尾上屋台 2017/12/26 21:04

「少女終末旅行」

・アニメ公式


こういった終末感みたいのは、ダークファンタジーやスチームパンクと並ぶくらい好物なもので。
まあ雰囲気楽しめればいいかなーと、そんなに期待感持たずに見始めたのですが、これがまた意外な傑作で。

もうちょいサバイバル感出してくのかなと思ったら、全然そんなことはなく、よく生き残れるなーというのはあったりするんですが(笑)、終末モノにありがちなアプローチではないんですよね。
逆にほとんどあらゆる知識がないって状態で、その時に出会うものや出来事に、二人がそれなりの解釈をつけていくっていう。
「当たり前」ってのをとっぱらって考えてる分、そこで行われる二人のやりとりってのが、実に哲学してるんですよ。

何かしら新しい概念だったり、珍しい、かつよく知らないものについて哲学するってのはどの作品でもあったりするんです。
が、見てる側からすると当たり前過ぎることに関してひとつひとつ考えて、それなりの解釈を与えていくってのは、新しいなあと。
また余分な知識がない状態で考えてるもんだから、結構本質を突いてたりするんですよねえ。
単に終末モノであればいいと期待感薄かった分、これはいい作品に出会えたなあと。

で、またこういった世界観でやる必要が、あるんですよね。
現代の技術の延長線にあるものをロストテクノロジーにしてるからこそ、それぞれの事象に対して一から哲学できるわけで。
前述した通りそれをフレーバーとして散りばめた作品ってのは珍しくないんですが、そこメインテーマでやっちゃうってのは、今までありそうでなかった作品だなあと。
特に新規の作品にオリジナリティみたいのは求めてなかったりするんですが、この強烈なオリジナリティってのは、さすがに心揺さぶられました。
あー、まだこういうアプローチが残ってたんだって。

自分的ヒロインは、あー実質キャラが二人プラスαしかいないんですが、一応ユーリで。
またこの二人の組み合わせが、実にいい。

よく考えると構成や、展開らしきものも非常に少なく、ひたすら二人の掛け合いだけで展開してくってのもすごいなあと。
なんかこう、微妙に「ゴドーを待ちながら」にも通じるというか(笑)。
ほとんどあれの逆張りって感じではあるんですけど。

よくこれをアニメ化してくれたなーって感じです。
にもかかわらず、すごくアニメにマッチしてるというか。
一話一話である意味完結してるんですけど、これはすごく続きが気になります。
ぜひぜひ、続編もアニメ化してほしいなと感じた作品でした!

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