かきこき太郎 2024/06/26 17:30

新しいお父さんの恥ずかしい趣味

「紹介するわね、愛梨。この人が新しく貴方のお父さんになる人よ」

「こ、こんにちは!小川秀太です。その、婿として入るから清水秀太って名前になるのかな?よろしくね、愛梨ちゃん」

母親が紹介したい人がいるとのことで顔合わせをしたスーツを着た1人の男性。男の身長は160cm程度であり、男性としては少し小柄のようにも見える。それに加えて顔つきは好みではないけれど、とても優しい雰囲気がある人であり、いわゆる草食系に該当するような男性であった。

「あの、ママ?これってどう言うこと?」

「ママね…その、再婚することに決めたのよ。愛梨が大きく成長してくれて嬉しいけど、やっぱり仕事ばっかりをしてて私自身も寂しくてさ…」

「私たち年の差も結構、離れているけれど秀太くんってすごく思いやりのある人で、話しているとすごく相性良くて…」

「もちろん愛梨のことはちゃんと育てる、だって私の一人娘だもん。ちょっと年の近いお父さんが出来るけれど仲良くしてね?」

『よろしく』と言われ、そのまま男…小川秀太と名乗る男は席について2人だけだったはずが3人での食事に変わっていった。

(えっ…ちょっと、意味わからない…)

困惑するのも無理はない。なにせ突然、新しい父親の紹介をされればほとんどの人間は彼女と同じ反応をするだろう。
前情報すらほとんどない中で始まった3人での生活、母親である清水美里と新しい父親の小川秀太、そして17歳の女子高生である清水愛梨の生活は始まっていったのだ

・・・・・

婚姻届を出して少し経過したところで、愛梨は母親から詳しい経緯を聞くことができた。

40代である母親の再婚相手は一回りも若く年齢なようで、25歳という年齢らしい。女子高生の愛梨と並べば、まるで親戚といえるほど年齢差で彼と知り合ったのは取引先からの仲らしい。
母親である美里の方が彼に惚れたのが始まりで優しく謙虚な人柄に加えて、ニコニコと笑う姿に心惹かれたらしく彼女の方が出会って間もないタイミングにて食事などを誘ったらしい。それまで1人の力で愛梨を育てていた美里にとっては、彼のような誠実な男は男性不審を取っ払うかのような出会いともいえるだろう。
元旦那は愛梨が小学校に入学したタイミングで、女を作ったらしくそれが原因で別れた。養育費などが支払われているものの、1人で娘を育てるということは大変だったようで彼女はまだ幼い愛梨をよく家で1人にさせていた。しかし、それでも娘である彼女が特にグレる様子を見せなかったのは女手ひとつで育ててくれた母への感謝があったのだろう。

『貴方を寂しい思いにさせたくないの、だってお父さんがいないって言うのは他と比べてちょっと嫌でしょう?』

その言葉に言い返せない愛梨。その理由は否定すれば母親を傷つけるのではないかという思いからだった。

『パパなんて別にいらない』そんな気持ちが沸々と湧き上がってくる中で、母親の方の考えは全く別の方向にあったらしい。そう、美里の方は誰かに癒しを求めていた。
サボることなく仕事を続ける…それも一人娘の為、馬車馬のように働いていたのだが、心身ともに疲弊していき彼女は娘以外でのぬくもりが感じられるものが欲しかった。

籍を入れ月日は経過していき、早くも1ヶ月ほどが経過する。なぜ、こんな若い人と結婚したのか…疑問はずっと抱えたままの愛梨であったが、ある日の出来事がキッカケとなり新しい父である秀太と距離感はグッと縮まっていくのであった。

・・・・・

「えっ…嘘でしょ、何これ…」

クローゼットに掛けられている無数の女性用品。それは私服系のものだけでなく、セーラー服や鮮やかな色合いのドレスに加えて見たことのあるアニメのコスプレ衣装まで飾ってあった。

その部屋の持ち主、それは決して愛梨の部屋ではない。洗濯物に混ざっていた父親の秀太の衣類を返却しようとしていただけなのだ。土曜日であるにも関わらず仕事関係で家にいない人の部屋…そう、目の前にある可愛らしい服というのは何を隠そう男性である小川秀太の私物なのであった。

