「チェンソーマン」
・アニメ公式
https://chainsawman.dog/
このタイプのローファンタジー、現代モノで能力者がいて、みたいな作品群の中では、人物造形で最も完成された作品かなあと。
以前からその評価くらいはちらほらと耳にしてましたけど、なるほど、かなり光る部分の多い、期待に違わぬ作品だったかなって。
まず主人公の設定が、よく出来てますよね。
わかりやすい明確な目標の為に戦ってるわけじゃないって部分に、説得力のある設定があって。
こういう主人公の方が、物語に幅ができるなあと。
逆にはっきりとした目標に向かってると、物語自体に幅ができないというか、最初のラインから大きく外れた展開ってさせづらいですもんね。
昔でいうとこの、巻き込まれ型の主人公に近い。
物語自体も、常に先が読めない感じで、え、こんな話になるんだって、毎回思わされました。
話作り上手いなと。
あと戦闘描写に特筆すべき点があると思うんですけど、これ、なかなか上手く言葉にできなくて。
というのも、これだけ派手にやられたりする作品って、ともすると痛みを感じさせづらかったりするじゃないですか。
盛大に血を噴いても、どうせ生きてるんだろって感じになっちゃって、戦闘のスリルが希薄になりがちな作品が多い中、今作ってなんか「デンジ大丈夫か?」みたいな気持ちにさせるんですよ。
これって、こういう傾向の他作品ではなかなか見られない描写で、どこら辺がコツなんだろうなあって。
主人公本人が感じてないであろう悲壮感が、戦い方に出ちゃってるみたいのもあるんでしょうかね。
いかにも不死身っぷりに任せた戦い方って感じで、見ててつらい感じもあるんですよ。
これ、本人もつらいと思ってて戦ってると意味合い違ってくるんですけど、本人つらいと感じてないだろうなあってとこが痛々しくて、見てて結構心抉られるところがありましたねえ。
各キャラについても、そんなに説明してないのに、キャラづけが伝わってくるものがあって、この辺もまた上手いなって。
なんか見る前の評価とか小耳に挟んだ時点では、もっとしっちゃかめっちゃかな作品なのかなあと思ってたんですけど、まあそういう目立つ描写、派手なシーンはあるにせよ、全体的にえらい繊細な作品だなと思いました。
またそれを前面に出さないとこも、いいなと。
あえて難点言えば、1クールで一旦止めたところですかね。
えらい中途半端なとこで終わったでしょう?(笑)
エンディング毎回変えたりとか、そもそもお金掛けて作ってるなら、最初から2クールでやってくれよって。
ちょっとお金の掛け方間違ってる感じはしましたね。
続編に対する興味を引く、もうちょいちょうどいいとこまでやっても良かったんじゃないかと。
尺取ってもうちょい手前で終わらせてもそういう感じにならなかったと思うんで、やっぱ最初から2クールで行った方がよかったんじゃないかって。
いかにも低予算だったら様子見ってことでわからないでもないんですけど、なんか明らかに予算ついてる感じじゃないですか。
編成的に、ちょっとミソついてるぞって、まあ作品が良い出来だっただけに、逆にそういうとこが気になっちゃいました。
まあこれは続編作るでしょうね。
良い物語なので、ぜひぜひ、早めにやってくれればって。
楽しみにしております!