尾上屋台 2018/05/29 01:15

レベッカ


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https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=23670167

セリーナのメイド、レベッカ。
今回は、彼女についてだよ。


・デザイン

自分の絵の中では割合スタンダードというか、描きやすいタイプね。
セリーナが犬なら、このレベッカは猫っぽいというかね。
顔のタイプも、そんな感じ。

ただ、目元に関しては、上瞼のアールを気持ち下向きにしてみたりと、ちょっと工夫してるんだな。
一応、キャラは描き分けたいと思ってて。
大体名前のあるキャラに関しては、元のデザインの段階では、ひとつ特徴をつけることにしてるんだ。

これが描き慣れてくると、なんか他のキャラと似てきちゃったりするもんで、中々難しいんだけど。
ほら、漫画家でも、なんかそのキャラ、初登場の時より目が大きくなってないか?みたいのあるじゃない。
同じキャラ描いてる内に、描き慣れたバランスに近づいちゃうのかもしれないね。
自分も、よくあるよ。
ただ、いつも描く時は最初のデザイン画を横に置きながら描いてるんで、なるべく最初のデザインから離れないよう、気をつけてはいるつもり。

身体のバランスも、多分一番描きやすいバランスかなあ。
セリーナみたいに、これより胸が大きくなったりすると、当時は結構大変だったりしたんだよ。
まあセリーナでちょっと冒険した分、レベッカは描きやすいバランスにしたって感じで。

衣装も前回書いた通り、一発でそれとわかるデザインで。
「メイドだな、この子は 」と思って頂ければと。

この二人はセットだよね。
お姫様とメイド、みたいな組み合わせにすることで、それぞれがお姫様とメイドに見えてくるっていう。
なのでどちらが先に出来たみたいな感じじゃなく、ほぼ同時にイメージしてたんだよね。

このレベッカはセリーナほど難産じゃなかったんだけど、多少盛ったデザインから、少しずつ削って、ちょっと強そうなメイド、というラインが崩れないとこまで要素を減らしていったんだよね。
まあもっと派手にするのは、別のキャラで良かろうと。

そうそう、なんで出来るだけシンプルなデザインにしようとしたかっていうと、まあ理由は色々あるんだけど、まず今後量産する可能性があるってのも、大きな理由になってる。
これが小説のキャラだと、扉絵の他はたまに描くくらいなんで派手にしていっても(線が多くなっても) いいかなって感じなんだけど、CG集はやっぱたくさん描くことになるでしょう?
あまり凝ったデザインにすると、大量に描くことに疲れたり、あと見るのも疲れちゃうかなあみたいのがあって。

カードゲーム、スマホゲームのキャラ一枚絵とかって、それそのものが目当てだったり、課金誘導だったりするんで、パッと見の派手さ、ゴージャス感って大事だと思うんだけど、これはそういったものではないからねえ。
ただ、シンプルなデザインばかり並んでも、自分の画力程度じゃただの地味な作品にしかならないので、派手なのはトータルで見れば出番の少ない相手方、敵側みたいのに振り分ければいいかなと。

画力は描けば描くほどなんで、自然と上がっていくものではあるんだけど、すっごい上手い人になるまで悠長に構えてもいられないんでね(汗)。
その時の手駒だけで勝負しようと思ったら、やっぱそれなりに頭使わんといかんと思ってるのよ。
なので結構、考えて描いてるんだよ(笑)。

上手くなったらやろう、みたいのは作品作る上で成り立たないよね。
だってさ、作らないと上手くならないんだから。
下手でも、やるんだよ。


・名前

レベッカの綴りは「Rebekka」で、ドイツ語ですね。
よく使われる、英語のレベッカ(Rebecca)じゃなく。

パンゲアの世界はいわば「別の世界の地球」なんで、実際のヨーロッパを下敷きにしているのよ。
つっても全てが同じでは当然なく、魔法や、人間とよく似た種族がいたら、こうした歴史を歩んだのではなかろうか、という世界観なんだよね。

パンゲアではグランツ帝国って言うんだけど、レベッカはその北部の港町の出身。
グランツ帝国は神聖ローマ帝国が下敷きになってるんで、ドイツ語圏の名前になる。

これさ、よくファンタジーで、とりあえずカタカナで外人っぽい名前みたいのでキャラを名付けてる作品が多いじゃない?
言語体系めちゃくちゃみたいな。
まあそれはそれでいいと思うし、俺もまったく歴史を下敷きにしない地域や命名法を使ってたりするんで、そういうの全部おかしいとかちゃちゃ入れるつもりはないんだけど。

ただ、「日本人です。侍です」みたいなキャラの名前が「ワンチェン」とかだったら、やっぱ日本人的にはそりゃないだろって思うわけじゃない?(笑)
アルファベットの名前だって、基本的にはそうなんだよ。

