おかず味噌 2020/11/06 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十八話「私の視点 ~因果と応報~(7)」

(第二十七話はこちらから↓)
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彼は「入口」に肩をもたれながらこちらを――、「お漏らし」した私を――見ていた。そこが「女子トイレ」であるにも関わらず。
 彼の「顔」には――、どのような「表情」も浮かんではいなかった。だからそこから「感情」を読み取ることは難しかった。
 それでも――。私は「震えて」いた。「ローター」のせいでも、体が「冷えた」せいでもない。もっと「奥底」から沸き上がるそれは――、「恐怖」だった。

「ごめんなさい、私やっぱり…」

 何かを問われる前に、まず「言い訳」をする。言いながら――、私の「下半身」からはまだ「おしっこ」が「ポタポタ」と滴っていた。
 それから「数秒」の――私にとってはもの凄く「永く」感じられた――「沈黙」の後、彼はようやく「声」を発した。

「また、『お漏らし』しちゃったんだね?」

「呆れた」ように、私に問う。

「はい…。また『我慢』出来ませんでした…」

 もはや「定番」となった「やり取り」を交わす。すっかり「慣れた」はずの「会話」も、けれどやはり改めて口に出されると――、何度だって「羞恥」はこみ上げてきた。
 すると突然、彼は私に「近づいて」きた。「大股」で私の元へと歩み寄り、そのまま私を「個室」へと追いやり、それから手早く「カギ」を掛けた。

 果たして彼が「怒って」いるのか、あるいは「興奮」しているのか、私には判らなかった。いや、これは恐らく――。

――ドン!!

 と、彼は私のすぐ横の「壁」に手を突いた。初めてされた、これがいわゆる「壁ドン」というやつだろうか。と、「呑気」なことを私は思った。

「結衣、言わなかったっけ?」

「低い声」で彼に「問い詰め」られる。私はそれに「答える」ことが出来なかった。

「今日は『外でお漏らし』するって、言ったよね?」

 そうだ、そもそも「私から」言い出したことなのだ。それなのに――。

「言いました。でも、やっぱり『恥ずかしくて』…。それに――」

「他の人に『迷惑』掛かるから…」と、消え入りそうな声で私は呟いた。
 私の「真面目さ」は最後の最期になって「私自身」を――、私の「素行不良」を――、決して「赦して」はくれなかったのだ。

「そう思うなら、ちゃんと『我慢』すれば良かったじゃん!」

 彼は私に「無理難題」を押し付ける。

「だって…」

 私だって、ここまで「精一杯」、もはや「限界」まで「我慢」したのだ。だけど――。

「あんなに床『びしょびしょ』にして――」

――「清掃」の人の「迷惑」までは考えなかったの?
 言われてみれば確かに――、そこまでは頭が回らなかった。そこは「トイレ」であり、すぐ目の前に「便器」があるにも関わらず。それなのに私は「間に合わなかった」のだ。いや、あるいは仮に「間に合っていた」としても、果たして私はきちんと「便器」でそれをしただろうか。

「自分でスカート捲って、見せてごらん!」

 彼に言われた通り、私はロングスカートを「たくし上げ」――、「お漏らしショーツ」を見せつける。「ぴったり」と「お尻」に「股間」に「貼り付いた」ままのショーツ。「生温かさ」も徐々に「冷やされ」、何だかとても気持ちの悪い「感触」――。

 すると彼はおもむろに、私の「ショーツ尻」を撫で回し始めた――。

「こんなに『濡らし』ちゃって…。そんなに『我慢』してたの?」

 彼は私の「お漏らし度合」を観察する。しっかりと触って、「濡れ具合」を確認する。彼の手が「触れる」度に、ショーツが「くっついたり」「剥がれたり」を繰り返す――。

「はい…」

 彼は私の「お尻」を「愛撫」する。「ゆっくり」と、それからやがて「陰部」へと向かう――。

「『汚い』ですよ…?」

 彼は答えない。あくまで「無言」のまま、もはや「おしっこ」で濡れることも厭わず、やがて「ショーツの中」へと「指」を滑り込ませる――。
 彼の指が「固いもの」に触れ、それを取り出す。私の「中」に秘められた「ローター」だった。

