尾上屋台 2018/10/05 19:55

「天狼 シリウス Sirius the Jaeger」

・アニメ公式


割合スタンダードな作品なんですけど、しばらく見てなかったのか、ないしはしばらくなかったのか、この手の作品はちょっと久しぶりな感じがします。
オリジナルアニメだというのもあって、綺麗に1クールでまとまってます。

で、スタンダードな1クールアニメとしては、ちょっと変わった構成してましたね。
主人公側がチームだったりすると、大体中盤くらいに一人一人にスポット当てた話が入ってくるじゃないですか。
それが一切なく、ただ主人公のテーマに沿った物語だけを展開してったってのは、珍しい作り方かなと。
おかげで、テーマもぶれることなく、1クールでしっかり見れたかなと思います。

あともうひとつ変わってるなと思ったのが、ビジュアルからも、キャラ一人一人がなんかしらの特殊能力持ってて、みたいに予想するじゃないですか。
いや、普通に銃とかで戦ってますからね(笑)。
ある種魔法的な要素ってのは敵側のヴァンパイアにしかなく、主人公側は武骨に銃とかの得物で戦うってのは、逆にちょっと新鮮だったかなあと。
地味な上に今のアニメ/漫画界ではまったくの逆張りですが、これが物語にある種の重さをもたらしていて、良かったんじゃないかと思います。

戦闘の描写にしても、変に特殊能力だなんだってやっちゃうと、軽くなっちゃいますもんね。
そこいくと、この作品の戦闘は、「痛み」を充分感じさせる内容だったかなと。
そういう描写だと、ピンチになった仲間なんかが、「こいつここで死んじゃうんじゃないのか?」って感じさせることができて、戦闘シーンの意味も出てくるかなと。

作品全体としては、やっぱビジュアルが良い作品だったかなと。
明治/大正くらいの帝都って、情緒があっていいですよね。
てか十九世紀末から二十世紀初頭、ヨーロッパだったらヴィクトリア調、アメリカだったら西部劇と、この辺のヴィジュアルって最高だなっていう僕の趣味もあります(笑)。
ダークファンタジーもそうなんですけど、もうそういう世界観ヴィジュアルで示されちゃうと、無条件で評価上方修正したくなっちゃう感じで。

で、もうちょい帝都のシーンが多くても良かったかなーと思いつつ、その後のロケーションも、主人公の向かう方向性に合わせて変えていってますから、ちゃんと意図があってのものだなと。
ちゃんと心情、置かれた状況とロケのヴィジュアルがリンクしてて、この辺の丁寧な作りってのは、すごく良かったと思います。

ヴィジュアルだけじゃなく、全体的に丁寧な作品で、好感度高いです。
オリジナルアニメだったってのもありますが、見た後にちゃんと「作品見た」って思えましたもんね。
何気に、そういう作品って、1クール10本以上見てる僕でも、年に二、三本あればいい方なんですよ。
すごく面白い、印象に残った、みたいのと、それはまた別のもので。
その意味でこの作品は、ちゃんと作品見れたなあって思えたのでした。

しっかり、物語してましたもんね。

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