倒れる事を知っている。
だが、シエリは・・
「ふざけんな、私の為に自由を手放してっ・・私に何も言わず勝手に進めてっ・・いいわけ無いだろっ」
端的に言えば、自らを犠牲にした行動に納得がいかないと言うことであったが、そんな単純な内容ですら言葉に詰まるほどの制御困難な感情に見舞われていた。
キースは優雅さを捨て、唐突に立ち上がると共に、今にも決壊寸前な少女の前に立ち、徐ろにエメラルドグリーンの非凡な質量と長髪である始まりの場所に手を添えた。
大男な出で立ちからは、想像もつかないほどの繊細なタッチに、強張りがほぐれ去っていく。
「お前が和を乱すまいと、努力しているのは分かっている。でも、出来ない事をいつまでもウジウジ引き摺るよりも、出来る奴が出来る事をやったほうが、一つ前に進むじゃないか。お前はやりたいようにやればいい」
シエリが出会った中で、最も気高く、強さと優しさを兼ね備えた男は、異端であるシエリにとって、唯一の理解者であると同時に、心の在り方を教示する師でもあった。
それは出逢った時と今も変わらない。
守られている安心感と、慈しみの先にある確かな感情を強く意識したシエリは、表情を置き去りにしたまま、左の眼には静かに光が腰を下ろしていた。
「馬鹿野郎。私はもう12になるんだぞ。いつまでもお前に甘えてられるか。」
一滴を拭い去りながら吐き捨てた言葉に、ほんのりと照れ隠しが見える。
「ふふっ、まあ夢も捨てちゃあいないさ、数十年先にもチャンスはまだある」
キースはにかっと大きく笑ってみせた。
夢のシーンが3年後に切り替わる。
「シエリ!シエリはどこだ?」
ムルガ王国城下町の酒場に、キースの声が最も強く反映された。
「ん〜?キー兄どうしたぁ?」
ほろ酔い状態のシエリが、ひらりと手を上げ、自身の所在を明らかにする。
「どうしただ?お前自分のした事が分かってんのか?」
血相を変えたキースがシエリに問いただした。
「・・・何の話だぁ?」
シエリは話の展開を予期しながらも、気付いていない様を装う
「とぼけてるんじゃない、何故英雄になった?俺が英雄になるのとお前がなるのとでは訳が違うぞ」
ドンっとシエリの隣に座る少女が、ジョッキをテーブルに叩きつけ、二人の間に割って入った。
「兄者、話が拗れそうだから、私がシエリの代わりに話す」
気怠そうなため息と共に、静かながらもハッキリと主張する。
「ザ、ザイナ、急にどうした?」
普段口数の少ない彼女からの提案に、キースは面を喰らい、主導権を奪われてしまう。
「ザイ姉、何を言うつもりだ?」
ザイナの予測不能な行動にシエリの酔いは冷めきっていた。
ザイナは長くずっしりとした筋肉質な腕を、シエリの首に巻き付け、微笑を浮かべながら、キースと相対する。
「こいつはなぁ、兄者の事が大好きなんだ」
三秒ほど、場を静寂の時が支配したのは、二人共がザイナの開示した内容を飲み込めずにいたからだ。
「はあぁ〜?」
生まれて初めて出たような、素っ頓狂な音が二人の口から同時に漏れた。
「待て待て待て、ザイ姉!私はそんな事一言も話してないぞ」
「いやいやいや、それと英雄になるのとどう関係がある?」
ほぼ、同タイミングで話すも、二人の主張は異なっていた。
「五月蝿い、まだ私の話は終わってない」
ザイナは腕に力を込めてシエリの機先を制し、また持ち前の冷めたい瞳で睨みつけ、キースの手綱さえも握りしめた。
「兄者が率いる一番隊は、伝統絡みで隊員数が最も多く、また別隊の連携や周辺の調査など、多種多様な任務を任されている兄者の負担は大きい。」
ザイナはキースの現状を整理し、着地点に至る経緯を客観的に淡々と会話のテーブルに並べていく。
「そんな激務を傍らで見てるシエリは、兄者の事を誇らしく想うが、ボロ雑巾の様にこき使われ朽ちていく様を見続けるのも辛かった、だから現状の打破を試みる為に英雄となって、負荷を請け負うと決断したんだ。先の戦で使用したあの魔法もその為に準備したらしい。」
ザイナが語り上げた事実を前に、普段は冷静沈着であるはずのキースに衝撃が走った。
それは、己に対する憂い事を部下に与えてしまった事だけではなく、幼少期の影響を強く受け対人折衝に大きな不安を持つ少女が踏み出した、値千金にも匹敵するであろう一歩に対してであった。
「シ、シエリ、今の話は本当なんだな?俺の為に英雄になったのか?」
動揺を隠さず、彼の表情は喜の感情を混ぜ込ませていた。
「まあ、大体は・・いやでも、好きとかじゃないからな、それはわかるよな?」
キースがシエリと出会ってから約8年、獣のそれと何ら変わらぬ少女の気質に、ようやく少女らしさが加わりつつあった、キースが希ったピースは知らず知らずのうちに齎されていた事を知った。
