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主従関係の記事 (9)

ももえもじ 2023/06/30 22:26

モンスターメイト(仮)製作中です

かねてより構想していた「モンスター調教アドベンチャーゲーム」を製作中です。
文字通り、モンスター娘を調教する内容となります。

当初はツクールMVで製作しての、バトル要素を入れた王道系を考えていたのですが……
シンプルにティラノスクリプト製に決定しました。


・タイトルは仮です。
(同名のゲームがあるようなので、ちょっと変えるかも……)

・発売日は、まだ未定です。
今年中の発売を目指しています!

・7月中には体験版を出したいです。
製作の経過を随時報告します。

・個人的な「好き」を入れまくってます。
中には、少し残酷描写や歪んだプレイも含まれているかもしれません。
その都度に注意書きを記したいと思います。


あらすじ

苛烈な階級社会が敷かれたザヘオモクロン大陸にも、生まれながらの身分を覆す絶対的な逆転手段がありました。
長きに渡って人類と敵対する魔物……その統治者の「魔王」を打ち取った者は、特恵として女帝から「仁」の爵位を授かられます。

「剣一つで王」
昔から大陸に伝われ続ける金言であり、剣に可能性を託して冒険する者を「勇者」と呼びました。
そして、国に多大な成果を上げられた勇者は「英雄」として讃えられます。
反対に、なにも成し得られずに帰還すれば、勇者から一転して「落伍」と謗りを受ける顛末が待っています。

……大陸に、一人の落伍者が居ました。
正確に言えば、間もなく落伍に成り果てる死に際の勇者です。
魔王と対峙した瞬間に、それまでの威勢が嘘のように……己の立場を理解したかのように、あっさりと剣や仲間を捨てた怯者です。
おめおめと国にも帰れず、酒に酔い、心を病み、抜け殻となって大陸を彷徨っていました。

そんな勇者の眼前へと、ある日に一人の女性が立ち塞がります。
共に冒険した仲間の召喚士・ガル子でした。
ガル子は、療養と称して勇者を自分の住まう家へと誘いました。
人里離れた陋屋です。二人で暮らし始めると、魂を擦り減らした英雄は、やがてガル子と臥所を共にします。
抑圧してきた衝動を解放するように、性へと没して獣の如く本能を消費しました。
堰を切った欲望は止まりません。

更なる快楽を求めた勇者がガル子の召喚魔法へと着手するのも、それからすぐのことでした。

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ももえもじ 2023/01/12 17:44

催淫体質2 読み切り


https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ01014836.html
催淫体質2が発売しました。

<あらすじ>
木崎雄大(きざき ゆうだい)は、異性から興味すら持たれない程の非モテ男子だった。
天の悪戯によって雄大の人生は、30歳を迎えた途端に一変してしまう。
雄大の体臭を嗅いだ女性が強○的に発情する「催淫体質」が唐突に芽生えたのだ。
理由は一切不明。気付けば、職場の女上司、妹、義母に限らず、道行く初対面の女性までも雄大を求めるようになっていた。
これは、そんな男の夢を抱えた雄大の一ページである。

