ノヴェール 2024/04/27 15:49

フェティシズムについて_その13(クズ市民)

衆人環視の上位互換?

さて、今回のフェチテーマは前回の「衆人環視」から続く要素もある「クズ市民」です!

衆人環視における不特定多数の一般人は、主に視線役である。
要するに見ているだけの傍観者であり、逆にモブらしくて良いとも言えます。
彼らには名前はおろか、セリフらしいセリフもなく、あっても「おおぉ~~~っ」「キャーーーッ」「おいおい…」「あらまあ…」程度のものである。
しかし、クズ市民は立場は同様でありながら、あからさまに問題となりそうな言動を発し、時には行動に移し、主人公サイドのキャラクターを心身共に抉っていく。
そんなえげつない連中であり、クズ市民によってエロい目にあわされるヒロインたちには興奮を禁じ得ないのです!

クズ市民とは

クズ市民…最近は文字通りw市民権を得つつあるフェチですが、その名前はまだまだマイナーな気がします。
一般創作作品においてはクズモブとも呼ばれ、クズ市民というのは主にR18に用いられる呼び名だそうです。
誰が最初に言い出したのか分かりませんが、クズ国民でもクズ町民でもなく「クズ市民」。
おそらく作中で「市民」でなくても、ユーザー側には「クズ市民」と呼ばれるのでしょうwww

クズ市民はあくまで一般人であり、基本的には善人(主役側の協力者)でも悪人(敵側の協力者)でもない、通常時は単なるモブのはずです。
しかし、何らかの事件やトラブル・計画等に巻き込まれることによって、主人公側に対してマイナス要素となってしまう連中です。しかもそれは、人質にとられるといった受動的なマイナスではなく、やや率先した面が目立つマイナス要因なのです。
こういう「クズ市民」を最も生かしやすいジャンルが、勧善懲悪モノ(もしくはそれに類する作品)でしょう。
一般人を虐げる分かりやすい悪役に対して、一般人を守り悪を打倒しようとするヒーロー。まさに王道です!
いつもは悪から守ってくれるヒーローに感謝し、悪に勝利するヒーローにはやんややんやの喝采を送るモブですが、いざヒーローが敗北寸前に追い詰められたら…どうでしょう!
「なにやってんだよ!本気で戦えよ!お前が負けたら俺たちはどうなるんだ!ちゃんと守ってくれよ!」などと、手のひらを返して罵声に等しい言葉を投げつけたりします。
ヒーローが負けると考えて、今の内に悪に媚びを売っておこうとしたり、裏切り同然の行動に出たりもします。
そこまで極端でなくても、悪に脅される形でヒーローを捕えて差し出したり…と、クズな行動は枚挙に遑がありません(汗

エロにおけるクズ市民

さて、そこまでは一般作品でも見られるクズ市民(いわゆるクズモブ)でも当てはまります。
しかし、真のクズ市民はこんなものではありません。
悪に脅されて、家族を人質にとられて、唆されて…理由は様々あれど、弱ったヒロインに対してリョナ行為に出たり、役得とばかりに裸に剥いたり、ヒロインの痴態を撮影・拡散し、時には自ら陵○します。
その姿は、悪以上に嫌悪感を抱かせるクズっぷりです!
悪の度合いに差はあれど、クズ市民にカテゴライズされる連中は、罪悪感が非常に薄いです。
何故ならば、「自分たちは脅されたから」「断ったら殺されるから」「人質の命には代えられないから」「無力な一般人が逆らえないのは仕方ない」「周りの連中がやってるから、抵抗できず流されました」「当時の状況を鑑みれば、むしろ正義としての行動でした」「操られたんです。自分の意思ではありません!」等々…ま~~、言い訳が出てくる出てくる。
こういう連中は、自分に言い訳してなんだかんだと理由をつけて、「自分は悪くない。悪いのはあいつらだから」と言い聞かせることで、その場その場の状況を楽しんでいるのです。
同じ行動をとったとしても、罪悪感が強く涙ながらに裏切るようなキャラは、クズ市民とは呼びにくいです。
クズ市民の特徴としては、口では「不本意」と言いながら、嬉々として行動していることでしょう。

余談

ここで余談を。
一応一般作品ながら、私にクズ市民的な連中を強く印象付けた作品を挙げておきます。
それは敬愛する永井豪先生が描いた「バイオレンスジャック」における「関東地獄街編」です。
漫画版とはやや変化させつつもOVA化(R18)までした物語なので、御存知の方もおられるとは思いますが、ざっくりと説明します。

大地震が起こり孤立・壊滅した関東地方。
そのせいで八重洲地下街に閉じ込められた人々は、地上への出口を探しながらも半ば諦めて地下社会を形成していた。
そこはA・B・Cの地区に分けられており、一般男性を中心としたA地区、ならず者たちの集団B地区、女性のみで構成されるC地区である。
以前はA・C地区の男女は協力して暮らしていた。だがある時、地下に残された食料が少ないという情報が流れ、男性陣は「もうすぐ死ぬなら、好きなことをやって死んでやる!」と、女性陣に一服盛ったりして陵○しまくります。
正義の象徴ともいえた警察官すら「警察だって男さ」とヒロインを犯します(OVAのみ)。
しかし、十分な食料が発見されたことで生き延びる希望を見つけた男性陣は、平気な顔をして再び一般人の皮を被ります。(これがもとで女性陣は離反)

その真実が主人公に知らされた時の、B地区のならず者たちのセリフが印象的。
「私達みたいに最初から悪党として壊れてりゃいいのにさ。なまじ一般人のふりしてるから、タガが外れた時に加減を知らないのよ。」と呆れます。
悪を肯定は出来ませんが、この時ばかりはならず者たちの言っていることに理があると、目から鱗でしたわ。
最初から堂々と悪党を名乗り暴れ回っている連中よりも、善良なふりをしている一般人の方が質が悪いという現実。
恐ろしいです…

人間の業

閑話休題。
一連の出来事が終了すると、多数のクズ市民は制裁を受けず(酷い時は謝りもせず)、平気な顔をして日常に戻ったりします。
勧善懲悪モノにおいては、ヒーローが闇堕ちしたりしなければ、クズ市民を責めることはありません。
だって、彼らは守るべき一般市民だから…
そんなことが許されるのでしょうか!?……許されちゃうんですよね~…

結局のところ。よほど一線を超えない限り、クズ市民はただの人間です。
悪の組織でもなければ犯罪者でもありません。
ユーザー側から見ればムカつく悪党に見えても、自分たちがそうならないと言い切れるでしょうか?
家族が人質にとられて、皆からちやほやされている美少女ヒーローを公認で陵○できるチャンスがやってくる…そんな時、あなたは家族や自分の命を捨てて正義を貫けるでしょうか?

人間は善と悪を内包した生き物です。
むしろ完全な善人・100%悪人などがいたら、多分そいつは人間として壊れています。

だからこそ、せめて前述のように罪悪感だけは失わないでおきましょう。
もし過ちを犯してしまった場合は、心から謝罪する人間性は持っておきたいものです。
そうすれば、少なくとも「クズ市民」レベルには堕ちないですむはずです。

最後に

…とまあ、なんだか少し真面目な話をしてしまいましたが、エロにおいてクズ市民は素晴らしい存在です!
ヒロインを可哀想な目に合わせるなら、かなり有効な存在でしょう。
可哀想なのはヌケルと、こちらのサークル様も仰っているじゃないですか^^
…まあ、時には可哀想すぎてヌケないこともありますが…

このあたりは、キャラと描写の匙加減であり、クリエイターとしての実力が試される部分かもしれませんね。

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