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おかず味噌 2020/11/06 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十八話「私の視点 ~因果と応報~(7)」

(第二十七話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/382971


彼は「入口」に肩をもたれながらこちらを――、「お漏らし」した私を――見ていた。そこが「女子トイレ」であるにも関わらず。
 彼の「顔」には――、どのような「表情」も浮かんではいなかった。だからそこから「感情」を読み取ることは難しかった。
 それでも――。私は「震えて」いた。「ローター」のせいでも、体が「冷えた」せいでもない。もっと「奥底」から沸き上がるそれは――、「恐怖」だった。

「ごめんなさい、私やっぱり…」

 何かを問われる前に、まず「言い訳」をする。言いながら――、私の「下半身」からはまだ「おしっこ」が「ポタポタ」と滴っていた。
 それから「数秒」の――私にとってはもの凄く「永く」感じられた――「沈黙」の後、彼はようやく「声」を発した。

「また、『お漏らし』しちゃったんだね?」

「呆れた」ように、私に問う。

「はい…。また『我慢』出来ませんでした…」

 もはや「定番」となった「やり取り」を交わす。すっかり「慣れた」はずの「会話」も、けれどやはり改めて口に出されると――、何度だって「羞恥」はこみ上げてきた。
 すると突然、彼は私に「近づいて」きた。「大股」で私の元へと歩み寄り、そのまま私を「個室」へと追いやり、それから手早く「カギ」を掛けた。

 果たして彼が「怒って」いるのか、あるいは「興奮」しているのか、私には判らなかった。いや、これは恐らく――。

――ドン!!

 と、彼は私のすぐ横の「壁」に手を突いた。初めてされた、これがいわゆる「壁ドン」というやつだろうか。と、「呑気」なことを私は思った。

「結衣、言わなかったっけ?」

「低い声」で彼に「問い詰め」られる。私はそれに「答える」ことが出来なかった。

「今日は『外でお漏らし』するって、言ったよね?」

 そうだ、そもそも「私から」言い出したことなのだ。それなのに――。

「言いました。でも、やっぱり『恥ずかしくて』…。それに――」

「他の人に『迷惑』掛かるから…」と、消え入りそうな声で私は呟いた。
 私の「真面目さ」は最後の最期になって「私自身」を――、私の「素行不良」を――、決して「赦して」はくれなかったのだ。

「そう思うなら、ちゃんと『我慢』すれば良かったじゃん!」

 彼は私に「無理難題」を押し付ける。

「だって…」

 私だって、ここまで「精一杯」、もはや「限界」まで「我慢」したのだ。だけど――。

「あんなに床『びしょびしょ』にして――」

――「清掃」の人の「迷惑」までは考えなかったの?
 言われてみれば確かに――、そこまでは頭が回らなかった。そこは「トイレ」であり、すぐ目の前に「便器」があるにも関わらず。それなのに私は「間に合わなかった」のだ。いや、あるいは仮に「間に合っていた」としても、果たして私はきちんと「便器」でそれをしただろうか。

「自分でスカート捲って、見せてごらん!」

 彼に言われた通り、私はロングスカートを「たくし上げ」――、「お漏らしショーツ」を見せつける。「ぴったり」と「お尻」に「股間」に「貼り付いた」ままのショーツ。「生温かさ」も徐々に「冷やされ」、何だかとても気持ちの悪い「感触」――。

 すると彼はおもむろに、私の「ショーツ尻」を撫で回し始めた――。

「こんなに『濡らし』ちゃって…。そんなに『我慢』してたの?」

 彼は私の「お漏らし度合」を観察する。しっかりと触って、「濡れ具合」を確認する。彼の手が「触れる」度に、ショーツが「くっついたり」「剥がれたり」を繰り返す――。

「はい…」

 彼は私の「お尻」を「愛撫」する。「ゆっくり」と、それからやがて「陰部」へと向かう――。

「『汚い』ですよ…?」

 彼は答えない。あくまで「無言」のまま、もはや「おしっこ」で濡れることも厭わず、やがて「ショーツの中」へと「指」を滑り込ませる――。
 彼の指が「固いもの」に触れ、それを取り出す。私の「中」に秘められた「ローター」だった。

――ヌポンッ…。

 微かな音を立てて、「役目」を終えたそれが引き抜かれる。すっかり私の「体温」に馴染んだそれを、彼は指で摘まんで私の「眼前」に持ってくる。

「見てごらん!」

「物体」の「表面」が何やら「光って」いる。「濡れている」せいだろう。何しろそれは「発射口」付近にあったものなのだ。だから当然のことだった。だが――。
 彼の「指」は「ローター」から「何か」を「採取」する。「親指」と「人差指」を一度くっつけて、それから離す。

――ヌチャ…。

「粘着質」な音。彼の指は「糸」を引いていた。「ヌラヌラ」と光るそれは「おしっこ」じゃない。その「液体」は紛れもなく――、私の「発情」の「証」だった。

「これは何?」

 意地悪く、彼は問う。分かっている癖に、あくまで彼は私の口からそれを言わせたいらしい――。

「『本気汁』です…」

 どこでそんな「言葉」を覚えたのだろう。自分でも分からなかった。言ったそばから、思わず「赤面」してしまう。

「そっか、結衣は『お漏らし』で『興奮』しちゃったんだね」

 彼に「知られて」しまう。「粗相」による「欲情」を悟られてしまう。

「俺も――」

――「興奮」してきちゃった…。
 少し「ツラそう」に、彼もまた「自白」する。見ると、「ズボン越し」でもはっきりと分かるくらい「隆起」していた。彼の「そこ」もまた「ツラそう」だった。
 彼に「請われる」前に、自らの「意思」で私は動く――。果たしてそれは「慈愛」から来るものなのだろうか、あるいは「母性」にも似た感情なのだろうか、あるいは私自身の単なる「興味」によるものなのか――。
 私は彼の方を向き直して、彼の前でしゃがみ込む。「ベルト」に手を伸ばしてそれを緩めて、次に「ファスナー」を下ろす。さらに「はっきり」と「下着越し」に彼の「モノ」が「顔」を出す。私は下着すらもずり下げた――。

 わずかな「抵抗」を感じつつも、ついに彼の「イチモツ」が姿を現す。「飛び出した」ことで、それは「上下」に揺さぶられた。
 こうして「まじまじ」と見てみると、やっぱり彼のは「大きかった」。「どっしり」とした「重さ」のような――、「くっきり」とした「陰影」のようなものが浮かび上がっている。「ペニス」について、最後に見た「記憶」を呼び覚ます。それは「弟」の「モノ」だった――。

 純君の「可愛らしい」それとは大きく異なっている。まず「サイズ感」が違う。そして「形状」さえも。こんなことを言うのは純君に申し訳ないが――、彼のように「皮被り」ではなく、それは「ズル剥け」の「おちんちん」だった。
 一見して「醜悪」なその「塊」は、けれど私に「本能的」な「欲求」を呼び起こさせる。それが私の「そこ」に「差し込まれる」のことを――、はっきりと「予感」させる。

 だがその前に。まずは口での「愛撫」を試みる。しっかりと口を開いて――、口の中に彼の「ペニス」を誘う。「口内」が彼の「モノ」で満たされる。
 相変わらず「ヘンな味」だった。だけどそれはほとんど「無味無臭」だった。ここでも「純君」を引き合いに出してしまうけれど。「純君の」には「包茎」ゆえの「恥垢」が付いていたのに対して、「彼の」にはそうした「汚れ」のようなものはなかった。
「不快さ」は全くなく、ただ「先っちょ」から「溢れ出す」ものを「すする」と、微かな「苦み」を感じるのみだった。

――じゅるる、じゅぼぼぼ、ぶちゅるんっぱ!!

 盛大に「音」を立てながら――、「愛しさ」さえも感じつつ――、彼の「おちんちん」を「しゃぶる」。「三回目」の「フェラチオ」。少しは「巧く」なっただろうか――。
「裏すじ」にも「舌」を這わせ、「玉」も「竿」も丁寧に均等に舐める。その「動作」が「正しい」のかは分からない。あくまで「見様見真似」というか――、「手探り」のまま「愛撫」は続けられる。そして――。

――モゴッ!!!

 突如として、彼は「ペニス」を私の口に深く「差し入れる」――。同時に私は「呼吸」を奪われてしまう。

――「息」が出来ない…!!

「生命の危機」すらも感じる。私は彼の脚を強く叩き、「降参」とばかりに「タップ」する。だが彼は私を「離して」はくれなかった。
「嗚咽感」がこみ上げてくる。「吐き出したい」けれど、彼の手はしっかり私の「頭部」を「固定」し、わずかな「自由」さえも「許して」はくれなかった。

――ボフッ!!!

「ペニス」と「口」との間に微かな「隙間」が空き、そこから「嗚咽」じみた「汚い音」が漏れる。「腹部」が「脈動」し、同時に自然と「下腹部」に力が込められてしまう。

――ジョボロロ…!!!

 気がつくと、私は再び「失禁」していた。全てを「出し切った」と思っていたけれど、それでもわずかに残っていた「おしっこ」が「漏れ出た」のだった。
 すでに「お漏らし」によって「濡れたショーツ」に「受け止める」力はもはやなく、「押し出される」ように「おしっこ」が流れ出す――。

――ピチャピチャ…。

 足元のタイルに跳ね返り「パンプス」を濡らす。そして、ようやく私は「解放」されたのだった――。

「また、『お漏らし』しちゃったね」

 またしても「羞恥」の言葉が掛けられる。未だ「呼吸」の整っていない私を、彼は強引に「立ち上がらせる」。私に「向き」を変えさせ、彼は私の「後ろ」に立つ――。
 彼は――、私の「お尻」に顔をうずめた。またしても「お漏らし」をしたばかりの、「直後」の「ショーツ」に顔を押し付ける。
 彼の鼻が「割れ目」に当たる。「頬骨」が「口元」が、確かな「痕跡」へと誘われる。

「うん、すっごく『おしっこクサい』!!」

「水から上がった」みたいに、「浮上」した彼は言う。私の「匂い」を彼に「知られて」しまう――。

「言わないで…ください…」

 私は「恥ずかしさ」を吐露し、「拒絶」を口にする。だけど本当は――、それほど「嫌」ではなかった。

「ほら、ここ。『濡れてる部分』とはっきり分かれてるよ?」

 今度は「目」で――、「視姦」される。「お漏らしの跡」を「観察」されてしまう。
 彼に言われて見ると、確かに「染み」は「顕著」だった。
「水色のショーツ」は、主に「下半分」だけが「濃く」なっていた。だが思ったよりその「範囲」は広く、「お尻部分」はもはや「全滅」に等しかった。きっと二度目の「失禁」のせいだろう。
 今日、この「色」を「選んだ」ことを――、私は「正解」だと思った。
「淡い色」であることによって「小便染み」が「くっきり」と浮かび上がっている。微かな「黄ばみ」すらも「はっきり」と――、私の「ショーツ」は「証拠」を表わしている。あるいは「黒」なんかだと、こうはいかないだろう。

 彼は再び、私の「ショーツ」に顔を近づけた。だけど今度は「うずめる」のではなく、あくまで少しばかり「距離」を取った状態で「舌」だけを伸ばす――。
 そして。まるで「テイスティング」するみたいに、彼は「私の味」を確かめる――。
 それについての「感想」を――、彼は口にしなかった。

 彼は私の「ショーツ」を脱がせ始めた。
「腰」に手を掛けてまずはずり下ろし、そして私の脚から引き抜く。「片足」ずつ上げて、私もそれに「協力」した。
 そうして。「お漏らしショーツ」を、彼に「剥ぎ取られて」しまう。私から奪い取ったそれを彼は両手でしっかりと「握り」ながら、「雑巾」のように「絞る」――。

「ボタボタ」と、「ショーツ」に「吸収」された「おしっこ」が「溢れ出す」。
 それはまるで「お漏らし」のように――。

――こんなに…。

 目の前で「疑似的お漏らし」を見せつけられ、私の「剥き出し」の「股間」は「熱く」なる。ささやかな「微風」も、けれど私を「冷ます」には足りなかった。

 そして、彼はおもむろに私の「唇」を奪った。彼の「舌」が「口内」に侵入し、私の「舌」に「ねっとり」と「絡んで」くる。ついさっき、私の「ショーツ」を――、「尿」を味わったはずのそれと――、私は自分の「おしっこ」と「キス」をしていた――。

――苦い…。私の「おしっこ」、苦いよ…。

 それに「クサい」。紛れもない「アンモニア臭」。それこそまさに、私の「おしっこ」なのだ。「香り」と「味」を確かめてしまう。彼は――、そして「純君」も――、こんなものを「飲まされて」いたのか。
 私は少しばかり「反省」する。いかに「興奮」の末とはいえ、たとえ「愛」があろうとも――、こればかりはどうしようもないくらいの「不快感」に違いなかった。