でも全部はちょっと調べきれなかったり、一定の数が揃えられないところは、思い切ってまったく架空の名前でいくか、みたいにしてやってるところもある。
あと、エルフやドワーフの名前も、たとえばトールキンから引っ張ってくるようなことはなく、種族毎のイメージで作ってるしね。
まあでも、イギリスやらドイツだったりがその地域のモチーフになってる場合、やっぱそれに準じた名前にしたいなあとは思ってるんだ。
ちょっと、というか、フランス語圏の命名が、自分でも結構間違えてるんじゃないかと思ってるんだけど(汗)。
でも基本的には「それっぽい名前」のそれっぽさは、語系に準じたいとは思ってるよ。
偉そうなこと言える程語学に堪能ではないんで、あくまでそれっぽく、だけどさ(汗)。


・冒険者として

セリーナがさあ旅に出ようって時に、彼女には生きてく上での逞しさがあるとはいえ、冒険っていうと、ちょっと簡単には行かないだろうと。
大体、旅慣れてないしね。

そこで、レベッカにはその役割を担ってもらおうと。

まあデザインの時もそうだけど、レベッカとセリーナはほぼ同時にイメージできたし、その意味では生まれる時から、かつてのベテラン冒険者、という立ち位置は決まってた。

ゲーム的な職業で言うところの、「盗賊(シーフ)」 ってヤツね。
ただ非力な盗賊みたいな、お約束的なイメージはなく、どう生きてきたか、どう戦ってきたかってのは、やっぱ彼女独自のものだよ。

戦い方としてロングライフル、ダガー、体術が得意ってのも、それぞれ理由があって。

ダガー、体術ってのは、まあ喧嘩殺法みたいなもの。
出自は貧しいからね、スラムってほどじゃないけど、荒々しい世界で生きてきたんで、そういうのは得意、というよりそこに才能があったからこそ、やがて冒険者みたいな、血なまぐさい世界で生きていくことになると。
この二つは、そういった環境で自然と身につけていったって感じで。
接近戦ですな。
ちゃんとした剣術を習って、みたいな出自じゃない。

一方で、相手を倒すってことに関して最も効率的な方法として、銃による射撃も身につけていくわけ。
これは、冒険者になってからの話だね。
怪物相手に接近戦は、リスクがある。
なら視認できたら即倒してしまえばいいということで、銃を身につけた。
この世界の火薬は結構貴重なんで、銃を使って戦えるってことは、冒険者としても成功していたってことでね。

ちなみに、いわゆる盗賊的な技術の習得については、9,10話で描くことになるんで、出たらそっちを見てもらえれば。

んで、こういう感じで理詰めでできると、まあ自然にキャラクターというのは、立ち上がるんじゃないかと思う。
立ち上がれば、後は勝手に歩き出す。

お約束、みたいのはささっとイメージする、そして読者にささっと理解してもらうって意味では重要な要素だと思うんだけど、CG集作る時に、もう好きなようにやるんだから、俺が思うところのリアルを追求すればいいやってのが、まずあったんだよね。
なので一見お約束に見えるけど、中身は全然違うんだぜ、というのをやってやろうと。

結果これが作品の個性になってくれたみたいなんだけど、あくまで作りたいように作る、が目的だからね。
レベッカというキャラクター一人に対しても、そうだよ。


レベッカとセリーナがセットで生まれて、オリジナルの世界観もほぼ頭の中で出来上がってた。
そうなると、もう頭の中で物語が進み始めるからね。

これはここでは書いてなかったかもだけど、俺の場合、キャラクターが生まれるのと話が出来上がるのって、ほぼ同時なんだよ。
どう生まれて、どう死ぬのかまで、ざっくりイメージとして出来上がる。
それは、どのキャラクターについても同じ感覚で。
で、これはセリーナを主人公とした物語で、どの部分を切り取って形にしようか、みたいな感じなんだな。

どの辺りを描くのが面白い、ウケるだろうか、ではなく、どの辺りを描きたいか、がメインになったってのが、このシリーズ始めて、自分の中で一番変わったとこだなあ。

ちなみにどこを切り取ったらウケるか、みたいな感覚って、ホントは大事なんだよ。
特に、こういったことで商売しようと思ったら。
人からお金取るようなことは、まず相手ありきなんだから、そこ、金儲け的な部分を何か邪なものとして考えたら、お金出してくれた人に対して失礼だからね。

でもさ、プリンセスブライトは、ちょっと俺の心境が変わっちゃったってとこもあって、自分のやりたいようにやってる。
たまに綺麗事でそういうこと言う人いるけど、そこ強調するのはちょっと違うんじゃないかと思う。
俺はさ、何か純粋な気持ちになってそう思ったんじゃなく、もうどうせ誰もこんなものに金出さんだろうから、好きなようにやってやめたるわ、みたいなある種の絶望感から作り始めたからねえ(汗)。
その意味で「自分の好きなものを作ってます(キラキラッ☆)」みたいな感じでは、間違ってもないんだよね。
好きなものしか、作る余裕がなかった。

んなわけでさ、このレベッカにしても、こんなん俺しか好きにならんだろうってキャラをもし好きになってくれる人がいたら、その時点で俺の友人だよ。
別にその人が俺のことをどう思ってようが、俺にとっては、かけがえのない存在だよ。

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