「アクダマドライブ」
これはよくできてますね!
物語もそうなんですけど、世界観が徹底的に作り込まれている。
で、それが今の日本に対しての、痛烈な皮肉になってるってのも、いいですよね。
世相をわかりやすく批難するよりも、こうした物語の世界観に乗せて皮肉るってのは、本当にもう、"作品"だなって。
カントウとかシンカンセンとかを崇めるカンサイ、もうこういうの最高ですわ(笑)。
ハンコだよ、ハンコって。
それぞれが何のメタファーなのかってのは、一応大人になってる視聴者だったらわかることで、ここでいちいち挙げていくことはしないですけど。
もちろん、東京とか大阪ではないですよ(笑)。
あー、こういう表現の仕方、アニメでもできるよなあって。
物語、そして見せ方みたいのも、今のアニメに対するエスプリが効いてますよね。
そうそう、こういうことできるよなって。
地味に四方八方に喧嘩売りつつ、エンタテイメントとして素晴らしい仕上がりになってて。
絵面も、毎回凝ってましたよね。
背景も実に考えられてるし、ちゃんと意味があるというか。
喧嘩屋と師匠の対決のシーン、バトルにここまで凝った背景乗せてくセンス。
毎話見所の多い作品だったとはいえ、絵的にはここが最高でした。
物語も、二転三転はもちろん、ある時はクライムアクション、ある時はサスペンスと、次々と物語の質自体が変わってくってのも。
僕、ここではよくアニメは2クールでと言ってますけど、これも何度か言ってる通り、こういう12話できっちり終わる作品に関しては、これが正解だなって。
話戻すと、基本強烈に皮肉の効いた作品ながら、最後にカンサイの人々が立ち上がるのは、ああ、皮肉一辺倒じゃないんだなって。
そういうとこも、作品としてよくできてますよね。
作品に乗じて何かを訴えたいだけじゃなく、きちんと物語としてのケジメもつけてるというか。
その意味でもホント、"作品"なんですよ。
グレプリなかったら、これが今期一番だったかなと。
ただグレプリは前期からの続きであること考えると、今期だけの作品としては、これが一番でしょう。
ただ面白い、ただ絵が綺麗とはまったく別の次元で、これはよくできた作品だったなって思います。