「もう、そろそろ…」

 私は「告白」する。「曖昧」な言葉で、けれど「明瞭」に申し出る――。

「待って。しっかり『ほぐして』からじゃないと!」

 そう言って彼は私の、


「お尻の穴」を舐め始めた――。


――やっぱり「そっち」なのか!!
 私は「絶望」に打ちひしがれる。彼の「興味」は分かっていた。だけど今日は――。

「今日はその…『後ろ』じゃなくて、『前』の方が…」

 尚もめげずに、私は「こっち」を「懇願」する。
 だが、私の「願い」が聞き届けられることはない。あくまで彼はすでに「照準」を定めている。私の「尻肉」を拡げ、その奥にある「穴」ばかりを攻め続ける――。

――また、「うんち」が付いたりしてないだろうか…。

 細やかな「心配」も、けれど今はそれどころではない。それにきっと大丈夫なはずだ。そして、そんなことよりも――。

 このままでは「埒」が明かない。多少「不埒」であろうとも、ここまで来ればもはや「背に腹は代えられない」。今度こそ「はっきり」と、より「直接的」な言葉で言わなければ――。

「『オマンコ』に、入れて下さい!!」

 私はついに言ってしまう。その「響き」に掻き立てられる「焦燥」のようなものを感じながらも――、今やすっかり慣れ親しんだものになりつつあった。

「『オマンコ』、して下さい!!」

 その「単語」を、今度は「動詞」へと「活用」させる。そんな「用法」は本来ないのだが――、それを言うならそもそも「辞書」に載っていない「俗称」なのだ。

 ようやく私の「懇願」を聞き入れる気になったのだろうか。彼の「執拗」な「執着」が留められる。「お尻の穴」から口を離し、その口で彼は言葉を発する。だが――。

「でも、結衣の『アナル』。『ヒクヒク』してて、すごく可愛いよ?」

「可愛い」と褒められることに「慣れていない」私は、この期に及んで「取って付けた」ようなそんな「賛美」にさえも、分かりやすく「狼狽」してしまう。
 そうなのかもしれない。だが、たとえそうだとしても――。

 彼は昨日、確かに「約束」してくれたのだ。明日は「オマンコ」に「入れる」、と。
 あるいはそれもまた言い出したのは私の方であり、私が勝手に盛り上がってしまっていただけなのかもしれない。それでも、彼は「いっぱい突いてあげる」と、「どちらを」とは言わないながらも、話の流れから「そちら」であることはもはや「確定」だったのにも関わらず。それなのに――。

 これでは「約束が違う」ではないか。確かに、先に「約束」を「違えた」のは私なのかもしれない。「外でのお漏らし」――、私は「寸前」になってそこから「逃げ出して」しまったのだ。だがそれにしたって、この「反故」はあまりに――。

 私は次に何を言うべきかも分からず「返す言葉」を失ってしまったことで、「理解」が得られたと思い込んだ彼は「アナル舐め」を「再開」する。
 そこで彼は、何かに「気づく」――。

「あれっ?もしかして結衣、今日『うんち』した?」

 ついに「指摘」されてしまう。今朝「したこと」を知られてしまう――。

「ちょっと、『うんちクサい』よ?」

――またちゃんと「拭けなかった」の?
――それとも、こっちもちょっと出ちゃった?

 彼は私の「羞恥」を煽る。だけどそちらについては求めていない。あくまで、私が今「望んで」いるのは――。

「しました!朝、してきちゃいました…!!」

 私は答える。「嘘」をつくことはいくらでも出来たはずだ。だけど彼が「指摘」するからには、何かしら「証拠」のようなものを感じ取ったのだろう。
――どうして…?
 私は確かにちゃんと「拭いた」。にも関わらず「付いて」しまったのだ。だから私は「洗い」、きちんと下着を「替える」までしたのに――。
――それなのに、まだ「付いて」しまうのか。
 私は自分で自分が嫌になる。どうしてここまで私の「お尻の穴」は「緩い」のだろう。いや、それはそもそも「彼のせい」なのだ。彼が「そっち」でしたりするから。
「あの晩」、きちんと「性器」でしていれば――、私は今頃そんな「悩み」を抱えることも――、もはやとっくに「処女」さえも「捨てる」ことが出来ていたはずなのに。

「あれっ?『トイレ禁止』って言ったよね?」

 彼は目ざとく、私の「瑕疵」に言及する。確かに「禁止」はされたし、私も甘んじてそれを飲んだ。今朝「トイレ」に行く際、私だってわずかに「迷い」はしたのだ。だけど。

――だって、こっちは「漏らす」わけにはいかなかったから…。

「おしっこ」だけなら「秘めて」おきたいところだった。だけど「うんち」は――、それだけは、どうしても――。
 そんな「乙女」の「事情」など、彼は知る由もないのだろう。いや、あるいはそれを分かった上で尚、あえて「そちら」の「羞恥」さえも私に与えるつもりなのだろうか。

「どうして、しちゃったの?」

 彼は問う。「理由」を――。「どうしてなのか」と。
 私は――、答えたくなんてなかった。だけど、「答える」しかなかった。

「だって、『うんち』は漏らすわけにはいかなかったから…」

「内心」の言葉を――、「心境」をそのまま吐露する。「正直」に私は答える。

「そっか、『うんち』は『我慢』出来なかったんだね?」

 そうじゃない。いや、そうなのか?いや違う。あくまでそっちは私の望む「お漏らし」ではないというだけの話だ。「我慢」は出来たはずだ。だけど――。
 もし朝しておかなかったら、今頃――。私は「そっち」さえも「漏らして」しまっていたのだろうか。「尿意」と「便意」の「ダブルパンチ」によって、「挟み撃ち」に遭っていたのかもしれない。「ローター」の「刺激」はあるいは「うんち」さえも「催させた」のだろうか。

「『お仕置き』しなきゃね!」

 彼は言う。果たして何に対する「お仕置き」なのだろうか。私が「禁」を「破った」ことによるものなのだろうか。だけどそれなら、私にだって言いたいことはある――。

「もう止めて!!!」

 私の声が「個室」に響き渡る。彼は「動き」を止めた。

「どうして…、どうして『そっち』ばっかり…!!」
「私は『普通』にしたいのに!!」
「『今日こそは』って思ってたのに…。それなのに!!」

 次々と、「本音」がこぼれ出す。私は思わず「泣き出して」しまいそうだった。あまりの「情けなさ」によって――。

「ごめん…」

 彼は謝ってくる。さすがに「行き過ぎた」と思ったのだろうか。それでも――。

「でもやっぱり俺――」

――結衣の「お尻」に「興味」あるんだ!!

 私の「お尻」が――、「魅力的なんだ」と「熱弁」を振るう。まるで「そこ以外」は「魅力的ではない」と言われたみたいだった。私の「処女マンコ」になど「興味はない」と告げられたみたいだった。
 それでも、私の「反応」が芳しくないのを見て取って、彼は――。

「今日は、こっちでしようか!」

 いじらしく、私の「そこ」を指で弄りながら言う。完全に「片手間」とも思える、雑な「愛撫」だった。にも関わらず、私の「そこ」はまるで「水を得た魚」の如く、今も尚盛大に「涎」を垂らし、わずかな「刺激」すらも余さんとするように「キュッ」と彼の指を愛おしそうに「締め付ける」のだった。自らの「体」でありながら、私にはそれが許せなかった。「パブロフの犬」のように、「人参をぶら下げられた馬」の如く「条件反射的」に、「エサ」に抗えない「家畜」になったような気分だった。

「おっ!こっちはもう『準備万端』みたいだね~!!」

「おどけた」口調で彼は言う。「ほら、入れるよ」と、「真意」はそちらにはないにも関わらず、彼は「ペニス」を押し付けてくる。
 ようやく、私の「悲願」が叶えられる。それなのに――。

 だが、もう遅かった。もはや私の「プライド」は「ズタボロ」だった。かつて、あれほどまでに「望んで」いた「喪失」を、けれど今ばかりはどうしても「死守」したいような気持ちになっていた。あるいは「処女」としての、最後の「意地」なのだろうか。

「もう…いいです!!」

 私は彼に言い放ち、気がつくと「個室」を「飛び出して」いた――。


続く――。

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おかず味噌 2020/11/05 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十七話「私の視点 ~因果と応報~(6)」

(第二十六話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/384264


「デート」が「再開」される――。

「街」には様々な「人」が行き交う。「奇抜」な「ファッション」に身を包み、「大声」で自らの存在を「誇示」して歩く「若者」。どこか「忙しない」様子で、「足早」に駆けて行く「会社員」。「行先」も「目的」も色々で、だが唯一「共通」しているのは――、彼らは皆「日常」の中に身を置いている、ということだ。
「街の色」は「雑多」に混じり合いながらも、そうして描き出される「風景」は「異端」なものでは決してなく、そこに「非日常」などありはしない。あるいはそれが「日常」とすぐ「隣り合わせ」に存在するものだとしても――。
「街の音」は騒がしく、けれどあくまで「平穏」に流れてゆく「営み」の中で――。
 今まさに「不穏」であるのは、私の「ショーツの中」だけだった。

 私は――、「アソコ」に「ローター」を入れたまま歩いている。
 すでに「余韻」は止み、その「感触」にも少しばかり「慣れつつ」あったがそれでも。一度、再び「意識」し始めたなら――、その「感覚」は確実に私を「蝕む」のであった。

「解放」を待ち侘び、もはや「限界」にまで高められた「尿意」は――、近づく「決壊」の「足音」を報せながらも、逆説的に私がまだ「お漏らし」をしていないという「無実」を示していた。
 とはいえ私の「ショーツ内」はというと――、やはり「無事」では済まされなかった。すでに私は「びしょ濡れ」だった。「愛液」なのか「おしっこ」なのか「判然」としないながらも、その「液体」は確実に「ショーツ」を「湿らせて」いた。
 いや、間違いなく少し「チビって」いるだろう。

――私の「おしっこ」の「匂い」、「嗅がれ」たりしてないかな…?

 本来であれば「トイレ」でこそ、「便器」にこそ「解き放つ」べきものを――、紛れもないその「匂い」を――、「携えて歩く」という「羞恥」。あるいは多少の「拭き残し」があったとしても、今の私ほど「あからさま」なものではないだろう。その「匂い」が「周囲」の人々に「周知」されてはいまいかと、私は気が気でなかった。
 彼らにとって知る由もない「秘密」を抱えたまま、それを「内側」に「秘めた」まま、私は歩き続ける。そして再び、彼によって「スイッチ」が入れられるのだった――。

 彼の「タイミング」はまさしく「絶妙」だった。
「歩道橋」の「階段」を上るとき、「信号待ち」で立ち止まり、再び歩き出した「瞬間」など。私が「油断」した途端に「スイッチ」は入れられる――。

――ブゥゥゥン!!!

「単調」であるはずの「振動」に、けれど私が「慣れる」ことはない。それが「不意に」与えられるものであれば、尚更だった。
「突如」として訪れた「刺激」に、思わず私は「立ち竦んで」しまう。「宣告」はすでにされており、だからこそ少なくとも「身構える」ことくらいは出来たはずなのだが――。
 それでも。私の最も「弱い部分」にもたらせられるその「反応」には、どうしたって「無抵抗」にならざるを得なかった。

「路上」の「真ん中」で留まった私を――、「事情」を知らない人々は「迷惑」そうに、あるいは「邪魔」そうに、「怪訝」そうな顔をして「追い越して」ゆく――。
 かろうじて手で「股間」を押さえることは控えたが――、だから余計に「音」は少しも「抑えられる」ことなく、私の「体」を伝わって「胎動」を耳に届けるのだった。

――「ローター」の「音」、「聴かれ」たりしてないかな…?

 そんな私の「不安」をよそに――、彼はあくまで「数歩前」を歩きつつも度々こちらを「振り返り」、堪える私を遠目に「眺めて」は「満足気」な笑みを浮かべるのだった。
 そして。ついに、「幾度目」かの「振動」の時――。

――あ、だめ…。出ちゃう!!

――ショロロロ…。

「ショーツの中」に「水流」が生み出される。「滝」のように「激しい」ものではなく、「小川」のように「か細い」ものではあったけれど。その「一筋」は確実に「ショーツ」を「濡らし」、「一滴」「一滴」と「クロッチ部分」に「染み込んで」ゆく――。

――バレちゃう…!!

