パータ 2020/05/10 19:06

キーワード分析:欲望と願望

この記事は「人気キーワード」の続きです。


マトリクス図作成

前回の記事でDLsiteの検索に使われるキーワードを、背徳と非現実に分類できるのでは…という発想で分析を試みました。

しかし分析を進めるうちに、背徳と非現実で分類するのは妥当ではないと感じてきました…。

どうやって分類するのが良いか考えた結果、「欲望」と「願望」で分けることにしました。この2つは同じ意味に感じますが微妙に異なります。

欲望
不足を感じて満たそうと強く望むこと。自ら欲するイメージ。
願望
願ってその実現を望むこと。他者から与えられるイメージ。

説明が難しいのですが、感覚としては「実った果実を木によじ登って取りに行くのが欲望、木の下で落ちるのを待つのが願望」です。

さらにキーワードの意味が男性目線で女性主体か男性主体かでも分類し、マトリクス図を作成してみました。



ジャンル全体から

DLsiteの詳細検索ジャンル「プレイ/えっち傾向」にあるキーワードを私の判断で分類してみました。


大きく4つに分類され、【凌○的思考】【奉仕的思考】【S男的行動】【M男的行動】と仮に名付けました。
中央にあるのは、主体が男女のどちらにも当てはまるキーワードなので、選択することで4つの分類のどれかになります。

この4つを比較しながら解説していきます。


女性主体:凌○的思考と奉仕的思考
女性主体のキーワードですが、これは男性目線の考えなので「思考」となっています。
男性が女性に望む状況や行為に該当するキーワードがここに分類されています。


男性主体:S男的行動とM男的行動
男性主体のキーワードです。
欲に対して自ら行動するS男的行動に対して、願うだけ・待ち望むだけで行動を起こさないのがM男的行動です。
女性に対面したときの男性の行動に該当するキーワードがここに分類されています。


欲望:凌○的思考とS男的行動
男性の欲望に関連するキーワードです。
S男的行動にはどんな行為がしたいか、凌○的思考には女性にどんな状況や関係にあって欲しいかというキーワードが分類されており、全体的に「辱める」「○す」といった背徳的な内容が目立ちます。


願望:奉仕的思考とM男的行動
男性の願望に関連するキーワードです。
願望とは願うだけで行動を起こさないという意味合いもあるので、M男的行動に当てはまるキーワードがほとんどありません。
対してどんな行為を与えられたいかという欲求だけは明確になっているため奉仕的思考に当てはまるキーワードはそれなりに存在します。


主体不明
主体を男性にするか女性にするかで、意味合いが異なるキーワードです。状況の説明不足とも言えます。
他のキーワードと組み合わせることによって具体性が増します。


感想

この図の見て、欲望に関連するキーワードのほうが多いことが分かりますね。
【凌○的思考】には「〇〇姦」というキーワードが多く存在します。「女」を3つ書いて「かしましい」と読むそうですが、「女性を○す」という意味合いがあります。
古来より男性が女性を○すことのほうが主流であることを物語っているように思えます…。

願望に関連するキーワードは非常に少ないです。特にM男的行動に分類されたのは「男性受け」のみで、これすらももはや「行動」ではありません(笑)


願望に関連したキーワードを増やしたい

私が作る創作では「願望」に分類されたキーワードを多く表現したいです。
しかしこんなにも少ないとは思いませんでした。驚きです。

「願望」要素のジャンルが少ない理由として、
・ 受け身な姿勢は動きが少ないので単語が生成されにくい。
・ 男性側の状況・行為を具体的に示す必要がない。
・ 女性が男性の願望を叶える・与える行動原理がない。

この3つが思いつきます。

【欲望】の分類を見ると、男性側の「〇〇したい」という欲望と、女性側の「〇〇されたい」という意思が一致していないことが多いです。そこに生じる背徳感や男性側の一方的な欲求が押し付けられている印象です。
女性の意思が考慮されていません。

【願望】の分類には女性側が男性に対して「与える」という行動・行為が多いです。女性自身のあらゆる魅力を享受しています。
欲望とは対極に女性が意思が大きく関わってきます。

なのでこのジャンルのキーワードを増やすには、女性側に意思を持って男性の願望を叶える・与えるための行動原理が必要です。
しかし女性が男性に快感を与えることには女性にとって全く有益性やメリットがありません。まさに女神でもない限り、この思考は非常に男性にとって都合の良い考え方です。


メリットを作る

現実では女性から与えられる快感の対価として、金銭や物品の交換があります。お互いを同時に満たせない場合、このような取引を行います。

つまり、
〈男性の快感〉=〈金銭・物品〉
〈金銭・物品〉=〈女性の有益性・メリット〉
ではあるものの、
〈男性の快感〉≠〈女性の有益性・メリット〉
とは言えません。

しかし創作では、そういった現実感に縛られることはないのです。
〈男性の快感〉=〈女性の有益性・メリット〉
が成立する世界観を作り上げれば、自ずと男性の【願望】寄りのキーワードが生まれるのではないでしょうか?

おそらくその世界観では、【凌○的行動】を行う女性たちが多く存在する世界になると思います。
貞操観念逆転に近い思想かもしれません。




次回、この貞操観念が逆転した世界観を考えてみたいと思います。

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