尾上屋台 2018/05/28 15:23

セリーナ


・紹介ページ


・ピクシブ
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=23477377


プリンセスブライト、まさに最初の登場人物で、全てはここから始まったといっていい。
いや、ちょっと大袈裟かな。
ただ、彼女が生まれたことで、その後の物語ができていったわけだから、やはり、彼女が最初の一人なんだな。
以下、テーマ毎にいくつか、振り返ってみよう。


・デザイン

プリンセスブライトのキャラ、特に最初の数人やメインになるキャラクターは、一目でどんなキャラかわかるようにしよう、というのがあった。
セリーナはお姫様なので、やはり一目で「お姫様だ」とわかってもらう必要があった。

デザインには、実はそれなりに苦慮している。
初めは、もっと線の多い、やや派手なデザインだったと思う。
しかしこれが、もうひとつかわいくならない。
二、三日何度も描き直した結果、もう何も難しいことは考えず、新しい紙にささっと描いたのが、この一枚。
確かラフから線画清書まで40分くらいで描き上げることができて、多分これは今までのどんなキャラよりも速かった。
最速記録だろう。
版権キャラをそのくらいのスピードで描くことはあるが、オリジナルはデザインの要素が入ってくるので、早くて半日、丸一日くらいかかることが多いのだ。
無印プリンセスブライトのように、なるべく線を少なく、かつシンプルなデザインにするには、一枚の紙でああだこうだと思案するよりは、速めに描いたラフを積み上げた方が、良いのかもしれないなあ。

ともあれ、難産の末ではあったが、出来上がる時は、一瞬と言ってもいい感じだったんだ。
今見ても、目指してるところに対する整合性という意味では、結構完成されたデザインだと思う。
先のことを考えても、ここが基軸になると思ってたんで、ボツを積み上げるようなことができたんだろうね。
薔薇のモチーフが後のランカシャー家のデザインに反映されてるし(王家は赤薔薇にしたけど)、金髪にしたんで母親も金髪と、細かいとこでもここが出発点っていう、そういうデザインではありますね。

ちなみにこのセリーナ、それまでの自分が、描くの苦手とする要素満載なんだよね(笑)。
まず、やや垂れ目気味な顔が、難しかった。
おっぱいも、ここまで大きいのはほとんど描いたことなかったからねえ。
いずれもバランス取るのが難しく、第一部完結の頃まで、ずっと苦戦してた気がする。
それまでにちょこちょこ、バランスが変わるのはそのせいなんだよ。
なかなか一定できなくて、すまんかった。
最近は、慣れたよ。


・名前

初めは、というよりかなり直前まで、名前は「セシリア」だったんだ。
ただ、セシリアって名前は当時流行ってたアニメかなんかで何度か聞いていたんで、検索に引っかからないよう、似たような名前にしたんだよ。
もっとも、「アウェイキング」を書く頃にはそういうことはどうでもよくなってて、結局その名は母親の方で使うことになったんだけどね。

まあ、「セリーナ」の方が、セシリアよりも響きが柔らかい感じがして、今にしてみれはぴたりとはまってる感じもするね。

時折、作品を見た人から「セリーヌ」と間違えて呼ばれることがある。
セリーヌ・ディオン辺りからの勘違いだろうか。
セリーヌの英語読みがセリーナだったと思うんで、まあ言い間違いも致し方無しか。
ま、あんま読んでないな、とは思うけどね(笑)。
主人公の名前なんだからさ。

ちなみに、多分ここが初出だと思うんだけど、正式な名称は「セリーナ・ブライト・ランカシャー・オブ・カルドレイク」。


・投稿時

ピクシブを始めてしばらくの頃はオリジナルの絵も描いてたけど、この頃にはすっかり版権ものしか描いてなかったし、やり取りする人とも、当然そういう話しかしていなかった。
なので、今さら自分がオリジナル描いたところで、無視されるのがオチだろうと思ってたんだよね。

が、予想に反して、このセリーナの絵には15くらいのブクマがついた。
やはり、意外だったよ。
さりとて、これでCG集が売れるとはさっぱり思っていなかったのは、前回、「プリンセスブライト」のとこで書いた通りだな。