 今はまだ、かろうじて「内側」だけで留まっているけれど。あるいはこのまま「刺激」を与え続けられたのなら――、私はやがて「全て」を解き放ってしまうだろう。
 そうなれば「街の人々」に、私の「お漏らし」を知られてしまう――。

 次第に「アソコ」の「感覚」が無くなってくる――。もはやそれが「快感」なのかさえ分からなかった。必死に「括約筋」を締めようとするが、それすらも巧く「機能」せず、「完全」な「決壊」に至るのは――、あるいは「時間の問題」だった。

 立ち止まり「俯く」私を――、また一人、「自転車」が追い抜いてゆく。「ヤドカリ」のように「大きなバッグ」を抱える者は――、最近街でよく見かける「配達員」だった。
 彼らはどこかの「店」で「食事」を受け取り、それをどこかの「客」の元へと届ける。私はふと、その「バッグ」の「中身」が気になってしまう。彼らの中には「安全運転」とは到底呼べない、「運転」の「荒い」者もいる。(もちろん「全員」がそうではないが)あるいは「中身」が「こぼれたり」しないのだろうか。そもそも、あの「バッグ」はどのような「構造」になっているのだろう、と――。

 そんなこと「考えた」ところで、私にとってはおよそ「無関係」であるし。今の私にはもっと他に「心配」すべきことがあるのだが――、それでも。人間「追い詰められた」時というのは、かえって「余計な事」ばかりを考えてしまうものなのだ。

 訊くところによると――、彼らは皆「雇用」されているのではなく、あくまで一人一人が「個人事業主」という扱いらしい。(その「仕組み」について「給料」ないし「報酬」について、詳しい事までは分からないが)
 まさに「新現代人」とでも呼ぶべき、新たな「働き方」を「体現」する彼らであるが。その「仕事内容」については何ら「最新」のものではなく、「遥か昔」から存在するものである。そして、あるいはその「バッグ」の「起源」は「岡持ち」へと遡る――。
 古い「ドラマ」なんかで見かける、いわゆる「中華屋さん」の「あれ」だ。そして、さらに「もっと昔」――、「岡持ち」が発明される前の「時代」は――。
 いつか「写真」で見たことがある。「蕎麦屋さん」だろうか、「うず高く」積まれた「セイロ」を片手で支えながら、器用に「自転車」に乗る姿。これぞまさに「危険運転」に違いないだろう。

 その「様子」を「写真越し」に眺めて、「私だったら、絶対こぼしてしまう」と思ったことを覚えている。いくら「手元」に「集中」していたとしても、「天辺付近」に至っては「意識」が及ばず、まさしく「アウト・オブ・コントロール」なのだ。
 少しでも「傾こう」ものならば決して「修正」は効かず、ゆっくりと確実に「崩壊」を始めてしまう――。あるいはそれは、今の私の「状況」と「酷似」していた。

「限界」まで高められた「尿意」に――、「極限」に積もり積もった「欲求」に――、「満タン」ほどに溜め込まれた「おしっこ」に――、もはや私の「支配」は及ばず、完全に「コントロール」を脱していた。

 やがて――。「天秤」が「振れ」出す。「釣り合った」ような「一瞬」の「静寂」の後。もうそれ以上「傾け」ば「立て直し」が利かず、「取り返し」が付かなくなるところまで――、あるいは最後の「防衛線」すらもあえなく「突破」してしまう。

 いよいよ、「秒読み」が始まる。「決壊」への「カウントダウン」。だがもはや今の私には「0」の瞬間まで「耐えられるか」すら危うかった。相変わらず「スイッチ」は入れられたままで、「振動」が止むことはなかった。ここまで来れば――、彼は「最後」までそれを「切る」つもりはないのだろう。

 私は「想像」する、その「瞬間」のことを。「お漏らし」の「結末」を「予感」する。

――今の若者は皆「スマホ」くらい持っているだろう。
――だから、私の「お漏らしの様子」を「写真」に収めるかもしれない。
――「SNS」だってやっているだろう。(ちなみに私は「アカウント」を持っていない)
――だから、私の「失禁画像」が「ネット」に「アップ」されてしまうかもしれない。

――私の「羞恥の姿」が瞬く間に「拡散」されてしまう…!!

 限りなく広大な「ネットの海」に、一度「解き放たれて」しまったなら――、それこそまさに「取り返し」が付かなくなる。
「覆水盆に返らず」。と、その「諺」はいかにも「お漏らし」を「比喩」したもののようであるが――、あるいは「行為」によって生み出される「水流」が「不可逆」であるように、「拡散」された「情報」というものもまた「元通り」とはならないのである。
 しかも、「ショーツ」を濡らした「おしっこ」は「洗う」か「穿き替える」かすれば「無くなる」のに対して。それはいつまでも「残り続ける」ことになる――。
 たとえ誰もがその「事実」を忘れ、いくら「忘却の彼方」に「消えた」ように思えたとしても――、あくまで「人知れず」「混沌の海」を「彷徨い続ける」ことになる。
 そして、やがて私自身さえも「忘れた」頃になって――、「突如」としてそれは眼前に「浮上」して来るのだ。消したくとも決して消せない「過去」の「過ち」として――。

 私は自らに問い掛ける。本当に良いのか、と。
 ここで「お漏らし」をしてしまって、それを「他人」に見られてしまって、結果としてその姿を「記録」されることになったとして――、それで本当に「構わない」のか、と。果たして「後悔」はないのか、と。
「外でのお漏らし」。それを「発案」し「計画」し、あろうことか「実行」に移そうとしているのは――、他ならぬ「私自身」だった。「人」として、「大人」として、「女性」として、あるまじきその「行為」を――、「衆人環視」に晒されることによる「羞恥」。あくまで「冷静」に考えれば、「損」しかないその「負の感情」であるが――。 
 だがそれでも。それを「○す」ことでしか得られない「快感」が、僅かでも「背徳」を「上回る」と思えたからこそ、私は「勇気」を持つことが出来たのだ。それなのに――。

 いざ、「実際」にそれを「してしまう」に至って――。どうしたって、「最後の一歩」を踏み出す「決意」というものが持てなかった。
 いや、それを「する」こと自体は何ら難しいものではなかった。ただほんのちょっと「きっかけ」を与えてやるだけでいい。わずかに「括約筋」を「緩める」事、それだけ。後は「自然」に、もはや私の「意思」とは無関係に「溢れ出す」ことだろう。あるいは、このまま「我慢」を続けるよりもずっと「楽」なことなのかもしれない。

 というよりも。すでに私には「迷う」だけの「余裕」すら、「留保」する「猶予」すら残されてはいなかったのだ。このまま「決め兼ねていた」としても――、であれば自ずと「答え」は一つに「決まって」しまう。要は「覚悟」の問題でしかないのである。

「人前」で「お漏らし」――。
「公衆」の「面前」で「失禁」――。
「見られ」「知られて」しまうことへの「羞恥」――。
 果たしてそれは、未見の「興奮」と未知の「快感」をもたらすのだろうか。私は――。

「やっぱり、ダメ~!!!」

「心の声」を、思わず私は口に出していた。同時に「スカート越し」に思いきり「股間」を押さえる――。
「叫んだ」私を、道行く人は「驚いた」ような顔で見てくる。「怪訝な視線」が――、「好奇の視線」が――、私に「集め」られる。
 ここに来て「振動」が止んだ。彼自身も私の「発声」に驚いたらしく、それで思わず「スイッチ」を「切って」しまったらしい。
「余韻」は残っているものの、これならばかろうじて「耐えられる」かもしれない。とはいえ「おしがま」はもはや「必須」であり、少しでも「手を離そう」ものなら立ちどころに「決壊」を迎えてしまう――。

 私は「股間」を必死に「押さえた」まま、その場に立ち止まっている。その「格好」は誰の目にも明らかな「我慢」の「構え」だった。そしてその「様子」から――、私が何に「抗って」いるのかはもはや「自明」であった。

――あの子、ちょっとヤバくない?
――「ダメ」って何が?
――「漏れそう」ってこと?
――何が?「トイレ」でしょ、絶対!

「街の声」が聴こえてくる。誰もが私のその「瞬間」を――、決して「望むべく」もないながらも、あくまで彼らの「日常」にふいに訪れた「ハプニング」として――、わずかな「好奇心」をもって、盛大に待ちわびる――。

――今日、街を歩いてたら急に「漏らした」子いてさ~!!
――何を?って、「おしっこ」だよ。てか「大」だったらヤバ過ぎでしょ!!
――いや、普通に「おしっこ」でも十分「恥ずかしい」けど…。
――えっ、何歳くらい?たぶん「大学生」くらいじゃないかな~。
――「普通の子」だったよ。そこそこ「可愛かった」し(願望)。

 なんて、そんな風に――。ちょっとした「話のネタ」にするだけの、ただそれだけの「理由」で。余すところなく「観察」を試みようと「無遠慮」な「眼差し」を私に向けてくる――。
 あるいはそれこそが本来私の「望んだ」もの――。如何ともしがたい、「粗相」による「羞恥」こそが私の「求めた」ものであり、「想定」の「結末」であったはずなのに。

 だがどうしても「視線」に耐えきれず、私はその場から「逃げ出した」のだった――。

 彼のいる方と逆の「方向」に私は駆け出した。「取り巻き」にぶつかりそうになりながらも、そこは「あちら」が勝手に避けてくれる。彼らとしても、まさか「おしっこ」を「引っ掛けられ」たくはないのだろう。あくまで「傍観者」でいつつも、「当事者」には決してなりたくないという「魂胆」が見え見えだったが、それがこの期に及んではまさに「功を奏する」こととなった――。

 私は「その場」から離れ、何とか「脱する」ことが出来た。彼らの「視線」を「痛い」くらいに「背中」に感じつつも、ようやくそれから「逃れる」ことに成功した。
「走り出した」ことで、「ローター」とはまた違う、今度はより「大振り」な「振動」を私は「下腹部」に受けることになる――。だがそれすらも、「手」を「股」に「挟む」ようにすることで「耐えよう」とする。
 それでも。「刺激」を感じることで、わずかな「隙間」が生まれ、そこから容赦なく「綻び」が始まるのだった――。

――じょろ…。ピチャ!
――じゅわ…。ポチョ!

「ポツポツ」と「雨」の最初の「一滴」のように――、地面が「黒く」染められる。
「空」からではなく、あくまで私の「スカート」の中から「降り注ぐ」それは――、紛れもなく私の「おしっこ」だった。今や「振り返る」だけの「余裕」すらなかったけれど、私の「辿った道」には間違いなくその「痕跡」が刻まれていることだろう。
 とはいえそれは、「知らない者」から見れば単なる「水滴」に過ぎないのかもしれない。あるいはそれが「女の子」の「大事な部分」から「零れ落ちた」ものなどとは、誰も思わないだろう。今はまだ――、やがてそれが確かな「水流」へと変わるまでは――。

 だが徐々にその「頻度」と「水量」は増していく。もはや「ショーツ」にそれを支えるだけの「度量」はなく――。「迸る」と同時に「溢れ出す」液体は「足跡」を刻む。
 あるいはとっくに「バレて」いるのかもしれない。私の「お漏らし」に「気付かれて」いるのかもしれない。だけど私にはそれを「気にする」ことさえ出来なかった。

「街の色」が少しずつ「失われて」いく――。「鮮やか」だった「色彩」も今や「灰色」に染まり、「モノトーン」の「風景」の中を私は進んでいる。
「視界」は極度に「狭まり」、「暗中模索」のように――。「五里霧中」を「無我夢中」で歩き続ける。「孤立無援」も今更ながら「四面楚歌」が聴こえ始める。

 ちょうどいいところに「公園」があった――。
 それこそまさに私にとっての「救済措置」であり、「九死一生」を得ようとせんばかりの「東奔西走」の末の「千載一遇」の「一期一会」だった。
 私は「公衆トイレ」に駆け込み、そこでついに「限界」を迎えた――。

――シュイィィィ~!!!

「おしっこ」が溢れてくる。みるみる内に「ショーツ」を濡らし、染め上げ、「タイル」へと零れ落ちる――。「形」は多少違えど、私にとっては「念願」の「お漏らしタイム」だった。

――気持ちいい~!!!

