「GREAT PRETENDER」
まずもって、面白い。
これ僕の好みもあるんでしょうけど、詐欺師ものって、イマイチ面白くない印象なんですよ。
ファンの人いらっしゃったら申し訳ないですけど、「オーシャンズ11」なんかは、その最たるもので。
あれだけの面子、脚本、映像をもってしても、なんかこう、つまらない(笑)。
どうしてこうなっちゃったのかなって。
詐欺師側からの視点だと、謎が最初から解けちゃってるからってのもあるかもですよね。
後は詐欺実行の際に、ちまちまとしたハプニングがあるくらいで。
刑事コロンボの、最初に犯人わかってても、逆算して推理を詰めてくようなものとも、ちょっと違うんですよ。
コロンボは面白いですし。
でもこう、数多ある詐欺師ものって、どうしてか物語として「つまらない」ものが多いんですよね。
特にオーシャンズ〜のシリーズは、履き違えた勧善懲悪みたいな感じがして。
もうちょい、犯罪臭があるものの方が、成り立つのかな、とか色々考えちゃいます。
と、そんなところで、このGREAT PRETENDER。
面白いんですよ(笑)。
こういった詐欺師ものの作品としては、抜群によく出来てる。
オーシャンズとの比較で言えば、先を読ませないってのがひとつ、上手いところなのかなあと。
どう展開するのか、良い意味でまったくわからないですもんね。
ピンチのタイミングや、重さもいい。
そこに詐欺という、テクニカルな要素が入ってくることで、見ていて飽きないんですよ。
にしても、何気に複雑な構成してますよね。
最初にエダマメ視点で、コンフィデンスマンたちの凄さを示しつつも、主人公の魅力を描く。
二部目で、アクションを見せつつ、華やかな世界と対比するアビーの過去を描き、コントラストを表現する。
三部目はまだ途中ですが、キャラが地についてきたところで、大人っぽいテーマを描く、と。
よくできてますよ。
これ、すっごくよくできてます。
冒頭こそ、ちょっとクセの強い作品だなあと思ったんですけど、そういうのって走り出して行く内に、臭みに慣れるみたいのあるんですよね。
とっつきにくい作品ほど、付き合ってく内にどんどん旨味が出て来るというか。
2クール、まだ最終話まで行ってないんで最終的にどう転ぶかわからないんですけど、多少の中だるみ、失速があったとしても、この作品は信頼できるなあと。
構成が間違ってない作品って、ものすごく基本的な部分で、同じように間違わないですからね。
たまに、あるいは物語作る人でもたまに「構成の上手さ」がわからないって人いますけど、これ見たら一発で理解しますよ。
そのくらい、よくできた作品です。
面白いかどうかは最後は好みみたいなとこあるんで、万人がこれ見て面白いというかはわからないですけど、構成の上手さは、間違いないですね。
僕はそもそも上手いなって思わされる作品が好みなんで(笑)、これは面白いです。
引き続き2クール目、期待しましょう!