続き物ですが、こちら単品でも読むことが出来ます。

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ももえもじ 2022/05/26 22:04

幼馴染との恋愛。童貞の僕と、隠れヤリマンの彼女。初めての交尾。

 一

 気弱で頼りない尻谷柚とは僕のことだ。学力や運動、容姿・家庭の全てにおいて並み以下の位置におり、特に此れと言った特技も持たず、只管に哀れを極めていた。
 虐められた経験も多く、入学したばかりの小筒津学園では、良くも悪くも目立たぬように息を潜めて過ごしている。そんなパッとしない僕だけど、最近になって一つ成し遂げた快挙があった。
 放課後の教室にて一人で静かに佇んでいると、その快挙が忙しなく現れる。教室のドアが勢いよく開かれ、その者は両手を合わせながら、開口一番に謝ってくれた。
「はぁ、はぁ、はぁ、柚くん、ごめーん! めっちゃ待たせちゃった。思ったより委員会が長引いて……はぁ、はぁ、はぁっ……」
「あっ、唯香っ……だ、大丈夫だよ」
「でも二時間くらい待ったでしょ。ホント、申し訳ないっ!」
「だ、だから良いって。委員会だったんだし仕方ないよ……」
「あははっ、ありがと」
 快挙とは、生まれて初めての恋人が出来たこと。相手は晴峰唯香と言い、クラスメイトであり、同時に古くから知る幼馴染でもあった。
 成績は僕より悪く、快活な性格とは裏腹に運動神経も優れていない。そこまで可愛いという訳でもなくて、取り柄と言えば、いつも元気なことくらいか。お陰でライバルも少なかったので、割とあっさり付き合うことが出来た。
 と言っても、幼少期から片思いしていた事実には変わりないが……
「えっと、帰ろうか?」
「待って。帰る前にさ、部室に寄らない?」
「ドキッ」
「良い? この前の続き……したいんでしょ?」
「うう……う、うん!!」
 帰り支度をする僕に唯香が首を横へと振り、代わりに別のお誘いを持ち掛けてくる。部室という単語だけで、僕の心臓が高鳴ってしまう。
これがエッチのお誘いであることが明らかだからだ。
 小筒津学園には茶道部があり、立派な和室を構えているも、部員は唯香のみという現状だ。顧問すら滅多に訪れない部室を殆んど唯香が独占していると言って良い。そんな場所に、いまから恋人同士が赴く。もはや、疑いの余地は無かった。
「あはっ、それじゃ、行こっか♪」
「……うん」
「手……握る?」
「……うん」
「ん、そういえば、もう付き合って二か月くらい経つけど、こうして手を握るのって初めてじゃない?」
「そう、かも」
「あはは。順番が逆だよね。前にさ、ほら……」
「う、うん。手コキしてもらった……」
「…………」
「最高の体験だった」
「よ、良かった。今日は、もっと気持ち良いことしてあげるね♪」
 唯香の差し伸べる手を静かに握る。いまが夕日の差し込む時間帯で助かった。確かめるまでもなく、僕の顔は真っ赤に染まっていることだろう。世界を灼熱に染める夕焼けが僕の赤面を誤魔化してくれている。けれど、手汗だけは誤魔化しようが無くて……人気のない廊下を歩く中で僕は一人で勝手にしどろもどろしていた。
 やがて茶道室に到着する。校舎の離れに有る建物の一室……そこが茶道部の活動拠点だ。唯香だけが持つ鍵にてドアを開錠すると、間もなく畳の心地良い匂いが伝わってきた。
「あの時のままだね」
「先生すら来ない場所だからね。好きな場所に座ってて」
「うん」
「緊張してる?」
「そりゃあ……当たり前でしょ。僕は……初めてなんだから」
「そっか。嬉しい」
「唯香は……初めてじゃないんだよね」
「……うん。いままで二人の男性と付き合ったから……」
「一人は、僕の兄なんだよね……」
「…………」
「なんで別れたんだっけ?」
「いま、その話をしたいの?」
「……止めておこっか」
 部室に入ると、すぐに唯香が鍵を掛ける。部屋は本校舎から離れた場所に孤立しており、多少大きな声を出しても誰かに聞こえることはない。邪魔の入らない二人っきりという状況に、早速と煩悩ばかりが溢れてしまう。血液が下半身へと集中してしまい、初めてのセックスということから、心臓もバクバクと鳴りっぱなしだった。
「そういえば、コンドームは……」
「ちゃんと持ってきたよっ! 今日は大丈夫っ!」
「良かった。今日こそ、最後まで出来るね」
「う、うんっ」
「あはは、私も緊張してきちゃった。少し待ってて、手を洗ってくるから。デリケートな場所も綺麗にしたい」
「あ、それじゃあ、僕も……」
 なお、エッチを目的に茶道部の部屋を訪れたのは、これで二度目だ。つい先日にも訪ねたばかりであり、その時はお互いに服を脱ぐ所まで漕ぎ付けられた。コンドームが無いせいで惜しくも最後の行為までは至れなかったけど、その代わりに唯香の手コキを味わうことが出来た。
 唯香の繊手と甘い肉体は最高の思い出である。だけど、まだ最後の一手が残っている。通販で購入した十二個入りのコンドームパックを取り出すと、突っ張ったズボンをそのままに、正座しながら唯香との一手を心待つのだった。

