尾上屋台 2018/06/20 09:48

「東京喰種:re」

・アニメ公式


東京喰種、アニメでの三作目ですね。

今度はCCG側からの視点なんで、過去作とは違う切り口になっているわけです。
それ自体は良いんですけど、作品としてはややパンチに欠けるかなあと。

一応主人公は金木君ってことなわけですけど、それまでの作品にあったような、ペーソスがあまりないのが、もうひとつだった原因かなと。
つっても、このシリーズにそればかり求めるのも勝手な話で、作品の雰囲気が変わること自体は良いことだとは思うんですけどね。
ただ、同一主人公にしたことで、視点や作風を変えること自体の意味がややぼやけてしまってるってのは、確実にあるわけで。
僕は原作読んでないんですけど、そことの比較はどうなんですかね?

これね、「√A」の時はもちろん、一作目の途中からも思ったんですけど、戦闘漫画にするには、ちょっと痛みの表現が弱いんですよ。
もうちょいポップな作風だったらそれでもいいかなってのがあるんですけど、ダーク目な世界観で、戦いに痛みの表現が薄いと、なんか他人事というか、もうひとつ入っていけない感じがある。
最初はこう、ホラーというか、ミステリーの要素が強い作品で、そこが良かったわけで。
かつ主人公が弱い、いつ殺されるかもわらない恐怖と、人の肉を食らわなくちゃ生きていけないっていう、どうしようもない圧迫感が売りだったと思うんです。
まあ、途中からテーマが変わってくるってのはそれはそれでいいんですけど、痛みの描写が弱い戦闘系の作品になったってのは、んー、これはどうなんだろうと。

あと、あんまりキャラが立ってないというか、立ち上がり始めた辺りで次々と死んでしまうんで、そこももうひとつ入っていけないとこかもです。
元から、画面に現れた瞬間にそのキャラが立ち上がってるって感じの作品でもないんですよ。
そこは一長一短で、出た瞬間に立ち上がってないなら、時間をかけて付き合っていけるってのもあるんで。
でもこう、この作品では、結構テンポよく話が進む分、もうちょい丁寧に描いてやってもよかったんじゃないかなと。
どうしても、過去作からの生き残り組の方が、キャラが立っちゃうのは仕方ないことなのかもしれないですけど・・・。

ただ、既に次期アニメが発表されてて、「"悲劇"終幕」とあるんで、ここはやっぱり締め次第なんでしょうね。
物語全体として見て、途中に当たるこの作品が、多少弱い感じがしても、仕方ないかなと。

ビジュアル的にはシリーズ通していい作品ですし、話のここだけ切り出して作品全体の評価ってのもアレなわけで。
このクールに限っては色々と消化不良な感じがしましたけど、これもラストに向けての伏線と捉えて、次回作に期待しておきましょう!

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