尾上屋台 2020/12/25 04:52

「アクダマドライブ」

・アニメ公式

 これはよくできてますね!
 物語もそうなんですけど、世界観が徹底的に作り込まれている。

 で、それが今の日本に対しての、痛烈な皮肉になってるってのも、いいですよね。
 世相をわかりやすく批難するよりも、こうした物語の世界観に乗せて皮肉るってのは、本当にもう、"作品"だなって。
 カントウとかシンカンセンとかを崇めるカンサイ、もうこういうの最高ですわ(笑)。
 ハンコだよ、ハンコって。

 それぞれが何のメタファーなのかってのは、一応大人になってる視聴者だったらわかることで、ここでいちいち挙げていくことはしないですけど。
 もちろん、東京とか大阪ではないですよ(笑)。
 あー、こういう表現の仕方、アニメでもできるよなあって。

 物語、そして見せ方みたいのも、今のアニメに対するエスプリが効いてますよね。
 そうそう、こういうことできるよなって。
 地味に四方八方に喧嘩売りつつ、エンタテイメントとして素晴らしい仕上がりになってて。

 絵面も、毎回凝ってましたよね。
 背景も実に考えられてるし、ちゃんと意味があるというか。
 喧嘩屋と師匠の対決のシーン、バトルにここまで凝った背景乗せてくセンス。
 毎話見所の多い作品だったとはいえ、絵的にはここが最高でした。

 物語も、二転三転はもちろん、ある時はクライムアクション、ある時はサスペンスと、次々と物語の質自体が変わってくってのも。
 僕、ここではよくアニメは2クールでと言ってますけど、これも何度か言ってる通り、こういう12話できっちり終わる作品に関しては、これが正解だなって。

 話戻すと、基本強烈に皮肉の効いた作品ながら、最後にカンサイの人々が立ち上がるのは、ああ、皮肉一辺倒じゃないんだなって。
 そういうとこも、作品としてよくできてますよね。
 作品に乗じて何かを訴えたいだけじゃなく、きちんと物語としてのケジメもつけてるというか。
 その意味でもホント、"作品"なんですよ。

 グレプリなかったら、これが今期一番だったかなと。
 ただグレプリは前期からの続きであること考えると、今期だけの作品としては、これが一番でしょう。

 ただ面白い、ただ絵が綺麗とはまったく別の次元で、これはよくできた作品だったなって思います。
 

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