――ヌポンッ…。

 微かな音を立てて、「役目」を終えたそれが引き抜かれる。すっかり私の「体温」に馴染んだそれを、彼は指で摘まんで私の「眼前」に持ってくる。

「見てごらん!」

「物体」の「表面」が何やら「光って」いる。「濡れている」せいだろう。何しろそれは「発射口」付近にあったものなのだ。だから当然のことだった。だが――。
 彼の「指」は「ローター」から「何か」を「採取」する。「親指」と「人差指」を一度くっつけて、それから離す。

――ヌチャ…。

「粘着質」な音。彼の指は「糸」を引いていた。「ヌラヌラ」と光るそれは「おしっこ」じゃない。その「液体」は紛れもなく――、私の「発情」の「証」だった。

「これは何?」

 意地悪く、彼は問う。分かっている癖に、あくまで彼は私の口からそれを言わせたいらしい――。

「『本気汁』です…」

 どこでそんな「言葉」を覚えたのだろう。自分でも分からなかった。言ったそばから、思わず「赤面」してしまう。

「そっか、結衣は『お漏らし』で『興奮』しちゃったんだね」

 彼に「知られて」しまう。「粗相」による「欲情」を悟られてしまう。

「俺も――」

――「興奮」してきちゃった…。
 少し「ツラそう」に、彼もまた「自白」する。見ると、「ズボン越し」でもはっきりと分かるくらい「隆起」していた。彼の「そこ」もまた「ツラそう」だった。
 彼に「請われる」前に、自らの「意思」で私は動く――。果たしてそれは「慈愛」から来るものなのだろうか、あるいは「母性」にも似た感情なのだろうか、あるいは私自身の単なる「興味」によるものなのか――。
 私は彼の方を向き直して、彼の前でしゃがみ込む。「ベルト」に手を伸ばしてそれを緩めて、次に「ファスナー」を下ろす。さらに「はっきり」と「下着越し」に彼の「モノ」が「顔」を出す。私は下着すらもずり下げた――。

 わずかな「抵抗」を感じつつも、ついに彼の「イチモツ」が姿を現す。「飛び出した」ことで、それは「上下」に揺さぶられた。
 こうして「まじまじ」と見てみると、やっぱり彼のは「大きかった」。「どっしり」とした「重さ」のような――、「くっきり」とした「陰影」のようなものが浮かび上がっている。「ペニス」について、最後に見た「記憶」を呼び覚ます。それは「弟」の「モノ」だった――。

 純君の「可愛らしい」それとは大きく異なっている。まず「サイズ感」が違う。そして「形状」さえも。こんなことを言うのは純君に申し訳ないが――、彼のように「皮被り」ではなく、それは「ズル剥け」の「おちんちん」だった。
 一見して「醜悪」なその「塊」は、けれど私に「本能的」な「欲求」を呼び起こさせる。それが私の「そこ」に「差し込まれる」のことを――、はっきりと「予感」させる。

 だがその前に。まずは口での「愛撫」を試みる。しっかりと口を開いて――、口の中に彼の「ペニス」を誘う。「口内」が彼の「モノ」で満たされる。
 相変わらず「ヘンな味」だった。だけどそれはほとんど「無味無臭」だった。ここでも「純君」を引き合いに出してしまうけれど。「純君の」には「包茎」ゆえの「恥垢」が付いていたのに対して、「彼の」にはそうした「汚れ」のようなものはなかった。
「不快さ」は全くなく、ただ「先っちょ」から「溢れ出す」ものを「すする」と、微かな「苦み」を感じるのみだった。

――じゅるる、じゅぼぼぼ、ぶちゅるんっぱ!!

 盛大に「音」を立てながら――、「愛しさ」さえも感じつつ――、彼の「おちんちん」を「しゃぶる」。「三回目」の「フェラチオ」。少しは「巧く」なっただろうか――。
「裏すじ」にも「舌」を這わせ、「玉」も「竿」も丁寧に均等に舐める。その「動作」が「正しい」のかは分からない。あくまで「見様見真似」というか――、「手探り」のまま「愛撫」は続けられる。そして――。

――モゴッ!!!

 突如として、彼は「ペニス」を私の口に深く「差し入れる」――。同時に私は「呼吸」を奪われてしまう。

――「息」が出来ない…!!

