思叫堂~ロア~ 2018/08/02 14:29

次回作:新体操少女、台本その1

前回は、次回作のプロットのご意見有難う御座いました!

意見を色々お伺いした結果、今回は新体操少女で作っていきます!
大体はプロットの流れですが、ちょこちょこ分かり易く文章などは弄っていきますねー!

現状は、こんな感じで進めていますよ……!


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《きーんこーんかーんこーん……ざわざわざわ》

友人1
「うーし終わった、とっとと帰ろうぜー?」


友人2
「腹減ったぁ……なー、今日ちょっと飯寄ってかねぇ?
あっ、お前もどうよ? 最近ほれ、なんか……忙しそうじゃん?
気晴らしにさぁ、付き合えよ! ……な?」

 ホームルームの終わった教室。
放課後をどう過ごすかとざわめきが広がる教室に、生徒達の賑わいが広がる。
貴方に声を掛けて来たのは、普段よくつるんでいる友人達だ。
ここ最近、貴方の自分の時間を作れていない様子を心配したのか、気遣うように声を掛けて来てくれたのだ。

――ありがとう、気持ちは嬉しいけど……でも。

《ガラガラ……》

《ざわ……ぴたっ》

早瀬
「あぁ、見つけた」

 貴方が感謝の言葉を返そうとした時、一人の少女が教室の扉を開けて入ってきた。
その瞬間、賑わっていた部屋中がしんと静まり返る。
少女……長い髪を首の後ろでゆるく結んで整えたシュっと引き締まったポニーテールの、意思の強さを表すようにキリリと冷ややかとすら思える程鋭く細められた瞳の、彼女。
周りの反応になど気にしないとばかりに、遠慮する様子もなく教室に足を踏み入れ、そのまま貴方の前にやってきて言葉を紡ぐ。

早瀬
「悪いけど、もうすぐ大会でやっぱり今日も練習に時間掛かりそうなの。
時間掛かっちゃうと思うけど……どうせ、貴方は今日も待つ気でしょう?
それなら帰りは荷物持ちをお願いしたいから……お願いね?」

《ガラガラ……ざわ……ざわざわ》

 言いたい事だけ言い終わると貴方の返事を待つ事もなく、それで用事は終わったとばかりに少女は踵を返し教室を出て行ってしまう。
彼女が外に出ると、ほっと安心でもしたかのように教室に何処か遠慮がちなざわめきが戻ってくる。
……まるで、彼女がいる事が望ましくないとでも言うかのように。

友人1
「……あっちゃ、今日もお前をご指名か。
ぁー……彼女も大変だけど、お前も災難だよなぁ」

友人2
「あれから毎日だろ……?
……はー、幾ら家が隣つったって全然お前と絡んでる所見たことねぇのに。
事情が事情だし、しゃーないけど……。性格もキツそうだし、シンドかったら断ってもいいと思うぜ?」


 彼女に言い付けられた貴方を気の毒そうにしながら、友人達が慰めの言葉を掛けてくれる。
貴方はそれに、取り繕うように曖昧な笑みを浮かべて返事をし……そして席を立った。

《がたり……》

 彼女を腫れ物のように扱うクラスメート達の同情の視線を感じながら、それでも彼女を追いかけるために。
何故なら……貴方だけは知っているのだから。
あの冷ややかな瞳の少女が……何にも傷付かないという顔のまま、今必死に足掻いている事を。

彼女は……早瀬沙穂(ハヤセサホ)は、貴方の同級生である学園の2年生の生徒。
新体操部に所属し期待のエースと言われ、厳しい練習の真っ最中の……つい先日悲しい不幸を経験する事になった、少女。
子供の頃には家が隣だと遊んでいた事もあり、ここ数年は疎遠となっていた、無愛想で……同性からすら可愛げのないと囁かれる、貴方の……幼馴染だ。

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