まあ無料だったら見るけど、お金を払う価値はない、という人間が大半なのは、それまでの経験で充分わかっていたので。
というより、ピクシブの客層(?)と、ダウンロードサイトの方の客層は、あまり重なっていなかったりするんだよね。
無論、いくらかリンクしてるんだけど、売り上げという現実的な数字を見ると、作品によりけりだけど、乖離といっていいくらいの開きがある。
無視していいわけじゃないけど、あくまで、なんとなくの目安のひとつ、くらいに考えた方がいいよね。

もちろん、両方見てくれてる人も、絶対的な数では少なくはないんだけど、一方で、以前プリンセスブライトについて実に詳細な感想を頂けた方なんかは、サイトやダウンロードサイトを見てくれてる一方、ピクシブはやってない様子だったんだ。
ツイッターにしてもしかり、なにかひとつのSNSだけが大きな発信源になってるってことはなくて、本当に宣伝しようと思ったら、あらゆるチャンネルは持っておく方がいいんだろうね。
そしてそこの数字ばかり追いかけないことが、必要なのだとも思う。
振り回されないというかね。

もっとも、この時は数字が上がれば嬉しかったとはいえ、これでラストとも思ってたんで、一喜こそすれ、一憂はしなかったな。
諦めの境地というか(笑)。
ま、この辺のことは別の記事で書くことにするよ。


・価値観

得意項目として「狩り」というのがあるんだけど、じゃあ狩りをして旅をしよう、みたいな感じじゃない。
これを入れたのは、要は人生観をちゃんと提示したかったわけ。

基本的に、これは作中にも出てくるけど、「人っていうのは命を奪って自らの命を得ている」って部分は、外すべきじゃないと思ったんだな。
セリーナは基本的に優しい子なんだけど、そういうところをわかってない優しさってのは、なんか薄っぺらいじゃない?

俺なんかはさ、環境やシステム、立場に守られた人間がもっともらしいこと言っても「いやあ仰る通り。でも薄っぺらいっすね!」って思っちゃうタチなもので(笑)。

セリーナは、基本的に一人で生きていける人なんだよね。
レベッカを差し置いて、なんでも自分でやっちゃうところがあるし。
山かなんかに籠って、狩りをして暮らす、みたいなこともできちゃうわけ。

ここがひとつ、見た目の雰囲気からのギャップってことになるんだろうね。
蝶よ花よと育てられたお姫様が、人々の助けになりたいみたいなこと言って冒険に出るというのは、ちょっと違うだろうってのがあって。
それで人とか斬っちゃうのは、なんかおかしいよなあ。
そういう、お約束で進められていく物語ってのは、やりたくなかったんだ。

この辺の価値観は、後のアウェイキングのフェルサリにも受け継がれてるよね(作品の時系列的に逆だけど)。
あっちはわかりやすく、狩人から始めた。
ただ性格も出自も違うので、似たような価値観持ってても、まったく別の物語になる。

これはさ、たまにピクシブだったりでコメントくれる人に対しての、踏み絵みたいになっちゃってる部分があるな(汗)。
俺が作るもの全体に言えることなんだけど、キャラ紹介の短文と、作中の活躍ってのは、結構違うじゃない?
実はこうだった、みたいのが好きだったのもある。
なので作品見てない人からのコメントってのはすぐにわかっちゃうし、「あー見てないな」って思っちゃう。
まあそれはそれでいいんだけど、せめて小説の方みたいに、無料のもんくらいは見てほしい気もするな。
つっても作品見てない人に対してさほど興味もないので、どうでもいいか、みたいな思いもある。

ともあれ、作中のセリーナの言動について感じ入るといった感想をもらえると、本当に嬉しいよね。


セリーナについては、その後の冒険で成長していった部分もあるし、また別の機会に触れてもいいかもね。
ここまでは、どういった経緯で生まれたか、みたいな話なので。

でもまあ、君が感じてくれたセリーナ像が、本当の正解だよ。
これはキャラだけじゃなくて、どの物語にも言えることだな。
読み手はもちろん、その人の置かれた状況や感性で、作品の意味ってのはたやすく変わるわけだから。
そこにはもちろん、作った俺が気づかなかったものがあったりするわけでね。

なので、キャラクターってのは、単に性格だけじゃなく、人格といえるところまで練り上げる必要があると思うんだ。
そこまでやれば、後は舞台の上で作り手も予想しなかった活躍をしてくれるよ。
キャラが、勝手に動き出すって話だな。

セリーナは、最初の一作から、もう自分の足で歩き出していたよ。

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