ぶるがり屋 2020/11/01 22:58

麒麟がくる 30話の感想

麒麟がくる 30話「朝倉義景を討て」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 うおお…
戦国時代!戦略!中世!
騎馬・鉄・兵入り乱れる合戦も華ですが、その前の政治、戦略、兵集めも面白いですよね〜。
最高権力も足元おぼつかない中世なんて絶対住みたくありませんが、乱世の中それでも縋られる大義と、頼るものない世界を強く生き抜く一人一人の輝きがまばゆい。

 織田信長、天皇に認められる!
「天下統一」と「父に認められる」がガッチリ繋がっちゃったかー。
御簾の向こう、言葉も聞こえない演出がまたニクい。
これはもう幕府の不協力も合わせて、担ぐ相手が変わっちゃいますぁ。
来週もそのまた先も何度もつまづくけど、信長はもう止まらないのでしょう。

 久々の登場!
やっぱり帰蝶様は美しい。
放映的にも、2人としても久しぶりの再会。
光秀が帰蝶様を見る目も嬉しそうでしたが、帰蝶様の目と声には愛おしさも感じて。
帰蝶様、織田信忠、明智光秀。
どうしても、過去にも未来にも思いを馳せてしまいます。
 最後に帰蝶様の思惑をちゃんと言葉で確認するところ、光秀成長したなぁ(笑

 あ、今回珍しく3ヒロイン全員登場したのか。

 煕子も相変わらずの静かな美しさと強さで。
言葉一つ一つに奥ゆかしさと思いの強さが滲み出て。
まだ乱れ敵の多い宮古に呼び寄せるのは怖くても、悩み抜いても、やっぱり嬉しそうに、感情溢れる光秀の満面の笑みがもうね!
こっちもニヤニヤしちゃうね!
ここしばらくは政治家としては成長してても、ずっと悩み苦しみしかめっ面してましたものね。

 夜の帳は、プラトニックか秘めた愛、どちらの暗示か。
駒ちゃんの人気ぶりと癒しぶりは、伊呂波大夫の人生を追体験してるように感じます。
「戦なく世を平らかにしたい」は2人の希望なのですよね。
武家として戦を経てしか世を平らかにする手段しか取れない光秀と、武家の棟梁の生まれながら戦いを選べない足利義昭の、そしておそらくはお駒ちゃんともの、断絶。

 ここで天皇の相談役までこなすのが東庵先生とは(笑
前回引き下げた株が大上がり!
 医者と坊主と川に住む芸人。
権力機構から外れたものたちの視点が、このドラマでは大きいですね。

 摂津晴門、今週も死亡フラグ積み過ぎ!
戦に手を貸さないだけでも怨みを買うし、しかも相手が信長だし、よりによって味方の悪事バラすし!
それが有効なの、支え合ってる仲間内だけだからな!
 三淵藤英は信長に兵を貸さない悪手の上、残忍な策謀を果たした悪人ですが、それでも自分たちの為に子供を殺した罪、理想を語り合った友に悪事を知られる悲哀と、痛々しく可哀想でした。
光秀の目から早く逃げたかったろうなぁ…。
でも、やっぱり前の選択もその今の選択も、光秀に対し間違ってるのですよ。

 大きく時代が動く、その転換点を多く感じた今回。
主人公・明智光秀も心揺られ道を変える、多くの転換点を感じました。
理想と疑念、不信と愛、大義と野望。

 幕府に対して、大きく期待もプライドも傷つけられて。
戦を止めも力添えも出来ず、義理も大義も責任感も欠く将軍、残忍悪事に満ちた幕閣。
光秀が担ぐ理由は、まだ有るのか。

 また今まで通りいつも通り、誰の前でも礼を尽くし分を弁え、帰蝶様が近寄っても少しだけ下がって居住まいを正すのに、信長にだけは許されずとも立ち上がり歩み寄る光秀。
人を見る力を学び、信長の好悪を理解したようでもあり、その大胆さは「信長を操る、天下を差配する」喜びに魅入られたのでは、そんな危うさも感じました。
 光秀も失敗したら殺されるぐらいの方が好きそうですし、信長もこれぐらい大胆な方が好きですよね、きっと(笑

 光秀も信長も、義昭も晴門も藤英も、お駒ちゃんも東庵先生も、おそらくは正親町天皇も、決して絶対的と言えるほどには正しくも強くもなく、各々の立場と持つ力、そして背負うものと目指すものの為に、一所懸命な輝きが、まばゆい。
義昭は担がれたものの独力では何も出来ずお駒ちゃんに癒しを求め、摂津晴門も自分たちが幕府を担ってきて今も担っている事実があり、藤英も誇りと立場と一門を守る為には一番の方法をとった。
 でも、そんな自分や周りのものを守るだけでは、決して乱世が終わらないのも間違いない事実で。
 信長と光秀たちと、足利幕府勢が袂を分かつのは、必然だったのでしょう。

 次回は対朝倉戦、そして金ヶ崎の戦い、でしょうか。
信長を中心に浅井朝倉、そして局地戦に木下藤吉郎・明智光秀・徳川家康が加わったとも言われる戦い。
今度は"合戦という華"が楽しめそうです。


 今更ですが、小さい頃覚えた「戦国武将はみな天下統一を目指していた」「上洛を果たして将軍になろうとしていた」あたりが完全に落ちました(笑
ゲームは現実のディフォルメですし、歴史になかなか分かり易い真実はないですね。

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