「股間」が「温かく」なる「感触」。もはや慣れ親しんだ「お漏らし」の「感覚」――。
「ピチャピチャ」と跳ね返る「水音」と、足元にまとわり付く「水滴」すらも心地いい。
「水溜まり」は盛大に広がり、まるで「意識の拡張」とばかりに「羞恥の延長」としての「痕跡」を物語る――。

 最後の「一滴」までも余すところなく、やがて出し終える。辺りに立ち込める「ツン」とした「アンモニア臭」。「想像」よりもやはり遥かに「醜悪」な「刺激臭」は「鼻腔」を穿ち、そのまま「脳天」へと突き抜ける。そこでふと、我に返った――。

――○○さん…。

 私は「心中」で「彼の名」を呼びつつ振り返る。そこには――、「彼」が立っていた。


続く――。

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おかず味噌 2020/10/29 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十六話「私の視点 ~因果と応報~(5)」

(第二十五話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/379840


「駅」に着いて「時計」を見る。時刻は「一時半前」。
 待ち合わせ時間は「二時」だから、まだ三十分以上ある。
――さすがに早すぎたかな…。
「余裕」をもって家を出たつもりだったのだが――、それにしてもここまでの「道程」で「早歩き」になってしまったのは、やはり「焦燥」と「期待」の「表れ」なのだろうか。

 それでも――。「待つ」方が「待たせる」よりはずっといい。私にとって「人を待つ」というのはそれほど「苦」ではなかった。「遅れる」なんてのは以ての外だし、それに「待ち時間」というものはいわば「相手」に捧げる「気持ち」であり、あるいは最低限の「礼儀」だというのが私の「考え」だった。

 彼を待つ間、私は「最終確認」をする。今日の「服」は「ヘン」じゃないだろうか?「髪」は、「メイク」は、「地味」過ぎたり、逆に「派手」過ぎたりしないだろうか?
 とはいえ、すでに「手遅れ」なのだが――。それでも「最後」まで「気になる」というのが、やはり「乙女心」というものだった。

 今日は「黒タイツ」を穿いて来なかった。無論、「濡れる」ことを懸念してのことだったが――、それならばいっそ「そちら」の「替え」も持ってくれば良かっただろうか。
 彼は「がっかり」するだろうか。彼は私の「黒タイツ脚」が「好き」だと言っていた。彼は「脚フェチ」なのかもしれない。「好き」という言葉には色んな「意味」が含まれるが、ここでいうそれは単に「嗜好」というものだろう。彼の「興奮」を高め、「劣情」を煽るため、それは必要な「装備」であり「小道具」だったのかもしれない。

 私の「バッグ」の中には、ショーツの「替え」が入っている。「丸められた」それは「ハンカチ」くらいの「大きさ」で、ほとんど「場所」を取ることはなかった。あるいは「着替え一式」持ってきていたなら、もう少し「大きめ」のバッグになっていただろう。

「待つ」こと、およそ「十五分」――。ようやく彼が現れた。それでも「予定時刻」より随分と「早い」。あるいは彼もまた「逸る気持ち」を抑えきれなかったのだろうか。
 簡単な「挨拶」を交わし、私達は「並んで」歩き始めた――。

「券売機」で彼は「切符」を買う。私は通学用の「定期」があったので必要なかった。
「改札」を抜け、「ホーム」で「電車」を待つ。その間、彼は「一言」も喋らなかった。果たして彼の「脳内」には、どのような「想像」が渦巻いているのだろう。どのような「プラン」で、これから私を「羞恥」へと誘い、結果「失禁」へと追い込むのだろうか。
 それはともかくとして――。私としては、少しくらい「今日の服装」に対する「言葉」が欲しかった。「可愛い」とか「似合っている」とか何でも良いから何かしらの「感想」を言ってもらいたかった。

「電車」がホームに「停車」し、それに乗り込む。「休日」のせいか、「満員」とはいかないまでもそれなりに「混んで」いた。私達は「扉」付近で留まり、私は「車窓」に向かって立ち、彼は私の「後ろ」に陣取った。やがて、すぐに電車が動き始める――。

「降り立つ駅」までは、ものの「二十分」。出来ることなら「座り」たかったが、別に「わがまま」を言うつもりはなかった。途中の駅で「停車」する度に、私はわずかに身を躱し、降りる「乗客」のために道を空けた。その時、ふと――。

 私の「お尻」が彼の「前」に当たった――。

 それは「不可抗力」であり、いわば「仕方のない」ことだった。だけど、確かに私は「お尻」に当たる「感触」に気づいたのだった。「固く」、けれどどこか「柔らかい」彼の「一部分」に――。

 彼はすでに「勃起」していた――。

「スカート越し」の私の「割れ目」に、彼の「ペニス」が突き立てられる。いや、彼にそのつもりはなかったのかもしれない。やはりあくまで「不可抗力」であり、それはほんの「一瞬」のことに過ぎなかった。
 だがそれでも――。私に「感触」があったように、彼にもまたその「感覚」はあったのだろう。やがて訪れる「未来」に至る、「予感」をはっきりと抱いたのだろう。

 次に電車が「揺れた」時、私は「わざとらしく」彼の体に「背中越し」にもたれかかってみた。再び「固い感触」がもたらせられる。彼は「腰を引く」ことなく、あくまでバレない程度にむしろ腰を「突き出し」、そこにある私の「お尻」に押し当てた。
 それだけで、私は少しばかり「ショーツ」の中が「湿る」のを感じた。私の「花弁」が今はっきりと「開かれる」のを悟った。

 出来ることならば、もう「今すぐ」にでも「入れて」欲しかった。「スカート」を捲り上げ、「ショーツ」をずり下げ、「準備万端」の私の「ヴァギナ」に彼の「ペニス」を「突き入れて」もらいたかった。だが、ここでそんなこと出来るはずもない。
 であれば、いっそここで「お漏らし」をしてしまおうか。「外」といっても「屋外」である必要はなく、あくまで「公衆の面前」で「粗相」をしてしまう。「我慢」できるのに「我慢」せず――、「我慢出来ませんでした」という「設定」だ。
 だけど、それも出来なかった。もしもここで私が「お漏らし」なんてしようものなら、きっと他の「乗客」は大いに「戸惑う」ことだろう。もしくは予期せぬ「事故」のため、「一時運休」となってしまうかもしれない。あるいは本当にどうしても「無理」だったのなら、致し方ないことなのかもしれない。いくらか「同情」の余地だってあるだろう。だけど私は――、「故意」にその「行為」をしてしまうのだ。
 それはもはや「事故」ではなく「事件」だ。自らの「過失」によって、一般の方々に多大な「迷惑」を掛けてしまう。あるいは電車を「止めた」ことへの「賠償金」は、果たして「いくら」くらいになるものなのだろう。あまり考えたくはない「想像」だった。
 それに――。「現時点」で私は、少しも「尿意」を感じていなかった。やはり、家で「してきた」せいだろう。私の「膀胱」はすでに「カラ」であり、「下腹部」に力を込めてみたところで「気配」すら「微塵」も感じられなかった。

 それでも。「ムズムズ」とする「尿意」とはまた違う「焦燥」によって、私の「股間」は「疼き」を覚えていた。「おしっこ」ではない「液体」によって、確かに「アソコ」は「湿り気」を帯びていた。まるで「痒み」を感じるように。だから私は――。
 次に電車が大きく「揺れた」時、私はまたしても自らの「体」を彼に「触れ」させた。出来るだけ「自然」に、けれどやや「不自然」になりながらも尻を「突き出し」、彼の「股間」にぶつけた。それから――。

 私はスカート越しの「お尻」を、彼のズボン越しの「ペニス」にこすりつけた。

「円を描く」ように――。ちょうど「尻文字」で「の」を描くみたいに――。私は自分の「柔らかい部分」を彼の「固い部分」へと「なすり付けた」のだった。
 まるで「マーキング」でもするが如く。それはある種の「求愛行動」ともいえた。
――うっ…。
 その「瞬間」、彼は思わず「感じた」ような「声」を発した。小さく抑えられた「音」はけれど、私の「耳元」にしばらく残り続けた。

 私はふと、今自分が「穿いている」ショーツの「状態」を思う。今朝の「排泄」の後、一度「穿き替えた」ばかりのそれを――。
――きっと、「大丈夫」なはずだ。
 今ばかりは「ウンスジ」は付いていない。だから「臭い」もないはずだ。だからこそ、彼の「ズボン」に「うんちクサさ」を付けてしまう心配はない。そして、私の「アナル」も今はまだ「キレイ」なままなのだ。

 私の「お尻」に、その「割れ目」に、彼の「ペニス」が当たる。まるで「挿入」を待ちわびているかのように。そして私は「かつて」のあの「瞬間」を思い出す。すでに彼に「犯された」、そちらの「穴」のことを。だけど今日は――、

――「そっち」じゃない!!

 私が「入れて」欲しいのは――、「犯して」欲しいのは――、あくまで「こっち」なのである。今やすっかり「準備万端」となりつつあり、わかりやすく「涎」を「ダラダラ」と垂らしている「性器」の方なのだ。
 たとえ今は「汚れていない」とはいえ、「不浄の穴」と呼ぶべき「アナル」ではなく――、やがて「おしっこ」によって「汚れる」ことになろうとも、「清浄」であるべき「ヴァギナ」の方なのだ。

 果たして、彼に私の「想い」が通じたのだろうか。あるいは「フリフリ」と「しっぽ」を振るみたいに「お尻」を擦り付けたことで、「今日も『そっち』に入れて欲しい」と、彼にあらぬ「誤解」を与えてしまったかもしれない。
 昨夜の「やり取り」の中でも彼は終始、私の「お尻」に「執着」していた。「執拗」なまでに私のお尻の「汚れ具合」に、ショーツに付けた「ウンスジ」についての「話題」が上げられた。彼はすでに「気づいて」しまっているのだ。私の「うんちクサさ」を――、「乙女」にあるまじき「羞恥」の存在を――。
 彼は今日、本当は私に「うんち」を「お漏らし」させたかったらしい。「おしっこ」より遥かに「恥ずかしい」、あるいは「絶望」を私に与えるつもりだったらしい。
 それについては当然、私は断った。だが昨夜「絶頂」を迎えた直後、私が「おしっこ」のみならず「そちら」さえも「チビって」しまったことを彼は知らない。「純白」のショーツに「くっきり」と描かれた「ウン染み」を――、より「はっきり」とした「うんち」「痕跡」を――。
 たとえ彼に一度は「知られて」しまっているとしても――。「見られ」、「嗅がれ」、「舐められ」ているとはいえ。だからといって「平気」なはずなどなく。
「うんちお漏らし」だけは――いくら彼が「望もう」とも――それだけはどうしても「嫌」だった。私にとって、その「未来」だけはあり得なかった。


 ようやく「駅」に「到着」し、私達はホームに降り立つ。階段を上り、改札を抜けて、「街」に出る。
 ここに来て、やっと彼と「会話」が生まれた。それは今日の「行先」を確認し合うものであり、今日の「目的」についてはあくまで互いに口を「閉ざした」ままだった。
「車内」での「行為」についても、彼はその「意図」を尋ねはしなかった。きっと彼は「解って」いるのだろう。私の抑えきれない「発情」を――。あるいは私からのちょっとした「サービス」くらいに思っているのかもしれない。

「ここ、です…」
 街を「数分」歩いた後、私が足を止めたのは――、ある「カフェ」の前だった。
「黒」と「暖色」を基調とした「店構え」。店先には「テラス席」もいくつか並んでいる。そしてそこで「くつろぐ」人々はというと――、皆一様に「流行」を身に纏い、まさに「お洒落感」丸出しであった。
「ノートパソコン」を広げ、さらに片手で「端末」を操作する「スーツ姿」の男性。「着る」のか「脱ぐ」のかはっきりしない、肩だけで「ジャケット」を羽織っている女性。
 ただ「お茶をする」というより、ただそこに存在しているという「スタイル」自体が彼ら彼女らにとっては意味を持ち、ある種の「ステータス」を主張しているように思えた。

 私にとってあまりに「無縁」とも感じる、まさしく「リア充」達の「世界」に――。
 私は一瞬、店に入るのを躊躇い、臆してしまう。あるいは「お一人様」ならば「無理」だったかもしれない。だけど今日は彼と「二人」。「実情」がどうであれ、「一見」したところ間違いなく「デート」である。「遥か彼方」に居ると思っていた「リア充」達――。だがこれにて私も、めでたくその「仲間入り」を果たすわけである。だからこそ、私は今や「大手」を振って「入店」したのだった――。

 すでに「雑誌」で「予習」は済ませてある。問題は「注文の仕方」だった。「L」とか「M」とか、そういう「表記」ではないかもしれない。あるいは「ホット」や「アイス」にも、この店ならではの洒落た「言い回し」があるのだろうか。全然分からない…。
 だが私の「杞憂」は「取り越し苦労」に過ぎず、ごく「普通」に「注文」を終えることが出来た。というか「メニュー」は当たり前に置いてあったし、そもそも「注文」自体は彼がしてくれた。

 彼は「ホットコーヒー」を、私は「アイスコーヒー」を頼んだ。滅多に来ることもないのだし、せっかくなら「期間限定メニュー」の「マロンなんとか」にすれば良かったが、私は「カフェイン」の「利尿作用」に期待することにした。彼のように「ホット」ではなく、「アイス」にしたのも同じ「理由」からだった。

 空いた「席」を見つけてそこに座り――、それからしばらく私達は「談笑」に耽った。「会話」は「バイト先」のちょっと変わった「社員さん」や、面倒くさい「お客さん」に始まり、やがて私の「大学」での「専攻」についてなど、「話題」には事欠かなかった。
 話の合間にふと「店内」を見回すと――、ほとんどは「女子会」らしき「若い女性達」か、「カップル」ばかりだった。あるいは傍から見れば私達も、「平凡」な「恋人同士」に見えているのだろうか。私がこれから「しようとしている事」を思うと、あまりの「場違い」さに「不安」になりつつも――。まさかそれを「気取られる」心配はないだろう。

 会話が「一段落」する度、私は何度も「おかわり」をした。「過剰」に「水分」を摂取し「催す」ためだったが、だが別に意識せずとも「喋る」ことで、自然と「喉が渇いて」くるのだった。

 やがて――。およそ「二時間」ほどが経過した頃、私は「下腹部」に鈍い「違和感」のようなものを抱いた。
――もしかして、この「感じ」は…。
「日常的」に、もはや慣れ親しんだ「感覚」。そこに少し力を入れてみると、すぐに鋭い「痛み」のようなものへと変わる。
――ようやく「溜まってきた」みたいだ。
 私は「会話」を止め、それから彼の「耳元」に顔を寄せて「他の客」に聞こえないよう「小声」で呟く――。

