ぶるがり屋 2020/12/06 18:35

麒麟がくる 33話の感想

麒麟がくる 33話「比叡山に棲む魔物」の感想ですよー。


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
ジョン・グラム
2020/9/2

麒麟がくる

 信長包囲網、この時点では覚恕様と摂津晴門が主体なのですね。
比叡山の動く理由は、明智光秀は金が目的と断じましたが…
大きく言えば金が目的なのは間違っていませんでしたが、金こそが、そして織田信長の京都での権力そのものが信長に争う理由だとは。
その奥底に醜く昏い情念が燃えていたとは。

 今回の主人公、覚恕様。
まるで舞台のような闇の中に光を浴びる老僧。
観客は光秀ただ一人。
わたくし、自分でもどうにもならない激重感情に狂うキャラ大好きマンなのですが…
覚恕様大好きです。
美しいお兄様が大好きででもそれ以上に羨ましくて憎くて。
自分から身も心も呪いで燃やして、どんどん醜くなっていくんだ。自分を愛せないまま。

 親に愛されず、兄弟を憎み、手を汚す。
人の心に棲む魔物に冒されたのは、斎藤義龍、織田信長、そして3人目は
天皇の弟、天台座主 覚恕様
見事な怪演でした…

 覚恕につなぐよう請われて「お前がそう言う?」な義景の顔が可愛かったですけど(笑
義景や晴門はかき回し抗っていますが、もう時代という激流に流される脇役にしか見えません。
彼らは彼らで自分の生き方・野望の為に生き抜いていますが、戦国・室町の時代が積み上げた澱みに信長が立ち向かい斬り伏せる、そんな時代の激流に抗えるはずもなく。

 そしてその流れを導いた、光秀自身ももう抗えず。
大義を為すには、罪も犯さねばならない。
ああ、でも。
賢しく不遜で、ただ家族を想う少年は、死んだ。

比叡山撃滅に進む光秀の、悩み悔やみ、号令を叫びながらも定まらない剣先が、辛い。

 信長を導いてきた光秀には、堅物で甘すぎる光秀には、信長の罪は全て自分の罪なのですね。
未来では、信長ではなく、自分を許せなくなるのかなぁ。

 誰もガッ書懸命に生きぬいていても、先は見えず。
戦国の悲痛を知り、信長と足利義昭の人柄を見抜く、そんな家康だけがこの時代の流れの先に行けるのだと納得してしまいます。


 帰蝶が笑うことだけを憂いた信長がなんとも面白く切なく。
本当にこの信長は世のことを考えてではなく、大好きな人たちが褒めてくれることしか考えず、そして本当に帰蝶が大好きで大好きでたまらないのだなぁ、信長にとって"母"が一番の存在なのだなぁ、と。
 また、きっと帰蝶は笑うけど、怒らないだろう、それでも信長は心底辛いのだろうなぁ、とか色々な思いがよぎりました。
 光秀は未来、この信長を帰蝶から奪うのか… ああ。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索