「生命の危機」すらも感じる。私は彼の脚を強く叩き、「降参」とばかりに「タップ」する。だが彼は私を「離して」はくれなかった。
「嗚咽感」がこみ上げてくる。「吐き出したい」けれど、彼の手はしっかり私の「頭部」を「固定」し、わずかな「自由」さえも「許して」はくれなかった。

――ボフッ!!!

「ペニス」と「口」との間に微かな「隙間」が空き、そこから「嗚咽」じみた「汚い音」が漏れる。「腹部」が「脈動」し、同時に自然と「下腹部」に力が込められてしまう。

――ジョボロロ…!!!

 気がつくと、私は再び「失禁」していた。全てを「出し切った」と思っていたけれど、それでもわずかに残っていた「おしっこ」が「漏れ出た」のだった。
 すでに「お漏らし」によって「濡れたショーツ」に「受け止める」力はもはやなく、「押し出される」ように「おしっこ」が流れ出す――。

――ピチャピチャ…。

 足元のタイルに跳ね返り「パンプス」を濡らす。そして、ようやく私は「解放」されたのだった――。

「また、『お漏らし』しちゃったね」

 またしても「羞恥」の言葉が掛けられる。未だ「呼吸」の整っていない私を、彼は強引に「立ち上がらせる」。私に「向き」を変えさせ、彼は私の「後ろ」に立つ――。
 彼は――、私の「お尻」に顔をうずめた。またしても「お漏らし」をしたばかりの、「直後」の「ショーツ」に顔を押し付ける。
 彼の鼻が「割れ目」に当たる。「頬骨」が「口元」が、確かな「痕跡」へと誘われる。

「うん、すっごく『おしっこクサい』!!」

「水から上がった」みたいに、「浮上」した彼は言う。私の「匂い」を彼に「知られて」しまう――。

「言わないで…ください…」

 私は「恥ずかしさ」を吐露し、「拒絶」を口にする。だけど本当は――、それほど「嫌」ではなかった。

「ほら、ここ。『濡れてる部分』とはっきり分かれてるよ?」

 今度は「目」で――、「視姦」される。「お漏らしの跡」を「観察」されてしまう。
 彼に言われて見ると、確かに「染み」は「顕著」だった。
「水色のショーツ」は、主に「下半分」だけが「濃く」なっていた。だが思ったよりその「範囲」は広く、「お尻部分」はもはや「全滅」に等しかった。きっと二度目の「失禁」のせいだろう。
 今日、この「色」を「選んだ」ことを――、私は「正解」だと思った。
「淡い色」であることによって「小便染み」が「くっきり」と浮かび上がっている。微かな「黄ばみ」すらも「はっきり」と――、私の「ショーツ」は「証拠」を表わしている。あるいは「黒」なんかだと、こうはいかないだろう。

 彼は再び、私の「ショーツ」に顔を近づけた。だけど今度は「うずめる」のではなく、あくまで少しばかり「距離」を取った状態で「舌」だけを伸ばす――。
 そして。まるで「テイスティング」するみたいに、彼は「私の味」を確かめる――。
 それについての「感想」を――、彼は口にしなかった。

 彼は私の「ショーツ」を脱がせ始めた。
「腰」に手を掛けてまずはずり下ろし、そして私の脚から引き抜く。「片足」ずつ上げて、私もそれに「協力」した。
 そうして。「お漏らしショーツ」を、彼に「剥ぎ取られて」しまう。私から奪い取ったそれを彼は両手でしっかりと「握り」ながら、「雑巾」のように「絞る」――。

「ボタボタ」と、「ショーツ」に「吸収」された「おしっこ」が「溢れ出す」。
 それはまるで「お漏らし」のように――。

――こんなに…。

 目の前で「疑似的お漏らし」を見せつけられ、私の「剥き出し」の「股間」は「熱く」なる。ささやかな「微風」も、けれど私を「冷ます」には足りなかった。

 そして、彼はおもむろに私の「唇」を奪った。彼の「舌」が「口内」に侵入し、私の「舌」に「ねっとり」と「絡んで」くる。ついさっき、私の「ショーツ」を――、「尿」を味わったはずのそれと――、私は自分の「おしっこ」と「キス」をしていた――。