 二

 八畳の和室にて僕と唯香の二人きり。お互いに向かい合い、正座の姿勢で見つめ合っている。茶道部員として正座がデフォルトな唯香に対し、僕は単なる緊張感から、自然と畏まった姿勢を取っていた。
 どっちから動くことも無く、暫く睨めっこの状態が続いてしまう。
「…………」
「…………」
 少し照れたような、はにかんだ顔が眼前にある。見飽きるくらいに馴染んだ顔の筈なのに、どうしてこんなにも心を打たれるのか。目を合わせるだけでも心臓が煩わしい。やたら顔が熱くなり、指先の震えすら感じた。
「柚くん。顔がめっちゃ真っ赤だよ」
「うう……」
「可愛い❤」
「み、視ないでよ。は、早く始めよう?」
「そうだね。それじゃあ、まずはキスから?」
「う、うんっ」
「そういえば、まだキスもしてないよね。柚くん、キスの経験は?」
「……したことない」
「私がファーストキスの相手なんだ……すっごく嬉しい❤」
「んっ……」
 僕とは違い、経験のある唯香が事をリードしてくれる。唯香は処女ではなく、それどころか前に僕の兄と付き合っていた時期もあった。
 女慣れした兄と童貞の僕を比較されるのが怖い……そんな気持ちを汲んだように、唯香は赤ちゃんを宥めるように優しく僕を抱き締めてくれた。
 そして、女子特有の蕩ける香りに魅される暇も無く、唯香の花唇が僕に重なる。お互いに膝立ちした状態で唯香が僕をハグしながら――。
「んっ……」
「ふぅっ、んんんっ……」
 ……僕の、初めてのキスだった。
 唇が触れた瞬間、感動の余りに視界が明滅する。舌を搦めるような濃厚なキスではない。唇が重なっただけのキスである。でも、唯香の唇は想像よりも遥かに柔らかくて、甘くて……僕の理性を剥がすには十分すぎる刺激だった。
 十秒くらいが経ち、そっと唯香が離れる。
「柚くん、キス上手だね」
「ぁ、う、そ、そう、かな?」
「柔らかくて気持ち良かった! もう一回しよ?」
「あ、うん……」
「んっ、ちゅっ……」
 ファーストキスに心を奪われて曖昧な返事をしてしまう。なにかを言う前に、再び唯香の唇が覆い被さった。
「んっ、んちゅっ……んっ……」
 またも唇同士が触れ合うだけのキス。でも、今度はもっと情熱的だ。唯香が両手で強く抱き寄せてのキスである。お互いに密着状態になり、僕の滾りに滾った股間が唯香へと当たってしまう。さり気なくお尻を引いてテントを退けようとするも、唯香は「そんなの気にするな」と言わんばかりに、くっ付いてきた。
「うっ、んっ……ちょ、ちょっと……んっ……」
「はぁっ、んっ、柚くんっ、すっごい興奮してるね。んっ……だって、ずっと勃ちっ放しじゃん……んちゅっ、んっ……可愛いっ❤」
「うぁ、き、気付いてたんだ。は、恥ずかしい……」
「生理現象なんだから気にしなくて良いんじゃない?」
「恥ずかしいものは恥ずかしいんだ……んっ……」
「柚くん、良い匂い……」
「うああ、に、匂い嗅がれるのも恥ずかしい……」
「すんすんっ、ん~っ、柚くぅん❤」
 実は、廊下で手を繋いだ頃から既に股間はオーバーヒートしていた。
 ズボンがパツパツに盛り上がっており、下着の中は見るまでもなく先走り汁で哀れに濡れている。そんな状態での唯香と密着キスなのだ。テントが唯香の下腹部に擦れたままのキスは、思わずイッてしまいそうになるくらい、かなり気持ち良かった。
 このまま射精したくて堪らない気分である。勿論、やらないけど……と、思っていたのに、気付けば密着したまま無意識に腰をグリグリ動かしていた。テントが唯香の腹部に擦れる。
「ふぁあっ、柚くんっ……硬いの、当たってるっ❤」
「あ、ご、ごめんっ。調子に乗り過ぎた……」
「怒ってないよ。寧ろ、嬉しいかな。こんなに喜んでくれて❤」
