平家物語 2話の感想
【Amazon.co.jp限定】平家物語 Blu-ray box(「監督・山田尚子、音楽・牛尾憲輔スペシャルインタビュー」視聴コード付)
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
キャラクター原案:高野文子
音楽:牛尾憲輔!
発売日:2022/4/6
販売元:ポニーキャニオン
平家物語
心が痛いほど切ないほど
やっと手に入れたほのかな幸せが
壊れ 滅びゆく美しさ
灯篭の灯 雪の白 尼たちの祈る姿
また いつか 今度
その日は。
1話では平家の横暴、武力と監視による物理的・社会的破壊でしたが、今回は操られ支配される者たちー女たちの心が壊れていく様が美しく切なく、心が痛みました。
「おもしろかろう?」
清盛の野望が、欲望が、徳子や重盛一家を苦しめ縛り付けていく。
やっと清盛の性格が理解できてきました、無邪気な邪悪ですね。
自分が楽しい、面白い、愉快、それだけが基準。
他人の痛み苦しみなんて考えも判断基準にもしない。
一応息子の重盛と愛妻時子だけは言うこと聞くようですが、時子が焼き餅しなかったら、あるいはびわが男装していなかったら、どうなっていたのか。
清盛にとって、そりゃびわは「おもしろい」人間だろうな、と膝を打ちましたが(笑
未来史の魔眼の方が清盛にとって「おもしろい」から、びわ本人の心や命もどうでも良いだでしょうし。
ああ、怖や怖や。
巨大な怪物たちの中で奔走する重盛は、間違いなく英雄なのに臆病で優しくて、人間らしく。
徳子ももぞもぞしながら愚痴を呟く様がいやに可愛くちょっと色気で、優しくて。
母のように優しい祇王との語らいも舞も楽しくて。
自分の眼が、恐ろしい未来が怖れたびわが、やっとつかんだ優しい日々。
でもそれは、失われると決まっている、破滅への日々でもあることが…
あまりに美しくて切なくて。
祇王と仏御前が微笑み合うシーンの心の動きが分かりませんでした。
壊れかけた心が繋がり合う、諦観と秘めた安らぎだったのかな。
「いつか」「また今度」
でもそれは、果たされない約束。
見えた未来が滅びではなく、静かな終わりだったことは、救いなのかな。