ぶるがり屋 2011/12/09 01:58

今週のへうげもの 感想 2011 12月第2週

アニメ

見詰めて 削いで 最後に残ったものこそ…
今回の名物は染付志野茶碗。
織部好みの出発点とも言える器ですから、当然かもしれませんね。

豊臣秀吉からの千利休一番の名物と娘の献上の命令。
利休は泣く泣く娘を送り、秀吉転覆の決意と自分の業への思いを新たに。
そんな中、渾身の茶碗を生み出した古田織部はその価値を信じるべく利休に見せる。
茶席で織部は、師弟関係の解消、そして茶碗の価値、そして何より織部自身のあり方への問いを告げられる
あと伊達正宗と蒲生氏郷と確執とか秀吉と朝鮮使節との決裂、豊臣秀長の体調悪化、大徳寺利休像完成とか色々。


実は今回で秀吉と利休の対立が決定的になってしまったように感じます。
秀吉は利休を離したいながらも繋ぎとめたくているからこその今回の名物と娘の要求が、利休の叛意を完全なものにしてしまったと。
後のお吟の行動とその結果を思うと、余計にそう思います。

利休とお吟の別れは、切ない強さと家族の絆、そしてほぼ唯一の、利休の人間的弱さが魅せる大好きなシーンです。
お吟、美しくて格好良いなぁ…。
ちょっと美人過ぎて松永久秀に似なくなってしまっている気もしますが(笑

お吟の決意を告げられて後、橋立の茶壷の前での呻きが思っていたものよりも弱々しくて驚きました。
特に「お吟……」は重々しく搾り出されたイメージだったので、求めすがるような悲しい声で。
余計に心に響きました。

秀吉は生まれの為に、箔と尊大さを見せ続けなければいけなかったのが、悲しい結果を導いてしまったのではないでしょうか。


利休と織部の茶席。
織部は自慢いっぱいだった気持ちが痛い所を突かれ、その苦しみばかりですが、利休の忠言はとても優しい、祝す言葉に満ちていたと思います。
ほぼ全肯定して、その足りない最後の後一歩だけを後押ししている発言です。
後は、貴方の視点だけで完成する程貴方は進んでいるのですよ、と教えているのです。
自分の最も崇拝する師にこんな事言われるなんて、羨ましいなぁ

しかし織部は諜報に携わっているのだから、温泉での話と今回の茶席で利休の謀反に気付くべきじゃなかろーか。


政宗と氏郷の格闘はもっとハジけろよ…!
最後のボロボロになってもつれ合う絵が無かったのはダメだろ!
片倉小十郎がポーンとすっ飛ぶ様は吹いちゃいましたが(笑

朝鮮使節との決裂は秀吉の威光の範囲と、利休好みの美術観が「利休好み」だけでは通じないのをのがよく分かります。
秀吉の焦りと、利休への軽視に繋がる大事な所かも。

利休が山上道七に言っていましたが、利休自身も感情を排せていない。
自分が失敗した場合も考えているのでしょうが、秀吉打倒の為なら織部や細川忠興も利用すべき。
それが出来ないのは、宗二のように失いたくないからじゃないかなぁ。
…しかし大きくて紫肌の利休像は怖いな!(笑


また、今回はさらりとでしたが、「乙」の言葉が出ましたね。
後の「へうげ」もですが、テーマそのものの大事なキーワードなので、もっと大事なシーンで出ないものか(笑

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