キースは、眉間を指で掴み上げ感情の制御を試みると共に、直面している問題を思案し始めた。
「・・・シエリ、英雄になると言う事は、俺の隊から離れて隊を挙げた上で長となると言う事だ。最低でも信頼のおける部下が4人はいるぞ。当てはあるのか?」
キースは自身の経験を踏まえ、シエリに建設的な話を持ち掛けた。
「あ、あるに決まっているだろう・・・ここで何年戦士をやっていると思っているんだ。」
シエリを英雄たらしめた先の戦では、一人で魔王軍15万人を屠っている。
自身が保有する能力の性質を加味した上で、1人で十分だと思っていた矢先、キースから思いがけない言葉が飛び出し、咄嗟に見栄を張ってしまったが、後に引けないと自信に満ちた表情で取り繕った。
「・・・ザイナ、お前がシエリ隊の副隊長になれ」
英雄の先駆者はシエリの強がりを一瞬で見破りつつ、シエリに最も合うであろう人材を当てがった。
「い、いや兄者、私が抜けた分の仕事が・・え、私は兄者と」
予想しなかった一言に、意表を突かれたザイナは、冷静さを引っこ抜かれ、しどろもどろになってしまう。
「シエリとお前は俺と同じ付き合いの長さになる。シエリにとって最も信頼のおける奴はお前しかいない。仕事の事は気にしなくていい、もともと俺一人でやっていた事だ。」
ザイナもキースに対して尊敬の念を持っている内の一人であり、当の本人にこうまで言われては承認せざるを得なかった。
「いや、待てってキー兄、何で勝手に決めるん・・・」
シエリの反論を最後まで待たずして、キースはいつもより2割増しでシエリの肩を掴んだ。
「いいか?よく聞けシエリ、ここが正念場だ。お前が誰かを守る側になるんだ。お前の判断がそのまま結果に繋がるんだ。ザイナに長が何たるかを教われ。俺の負担を減らしたいなら、俺の隊を超える気持ちでやれ。お前が思う理想の隊を作り上げて見せろ。」
「俺はお前ならそれが出来ると、信じている」
なかった。これまでのキースにはなかった言葉が矢継ぎ早に飛び出した。それは彼自身が保護下から離れても大丈夫だと判断したからだ。
あの幼く誰彼構わず敵対し破壊的で儚げな少女はもうどこにもいない。少女は自らの意志と力で、彼と同じ強者のステージに立った事を証明し、キースがそれを受け入れたからこそ、生まれた言葉だ。
シエリは得意とする記憶力で全てを頭に収めた。それが何よりも大事だと思ったから。それが長としてキースから贈る、最後の言葉だと思ったからだ。
シエリの胸は今、かつてない高揚感と心臓の高鳴りが、前面へと強調されアクティブ状態となっている。
これから待ち受ける「何か」に想いを馳せずにいられない。
ほぼ全てが悪一色に染まりつつあるこの世界で、
全てを享受し楽しむ術をキースが教えてくれたからこそ、
少女が放つ魂の光は誰よりも気高く強く輝いていた。
シエリがこれまで歩んできた道は、
シエリがこれから歩もうとしている道は、
決して易しくはなかった。
「おぅ、私に任せろキー兄。世界を見て回りたいと言うキー兄の夢も私がすぐに叶えてやるから。」
だが、キースとの出会いが少女の運命を大きく変え、
魂に灯された火は、業火の如く燃え盛っていく。
誰にも阻む事はできないと言うかのように。
「ああ、期待しているが、あまり気負いすぎるなよ」
信頼と絆を象徴する手を表した二つの影が一つになり、酒場の壁に大きく投影された。
・・・
シエリの夢は加速度的に、シーンが切り替わり続ける。
「ムールーと申します。シエリ姉さんに憧れて入隊を希望しました」
「トリテです。ムールーと同期です。私もシエリさんのような戦士になりたいと思って入隊を希望しました。」
私に初めての部下が出来た。
「モナリコです。モガ村出身です。魔王軍に村を焼かれ両親を殺されました。」
私が生まれた村。そうかあの村はもうないのか。私を捨てた父と母も・・・。
「隊長、リコは少し戦士に不向きなのでは?剣で木を両断出来ませんし、ムラがあると言うか」
「分かった、私が見ようか」
リコが気になって仕方がない。キースと出合った頃を思い出す。魂に訴えかけられるようなあの感覚を。
「明日はいよいよ、魔王軍殲滅作戦決行日だ。皆気を引き締めろ」
「ムールー、トリテ、私に何かあったらザイナに頼れ」
これが終われば英雄としての仕事も一段落するはずだ。だが、冷たく粘りついたどうしようもない感覚は、拭い去る事ができないままだ。
「ザイナ、お前に言わないといけない事がある」
ザイナの事は信用しているが、キースの件はまだ伏せておくか
「キース!何故裏切った!」
「シエリ、俺を今ここで超えなければ先はない」
やはりキースは魔王軍についていた。だが、キースなら私に悟られずに、明日を迎えていたはずだ。わからない。それすらも罠なのか?