「あの…。『おしっこ』したくなってきちゃいました…」

「尿意」の「訪れ」を告白する。「いよいよ」である。果たして、彼の「反応」は――。

「そろそろ、出よっか!」

 彼は言い放ち、席を立った。私も立ち上がり、彼に連れて店を後にするのだった――。


「カフェ」を出て、彼の「後ろ」を歩く。彼はひたすら「無言」で歩き、「尿意」を抱えた私は彼に「ついて行く」のがやっとだった。
 一体どこに「向かって」いるのだろう?少なくとも「トイレ」ではないはずだ。彼が「行かせてくれる」とは思えなかったし私自身「行きたい」けど「行きたくなかった」。

 やがて。彼が「裏路地」に入ったことで、私は「覚悟」を決める。
――まさか、ここで「しろ」ということか…?
 確かにそこは紛れもなく「屋外」であり、であれば「目的」とも合致する。
「外でお漏らし」。これまで幾度となく「室内」及び「彼の前」でしてきた「その行為」を今度は「野外」で、より「大勢の人」に見られながら――。
 だがしかし。「この場所で」というのは果たしてどうなのだろう。「日の光」すら差し込まない「路地裏」に、「衆人環視」が届くことはない。相変わらず彼の「視線」はあるけれど、あくまで「それだけ」。せいぜい「鼠」か何かの「気配」を感じるのみだった。
 それだと、これまでと何ら「変わらない」、その程度の「刺激」ではもはや私の心は「満たされなかった」――。
 それでも。私は「消化不良」ながらも、「下腹部」に力を込めた。「尿意」を「解放」するべく、再び自らに「羞恥」を与えるべく。だがそこで――、

「結衣には、これを『入れて』歩いてもらいます!!」
 そう言って彼は、「小石」くらいの「大きさ」のものを取り出す。
「何ですか…、それ?」
「真面目」ぶって私は訊き返す。だが本当は――、それが何であるかを私は知っていた。
「『ローター』だよ!」
「予想通り」の「答え」が返ってくる。
「『ローター』…」
「名称」を聞くのは「初めて」ではなかったが、目にするのは「初めて」だった。そして口に出すのもやはり「初めて」のことだった。
「こうやって、スイッチを入れると、ほら!」
 彼の手の中で「振動」する。「ブィィン…」と「モーター音」を立てながら、小刻みにその小さな「物体」が揺れ動く――。
「『どこに』ですか…?」
 訊き返して、すぐに「マズった」と思った。これでは「答え」を知っているみたいではないか。そして、当然のように彼は「答え」を示す――。

「結衣の『オマンコ』に、だよ」

「はっきり」と、私の「陰部」の卑猥な「俗称」を口にする。分かりきっていたことだった。だが改めてそう言われると――いくら「人が来ない」とはいえ、ここがまだ「外」であることも相まって――私の体は(「ローター」ほどではないにせよ)わずかに震えた。

「分かりました…」

 そこで「拒否」の「演技」を、「八百長」の「ラリー」を何度かすることも考えたが、私は素直に彼の「提案」を飲むことにした。もはや「抵抗」したところで無駄なのだろう。すでに私の「運命」は決まっているのだ。
 それに。私としてもその「未知」の「道具」に――、あるいはそれを「使用」することによって、やがて私が行き着く「末路」に――、「興味」がないわけではなかった。

 彼の手から「ローター」を受け取る。いざこうして改めて「手に取って」みると、それなりの「大きさ」に思える反面、「それ」はとても「軽かった」。何だか「玩具」みたいだ。「見た目」もなんだか「可愛らしく」、どこか「児戯」じみた「印象」すら与える。
 果たして彼は「どこで」こんなものを手に入れてきたのだろうか。元々「持っていた」ものなのだろうか、あるいは――。今日の「デート」のために、わざわざ「買ってきた」のだろうか。だとすると彼はあまりに「用意周到」というか、今日の「プレイ」に賭ける彼の並々ならぬ「意思」を垣間見たような気がした。

 今はまだ単なる「プラスチックの塊」に過ぎないそれを――、私は「スカート」の中に手を突っこみ、指で「ショーツ」をめくって「陰部」にあてがう。
「ひんやり」とした「無機質」な感触。その「冷たさ」だけで、また不意に私の「尿意」は高められる。その「予感」をすんでのところで「押し留め」、徐々に「体温」に馴染ませたそれを「ゆっくり」と少しずつ、「中」へと「押し込んで」ゆく。
 さすがに体が少しばかりの「抵抗」を示すと思っていたが、すでに「濡れ」「潤った」私の「蕾」に、それはやがて「ヌルリ」と滑り込んでゆく――。

 確かな「異物感」と同時に私は、今はっきりと「挿入感」を抱いた。
「それ」は私の「ヴァギナ」に「入って」いる――。ここ「数日」、「数週間」あるいはもっとずっと「前」から、私が「求めて」いた「場所」に。自分の「指」ではないものが――自らの「手」によるとはいえ――今確実に「挿入」されている。
 だけど「それ自体」は、私の「求めた」ものではなかった。決して「男性のモノ」ではなく、「柔らかさ」も「温かさ」も、あるいは「愛」すら感じられぬ「それ」は――、私にとって「望む」べくものではなかった。

 私はここである「危惧」を抱いた。あるいはこれで「喪失」とならないだろうか、と。私にとっての「初めて」を――、「二度」とは訪れない「一度きり」を――、こともあろうに「無機物」などに「奪われて」なるものか、と。
 私は「挿入部」に「意識」を集中し、「感覚」を尖らせる。「痛み」はない。であれば「ノーカン」なのだろうか。私の「処女膜」は「破れたり」していないだろうか。
 ここまで来て、まさか「人ならざるモノ」によって「姦通」に至るなど。これほどまでに「情けなく」「哀れ」なことはない。「経験談」として後に語られる際に――、

――私の「初めて」の「相手」は「彼」です…。

 などと言って、「ローター」を見せろとでもいうのだろうか。それではあまりに――、「あんまり」だった。
 私はどこかの「ハンチョウ」さながらに、往生際悪く「主張」し「連呼」したいところだった。

――ノーカン!ノーカン!!

 と。

 それにしても――。彼は私にこれを「入れさせて」、次にこれから「どうする」つもりなのだろう。「最初」こそ「異物感」もそれなりであったが、今では徐々に「同化」し、もはや私の「一部」となりつつある。このまま「入れ続けて」いたとして、あるいはその「存在」すら「忘却」してしまいそうだった。
 やはり「振動」こそが「重要」なのだ。彼の手の中で「震えた」それ。あの時みたいに「刺激」を与えれなければ――、「それ」は単なる「凡庸」な「物体」に過ぎない。

 果たして「スイッチ」はどこにあるのだろう。先ほど私が「見た」ところ、「表面」に「突起」のようなものはなく、「ツルツル」とした「手触り」があるのみだった。
 もし「本体」自体に「電源」があるならば、今一度「取り出して」から改めて「起動」させなくてはならない。そしていざ「振動」が加えられたそれを、再び「挿入」するとなると――、今度ばかりは巧く「入れる」ことが出来るだろうか。
 だがそんな私の「疑問」と「懸念」は、やがてすぐに「解消」されることになる――。

 私が「挿入」を終えたのを見て取って、彼はまたしても「別の機械」を取り出した。
 それは、一昔前に流行った「小型音楽プレーヤー」を思わせる「見た目」だった。
「簡素な造り」のその「中央」には、大きく目立つ「ボタン」が「一つ」だけ「配置」されている。そして彼はおもむろに――、「お試し」とばかりに「スイッチ」を入れた。

――ブゥゥゥン…!!

「くぐもった音」を立てて、「ローター」が「振動」し始める。彼の「掌」にあった時とは違い、「モーター音」はいくらか抑えられている。だけど、その「刺激」は――。

「一瞬」にして、私は「異物感」を取り戻す。「そこ」にある「それ」を、はっきりと「意識」する。私の「膣内」で確かに「小刻み」に「動く」それ――。その「直撃」に「下腹部」はおろか「全身」さえも揺さぶられ、やがて「脳」すらも「支配」される。

――あっ…!!ウソ…、何これ!?こんなに、「激しい」ものなの…?

 私の「驚き」も「喘ぎ」も、けれど「声」にはならない。思わず「スカート越し」に「股間」を押さえながら「葛藤」と「衝動」を必死で堪える。この「姿」はまるで――。

――こんなの、されたら…、私もう…。

――「お漏らし」しちゃいそう…!!

「身体」の「力」が抜ける。「意思」が失われてゆく。それと同時に「筋肉」が――、「括約筋」が緩められる。

――もうダメ!!出ちゃう…!!

「覚悟」を決めた次の「瞬間」――、「羞恥」と「快感」の到来を「予感」して、やがて私は「足元」さえおぼつかなくなる。そして――。

「倒れそう」になった私を、彼の腕が「支えて」くれる。尚も彼の腕の中で「震える」私をしばらく「観察」した後――。それから、ようやく彼は「ローター」の「スイッチ」を切ってくれた。

「大丈夫?」

「心配」そうに彼は私に訊く。「振動」と「尿意」、果たしてその「問い」は「どちら」に掛かるものなのだろうか。

「なん…とか」

「二つの意味」を込めて、私は答える。「幸い」というか「惜しい」というか、まさに「ギリギリ」のところで私は何とか「決壊」を免れたのだった。

「良かった」

「安堵」したように彼は言う。それはどういう「意味」なのだろう。だが、どちらにせよ――。
 優しげな「声音」。あるいは彼の「善意」。だがそれとは裏腹に「悪意」に満ち満ちた彼の「表情」。私の「命運」は、今や彼の「手中」に「握られて」いるのだった――。

「歩けそう?」

「たぶん…」

 少なからず「不安」を感じつつも私は答え、彼の腕を離れてかろうじて「自立」する。
 再び「尿意」を「堪える」体勢を整えつつ、すでに歩き出した彼の「後ろ」に連れる。
 次に「いつ」、「スイッチ」が入れられるかは分からない。だが、今はまだ「静か」なままの「それ」。それでも――。

 私の「股間」は確実に、「振動」の「余韻」を覚えていた――。


続く――。

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おかず味噌 2020/10/19 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十五話「私の視点 ~因果と応報~(4)」

(第二十四話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/381523


「昼前」に起きて、「支度」を始める――。

「休日」といえども、いつもなら「九時前」には起きるようにしているのだが――、今朝はどうしても目を覚ますことが出来なかった。きっと「夜更かし」のせいだろう。
 昨夜はなかなか「寝付け」なかった。「ベッド」に入ったのがそもそも遅かったせいもある。彼との「やり取り」を終えて、「二度目」の「おやすみなさい」を返した頃には「深夜三時」を回っていた。

――こんな事なら、いっそ「電話」にしておけば良かったな…。

 彼からの「返信」は早かったが、それでも。「文字を打つ」時間を考えれば、やはり「直接」話していた方がいくらかの「短縮」にはなっただろう。
 いやむしろ、昨夜の「目的」とは、一体何だったのか?ただ今日の「予定」を話し合うだけならば、別に「メッセージ」だけでも良かったはずだ。早々に「切り上げて」、明日に「備えて」ゆっくり「眠る」ことだって出来たはずなのだ――。

「寝惚け」た目をこすりながら「辺り」を探り、手繰り寄せた「スマホ」を開く。その中には昨夜の「やり取り」が「そのまま」残されている。「寝起き」の頭にその「内容」は少々「刺激」が強すぎた。

 恐る恐る「見返して」みると――。彼からの「返信」は「一夜」明けた「今」となっても、「赤面」したくなるものばかりだった。そして問題は、私の「送信」だった。
 あくまで彼の「期待」に応えるためとはいえ――、私の送った「文章」は、あまりに「馬鹿げている」というか、「羞恥」にまみれたものだった。
 その上私は、あろうことか「自撮り」を――しかもただの「自撮り」ではなく、いわゆる「エロ写メ」を――彼に送り付けたのだ。
「メッセージ」を閉じて、今度は「画像フォルダ」を開く。そこには「昨夜の私」が自ら「撮影」し「保存」し「送信」した「画像」が残っている。「一枚目」は「ショーツ」の上からの「陰部」、「二枚目」は「ショーツ」をずらした「お尻」。そして「三枚目」はというと――、自らの手で「尻肉」を拡げ、晒した「アナル」が写っている。
 主に「空」や「風景」や「食事」からなる「フォルダ」の中で、その「三枚」だけ一際「異彩」を放っている。幸い「顔」が写り込んでない「匿名」の「画像」は、紛れもなく私の「一部」であるはずなのに、どこか自分と「切り離された」ものであるように感じられて、あるいは「ネット」から拾った「赤の他人」の「エロ写真」のようにも思えた。