「うう、唯香が、その……めちゃくちゃ可愛くて……」
「嬉しいよぉっ❤ もっかいキスしよっ! んっ♪」
「んっ、ふぅうっ、ゆ、唯香も、キ、キスが上手だよっ」
「ありがと。柚くん、大好きっ❤」
「うあぁあっ、僕ら幼馴染なのに。唯香とこんなことしてるなんてっ、未だに信じられないよ。あぁあっ、こ、股間が唯香に当たってるっ! あぁああっ、で、出ちゃいそうっ!」
「えっ、本当っ?」
「う、うん。も、もうイキそうかもっ……」
「ん……ちょ、ちょっとストップッ! そこで出しちゃって良いの?男の人って何回も出来る訳じゃ無いし、ズボンの中で出しちゃうのは勿体ないんじゃないっ?」
「う、ううっ……」
「まずはズボンを脱いで、ね?」
「わ、わかった」
 抱き合ったまま、お互いに愛し合っていた所で唯香が離れてしまう。
あと少し離れるのが遅かったら、本当に下着の中で射精していたかもしれない。残念だけど、唯香の言う通り何発も放てる訳では無いので、密着キスはこのくらいに留めることに。
 でも、衣服越しの触れ合いがこんなに気持ち良いとは……これから唯香の全裸が拝めるというのに、暫く名残惜しさが続いた。
「お互いに脱がせ合いっこしよっか♪」
「う、うんっ」
「まずは私の服を脱がせてみて?」
「わかった」
 そうして遂に脱衣が始まる。唯香の嗜好で、それぞれ服を脱がせることに。ブレザーのボタンを丁寧に外して、ワイシャツも脱がせると。清潔感のある白いブラジャーが現れた。
「……はぁ、はぁ、はぁ」
 唯香は運動音痴ではあるけど、スポーツが嫌いという訳では無い。合間を見つけては運動を嗜む唯香の、スラリとした肢体が露わとなり、僕の興奮も拍車を掛けていく。極めつけは、年相応に育った瑞々しい乳房だ。ブラジャーで絞められた谷間と、ふんわり甘そうな肉の盛り上がりに、僕は荒々しい鼻息を隠せそうになかった。
 現れたブラを、すぐに取り外しに掛かる。フロントホック式のブラだったので、あっさり外すことに成功した。中々外せず焦りに焦った前日とは違い、スムーズな自分に内心でホッとする。
「…………」
「おおっ!」
 やがて待ちに待った乳房がお目見えになる。しなやかな肉の恵みと、その山頂には自己主張をする淡い色の乳首があった。
 性を目の当たりに、僕の顔が一層に熱くなるのを感じる。この場に恥じらいを感じているのか、唯香の挙動が落ち着かなくなり、確かに顔も赤くなっていた。
 全体的に色白な唯香は、ほんのりな紅潮でも赤みが明らかになる。僕に対して緊張しているのが嬉しくて仕方なかった。
「はぁ、はあ、あぁっ……」
「柚くん興奮し過ぎだよ。おっぱいなら、この前も観たでしょ」
「前の時は……緊張し過ぎて全然覚えてない」
「確かに。前は、すっごいテンパってたもんね」
「うん」
「…………」
「乳首、勃ってる……」
「ん、当然でしょ。私だって興奮する」
「触って良い?」
「許可なんて要らないよ」
「あ、ありがとう。じゃ、じゃあ、揉むね」
「……ぁっ」
 よく分からないけど、この大きさならDカップはあるだろう。手にフィットし易そうなサイズだ。試しに、両手を双峰へと乗せてみる。
……確かな弾力が伝わり、脳の溶けるような刺激が走った。
 そして、何度も圧搾を続けていく。
「柔らかい」
「ありがと♪」
「痛くない?」
「平気。もっと強く揉んで良いよ」
「ん…………気持ち良い?」
「……うん。気持ち良いよ」
「もっと揉んじゃう!」
「……んっ、柚くんの手、温かいっ」
「気持ち良い?」
「……うん。ふぁっ、あっ……」
「可愛い声。もっと気持ち良くさせてあげるねっ!」
 次第に唯香から色っぽい声が漏れてくる。感じてくれる唯香に気を良くした僕は、もっと満足させたいと思い、もういくらかおっぱいの按摩を繰り返すのだった。

