「ゴールデンカムイ」
・アニメ公式
前から原作の噂はちくちくと聞いてたんですけど、今回待望のアニメ化と。
結論から言うと、かなり面白かったです。
おお、これぞ物語って感じで。
僕がよくここで、面白いと感じる物語の要素をいくつか上げるじゃないですか。
もう、そのほとんどをバッチリ押さえてあるんですよね。
まず、出てくるキャラが、みんな立ってますもん。
デザインがそれぞれ個性的なのに、中身の方はもっと立ってるという。
これが、一目でこんなキャラなのかなと感じさせるものや、あえてどんなキャラかわからせない、後に明らかになるといったものだったり、実に多彩。
キャラは多く、関係性も複雑、かつ敵になったり味方になったりとともするとごちゃごちゃしがちなんですが、ほぼ全員が「消えたアイヌの黄金」を追ってるっていう共通目標があるんで、話そのものに、わかりやすい一本の線が引かれてるんですよ。
なので、物語がわかりづらくならない。
多少寄り道や、主人公たち側でない人間たちに時間割いても、見てる側が混乱しないというか。
で、さらにこの黄金を求めるって目標に対して、大きな謎が絡んできたりするわけで、話そのものが単調にならない。
かつ謎の方に振りすぎないことで、話にキャラが流されることを防いでいたりもする。
それぞれが、黄金を手に入れる目的が違うってのも、これはよくできてるなと。
これが、それを手に入れることそのものが目的化しちゃうと、追いかける側の多様性がなくなっちゃうんですよ。
黄金、つまりとんでもない額の金(かね)にしたことで(汎用性を持たせたことで)、それぞれのキャラ性を担保してるんですよね。
戦闘の描写もいいですね。
これも度々僕が言及してたりしますが、ちゃんと痛みが伝わってくるじゃないですか。
なので指が飛んでったりする描写があったりすると、うわーってなるわけです。
ただのエフェクトみたいな扱いじゃなくて、命がけで戦ってるってのが、ものすごくちゃんと描かれてる。
戦いそのものも、いい立ち回りなんですよ。
頭脳戦あり、がむしゃらな戦いもあり、で。
また、主人公たちと敵側、みたいな戦闘一辺倒じゃなく、他の勢力同士の戦いがあることで、どちらが勝つかわからないっていう緊迫感もある。
これが常に主人公vs敵になると、まあ苦戦するものの、結局勝つだろうみたいな読みが働きますから。
敵対勢力同士の戦いが挟まれることで、どちらが勝つんだろうっていう緊迫感を、常に保ってるんですよね。
細かいとこでは、料理ネタなんかも、サバイバル感があっていいなと。
僕がその手の番組好きで、自分の作品なんかにもちょくちょく出すくらい、ネタとして好きだってのもあるんですけど。
野生動物を仕留める、食べるみたいのって、生きる、戦うってテーマと、すごく近いところにあるんですよ。
目的を果たす為に何かを犠牲にしてくってののメタファーとして、僕的にはかなり好きなモチーフだったりします。
まあとにかく隙がないというか、本当によく出来た物語だと思います。
そもそも、構成がいいんですよ。
基本的なとこは、全部押さえてある。
久々に、よくできた物語に出会いました。
ていうか最初に書いた通り、僕がよくここで取り上げる、物語を成り立たせる、面白くする要素のほぼ全てを満たしているんですよね。
ジャンル的に、生き残り&宝探しにするならば、もうこの形で間違いないっていう。
ひとつの答というか、完成形って感じです。
10月から、二期目スタートなんですね。
いやはや、これはより一層、期待できそうです!