――苦い…。私の「おしっこ」、苦いよ…。

 それに「クサい」。紛れもない「アンモニア臭」。それこそまさに、私の「おしっこ」なのだ。「香り」と「味」を確かめてしまう。彼は――、そして「純君」も――、こんなものを「飲まされて」いたのか。
 私は少しばかり「反省」する。いかに「興奮」の末とはいえ、たとえ「愛」があろうとも――、こればかりはどうしようもないくらいの「不快感」に違いなかった。

「もう、そろそろ…」

 私は「告白」する。「曖昧」な言葉で、けれど「明瞭」に申し出る――。

「待って。しっかり『ほぐして』からじゃないと!」

 そう言って彼は私の、


「お尻の穴」を舐め始めた――。


――やっぱり「そっち」なのか!!
 私は「絶望」に打ちひしがれる。彼の「興味」は分かっていた。だけど今日は――。

「今日はその…『後ろ』じゃなくて、『前』の方が…」

 尚もめげずに、私は「こっち」を「懇願」する。
 だが、私の「願い」が聞き届けられることはない。あくまで彼はすでに「照準」を定めている。私の「尻肉」を拡げ、その奥にある「穴」ばかりを攻め続ける――。

――また、「うんち」が付いたりしてないだろうか…。

 細やかな「心配」も、けれど今はそれどころではない。それにきっと大丈夫なはずだ。そして、そんなことよりも――。

 このままでは「埒」が明かない。多少「不埒」であろうとも、ここまで来ればもはや「背に腹は代えられない」。今度こそ「はっきり」と、より「直接的」な言葉で言わなければ――。

「『オマンコ』に、入れて下さい!!」

 私はついに言ってしまう。その「響き」に掻き立てられる「焦燥」のようなものを感じながらも――、今やすっかり慣れ親しんだものになりつつあった。

「『オマンコ』、して下さい!!」

 その「単語」を、今度は「動詞」へと「活用」させる。そんな「用法」は本来ないのだが――、それを言うならそもそも「辞書」に載っていない「俗称」なのだ。

 ようやく私の「懇願」を聞き入れる気になったのだろうか。彼の「執拗」な「執着」が留められる。「お尻の穴」から口を離し、その口で彼は言葉を発する。だが――。

「でも、結衣の『アナル』。『ヒクヒク』してて、すごく可愛いよ?」

「可愛い」と褒められることに「慣れていない」私は、この期に及んで「取って付けた」ようなそんな「賛美」にさえも、分かりやすく「狼狽」してしまう。
 そうなのかもしれない。だが、たとえそうだとしても――。

 彼は昨日、確かに「約束」してくれたのだ。明日は「オマンコ」に「入れる」、と。
 あるいはそれもまた言い出したのは私の方であり、私が勝手に盛り上がってしまっていただけなのかもしれない。それでも、彼は「いっぱい突いてあげる」と、「どちらを」とは言わないながらも、話の流れから「そちら」であることはもはや「確定」だったのにも関わらず。それなのに――。

 これでは「約束が違う」ではないか。確かに、先に「約束」を「違えた」のは私なのかもしれない。「外でのお漏らし」――、私は「寸前」になってそこから「逃げ出して」しまったのだ。だがそれにしたって、この「反故」はあまりに――。

 私は次に何を言うべきかも分からず「返す言葉」を失ってしまったことで、「理解」が得られたと思い込んだ彼は「アナル舐め」を「再開」する。
 そこで彼は、何かに「気づく」――。

「あれっ?もしかして結衣、今日『うんち』した?」

 ついに「指摘」されてしまう。今朝「したこと」を知られてしまう――。

「ちょっと、『うんちクサい』よ?」

――またちゃんと「拭けなかった」の?
――それとも、こっちもちょっと出ちゃった?

 彼は私の「羞恥」を煽る。だけどそちらについては求めていない。あくまで、私が今「望んで」いるのは――。

「しました!朝、してきちゃいました…!!」

 私は答える。「嘘」をつくことはいくらでも出来たはずだ。だけど彼が「指摘」するからには、何かしら「証拠」のようなものを感じ取ったのだろう。
――どうして…?
 私は確かにちゃんと「拭いた」。にも関わらず「付いて」しまったのだ。だから私は「洗い」、きちんと下着を「替える」までしたのに――。
――それなのに、まだ「付いて」しまうのか。
 私は自分で自分が嫌になる。どうしてここまで私の「お尻の穴」は「緩い」のだろう。いや、それはそもそも「彼のせい」なのだ。彼が「そっち」でしたりするから。
「あの晩」、きちんと「性器」でしていれば――、私は今頃そんな「悩み」を抱えることも――、もはやとっくに「処女」さえも「捨てる」ことが出来ていたはずなのに。