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ももえもじ 2022/04/18 13:23

【再録】人妻AVデビュー

『36歳です。仕事に興味があります』

 物語は、SNSへと届いた一通のメールにより始まった。
 明らかな捨て垢のオファーに訝しむも、結局と廣峯勇志は誠実な対応で相手を出迎える。話を聞けば、送信者は結構な年上であり、更には現役の人妻だという。人妻相手ではトラブルが多く、そもそも廣峯にはロリコンの嫌いがあり、年上に興味を持った経験すら無い。案件を断ろうと何度も考えた末の、松浦紗友里との出会いだった。

「あっ、もしもし。ユリです。い、いま到着しました……」

「峰岸です。もう隣に居ますよ」

「あっ……!? あはは……は、初めまして」

 約束の日にて廣峯が初めて紗友里と出会う。既に廣峯は待ち合わせの場所にて待機しており、その声に驚いた紗友里が思わずスマホを落としそうになる。

「え、と……早速ホテルでしょうか……?」

「いきなりで良いんですか? 僕としては、打ち解ける為にも、まず軽く食事を考えていました。メールでも、そう伝えていたと思います」

「あっ、そうでしたっ……ごめんなさい」

 互いに偽名で自己紹介を交わす。落ち着いて話す廣峯とは対照的に、紗友里は緊張を極めて何度も口を噛む。異性との会話にすら慣れていない印象だった。
 自分より7つも年上の、なんとも慌てた様子に、廣峯が一先ずホッと息を吐く。経験の豊富な廣峯でも、初めて会う女性には警戒心や不安が拭えず、それだけに紗友里の初々しい態度は、程良いアイスブレイクとなった。

 また、想定よりも整った紗友里の容姿に廣峯が感嘆する。予め紗友里の写真はメールで送られていたものの、写りが悪くてスカを喰らっていたのだ。
(やっぱり、実際に会わないと分からないもんだな……)
 しかし、実際の紗友里は顔立ちがきめ細かく、着痩せしながらも存在感を放つ乳房の膨らみや、僅かに赤み掛かった美しい髪など、写真だけでは分かり得ない魅力を多く備えていた。

 三十代にも拘わらず垢が抜けない雰囲気も、廣峯の扇情を大いに煽る。廣峯の視線が何度も上下に揺れ動き、その度に紗友里が気恥ずかしそうに萎縮していた。

「好きな物を注文して構いませんよ」

「え、えっと……ごめんなさい。結構です」

「要りませんか?」

「正直に申しますと、不安ばかりで何も喉に通りません……」

「そうですか。大丈夫ですよ。じゃあ、自分だけ注文させて頂きますね」

「はい」

 一行は、駅にあるカフェへと足を運んでいた。
 これから二人は、ホテルで身体を重ねなければならない。明らかに性的経験の乏しい紗友里は、緊張と不安で食欲が湧かず、赤面を隠すように俯いてばかりだ。
 空腹の廣峯は、そんな紗友里に構わず次々に軽食を頼んでいく。一息を吐くと、廣峯は本題を切り出した。

「ギャラは10万円です。宜しいですか?」

「……はい」

「こちら契約書と誓約書になります。よく確認した後に、サインを下さい」

「分かりました」

「大丈夫ですか? 顔が真っ赤ですけど……」

「うああ!? ご、ごめんなさいっ!!」

「い、いや、謝らなくて全然良いですけど」

「うう……」

「あの、一つ聞いても良いでしょうか?」

「な、なんでしょうか!?」

「どうしてユリさんはAVに出演する気になったんですか? 失礼ですが、全然そういうタイプには見えません。ユリさんのような淑やかな女性からオファーが来た時はビックリしましたよ」

