尾上屋台 2018/06/28 04:24

「シュタインズゲート・ゼロ」

・アニメ公式


シュタインズゲート、続編ですね。
前作は面白かった。
そして今作も面白い。

僕がここでしばしば言ってるように、面白い話って、結構シンプルなんですよ。
ぽんと、最初に目標なり、それを感じさせる背景を匂わせることで、話の筋を一本通してやるというか。
どっこい、この作品は複雑で、かつ当面の目標もわかりづらく、さりとて巻き込まれ型ともちょっと違う。
なのに、すごく面白いんですよね。

この手の、特にこの作品を見ていると、自分の中で「面白い」と感じる要素と、ちょうど真逆の作品って、同じように面白いと感じるんですよ。
僕が悪い意味で「複雑」と言う時は、この複雑度合いが中途半端なんでしょうね。
もうちょいシンプルにできただろう、みたいな。

その複雑さの塩梅も、この作品はちょうどいいんですよね。
シンプル過ぎる作品が単調にしか感じないのと同じで、複雑過ぎる作品はついていくのがやっとで感情が追いつかなかったりする。
どちらでもない状態を起点として、いいシンプルさといい複雑さってのは、感じる面白さってのは、ほぼ同質なのかもしれないなあとか。

この作品の特徴として、キャラが一見単純に見えつつも、その背景の濃密さがものすごくあるわけですよ。
しかも単にそのキャラに膨大な情報を乗っけるってよりも、主人公の与り知らないところでの関係性があるって感じで、その情報が頭に入りやすい。
情報が、紐付けされてるというか。
あるキャララクターを思い出す時、他のキャラクターとの関係性も思い起こせるので、そのキャラと別のキャラ、その反対でもって感じで、かなりの情報量でもすっと記憶を掘り返せるって感じですね。

今作はキャラも増えて、その分この複雑さも増えてるんですけど、独立した、あるいは浮いた存在ではなく、前作までのキャラとの関係性がわかることで、その複雑さも比較的容易に消化できるようになってます。

で、やはり前作同様、この1クール目では主人公たちが何をしたいのかってのはわからないんですけど、この関係性を丁寧に描いていくことで、それを知っていくこと自体が物語になってる。
これ、ものすごく構成的に難しいことだと思うんですけどね。
物語として成り立つぎりぎりのところを攻めてる。
で、何かがわかる度に新たな謎が出てきて、見ていてまったく退屈しないんですよ。
これは本当にすごいことだと思いますよ。
こういう話、どうやったら思いつくんだろうって。

タイムリープが鍵になってるってのがあるんですけど、時間が流れることでの関係性の深みってのを、ものすごく理解してる作品だなとも思います。
時間そのものの使い方が上手いんですわ。
何気に、時間を上手く使えてない作品も多いですからね。
タイムテーブル、ものすごく緻密だと思いますよ。
これだけの複雑さを、よくもこんな形でまとめてるなあと思うと、それだけで溜息ものです。

で、この1クール目で、仕込みはオッケーって感じなんですかね。
前作は2クール目から目まぐるしい展開になったので、おそらく今作も同様かなと。
んなわけで、2クール目も引き続き楽しみにしてます!

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