スタジオセピア 2021/12/07 21:03

雑談 SC8850というMIDI音源の名機

作曲の日々を過ごしていますが、ここで心強い音源SC-8850について紹介しちゃいましょう。
せっかくなのでDTMの歴史とか語りつつ、音源の実演も。

MIDI音源のおはなし


これがSC8850というMIDI外部音源になります。
私はこの機材で音楽を鳴らしてそれをライン入力で録音しているのです。
20年前に買ったモノでして、当時の時価で8万円ちょいもする音源機材なので音はかなり本物っぽいのですよ。
実際にプロユースでテレビCMなどにも使われていた音源なのです。
USBなどで接続して音のリアルな演奏は外部音源が全部やってくれるのでパソコンが非力でもリアルなサウンドを追求できたのですね。
私はSC-8850のフルート2の音色がリアルなので大好きなのですよ。

ちなみに私のDTM事情は20年前からなんら変わっていないのでこの方法で今も作曲してる人のが少ないんじゃないかなあと思います。
音源壊れたらマジで詰むwwwwww(´-ω-`;)ゞ

音楽制作の現場の事情

昔と今ではDTM(音楽の作曲と編集)は事情が変わってきました。
今はソフトウェア音源といってパソコンの性能が上がっているのでリアルな音をパソコン本体の演算処理で鳴らすことが当たり前になっています。
私みたいに上の写真のような機械で音を鳴らす人は絶滅危惧種というか、少数派かと。

ちゃんとしたソフトウェア音源はいっぱしのお値段しますが、すごくいい音がします。
皆さんにイメージしやすい例だと「初音ミク」などのボーカロイドですね。あれはれっきとしたソフトウェア音源なのです。

でも20年前はPentium100MHzとかのパソコンでしたのでmp3を鳴らすことすらも負荷がすごくて性能面で無理でした。
それをリアルな音を鳴らせるようにしてくれたのがGS形式に代表されるSC88proやSC8850などローランドが出した外部音源です。ライバルとしてヤマハもMU90などのXG形式の音楽規格を出しています。


日曜音楽家の台頭とネット黎明期の悲劇

世界標準で一般的なのはGM形式という規格で128までの数字で音楽を再現できる世界共通の音楽規格なのです。なにげにすごい画期的なシステムで、その当時はDTMがすごく流行してました。Windows95の普及でパソコンを手に入れてテレホーダイなどでネットも手軽にできる時代になると、みんなこぞって日曜作曲家をしてホームページを作って自作のMIDIを発表していたのですー。私もケダチクというハンドルネームで耳コピしたり作曲してホームページで発表してた一人でした。
ですが悪名高いJASRACがそうした日曜音楽家に耳コピの音楽の配信などする場合は著作権料を払えとかなり高額の金銭を要求する旨を打ち出しDTMは一気に廃れました。
音楽教室からもお金をふんだくろうとしたり悪名高いカスラックですがこの頃からひどかったのです。
DTMの凋落はひどい有様でたとえばヨドバシカメラには1フロアDTMのコーナーがあったのですがその区画が丸々無くなるほどDTMの文化は廃れてしまいました。知り合いのMIDI作家のサイトも軒並み潰れました。残ったのはクラシックの耳コピしてる人とオリジナルで勝負してる人ぐらいでした。
みんなお金を払ってまで耳コピで音楽を発表する気にならなかったのですね。
DTMの文化が復調したのは初音ミクの登場でした。あとJASRACも折れてニコ動などでの音楽の配信は認めるようになったのも大きいですね。

昔の音源はしょぼかった

昔のパソコン版のRPGツクールなどはBGMはぜんぶMIDIで鳴らしていたはずです。
前述したようにmp3形式というのを鳴らすだけのパワーすらも20年前の当時のパソコンにはなかったのですよね。ぎりぎり鳴らせる程度だったと記憶してます。
MIDI形式は軽いので非力でもばっちり鳴らせます。イメージとして昔の携帯の着メロなんかを思い浮かべてもいいかもですね。あれはモロにMIDI形式なんです。

その体験からMIDI形式の音って聞くと、だいたいの人はしょぼい音って想像すると思います。
実際のところパソコンに内蔵されている初期のMIDI音源というのはすごく音がしょぼいです。スーファミとかの内臓音源よりしょぼいかも。
ただMIDIの強みはGM規格など統一された基準で音符情報とか音の強弱、左右どちらから音を出すか、リバーブはどのぐらいかけるかなどが記されたファイルなので音のファイルというより楽譜のファイルというニュアンスです。
だから容量もすごく小さく内臓音源で気楽に鳴らせる利点があるし、しょぼい音源というのはそれはそれでレトロな音が楽しめて好きだったりします。

聴き比べしてみようず

FF8 Rivals

・Windows10の初期音源バージョン(デフォルト)

・MidRadio Playerのバージョン(ヤマハの無償配布のちょっといい音源)

・SC-8850バージョン(8万円の外付け音源)



シャイニング&ザ・ダークネスのダンジョン曲
・MidRadio Playerのバージョン

・SC-8850バージョン



臭作より高部絵里のテーマ(いい雰囲気のときの曲)
・MidRadio Playerのバージョン

・SC-8850バージョン

絵里のテーマは音源の差、かなり違いが伝わるかと思います。


これは昔私が耳コピした曲なのですが、せっかくなのでひと手間でMIDIがいい音になるMidRadio Playerというヤマハが無料提供してる音源の音と8万円の外部音源SC8850も録音してみました。
違いは鳴らしてみるとこんな感じ。
私の耳コピに選んでいる曲の題材、チョイスも独特ですよね。当時、他のMIDIやってる友達は有名な曲ばかりだったのでかぶらないように誰も選ばなそうな曲を進んでチョイスして耳コピしてた名残です。
まさかの臭作とかいかにも私らしいチョイスですよねw

ちなみにMidRadio Playerはヤマハが好意で無償提供してるソフトウェア音源なのでそっちでも音はかなりいいんです。
SC-8850と大差ないいい音してるんですよ。なにしろ元々はヤマハが誇る「S-YXG50」という有償のソフトウェア音源だったものが無償配布になったというシロモノなので。

どうですか? 聴き比べしてみると面白いものでしょう?

ということでマニアックなMIDI音源のおはなしでした。

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昔のオリジナル曲をこっそり公開ヾ(`・ω・´)b

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