「…………」

 水耕栽培に携わる廣峯勇志は、副業としてAV制作を営んでいた。
 AVと言ってもメーカーに勤める訳では無く、個人によるインディーズである。素人との行為を撮影しては、それにモザイク等の編集を行い、サイトで販売する。大体の相手は、素人と言えどアダルトを生業とする者であり、こうした仕事にも抵抗が無い女性ばかりだ。

 しかし、明らかに紗友里は違う。異性への耐性は無く、そもそもが人妻である。話から察するに、旦那には確実に秘密にしての、今日という仕事だった。
 アダルトに初心者な上に、旦那には内緒の人妻と来れば、理由は一つしかない。察しは付くものの、廣峯は紗友里の言葉を待った。

「実は、借金があるんです。夫には絶対に知られたくなくて……」

「そうでしたか、すみません。話さなくて大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」

 紗友里の指先は震えていた。
 感情を必死に押し殺すように、声も上擦っている。業界とは無縁の人妻が急にアダルト産業へと首を突っ込んだのだ。借金で精神的に追い詰められた末ならば、紗友里の震えも必然だった。

 借金か脅迫か、その辺りを予想していた廣峯に驚きはない。優しい言葉と共に、紗友里の手を握って慰める。この仕事をしていれば、訳アリな女性との出会いも多い。いまにも不安で事切れそうな紗友里に、これでもかと廣峯が慎重に接する。物柔らかい廣峯に、紗友里は初めて笑顔を見せた。

「優しいんですね」

「普通ですよ。どんな僕を想像していたんですか……」

「アダルト関係の仕事には、もっと物騒なイメージがありました」

「なのに、よく来てくれましたね」

「今日の約束を取り付けた時は何度も後悔しました。今朝も後悔で泣いちゃって。だから、峰岸さんが優しい人で本当に良かったです。本当に、本当に……」

 紗友里の借金は、完全に私的な理由による破産だった。
 専業主婦として暮らす傍らに、趣味の買い物が高じた結果である。その内気な性格から、旦那や家族にも破産を打ち明けられず、一人でカードの請求に怯える日々を送っていた。

 そして廣峯がSNSで発信した「高額バイト」のハッシュタグに引っ掛かった次第である。初対面の男と性行為を行い、マスクの着用が可能とは言え、更には撮影もされる不安に、紗友里のストレスは限界に達していた。
 そんな現況での温もりは有難く、紗友里の瞼には涙を浮かべていた。

「それでは、そろそろ行きましょうか」

「は、はい。ホテル……ですよね?」

「勿論です」

「……ッ!!」

 最後のパンケーキを口に放り込んだ廣峯が言う。時刻は、間もなく夕方に差し掛かっている。旦那にはママ友との飲み会だと伝えており、夜間は丸々と廣峯に費やす予定である。紗友里にとっては仕事でも、旦那から見れば不倫でしかない。旦那ではない異性と肩を並べてホテルへと向かう紗友里は、チクチクと罪悪感を感じながら、不安と緊張で心臓を高鳴らせていた。

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ももえもじ 2022/04/18 13:07

人間牧場(ノベル版)

いわゆる、遺言書だ。
 使用人である和子を頼り、私の死後にお前へと届くよう手配しておいた。
 何故に、お前か?
 各地に散りばめられた子の中では、お前が最も私に近いと感じたからだ。
 お前なら、きっと私の跡を継げるだろう。
 財団の話ではない。
 そんなものは、優秀な他の兄弟が勝手にやっていれば良い。
 お前には、もっと面白いものをくれてやると言っているのだ。
 和子から鍵を受け取れ。
 牧場の鍵だ。
 財団が経営する牧場ではない。
 とにかく行けば分かる。
 和子を始めとした、ごく少数の使用人だけには話が伝わっている。
 彼女たちに教えてもらえ。歴史ある財団の、真実の姿を。
 学べ。そして……愉しめ。
 ルールさえ守ってくれるなら、好きなだけ愉しんで構わない。
 …………
 ああ、年上が好きなら、和子にも手を出して構わないぞ。
 お前が睨んでいた通り、私は多くの使用人を手塩に掛けていたからな。
 そういう訳だ。私亡き歴史を頼んだぞ。
 よい人生を。
 財閥王より~~