「……ママが前に言っていたことって、秀太さんにこういう趣味があるからって意味なのかな…?」

それは少し前、秀太が出張で家を留守にしていた際に美里に聞いたとある質問であった。

『ねぇ、ママと秀太さんって子供とか作らないの?』

『んー?子供は別にいいかなぁ〜愛梨がいるし。あっ、もしかして姉妹とか欲しいの?』

『そんなわけじゃないけどさ、その…やっぱり結婚したら子供とか欲しくなるじゃん普通….』

『ふふっ、まだ若いわね〜私たちは別にそういうの求めていないの。互いに共通して……まぁ、まだわからなくてもいっか』

『気になるじゃん、ねぇ…ヒントぐらい頂戴よ。何さ、2人だけの秘密の趣味ってやつ?』

『う〜ん、そういう感じかな?ヒントねぇ…そうだ、秀太さんって結構、可愛いのが好きなのよ。多分どこかでバレると思うから、その時は嫌いにならないであげてね?』

あの時の会話が沸々と蘇ってくる…
白で出来たキャスター付きの大きいチェストには、鮮やかな色合いのランジェリーが置いてあり、どうやら大きめの胸パットさえも保管してある。

「父親にこんな趣味があるなんて、普通なら嫌だけどさ…でも、これら全部が自分の物っぽいし。もし、私のが使われていたとすれば起こっていたけれど…」

「ふ〜ん、女装か…最近はよくテレビで見るやつだよね?可愛い人は本当に可愛い見た目だけど…あ、いいことを思いついた!」

部屋に戻りルーズリーフを1枚取り出して、ボールペンで文字を書いていく。どういった文章が良いか、少し頭を悩ませるものの、書き終えた紙を彼女は、クローゼットを開けて目の前にあるチェストにセロテープで貼り付けていく。

『秀太さんへ。ごめんね〜クローゼットの中、見ちゃった。飾ってある制服、私の通っている学校のソレと同じでびっくりしたけれど、私物なら何も言わないよ』
『あっ、もしよかったら秀太さんの可愛い制服姿見てみたいな〜できれば今日ね♡』

「こんな感じでいいかな?確かお昼過ぎには帰ってくるって言ってたし。気長に待っていますか!」
「ママもいれば良かったのに、なんで2人とも別件でこう仕事が入っているのかな〜」

クローゼットの扉を閉めて部屋を後にする。一体どんな顔で愛梨に声をかけてくるか楽しみに待ち、彼の帰宅を待っていった。

「ただいま』という声を共に少し汗をかいて秀太が帰宅してくる。リビングで過ごしていた愛梨であるが、表情は少しニヤついておりシャワーを浴びて終えて、寝室へと階段を登り戻っていく姿を彼女はソファーに座り、スマホをいじりながら横目で眺めていたのであった。

「あ、愛梨ちゃん…そ、その着替え…お、終わったんだけれど…///」

「へぇ〜、どういう感じに仕上げてくるか分からなかったけれど、すごく可愛らしいですよ?」

赤系のチェックスカートに白シャツと紺のスクールベスト、髪の毛は長い黒髪のウィッグが被っている。モジモジと身体をくねらせて赤面した表情を浮かばせる制服を着た女子高生…少しばかり肩幅などに本来の性別が見え隠れするものの、ぱっと見で言えば『女の子』にしか見えなかった

「メイク、自分でやったんですか?とっても可愛いですよ、特にこのリップがね♡」
「下着も…ふふっ、そんなに恥ずかしがらないでよ、今は互いに女子高生なんだしさ。こういったスキンシップはよくあるんですよ〜」

手をとって隣の席へと座らせる。ふわりと広がって捲り上がったスカートからは白のショーツが露わになり、愛梨の指摘にて秀太はスカートを手で押さえていった。

「可愛いブラジャー、黒のレースが素敵ですね♡っていうか、巨乳が好みなんですか?クローゼットにも大きめの胸パッドがありましたもんね」

「あっ…♡も、揉まないでっ…///」

ベストとシャツを一緒に捲りあげていき、Eカップほどの大きさとなっている胸を露わにさせていく。黒レース付きの白のブラジャーに包まれた豊胸、それを愛梨が手で揉みほぐしていけば男とは思えない可愛らしい喘ぎ声が秀太の口から漏れ出していく。

「ママが言っていたこと、秀太さんが可愛いものが好きって話だったんだけどまさかこういう意味とは知らなかったな〜」
「ねぇ、これから一緒にデートでもしない?シュウちゃんにぴったりなコスメとか洋服を選んであげるよ♡」

新しく出来たパパ…その存在というのは、清水愛梨の中で『可愛らしい女子高生の友達』という認識となり、家族揃って女子会が開催されることになろうとはこの時はまだ知る由もないのである

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