――昨夜の私はどこか「オカシかった」のだ…。

 少々「調子」に乗り過ぎたことを「反省」しつつ――。「画像」を「拡大」することなく「選択」し、「自戒」を込めてまとめて「削除」する。だがすでに「送信済み」のものについては、どうしようもなかった。
「会話」自体を「消去」することは出来る。だがそれでもあくまで私の「スマホ」からは「見れなくなる」というだけで、昨夜の「やり取り」そのものが「無かったことになる」わけではなく。相変わらず、彼の「スマホ」に「履歴」は残ったままなのだ。
 彼もそれを「見返した」りしているのだろうか。あくまで彼に「乗せられる」ことで、すっかり「その気」になってしまった私。「羞恥」と「エロ」にまみれた、その「発言」一つ一つを切り取り。あるいは昨夜の「興奮」そのままに、「臨場感」たっぷりに、何度だって「反芻」しているのだろうか。
 彼は私の送った「写メ」を「保存」したのだろうか。そうだとしたら、その「画像」はやはり彼の「フォルダ」の中でも「異質」なものとなりながらも。彼にとって「定番」の「オカズ」になり得たのだろうか。彼は「あの後」も、何度か私で「ヌいた」りしたのだろうか――。
「想像」しただけで、また顔が「熱く」なってくる。私を「慰みモノ」にして、それを「滋養」に変えつつ、「おちんちん」を「しごく」彼。「嬉しい」ような「恥ずかしい」ような、「複雑な気分」だった。

 だが、あくまで「ヌキ過ぎ」には「注意」。彼にはちゃんと、「今日の分」の「精子」は残しておいてもらわなければ――。
 もし今日会った時。「僧侶」のように「落ち着き」払い、「賢者」のようにすっかり「為し終えた」彼だったら――、私はこの「感情」を一体どこに持っていき、誰にぶつければいいのだろう。

 そう私は「今日こそ」――、「処女」を「捨てる」のだ。
 相変わらず彼の前で「お漏らし」をして、その「羞恥」に身を焦がし、その「興奮」の冷めやらぬまま――、その「体のまま」で、彼に「抱かれる」のだ。
「今度こそ」は――、「非正規」ではなく「正規」の穴で。「肛門」ではなく「性器」を「姦通」されるのだ。

 私は「ベッド」からようやく起き上がり、「彼に会う」べく「準備」を始めた――。

 まずは「洗面所」に行き、「顔」を洗い「歯」を磨く。「休日」であり、もう「昼前」だというのに、「家の中」は「静か」だった。

「そういえば――」と。昨晩「夕食」の時、「両親」が「明日は朝が早いから」と言っていたことを思い出す。どうやら「父親」の「部下」の「結婚式」らしい。
「父親」だけならまだしも――、あくまで「他人の結婚式」に、わざわざ「夫婦」揃って「出席」する必要があるのか、と少し「疑問」に思った。だが聞くところによると――、「新郎」は「社長の息子」らしく、「新婦」は「重要な取引先」の「専務の娘」らしい。
 だからそこには色々と「付き合い」なんかもあるのだろう、と。「事情」は分からないまでも、私は「察する」のだった――。

 それにしても。若い「カップル」が「門出を迎える」という「記念」すべきこの日に。私はといえば――、「恋人」ですらない「相手」と「逢瀬」を重ね、あまつさえ「処女」を「捧げよう」としているのだ。なんだか「不思議」な気分だった。
 彼らにとっての「結婚」がそうであるように、私にとっての「それ」もいわば「儀式」であることに違いはないのかもしれない。だが、「あちら」は「大勢」に「祝福」されるのに対して――、「私の方」はあくまで「二人だけ」で「ひっそり」と執り行われるものであり、果たしてそこに「福音」があるのかさえ「不明」である。
「両者」のあまりに異なる「通過儀礼」に思いを馳せたとき。私はなんだか自分がひどく「穢れて」しまったような――、もはや「正常」には「戻れない」ような――、決して「普通」に「帰れない」ような――、ある種の「怖さ」のようなものを抱くのだった。

 幸いなことに、私に「お呼び」は掛からなかった。(「誘われた」ところで「断る」つもりだったのだが…)
「純君」も家で「お留守番」のはずだ。まだ寝ているのだろうか。「ママ」が居ないのをいいことに、きっと思う存分「惰眠」を貪るつもりなのだろう。ここは「姉」として「弟」にビシッと言ってやらなくては、と思いつつも――。正直、今は彼が「眠った」ままでいてくれる方が都合が良かった。

 そういえば昨夜、純君は「ママも行くのよ」と言った「母」に対して、
「ママとも『知り合い』なの?」
 と、「無邪気な質問」をしていた。「中学生」の彼には、「大人の事情」というものが分からないのだろう。「『付き合い』よ」と母は苦笑しつつ答え、会話を聞いていた私は思わず「吹き出して」しまった。彼の「発言」に私が「リアクション」するのは、随分と「久しぶり」な気がした。
――そうだ、純君はまだ「そんなこと」知らなくて良いのだ。
 未だ「無知」な彼を――、そんな「純粋」な「弟」を――、私は「愛しく」思った。

 ひと通りの「作業」を済ませ「洗面所」を後にし、次に「メイク」に取り掛かるべく「部屋」に戻る――。
 その「途中」、私はふと「廊下」で足を止める。眼前には「トイレ」のドアがあった。

 それもまた私の「モーニングルーティン」に含まれている重要な「儀式」だ。あるいは「動画」にする時なんかは「省かれる」のだろうが――、紛れもなくそれは私にとって「日常」の「一部」となり、もはや「習慣」と化している。

 私は「毎朝」、「用を足す」ことにしている――。

 これまで「意識」したことなどなかったが。思えば――、「顔を洗う」→「歯を磨く」→「用を足す」という「一連」の「流れ」が、すっかり「自然」のものとなっている。
 本来ならば「朝食後」に「出した」方が「効率が良い」のだろうが。私の「健康な体」は「夜」の内に存分に「消化」を進め、「起きた」頃にはすでに「腸内」に「それ」が「蓄積」され、「食べる」よりもまず「催して」しまうのだった。
 そして「今朝」も――。

 私は「ドア」の前で「逡巡」する。
――果たして、「出して」しまっていいのだろうか…?
「便意」はある。「尿意」についても「そこそこ」に。あるにはあるのだが、そこで私は彼との「約束」を思い出す――。

「じゃあ、今から『トイレ禁止』ね!」

「無邪気」な、彼の「命令」。だがその「無邪気さ」は純君の「純粋さ」とはかけ離れたものだ。彼は「何も知らない」で言っているのではなく、「全てを分かった」上で言ったのだ。その後に待ち受ける、彼の「願い」を――、私の「望み」を――、二人の「願望」を――、あくまで「熟知」した上での、多分に「邪気」の含まれたものなのだ。

 私は今日、彼の前でまた「お漏らし」をする――。

「我慢」に「我慢」を重ねた上での「失禁」。「耐え」に「耐えた」末の「解放」。
 だからこそ、私は「溜めて」おかなければならないのだ。「おしっこ」を――、そして「尿意」を――。もはや自分の「意思」では「抗えなく」なるほどに、「堪えきれなく」なるくらいに――。
 いわば、この「忍耐」もまた「プレイの一環」なのかもしれない。全てはある「瞬間」のために――、「私の」あるいは「二人の」、「未来」のために――。

 あるいはそれが「尿意」だけであったなら――。私は彼の「指令」に「従って」いただろう。彼に言われた通り、きちんと「トイレに行かず」に、その場から歩き去っていたことだろう。

 私は「ドア」を開けた――。
「カギ」を掛け、それから「下着」を下ろし、「便座」に腰かける。

――そう、「したい」のが「おしっこ」だけだったなら…。
 私は「お腹」に「力」を込める。

――プスゥ~。

 と、まずは「出口付近」の「ガス」が「放出」される。そして――、

――メチチチチ…。

「お尻の穴」が拡がり、そこから「物体」が生み出される。「太く」「固い」ながらも、私の「意思」のままに「押し出される」それは――、「うんち」だった。

――ボチョン!!

 まるで「しっぽ」みたいに――。私の「お尻」から伸びた「それ」はやがて「重力」に「耐えきれず」に「切れて」、「便器内」に「産み落とされる」
 跳ね返った「水」が「お尻」に当たる。思わぬ「冷たい感触」に思わず声を出しそうになりつつも堪え、それから「深い息」を吐く。

――「うんち」、気持ちいい~!!

「快感」の「歓声」は上げずとも、「達成感」が込み上げてくる。

――まだ、出そう…。

「巨大」な「一本」を「ひり出し」ながらも、「便意」は未だ収まることなく――。
「注意深く」力を込めて、「次々と」生み出してゆく――。

――ブチッ!!
――メリメリメリ…。
――ピチョン!

「初発」には及ばないまでも、それなりの「塊」が「落下」する。
 ようやく「便意」が鎮まりつつも、だがまだ「半分」といったところだった。「股間」に「ムズムズ」とした「気配」がある。

 私はやや「迷い」ながらも、やがて「そちら」さえも「解放」してしまう――。

――ショロ…。シュイィィィ!!

「勢い」よく「放たれた」のは――、「おしっこ」だった。昨晩から「溜め込まれ」、「満タン」となった私の「尿」だった。

――やってしまった…。

 これにて、彼との「約束」を完全に「破って」しまったことになる。彼から与えられた「命令」を、私は「守る」ことが出来なかったのだ。
 出続ける「放尿」の「感触」を得ながらも――。あるいはこれが「便器」にではなく「ショーツの中」に「放たれて」いたなら、と想像する。
 きっとすぐさま「ショーツ」を突き破り、脚を「伝う」ことさえなく、「直接」足元に「水溜まり」を形成していたことだろう。それを「眺める」彼の「視線」を思う――。私に「与えられる」限りない「羞恥」を想う――。

 だが「後悔」はそれほどなかった。「安直」に私は考える。
――きっと、すぐにまた「したくなる」だろう…。
 と。「時間」が経てば――、それなりに「水分」を摂取すれば――。また何度だって「自然」に「催す」に違いない。それこそが「生理現象」というものなのだから。
 だから私はあくまで「スッキリ」としたまま、「排泄」を「終えた」のだった――。

 最後まで「出し切った」ことを「確認」しつつ、「ペーパー」に手を伸ばす。
「カラカラ」と手でそれを「巻き取り」、そして「お尻」にあてがう。

「一回目」は――、当然の如く「べっとり」と「付く」。「ペーパー」が「うんち」で「茶色」く染め上げられる。それを「便器」に捨てる。
「二回目」も――、やはり「それなり」に「付く」。「うんち」で「汚れた」ペーパー。少しばかり「マシ」になりつつも、まだ「拭い」きれていないことを報せる。
 そして「三回目」――、「微か」だが「付く」。私の「肛門」はまだ「汚れて」いる。
 さらに「四回目」――、ここにきてようやく「ほとんど」付かなくなった。とはいえ、「ペーパー」には「わずか」ながらも「痕跡」が刻まれている。薄く、茶色い「線」。

 さすがに、これ以上「消費」するのは「もったいない」という「節約心」が、私の中に生じる。「もういいだろう」と半ば「妥協」気味に「諦め」つつ「ショーツ」を上げる。だが――。

――ヌチャ…。

 確かな「感触」が与えられる。微かな「予感」が「的中」する。
 慌ててもう一度「ショーツ」を脱ぎ、確かめてみる。よく見てみないと分からないが、そこにはやはり「ウンスジ」が付いていた。ちゃんと「拭いた」にも関わらず。あれほど入念に「気を付けていた」というのに――。
「ショーツ」に刻まれた「排泄の痕跡」。「尻の部分」に――、その「中央」に描かれた「形跡」に鼻を近づけ、「匂い」を「嗅いで」みた。

「案の定」というか、やっぱり「クサい」。「ショーツ」から紛れもなく「うんち」の「ニオイ」がした。「清浄」であるはずの「乙女」とは、あまりに「かけ離れた臭い」。
 またしても私は「ショーツ」を「ウンスジ」によって「汚して」しまったのだった。

――どうして…。

「疑念」と「憤慨」を抱きつつ、けれど私には「心当たり」があった。
 それもまた、きっと「彼のせい」だ。彼が私の「お尻の穴」を「弄ったり」するから――、指を「突っ込んだり」、ペニスで「犯したり」するから――。だから私の「穴」は、すっかり「拡げられて」しまったのだ。
 もはやきちんと「閉じられなく」なるほどに、拭いても拭いても「拭き残して」ほどに――。だから「ショーツ」に「うんち」が「付いてしまう」のだ。

 私は「嘆息」しつつ、レバーを「大」の方に向かって捻る。「便器」の中の「モノ」が「水流」によって押し流されてゆく。それで「便器内」はすっかり「キレイ」になった。だが私の「肛門」はそうはいかなかった――。

「トイレ」を出て一度「部屋」に立ち寄り、「着替え」を持って「浴室」に向かう。
 汚れた「お尻」を「シャワー」で洗い流す。「指」には、未だに「ヌルヌル」とした「感触」があった。しつこいそれを何度も指で「拭い」「確かめて」、ようやく「感触」が無くなったところで水を止め、「清浄」な下着に穿き替えて、「浴室」を出る。

