ぶるがり屋 2016/05/29 19:50

今週の へうげもの 感想 2016年 5月第4週

あらすじ

 横暴な徳川家康の前に、徳川豊臣の最後の決戦が近く。
古田織部は最後まで回避しようと駆けずり回るが、後継・古田重嗣は家康の暗殺を決意する…


へうげもの(22) (モーニングコミックス) Kindle版

山田芳裕
講談社
2016-06-23

感想

 おそらくは、織田有楽斎と茶々の、最後の茶席。
まぁ折り合いつきませんよね。
生きるため、楽しむために手段選ばず折れて曲がって生きてきた有楽斎と、
誇りにしがみつきながら、高みへ高みへと登り続けてきた茶々と。
本当はもう疲れ始めてきた茶々は今回突っぱねましたが、もののあはれや侘び寂びを、大阪城落城で美しく思うのでしょうか。
 決裂しても何となく「家族」な感じなのですよね。
ただ、その家族の一番若い豊臣秀頼が一人この交流や決断から取り残されているような、そしてその秀頼こそが二人にない、器が大きく底抜けに甘い大人物であることが、どうしようもなく悲しいです。

 ちょっと勘違い。
織田長頼の願いでもなく、鈴木左馬介の引き込みでもなく、古田重嗣の強い意志で徳川家への反逆、暗殺計画だとは。
また意識的に父・織部へ報告しないのですね。
愚かですが男らしく、一人前の武将なのだなぁ。
織部より、お爺ちゃんの薫陶深かったのか。

 そんな多くの者が豊臣徳川決戦へと動く中、それでも戦争回避、豊富家滅亡を回避しようと動き続ける織部。
こっちもまぁ、時流に逆らう、ある意味愚かなのでしょうか。
最後の裏金も放出しちゃって、後がなくなってきた感があります。
その中でも古狸というか、生き汚なさを感じるのが、さすがこの作品の主人公! ですね。
 智仁親王も数寄者だ(笑

 「戦の無い良き時代」を求めてきたはずの家康が、元同僚であり主家であり親族である「豊臣を滅ぼす」と断言して大阪へ。
家康のこの冷めた心に挑む織部は、そして重嗣の襲撃作戦の顛末は。

 古田織部、徳川家康、織田有楽斎、茶々と、息子たちと意思統一出来なかった、生き死にや一族の存亡に違う道を選ぼうとしてしまうのがなんとも危うく悲しいです。
まぁ、3人とも親子の情どころじゃない人生でしたが(笑、人の心、親心って難しいものだなぁ。

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