尾上屋台 2019/10/03 21:16

「キャロル&チューズデイ」2クール目

・アニメ公式


ちょっと前期に比べて散漫になったというか、まあそれでも充分いい作品ではあるんですけどね。
ラストに向けて、二人の周りのキャラも描き出す必要があったと思うんですけど、逆に二人の立ち位置が、ちょっとわかりづらくなってたかなと。
ホントは、3クールくらい尺が必要だったのかもしれませんね(汗)。

あと最初、火星が舞台っていう微妙なSF感はどうして必要だったのかなと思ってたんですけど、ああ、移民とか差別とか、そういうことをやりたかったのかと。
これを現代を舞台でできない辺り、実はちょっと今のアニメ界、ないしは漫画でもそうなんですけど、こっちでできない窮屈さってのはあるかもですね。
これは、コップクラフト見てても思ったことなんですけど。

今こそ、訴えていくべきテーマであり、けどある意味ずっと抱えてる問題だとすると、まあフィクションでやった方がいいのかなとも。
ちょっとテーマがぼやけてしまう、所詮フィクションでしょって捉えられてしまう可能性があるんで、僕はそれなりにストレートに表現するのもありかなって思ってるんですけど、けどよく考えてみたら、これもアリかなと。

というのも、フィクションで、物語として作った方が、後に残りやすいじゃないですか。
多少訴える力が落ちても、こういうテーマを扱った作品が多くあった方が、ボディブローのように効いてくるかなとも(笑)。

ラストに至る過程に、物語としてはちょっと物足りないものを感じつつも、この作品が今の世に出たってことの意味は、あったように思えます。
構成としては、個人(二人組)から視点を大きくしたんで、もうちょいその辺を丁寧に描けるだけの尺は欲しかった気がするんですけど、1クール目の終わりに二人が地に足着いた状態に持ってくっていうひとつのクライマックス作ること考えたら、この構成しかなかったのかなと。

ラスト、奇跡の七分間は、「We Are the World」ですよね。
僕が子供の頃に聞いた、見た作品ですけど、ある意味こうしたテーマってのは、なかなか克服できるもんじゃないんだなって。
むしろ形を変えた差別、抑圧ってのは、ますますひどくなってる側面もあるわけで。

キャロル&チューズデイ、1クール目は面白い、好きな作品で、2クール目は、意味のある作品だったと思います。

何を訴えるにせよ、作品の持つ力ってのは、信じていきたいというか、なにか物語作ってる人はみんな、そういうものを信じてるのかなあとか、そんなことを思ったりしました。
僕も、あえて口にはしないですけど、作品に触れてくれた人が、何かしらを受け取ってくれればいいなあと、そんな思いで物語を作り続けています。

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