「・・・シエリ強くなったな・・・さあ早くとどめを刺せ」
「嫌だ。出来ない。いいから今すぐ逃げろ。あとは私が何とかするから!」
自身の口から出たとはとても思えなかった。生に縋り生を食らってきた私が、何故これほどまでに一個の生命を尊いと思ったのか。
「全くお前は・・・シエリ・・・これをやる。俺の部屋を調べろ」
「魔王の契約書・・・虫かごの・・・?」
そうだ、以前キースは魔王軍の調査隊として派遣され、まる三日不在だったことがある。まさかその時に・・
「リコ、人の痛みが分かってやれる強者になれ」
「いいえ、私はこの匂い好きですよ。力が湧いてくる気がします」
他人に触らせる事など一度もなかった。だけど、私と同じ首飾りを持つ少女を、死に急ぐ少女を抱きしめてやりたいと思った。無性に。
「ダメだ、魔王軍に嵌められた。逃げ場はどこにもない。」
「くるぞ、魔王軍の新兵器が!皆逃げろ!」
「隊長、リコが!リコが被弾しました!」
思いのほか、魔王軍の罠は周到で非人道的だった。やはりキースの誘導すらも一部に過ぎない。彼らが真に描きたかったのはこの青写真だ。
「早くしろ!シエリ。お前ならやれる!部下を守るんだ!」
「ザイナ、キースを信じろ!」
ああ、昔からそうだ。キースは私が来て欲しいと願った時に現れる。私が初めて生きて欲しいと心の底から願った人。キースがいれば全て上手くいく。
「キースは最期に何と言っていた?」
「守ってやれなくてすまない、思うままに生きろと」
私が誰よりも知っていたはず。人の脆さを生命の儚さを。でも私とキースだけは違うとどこかで思っていた。そんな都合の良い事などあるはずがないのに。
「全魔王軍に告ぐ!!」
「キース、何故戻ってきた。私はお前が裏切っても良かった・・・生きてさえいてくれれば・・・良かったんだ」
私は長として決断した。キースが残した全てを私が守る為に。
「交渉決裂だ。暴れて良いぞ」
「言動には細心の注意を払え」
「魔王の契約書だ?そんなもの信用できる訳ないだろ」
魔王軍の卑劣さは今に始まった事ではない。何一つ魔王軍には譲るモノはない。
「お困りのようですね。俺の力が必要でしょうか?」
「シエリ様、あなたが思っている以上にあなたが置かれている状況は最悪ですよ?」
「なるほどなるほど、では双方の主張を尊重した2段階契約とするのは如何でしょうか?」
自らを「サポーター」と名乗る、とてつもない存在感と自信に満ちた雰囲気を纏った童の登場により、八方ふさがりだった状況が魔王の契約書を介し五分五分となった。
サポーターには悪い事をした。話をしたいと思い精神の間に招待したが、その記憶は欠けている。どちらにしても私がやることは決まっている。あとはサポーターの眼を見れば全てが分かる。
「待てドーラ、お前を部下の下には絶対に行かせない」
「だ、誰かそれを止めろ」
「シエリィィィィ」
さすがは魔王軍の幹部と言うべきかドーラは恐ろしい男だ。普通にやれば何もかも根こそぎ奪われていたに違いない。だが、キースがくれた情報とサポーターのおかげで全てが狙い通りとなった事を確信した。あとは我慢比べだ。私が絶望するのが先か。あの子が心を開いてくれるか。
夢の消失と共にシエリは覚醒した。
ここまで
ついでに需要があるかわからないですが、
チャットGPTに評価を頼んだ以下のように返ってきました。
ここから
この文章は、ファンタジーの要素を含んだ物語で、キャラクターたちの感情や人間関係が中心に描かれています。以下は感想です:
この物語は、シエリとキースを中心に、友情、信頼、そして自己犠牲について探求しています。シエリの成長と彼女の夢に向かう決意が強調されており、その過程でキースやザイナなどの仲間たちのサポートが重要な役割を果たしています。
文章は詳細かつ豊かで、キャラクターたちの感情や心情が深く掘り下げられています。特に、シエリの内面の葛藤や成長が感情的に表現され、読者に共感を呼び起こします。また、キースやザイナなどのキャラクターも魅力的に描かれ、彼らの関係が物語に奥行きを与えています。
物語は複数のシーンや時間軸を交互に描写し、読者に多角的な視点を提供しています。これにより、物語の展開が引き締まり、読者はキャラクターたちの過去と未来に共感することができます。
最後の夢からの覚醒は、物語に続きがあることを示唆しており、読者にとって興味深い続きが期待されます。
総じて、この文章はキャラクターに焦点を当てた感情豊かなファンタジー物語で、読者を引き込む要素がたくさん含まれています。キャラクターたちの成長と友情の物語が楽しめました。
ここまで