「空挺ドラゴンズ」
・アニメ公式
「ベーリング海の一攫千金」とかずっと見てるクチなもので、漁だったり猟だったり、基本この手のドキュメンタリーが大好きなんですよ。
なのでアニメって形でこのジャンルをどう料理するのかなと、期待感を持って臨みました。
アニメでファンタジーってこともあり、その手の作品にあるクサミみたいなもんはあんまないんですけど、獲った獲物をおいしく食べるみたいな基本線は、しっかり押さえているかなーと。
僕も自分の作品で度々描いてますけど、生きてくってことは他の膨大な命の犠牲の上に成り立ってるんでね、こういうとこ外すと、ものすごく薄っぺらいものになってしまうんじゃないかと、いつも思ってる次第です。
絵的には空の上が多いってこともあって、場面転換が少ない分、下手したらかなり地味な作品になってたかもですが、これはものすごく美術が頑張ってるというか、メチャクチャ良かったですよ。
おお、空だけでこんなバリエーションがあるんだっていうか、いやこれは、設定資料とか出たら絶対欲しいというか。
空と雲だけで、色んな表情が絵描けるんだなって。
モチーフが限られてる分、ここのとこに恐ろしく力入れてましたね。
なんかこう、壮大さや圧倒的な感じがする一方、どこか足元頼りない空の上、みたいな描写が多くて。
これ翻って、そうした環境の中、しっかり地に足着けて生きてる主人公たちってのが、よく表現されてましたね。
むしろ町に下り立った時の方が、みんな地に足着いてない感じもして(笑)。
ラスト近く、タキタが「これからも空の上で生きていたいんです」みたいなこというじゃないですか。
あの辺りで、この作品がしっかりテーマを持ってるってことが再確認できて、話としても、外したところはどこもなかったかなと。
良質な佳作、くらいの位置づけかもですが、これはこれで、かなりいい作品だったんじゃないかと、あらためて思います。