「あれっ?『トイレ禁止』って言ったよね?」

 彼は目ざとく、私の「瑕疵」に言及する。確かに「禁止」はされたし、私も甘んじてそれを飲んだ。今朝「トイレ」に行く際、私だってわずかに「迷い」はしたのだ。だけど。

――だって、こっちは「漏らす」わけにはいかなかったから…。

「おしっこ」だけなら「秘めて」おきたいところだった。だけど「うんち」は――、それだけは、どうしても――。
 そんな「乙女」の「事情」など、彼は知る由もないのだろう。いや、あるいはそれを分かった上で尚、あえて「そちら」の「羞恥」さえも私に与えるつもりなのだろうか。

「どうして、しちゃったの?」

 彼は問う。「理由」を――。「どうしてなのか」と。
 私は――、答えたくなんてなかった。だけど、「答える」しかなかった。

「だって、『うんち』は漏らすわけにはいかなかったから…」

「内心」の言葉を――、「心境」をそのまま吐露する。「正直」に私は答える。

「そっか、『うんち』は『我慢』出来なかったんだね?」

 そうじゃない。いや、そうなのか?いや違う。あくまでそっちは私の望む「お漏らし」ではないというだけの話だ。「我慢」は出来たはずだ。だけど――。
 もし朝しておかなかったら、今頃――。私は「そっち」さえも「漏らして」しまっていたのだろうか。「尿意」と「便意」の「ダブルパンチ」によって、「挟み撃ち」に遭っていたのかもしれない。「ローター」の「刺激」はあるいは「うんち」さえも「催させた」のだろうか。

「『お仕置き』しなきゃね!」

 彼は言う。果たして何に対する「お仕置き」なのだろうか。私が「禁」を「破った」ことによるものなのだろうか。だけどそれなら、私にだって言いたいことはある――。

「もう止めて!!!」

 私の声が「個室」に響き渡る。彼は「動き」を止めた。

「どうして…、どうして『そっち』ばっかり…!!」
「私は『普通』にしたいのに!!」
「『今日こそは』って思ってたのに…。それなのに!!」

 次々と、「本音」がこぼれ出す。私は思わず「泣き出して」しまいそうだった。あまりの「情けなさ」によって――。

「ごめん…」

 彼は謝ってくる。さすがに「行き過ぎた」と思ったのだろうか。それでも――。

「でもやっぱり俺――」

――結衣の「お尻」に「興味」あるんだ!!

 私の「お尻」が――、「魅力的なんだ」と「熱弁」を振るう。まるで「そこ以外」は「魅力的ではない」と言われたみたいだった。私の「処女マンコ」になど「興味はない」と告げられたみたいだった。
 それでも、私の「反応」が芳しくないのを見て取って、彼は――。

「今日は、こっちでしようか!」

 いじらしく、私の「そこ」を指で弄りながら言う。完全に「片手間」とも思える、雑な「愛撫」だった。にも関わらず、私の「そこ」はまるで「水を得た魚」の如く、今も尚盛大に「涎」を垂らし、わずかな「刺激」すらも余さんとするように「キュッ」と彼の指を愛おしそうに「締め付ける」のだった。自らの「体」でありながら、私にはそれが許せなかった。「パブロフの犬」のように、「人参をぶら下げられた馬」の如く「条件反射的」に、「エサ」に抗えない「家畜」になったような気分だった。

「おっ!こっちはもう『準備万端』みたいだね~!!」

「おどけた」口調で彼は言う。「ほら、入れるよ」と、「真意」はそちらにはないにも関わらず、彼は「ペニス」を押し付けてくる。
 ようやく、私の「悲願」が叶えられる。それなのに――。

 だが、もう遅かった。もはや私の「プライド」は「ズタボロ」だった。かつて、あれほどまでに「望んで」いた「喪失」を、けれど今ばかりはどうしても「死守」したいような気持ちになっていた。あるいは「処女」としての、最後の「意地」なのだろうか。

「もう…いいです!!」

 私は彼に言い放ち、気がつくと「個室」を「飛び出して」いた――。


続く――。

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