Wedge White 2022/08/13 23:28

ゲシュタルト崩壊がタルトに見える程度のゲシュタルト崩壊

 割りとお久しぶりな、ただの日記的な投稿です。TDN

 今月から本格的に有料会員向けの記事の公開なんかも始めましたが、今回は全体に向けて、私、千代田マサキのちょっと個人的なお話など

 私は現在、専業作家という身分にあります。こう言うと、すごくなんか「ぽい」……!
 「正しい」表現を使うならば、企業からもお仕事を受ける「プロ」。そう

インボイス制度で死ぬタイプの人類です

 うわぁっ
 ただ、実情としましては、企業案件はそこまで、です
 今まで何度かソシャゲのシナリオや、すごく身近なところだと、DLsiteさんの公式音声作品のシナリオを書いたりしてきましたが、そういうお仕事は残念ながら、そうコンスタントにある訳ではありません。悲しいなぁ
 ただ、じゃあ何をしているのかと言えば、非常にありがたいことに、同人サークルさんにシナリオを依頼していただいたり、声優さん個人から依頼をいただいたり、Vtuberさんに依頼をいただけることも、結構あります
 Vtuber時代というものは、中々どうしてシナリオ書きにとっても優しい時代だったりする訳です。Vtuberの運営会社さんから、直接依頼をもらうこともありますし

ぜひ、えにからさん、私にボイスシナリオを書かせてください

 失礼。願望が溢れ出してしまいました

 そんな実情の話はそれなりで、たった今まで、私はシナリオを書いておりました
 ただ、他の作家さんがどうやってるかはわかりませんが、少なくとも私の場合、シナリオというものは2段階にわけて書きます
 まずは、セリフだけ。例を出してみるならば

ねぇ、私のこと、好き?
ありがとう……私も大好きだよ

 みたいな感じです。謎のシナリオを今、ノリと勢いだけで書きました
 すっごい短文ですが、声優さんがサンプルボイスなどに使われる場合は無許可でなんかどうぞ
 とにかく、このステップ1は、セリフだけを何も指示などは書かずに書く
 なぜかといえば、これもまた他の作家さんはどうか知りませんが、シナリオの報酬というものは、指示を抜いたセリフ部分だけの字数で計算し、決定しているためです
 そのため、最初から指示も書いてしまうと、後からセリフを抜き出さねばならず、とってもめんどくさい
 なので、そのためだけにステップ1はセリフだけを書きます
 さて、ではステップ2。これに指示を加えます
 「ト書き」なんて言葉も使われますね。私は戯曲方面に明るくなく、ぶっちゃけあまり興味もないので、その言い方はしませんが

シェイクスピアとか何冊か読んだけど、戯曲読むの苦手なんですよ

 お話としては、好きなんですけどねぇ……
 ギリシア悲劇とかも好きなんです。オイディプス王とか
 でも、どうにも戯曲には馴染めない……


●不安げに
 ねぇ、私のこと、好き?

◆少しの間(主人公が返事をします)

●少し照れて
 ありがとう……私も大好きだよ


 とまあ、私流に指示を加えると、こういう感じに
 ただのセリフだったところに、演技指示や、間の指示
 今回はありませんでしたが、SE指示や、バイノーラル録音であれば、場所の指示なども入ります
 耳舐め作品なら「耳舐め5秒」など、アドリブ指示が入ることもありますし、ちゅぱ音を「るちゅううっ……!ずるるっ、れろちゅうっ、ちゅぱっ、ちゅうっ、ちゅぷちゅうっ……!ぷぁぁっ……好きっ……」と文字にして書く場合もあります
 私の場合、ちゅぱ音や喘ぎ声を書く場合は、セリフと混ぜ合わせて書く場合ですね。完全にSE的にちゅぱ音や喘ぎ声だけを流す場合、文字にはせずアドリブにして、声優さんのパッションにお任せします

 この、2ステップで台本を書くという行程、当然ながらメリットとデメリットが存在します
 最初にデメリット。本文と指示を分けて、別日に書くことが多くなるので、自分自身がセリフだけを読んで、そこの演技を読み取る、ということが必用になります
 正直、自分の文章といえど、1日経てば書いていた時の気持ちなんかも忘れます
 なので、自分自身の文章を読み解く作業が必要で、まさに「パッション」という面では、少し冷めた形で指示を書き加えていくことになります
 ただし、これが次のメリットにもつながります

 メリットは、推敲にもつながるということ
 一度書いた文章を、もう一度読み返して指示を加える過程で、必然的に文章を読み直すことで、展開のチェックや、誤字脱字のチェックにもなります
 実際、この行程の時に展開をいじったことは何度もありますし、誤字も無限に見つかっています
 セルフWチェックみたいな形になるので、割りと冷静に読み返せて、これがプラスに働くことは結構あります

 さて、という訳で私はたった今まで、このステップ2を実行しておりました
 自身の文章を見つめ直し、指示を加え、バイノーラルだったので、場所指示も書きまくりました
 ただ、かなりささやき重視というか、耳元で話すことの多い作品だったので、あまりダイナミックな場所移動はありませんでしたが
 とはいえ、耳舐めなんかだと、自分で左右のバランスなんかを考えたりする訳で、結構、です
 セリフに「次は反対ね」とかあると、わかりやすくていいんですが、大体はそんな説明的なセリフはないので、たぶん、セリフだけを書いた段階での想定とは、左右の指示が変わったりしていることも多いことでしょう
 でもまあ、決して悪いことではないのだと思います
 セルフで冷静な視点を得られているのですから

 という訳で、さっきまでずっと「耳舐め」という言葉と向き合っていた節があるので、目も頭もちょっとおかしいです。耳舐めという言葉がゲシュタルト崩壊を起こしています
 ああ、タルトは美味しそう。タルトタタン

 あっ、別に何か面白い話があったりする訳ではないのですが、そんな私の日常を書き綴ってみただけになります
 シナリオライターって、こういうことしてるんだー、という新たな知見となれば幸いです

 何度か、講座っぽいものも書こうとかしたりしたんですが、そういうの書いたら作家として終わりとか言いますし、何よりもあんまり書いてても楽しくないので、こういう日記ぐらいがちょうどいいですよね

 それでは、最後までご覧いただきありがとうございました
 可能ならば、明日も更新はしたいです

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