ぶるがり屋 2023/07/02 23:35

機動戦士ガンダム 水星の魔女 24話 最終回の感想

機動戦士ガンダム 水星の魔女 24話
最終回「目一杯の祝福を君に」の感想です。


各種動画配信サービスにて配信中

【監督】⼩林 寛
【シリーズ構成・脚本】⼤河内⼀楼
【原作】矢立 肇、富野由悠季
【出演】市ノ瀬加那、内田直哉 ほか
(C)創通・サンライズ・MBS

機動戦士ガンダム 水星の魔女

 バトル、メカ、希望、キャラの絆、
幸せな未来へレディーゴー!
欲しいもの全部見せてくれた、最高の最終回でした……。
ありがとう大河内脚本!ちょっとだけ疑ってたよ!

うるさい敵とうるさい仲間

 マルタンくん人質にされた状況で「ボクもいるよ!」
ラウダくんこの期に及んで憎まれ口キタ!
スレッタが怒るほどの状況に(グエルとフェルシーが頑張って)ならなかっただけで、許される理由もないからね!

 でもこの描写のおかげで、敵や味方という区切りだけでなく、色々な人や立場があって、知っていることも大事にしていることも違う、群像の世界なのだと感じます。
いや本当に図太いよ君ら!好き!

 特にラウダくん、ずっとペトラと居ろよ!
目一杯デートしろよ!一緒に幸せになれよ!

母の祝福、子の祝福

 復讐よりも子供が自由に居られる為に。
一度は捨てても、子の家族は殺せなくて。
もう、魔女の仮面は壊れかけて。
失った大事な人々の憎しみの声が絶えず、守り抜いた子を失ってしまった罪に耐えきれず。
 プロスペラの仮面は他人を騙すものではなく、ガンドと自らの罪から逃れるための仮面だったのか。

 子を失って狂った母が、子が母を愛していると傷だらけで迫って来て。
苦しみ母を抱きしめたい涙を止めたいと迫って来て。
それでも顔を背けて逃げて、逃げられず、失敗した。

 でも、だから救われたのだと思います。

 エルノラの罪が何なのか、どれだけ重いのか。
非常に難しいところで、「救われるべきで、処罰されるべき、両面の人」だと、製作陣も計算して見せたのだと考えます。

 でもこの救いは、倫理でも法でもなく、エルノラをスレッタが愛して、救いたいから。
エリクトが一緒に愛して、救いたかったから。
それだけなのだと思うのです。

ガンダムの慟哭

 メカバトルは残念ながら有りませんでしたが、
前主人公機兼ラスボス機と、新主人公機との合体!
叫ぶようなガンダム真キャリバーンの震える姿、全てのガンダムの奇跡。
そしてその終焉。

 燃える!
圧倒的な描写力の洪水に、唸らせられました。
 勝手に呼んでるのですが、「ガンダムの慟哭」と感じる、天を仰いで震えるガンダムの姿。
美しく苛烈で、燃えますよね!
『ガンダムビルドダイバーズ』シリーズのガンダムの慟哭が大好きです〜!

 いや「ガンドの呪い」「1機で軍と戦えるガンダムの恐ろしさ」を1回でどう解決するのかと思ったら、ガンダムは「パーメットの海に触れられるから強い」なので、「一線越えたらパーメットの海に溶ける」なのですね。
美しい力技でした(笑

欲しかったものを

 再会し"続き"を話す4号くんとスレッタ
エリクトと夫と恩師と触れ合うエルノラ
人と技術の奇跡=ガンダム!
そして、手を携える元生徒たち。
ペトラと一緒のラウダ、フェルシーたちジェタークメンバー、意地悪セセリア&エラン様、仲良く愚痴も言えるグエル。
今も仲良く、更に広がる地球寮の絆。
ノレアのスケッチを旅する5号くん。
絶望を失くして罪と希望を背負うシャディク。
小姑のエリクトと、
手を取り合って一緒に帰るミオリネとスレッタ。
笑顔、笑顔、笑顔。

 罪も悪も間違いも諍いも消えたわけではなく、これからも間違い諍う。
だから、一緒に行こう。
全ての人に、目一杯の祝福を!

エピローグ、もっと見たいその先

 気になる点はゴドイさんくらいかなー。
エレノラさんに付いてきただけなら良いのですが、違う目的だったら悲しいですよ。
 エラン様と4CEOが決裂してなお両方とも成功するのは超意外でした(笑

 めちゃくちゃ細かい不満点をいうと、3年後チュチュの髪型が分からなかったことと、ロウジくんのくせ強キャラをもっと見せて欲しかったことですね。
3年後チュチュ、見直して見るとまぁ顔しか分かんないわヒッドい顔してるわ(笑
特に17歳くらい?のチュチュの姿、
設定画でなんとかなりませんか!

 エピローグで妄想が広がります。
3年後グエルのお相手候補、セセリアが筆頭なのでは?
同格で、愚痴も文句も言える相手ですし。
セセロウ、セセマルも妄想してましたが、セセグエも良いですな!

罪と憎しみと、罰と希望

 色々な方々の感想を見るのが好きで見回りましたが、特にモラル問題、死すべき人と与えられるべき罰について、不満が残る方も多く見られました。
まぁ正直私も4CEOについては、人生謳歌してて笑ったけどモニョります。
あの生き生きとした表情や服装はズルいよー。

 でも本編のようにちょっと苦労した程度で良いのか、死ねば良いのか、路頭に迷えば満足するのか。
誰もが満足するモラルなど有るのか。
 そんなものは無いと断言出来ますし、同時に満足できない人はやっぱり満足できないでしょう。
人は色々で違っていて、やっぱり人は少しづつ分かり合えず、ぶつかるのでしょう。

 不満残る人の感性も正しく、楽しむ人の感性も正しく、許せない視聴者を作ってしまう。
そう分かってなお、この赦しと希望の決着を選んだことに、私は水星の魔女スタッフに拍手を送ります。
物語の芯を貫いたことに。

目一杯の祝福を君に

 人間の愚かさと恐ろしさとおぞましさを。
叡智と図太さと優しさを。
衝動と責任感とぐちゃぐちゃの感情を。
愛の呪いと祝福を。
残酷さと希望を込めて、貫き描かれた作品でした。

 最後、シャディクが罰を受けているのはシャディクが罰を背負いたいからで、
ガールズはシャディクが、エレノアはスレッタが、死んで欲しくないから刑罰を受けていないのだと感じました。
 これは赦しと希望の決着であり、それでもエレノアは残り少ない人生をわずかな時間癒され、スレッタは3年リハビリに苦しみ、シャディクは最高刑となるのでしょう。
 一人一人が間違っても傷ついても失っても、自分の足で進んで、選び取った未来なのだと。
これからも歩いてつかみとって行くのだと。
そう、見せてくれました。

 痛みと呪いを背負い、希望と祝福を抱いて進む未来へ。
『水星の魔女」という作品に、ありがとう!

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