 そこで「純君」と鉢合わせた――。

 私は「驚き」のあまり、一瞬「声」を失う。彼は一体いつからそこに居たのだろう。
 私の――「姉」の再びの「失態」を、その「一連」を、「目撃」していたのだろうか。
 あるいは彼はまたしても「姉の下着」を「拝借」しようと企てていたのだろうか。ついさっき私が脱いだ「下着」を、またも「ウンスジ」の刻まれた「下着」を――。

「純君、起きたの?」

「疑い」を抱きつつ、彼の「真意」を探りつつ、私は「平静」を装って訊ねる。

「うん、さっき起きたところ…」

 純君は答える。「さっき」とは果たして「いつ」なのだろう。

「てか、お姉ちゃんどうしたの?」

 今度は純君に訊ねられる。「どうして、シャワーなんか浴びてるの?」と、確かに彼の「疑問」はもっともだった。

「いや、なんか『汗』かいちゃって。昨日の夜、ちょっと『暑く』なかった?」

 とっさに思いついた「返答」だった。あまりに苦しい「言い訳」。実際、昨夜はむしろ「肌寒い」くらいだった。「汗をかく」なんてことは全くない。
 それに第一、私は「服」を「着たまま」なのである。「下」はもちろん「脱いだまま」だが(「ショーツ」だけは穿いている)、「上」は「着たまま」だった。

――と。そこで私は自分の「下半身」が「下着姿」であることを思い出す。

「!!!」

 慌てて、手で「下」を隠す。「パジャマ」の裾を引っ張り、露わになった「ショーツ」を隠そうと試みる。だけど「無駄」だった。全てを「覆う」には、「両手」と「裾」だけではやや「物足りず」、あまりに「心許なかった」。
 私は純君に、穿いている「下着」を――、「ショーツの色」を知られてしまう。

「穿き替えた」私の下着は「水色」だった。「引き出し」から「選ぶ」とき、どうせなら「汚れ」の目立たない「黒」にしようかとも考えたが、それだと「お漏らし」の「染み」まで埋もれてしまう。それはなんだか「もったいない」ように思えた。
 あるいは今日は「デート」なのだから――、とせっかくなら「勝負下着」にでも穿き替えたいところだったが。あいにく私は「そんなもの」は持っておらず、「形」については「一定」のものばかりで、せいぜい「色」を選ぶくらいが関の山だった。
「Tバック」でも持っていたなら――、と思ってもみたが。ただでさえ「ウンスジ」を付けてしまう私が、そんな「お尻に食い込む」ような下着を穿こうものなら――、もっと「悲惨」なことになるのは目に見えていた。
 だからこそ私は、持ち得る「選択肢」の中で――。なるべく「淡い色」の、出来るだけ「可愛らしい」ものを選ぶことにしたのだった。

 私が「慌てた」様子を見て取って、純君も少しばかり「動揺」したらしかった。私から目を背け、「見ないように」と「視線」を逸らす。

「あっ、ごめん…!!」
「ごめんなさい…!!」

「謝罪」の言葉がぶつかりつつも、私は純君の横をすり抜けて自分の部屋へと向かう。
「後ろ」に純君がいることを感じながら、彼は果たして私の「後ろ姿」を目で追っているのだろうか。未だに「パンツ剥き出し」のままの私の「お尻」を――。

――お姉ちゃん、純君の言ってた通り。また「パンツ」を「汚し」ちゃったよ…。
――でも、これは「お漏らし」とは違うんだからね!!
――「ウンスジ」が付いちゃっただけなの!!

「ツンデレ」かどうかも分からない、あるいは「告白」とも取れる「台詞」を「心中」で発する。またしても私の新たな「秘密」を彼に「知られていない」ことを願いつつ――。

 ようやくパジャマの「下」を穿き終えた私は、再び「洗面所」に戻る。純君はまだそこにいた。どうやら顔を洗っているらしい。

「今日は『パパ』と『ママ』、居ないみたいだね」

 分かりきったことを、純君の「背中」に向かって語り掛ける。ついさっきの「出来事」をまるで「無かったこと」にするみたいに――。

「うん。『結婚式』って言ってたよね」

 純君は答える。水を止めて、私の方を振り向いた。

「純君、今日は何するの?」

 それもまた「普通」の「質問」。だけど彼は少しばかり「身構えた」らしく――。

「べ、別に…!!『ゲーム』でもしようかなって…」

 そっか。あるいは私が彼の「犯行」を悟ったとでも思っているらしい。そんなつもりはなかったのだが、そこまで「動揺」されると逆に怪しい。彼はまたも私の居ない間に、「洗濯機」を「漁る」つもりなのだろうか。
 彼のすぐ横には「それ」がある。そして「中」には、私の「脱ぎたてホカホカ」の、「汚したてホヤホヤ」の「うんすじショーツ」が入っている。彼にそれを見られてしまうことに「抵抗」を覚えつつも、どこか彼を「信じたい」気持ちがわずかに上回り、私はそれを「そのまま」にしておくことにした。(というか、一度脱いだ下着を再び「回収」するのはどう考えても不可解で、それではまるで彼を「疑って」いるみたいだった)
――きっと「大丈夫」だ。
 それは「汚れ」についてではなく、あくまで「純君」についてだった。彼は「あの晩」ちゃんと「約束」してくれたのだ。「もうしない」と――。「返事」はやや曖昧だったが、「彼との約束」を「守れなかった」私と違って、「純粋」で「真面目」な彼はきっと「姉との約束」を「守って」くれるはずだろう。

「そっか。ちゃんと『勉強』もしなくちゃダメだよ?」

 全ての「期待」と「信頼」を込めて、私は言う。

「お姉ちゃんは、今日も『アルバイト』?」

 今度は私の「予定」について、純君に訊ねられる。

「うん…、そうだよ」

 私は「嘘」をつく。本当は「デート」なのだが。
「お姉ちゃん」も「年頃」なのだから、それくらい別に「普通」なのだろうし、あえて「隠す」必要もなかったのかもしれないが、それでも。純君の「嫉妬」と、今日私がしようとしていることを思えば――、どうしても「正直」に答えることは出来なかった。

――今日、お姉ちゃんはまた「お漏らし」をしちゃうんだよ…。
――男の人の「前」で。自分の「意思」で。
――「わざと」お漏らしをして、その「姿」を見られちゃうんだよ…。
――しかも今日は、ついに「外で」お漏らしをしちゃうの!!
――きっと、すごく「恥ずかしい」だろうな。

 そんなこと言えるはずもない。そして――。

――お姉ちゃんは今日、やっと「処女」を奪われちゃいます!!
――純君はきっとまだ「童貞」だよね?
――分かるよ。ツラいよね?苦しいよね?
――本当は純君も、「女の人」の「中」に「入りたい」んだよね?
――でも、まだ「我慢」だよ。
――きっと、いつか純君にも「そういう相手」が現れるから。

「一足先」に、と。私は自分だけが間もなくそれを「終える」ことを思う。「姉弟」であることと「年齢」を考えればまさしく「順当」なのだが、なんだか少し「申し訳ない」気持ちになる。

――もし、純君が「したい」と思って…。
――それでも、「相手」を見つけられなくて…。
――もしも、純君がどうしてもって「望む」なら。
――「その時」は…。

――「お姉ちゃん」が「相手」になってあげる!!

 なんて、そんなことを言えるはずもない。それこそ彼に消えない「トラウマ」を植え付けてしまうことだろう。「初めて」を「お姉ちゃん」と「してしまった」という、決して癒せぬ「瑕」を与えてしまうだろう。それでも、いざとなったら私は――。

「遅くなるかもしれないから、『晩ごはん』一人で食べられる?」

 私はあくまで「面倒見の良い姉」として、純君に訊く。

「ママは『そんなに遅くはならないから』って言ってたよ」

 確かに、わざわざ「他人の結婚式」でまさか「二次会」に参加したりはしないだろう。「式場」はやや遠方にあるらしいが、それでも「夕方」くらいには帰ってくるはずだ。

「ちょっと待ってて」

 私は今一度部屋に戻って、「財布」を持ってくる。

「はい、これ!」

「千円札」を取り出し、純君に渡す。

「いいよ。ママに貰ったから」

 純君は「遠慮」する。

「いいから、もし使わなかったら『漫画』でも買いなさい」

 私は半ば強引に、純君に「お小遣い」を託す。それが「姉」として私に出来る、せめてもの「償い」のつもりだった。

 純君は知らない。私が「バイト」ではなく、本当は「デート」に行くことを――。
 今日また「新たな経験」をすることになるだろうことを――。帰ってくる頃には、あるいは「違う私」になっているかもしれないことを――。
 いや、彼は「知る必要」などないのだ。

「ありがとう…」

 そう言って、渋々純君は「お金」を受け取る。私は「笑顔」で頷きそれに応え、少しばかり「満たされた」ような気持ちになる。わずかばかり「罪悪感」が拭えたような、そんな気がした。

 純君との「会話」を終えて。早速、私は「準備」の「続き」に取り掛かる。「メイク」を済ませ、「髪」をセットし、「服」を着替えて、それからほぼ「予定通り」に家を出たのだった――。


続く――。

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おかず味噌 2020/10/15 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十四話「私の視点 ~因果と応報~(3)」

(第二十三話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/378969


「『お漏らし』しちゃっていいですか?」

 彼に「許可」を求める。

「ダ~メ!」
「お願いします!!」
「自分の部屋の中で『お漏らし』する気?」
「そうです!『トイレ』に行きたいけど、もう『間に合わない』です!!」
「床、汚れちゃうよ?」
「はい…。『ショーツ』もビショビショになっちゃいます!!」
「『お漏らしパンツ』だね」
「はい!結衣はまた『お漏らしパンツ』をこしらえちゃいます…」
「結衣の『おしっこ』はどんな色?」
「いっぱい我慢してたから。きっと『真っ黄色』です…」
「『匂い』は?」
「すごく『クサい』です!!『アンモニア臭』たっぷりの『激臭おしっこ』です!!」
「結衣の『パンティ』、『おしっこクサく』なっちゃうね!」
「はい…。今日は『白』だから、『ション便染み』が目立っちゃいます…」
「恥ずかしいね?」
「すっごく!!でもすでにもう、ちょっと『黄色い』です…」
「あれっ?『茶色』いんじゃなくて?」

 ここに至っても、彼はあくまで「そっち」を「指摘」する。
 彼の「根気」に折れて、そして私は――。

「『うんち』は漏らしません!!でも、『ウンスジ』は付いちゃってるかも…」

「告白」してしまう。自らの「恥ずべき汚れ」を――。だがそれも「嘘」だった。「今」は付いてなどいない。あくまで「今だけ」は――。

「だと思った!」

――ん?それは「どういう意味」だろうか…?
 彼はまるで「予想」が「的中」した、というような「反応」を示した。それはあたかも「知っていた」というような――。だがそれはおかしい。あくまで、彼は私に「羞恥」を与えるため、「当てずっぽう」を述べていただけではないのか。そこには「確信」に至るべき「核心」など、彼がそれを「知り得る」はずなど――。「まさか」――。

「だって、結衣の『アナル』舐めた時、正直めっちゃ――」

「『付いてた』よ?」

 ついに、「指摘」されてしまう。「何が?」とは今さら問うまい。もはや分かりきったことだ。「あの時」、やはり私は「汚して」いたのだ。

「ちゃんと『拭いた』のかって思うくらい、『うんち』が付いてた」

 私が「言わず」とも、彼からそれが「報せられる」。私が「忌避」し、「懸念」したものが、紛れもなく「そこにあった」のだと――。

「ねぇ、あの時実は…『大きい方』も漏らしてた?」

 私の「返答」を待つことなく、次々と彼は私を追い込んでいく――。

「『パンティ』にも『ウンスジ』付いてたし…」
「『お尻の穴』の『周り』も『ヌルヌル』したよ?」

 やっぱりそうだったのか。でも、だとしたら彼はどうして――。「舐める」のを止めなかったのだろう。そんなに「汚かった」なら――、「クサかった」なら――、たとえそうじゃなくとも、私は止めて欲しかったのに。

「『おなら』だってしたしね?」

 それについては「周知」の事実だ。その「羞恥」は「既知」のものとして――、すでに私の中に刻まれている。

「結衣は『お尻の穴』も『緩い』のかな?」

 そうなのかもしれない。「普通の子」はきっと、こんなにも「ショーツ」を「汚した」りしないのだろう。

「そんな事ないです!!」

 そう「返す」のがやっとだった。というより、他に返すべき言葉を私は持たなかった。

「ねぇ、明日は『おしっこ』じゃない方を『漏らす』ってのは?」

 彼の言わんとしていること――、私にもそれが分かった。だけど「そっち」は、それだけはどうしても――。

「それはイヤです!!」

 何の「工夫」も凝らさず、ただただ私は「拒絶」する。
「駄目」なのだ、どうしても――。そちらについては、私の「羞恥」の「許容」を越えている。というよりもはや「羞恥」ですらない。いや紛れもない「羞恥」には違いないのだろうが、そこに「興奮」の介在する余地はない。ただ「絶望」があるのみだ。
 いやそれは「小」の時も――、「最初」はそうではなかったか。「初めて」の「瞬間」その「直後」、私の眼前には「暗い色」をした「それ」があるだけだった。それが「今」となっては――。
 それでも。やっぱり「うんち」は駄目だ。今度こそ本当に、私は「終わって」しまう。「処女」を終える前に――、それ以前に「女子」として終わってしまう。
「真面目」とか「不真面目」とかの問題ではない。「変態」もここに極まれり、である。
 だが彼は――、あるいは「そっち」さえも私に「求めて」いるのだろうか。だとしたら私は――。

「どうしても?」

「駄目押し」とばかりに彼が「もう一度」だけ訊いてくる。私に明日、「おしっこ」ではなく「うんち」を「漏らせ」と――。

「『どうしても』です!!」

 やっぱり「無理」だった。これについては彼に「諦めて」もらう他ない。彼は「残念」に思うかもしれない。だが私は彼の「期待」に応えることより、ここでは自らの「尊厳」を優先することを選ぶのだった――。

「そっか、残念…」

 まさしく彼は、私の思った通りの「反応」をする。わずかな「申し訳なさ」を感じつつも、それでも私の「答え」が覆ることはなかった。

「じゃあ、いいよ」

――えっ…?

 一体何に対する「許可」なのだろうか。あるいは「いいよ」というのは「もう結構」という意味なのだろうか。彼に「見放されて」しまったのだろうか。たかだか一度「拒否」したというだけで、もう「これっきり」なのだろうか。それではあまりに――。
 だが、彼の「意図」は違った。
 
「『おしっこ』。『そっち』は漏れそうなんでしょ?」

――そうだった…。

 思わぬ「寄り道」のせいか、私自身「忘却」していた。そちらの「羞恥」については、まだ「有効」であったことを――。

「はい…。もう出ます!」

 私は「宣言」する。「解放」を「宣告」する。
 そういえば、少しばかり「尿意」を「催して」きた気もする。今ならば、「出る」かもしれない。「わずか」とはいえ「漏らして」しまうかもしれない。

「俺ももう『出そう』だから…」

 彼が言っているのは恐らく、「白濁」の「液体」のことなのだろう。私がそうであったように、彼も自らを「慰めて」いたのだ。私の「偽装お漏らし」によって――。

「私も、もう『イッちゃいそう』です…」

 それは「本当」だった。というより、さっきから何度も「イキ」掛けていた。「背中」を這い上がる「ゾクゾク」とした「気配」と、「脳」にもたらせられる「ふわふわ」とした「予感」を抱いていた。あとは――ほんの少し、「きっかけ」を与えてやるだけだ。
 その「感覚」は、あるいは「お漏らし」する時にも「似て」いた。私の中で、目の前に「薄い膜」のようなものがあって、それが「鼻先」にまで迫っている。「通り抜ける」ことそれ自体は容易い。ほんのちょっと、足を「踏み出す」だけだ。
 そして私は。ついにそれを「越える」べく、「追い越す」べく、指を「加速」する。「ズボズボ」と幾度となく指を「出し入れ」し、そこから「快感」だけを取り出す。次々と「溢れ出す」、私の「愛液」。今や「お漏らし」とそう大差ない。あるいは「水分」には「おしっこ」だって含まれているのかもしれない。

「いいいよ。いしょにいこう!」

 再び「承認」が与えられる。文章が「乱れて」いるのは、彼の指が「ブレ」ているからだろう。自らの与える「振動」によって――。彼自身の「衝動」によって――。

「結衣の『お漏らし』、みてください!!」

「震える」指で私も返す。すでに「変換候補」にある「単語」は「ブレ」ようがない。

「みてててあげるから。いぱい出して!」

 相変わらずの「乱れっぷり」。彼も「限界」が近いのだろう。何だかちょっとばかり「可愛く」思えてくる。

「結衣の『ウンスジ』ショーツに、『おしっこ』もいっぱい付けちゃいます…」

「最期」の「大サービス」だ。さらに彼の「射精」を後押しする。「不本意」ながらも、それで彼が「気持ちよく」出してくれるのなら――。

「結衣の『うんち』にいぱいかけてあげるよ!」

 彼の「変換候補」にも、その「単語」はあるらしい。

「こんなにカワイイ結衣が、まさかあんなに『ウンスジ』つくてたなんて」

――それほどまでに「付いて」いたのか。

 確か「あの日」は「黒」のショーツを穿いていたはずだ。にも関わらず、そんなにも「はっきり」と分かるくらいに、私は「茶色」い「スジ」を描いていたのか。

「結衣の『うんち』、すごくくさかたよ!」

――そりゃ「クサい」だろう。「うんち」なのだから…。

「でも、めちゃこうふんした!」

――それは良かった。

「結衣の『うんち』で、いっぱい出してください!!」

――私は、あくまでも「そっち」は出さないけど…。

「ダメだ、もう出る!!」
「私も出ちゃいます!!」

 来る「衝撃」に備えて、「脚」に力を込める。「つま先」が「ピン」と「上」を向く。そして――。

――ビク、ビクン…!!!

 私の体は大きく「脈打った」。それと同時に、「膣」が激しく「痙攣」する。それから間もなく――。

――チョロロ…。

 何かが「溢れ出す」のを感じた。ショーツの中に「わずか」だが「水流」が迸る。そう間違いない、この「感じ」は――。
「おしがま」でもするみたいに、「突っ込んだまま」の「掌」に「おしっこ」が当たる。その「灼熱」の「液体」は、少しも「受け止められる」ことなく、掌から「零れ落ち」、やがて「穿いたまま」の「ショーツ」へと滲んでいく――。
「ショーツ」の中が「温かい感触」に包まれる。「あの夜」ほどではないにせよ――、だが確実にショーツを「濡らす感触」。もはや「慣れ親しんだ」「懐かしい感覚」だった。

――私、また「お漏らし」しちゃった…。

 少なからず「後悔」はあるつつも――、もはやそこに「罪悪感」はなかった。ただ、「快感」があるのみだった。

「少量」の「おしっこ」はすぐに「出終えた」らしい。それでも「余韻」の残った私の「部分」は相変わらず「麻痺」したままだった。
 やがて「麻痺」は「全身」へと――、主に「下半身」全体へと「波及」する。
「腰」に全く「力」が入らない。試しに「立とう」としても「無駄」だった。あるいは「腰が抜ける」というのは、こんな感じなのだろうか。

 私は「無力」だった。「精神的」な意味においてではなく、あくまで「肉体的」に。体に「力を込める」ことが出来なかったのだ。だが、それでも――。
 ある「一か所」だけはなぜか、私の「意思」に反して――、まるで私を「あざ笑う」かのように自然と力が込められるのだった。
 その「一か所」とは「括約筋」であった――。

――プスゥ~。

「間抜け」な音が文字通り「漏れる」。まるで「呼吸」をするみたいに、「天然ガス」が漏れ出す――。

――プゥ~!
――プッ!!
――プピ…。

「可愛らしい音」に笑いそうになり、さらに力が抜ける――。

――ブチィィ!!!

「可愛げのない音」。「はっきり」と、「気体」ではない何かが「出た」感触があった。「まさか」――。

 恐る恐る「尻」を浮かしてみる。思わぬ「衝撃」によって、私は「自由」を取り戻していた――。

――ヌチャ…。

「嫌な感触」がもたらせられる。「お尻」と「ショーツ」が「ひっつく」ような――。
 慌てて「ショーツ」をめくり「裏側」を――「お尻の部分」を確認する。

――「べっとり」と、「うんち」が付着していた。

 とはいえそれは「固形物」では決してない。あくまで「液状」のものに過ぎなかった。
 それでも私は――。

――「うんち」を「チビって」しまったのだ!!

 もはや「ウンスジ」などではない。「拭き残し」などではなく、それは今まさに私の「肛門」から「漏れ出た」ものだ。ごく「少量」であるとはいえ、私は―。

――「うんち」を「漏らして」しまったのだ!!

「白い」ショーツに描かれた「茶色」。より「はっきり」とした「便跡」。
 ショーツを「揺すった」ことで、やがて「ニオイ」が漂い始める。明らかな「不快感」をもたらす、私の「うんち」の「匂い」――。

――ついに、「やってしまった」!!

「おしっこ」のみならず、私は「うんち」を漏らしてしまったのだ。

「確かめる」ように、恐る恐る私は「指」を「肛門」に近づける。そして――、そっと「触れる」。確かな「異物感」。「ヌルッ」とした感触。再び「戻した」時には――、「指」に「うんち」が付いていた。
 その指を「鼻」に近づけることを――、私は「躊躇い」つつも、決して「抗う」ことは出来なかった。鼻を鳴らして、「匂い」を嗅ぐ。

――クサい!!!

 私の指はとんでもなく「クサかった」。だが「当然」だ。そこに「コーティング」されているのは、「うんち」なのだから――。

「燻製」のような、濃い「芳香」がまずは鼻腔を満たす。「本能的」に顔を背けたくなるような――、鼻をつまみたくなるような、圧倒的な「不快感」。だがそこには何かしら、私を「惹き付ける」ような「魅力」が含まれている。
 あるいは「香水」がそうであるように。確か、「製造過程」において、あえて「悪臭」を「調合」するのだという話を聞いたことがある。それにも似ていた――。
 私は「勇気」を出して、「決意」を込めて、今一度自分の「指」を嗅ぐ。そこに付いた自分の「うんち」の「匂い」を「確かめる」――。

 やはり「クサい」!!紛れもない「悪臭」。――だが、その「奥」に、「微か」だが「別の匂い」を嗅ぎ取る。「排泄物」となるべく「老廃物」に至るまでの「歴史」――、その「名残」を「わずか」ばかり「覚えて」いる。
 それは例えば、かつて「夕食」として「食卓」に並んだ「食材」たち――。「消化」の「過程」において、けれど「かき消される」ことなく「残った」彼らの「成れの果て」。
 あるいは、いよいよ「排泄」の段階において、共に「排出」された「腸液」――。少し「酸っぱい」ような香りのする、私自身の「体液」。

 それらが「幾重」にも混ざり合った――、「クサい」けれど、どこか「落ち着く」ような、「名残惜しさ」さえ思わせるような、不思議な「匂い」。
「おしっこ」とは比べ物にならないほどの「情報」が――、そこには「詰まって」いる。
「嗅ぐ」度に少しずつ「形を変える」それは――、あるいは「万華鏡」みたいだった。
 私は自らの「出したモノ」に、その「芳香」にしばらくの間「夢中」になり、「脳」を「痺れ」させていた――。

 床に投げ出された「スマホ」には、彼からの「射精報告」が届いているのだろうか。ならば私もきちんと「報告」しなければ――。
 そう思いつつも、私は今それどころではなく。今はただ自分のしてしまった「行為」、「うんちお漏らし」の「余韻」に浸っていた。
 それはごく「少量」であったが、それでも限りなく私を「穢し」、あるいは「蝕んで」いた――。

 ふと、自ら「汚して」しまった「ショーツ」を想う。かつて「純白」だったそれには、もはや「おしっこ」や「愛液」の「染み」ばかりではなく、「ウンスジ」よりも明らかな「ウン染み」が刻み付けられている。
 本来であれば明日、彼の前で「染め上げられる」ことになるはずだった「お気に入り」は、惜しくも「志半ば」で潰えることとなった。「予定調和」の「黄色」ばかりでなく、もはや「予期」せぬ「茶色」にさえ「その身」を染めながら――。

 まさか、これをそのまま明日「穿いていく」わけにはいかないだろう。それどころか「今夜」を乗り切ることさえ叶わないだろう。
 早く「穿き替え」なければ――。あるいは「床」を汚してしまうかもしれない。
 そして――。

「あの晩」の私がそうであったように、「彼」が――、「純君」が私の部屋を訪ねてくる「可能性」だって否めない。もし、「この姿」を見られでもしたら――、一体どう言い訳すればいいのか。次は「私の番」かもしれない、「秘密」を暴かれるのは。私にとって、それは「二度目」となる――。ふと「弟」の顔がよぎったことで、彼を思い出す。

――純君。お姉ちゃん、ついに「うんち」を「お漏らし」しちゃったよ…。

「姉」の情けない「告白」はけれど、誰にも聞かれることなく。それはあくまで「独白」に過ぎなかった。けれどその「事実」は、決して消えることなく私の中に残り続け――。
 新たな「示唆」を与えるのに十分なものだった。

――私はいつか「彼の前」で、「うんち」さえも漏らしてしまうのだろうか…?

 不意に浮かんだ「疑問」は「問い掛け」となる。だがそれを「聞く者」も今は居なかった。

 私は尚も、「股間」を弄り続ける。「うんち」の付いた「指」で、それに構うことなく自らを「慰め」続ける。私の「愛液」と「うんち」とが混じり合う。「ヌチャヌチャ」とした音は、果たしてその「どちら」からもたらせられるものなのだろうか。

 未だ彼への「返信」をすることもなく、私は開きかけた「扉」の前でそのまましばらく「佇んで」いた――。


続く――。

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