 という、親父の遺言書が届いてから数日が経過した。
 目的地へと向かう道すがら、俺は使用人の和子さんにおおよその粗筋を聞かされた。
 政治家だった親父の、真の素顔について……あまりに突拍子もない内容なのに、すんなり受け入れてしまう自分がいる。
 まるで最初から知っていたように、「なるほど」と、小さく一言だけ和子さんに返した。
「冷静ですね。普通なら、もっと取り乱すものですよ?」
「これでも困惑してるよ」
「……やはり、似ているのかもしれませんね」
 隣で運転する和子さんが笑う。
 少し厚めの化粧に、シンプルだけど高級そうなメガネに、隙の無いスーツ姿と、和子さんは正にデキるけど堅物なOLと言った女性である。
「俺と親父か? はは、数いる兄妹で一番の親不孝者だぞ、俺は」
 言いながらも、心では和子さんに同調していた。
 俺の父親……表向きは、甚も堅苦しい政治家だった。
 私生活でも笑顔は見せず、そもそも感情の有無が疑わしいような人間である。
 対して俺は、優秀な兄妹を差し置いて、いつまでもふらふらと遊びまわるような奴だった。
 金に、女に、遊びに。家の財産を貪る寄生虫と誹られ続けた。
『どうして、あの父親から、あんな子供が……』
周りからは、正反対の親子と言われ続けていた。
 だが、通ずる部分は確実に存在していたのだ。
 親父も、分かっていた訳だ。
 優秀な兄妹を差し置いて、俺へと招待状を渡した理由……
「着きました」
 東京から車で2時間あまり、着いた先は馴染みの薄い栃木県某所だった。
 見渡しの良い田畑の脇に車が止まる。
 目の前には、ひと気のないビルが一つ在る。
 ビルといっても、三階建て程度だろうか?
 商業ビルではない。会社という訳でも無い。
 外観からは中身の想像が付かない建物だ。
 都会っ子の俺からすれば、穴場の箱ヘルにも見えた。
「ここが?」
 俺は、車から出た。
 都会の喧騒がない田んぼだらけの拓けた地は、季春だというのに風が強くて肌寒さを感じる。
 高層ビルの一つも見えない。芯まで都会っ子の俺とは肌が合わないような場所だった。
「こんな場所に……?」
「ご主人様の祖父は有名な地主であり、ここ一帯を管理していました」
「先祖が田舎の金持ちだって話は聞いたことあるな。ここがそうか」
「お金持ち……ええ、大変な資産家でした」
 それからも和子さんは、なにやら懐かしむような遠い目で語ってくれた。
 それは、まるで自分について話しているような口ぶりである。
 俺より一回り二回り年上とはいえ、まだ40代なのに……
 親父の祖父について、なんで詳しいのか?
 聞こうとしたとき、和子さんが先制して口を挟む。
「一先ず、入りましょう」
 和子さんが鍵を取り出して開錠する。
 ……開けると、そのまま俺に鍵を渡してきた。
 一つの輪に、重厚な鍵が三つ連なっている。
 一つは、この建物の鍵。あと二つは……?
「これからは、坊ちゃんがお持ちください。いつでも、好きな時に此処へと訪ねてくれて構いません」
「遠いんだよ。頻繁に此処に来るメリット、ちゃんとあるんだろうな」
「…………」
 俺の言葉を無視して和子さんが中に入る。
 灰色のカーペット、ビジネス用の椅子やデスク、景観を崩さない造花があちこちと、まさにオフィスと言った内装だった。
 デスクの上には、まるで先程まで人が居たように、無造作にノートや書類が置かれている。
 ただ、違和感が拭えない。
 このオフィスからは、生気を感じなかった。
 親不孝者な俺の勘が騒ぐ。
「隠れ蓑か」
「ご名答です。理解が早くて助かります」
 薬の取引や違法な性風俗など、金や立場を悪用して裏社会にどっぷり浸かっていた俺である。驚きは無かった。
 また、和子さんも、さも当然のような口調だ。
「実際には、旦那様が訪れる週末は此処もオフィスとして使われていましたけれど」
「そして隠し階段か。マジで犯罪の臭いがしてきたな」
 淡々とオフィスを抜けていく。突き当りの壁に来ると、和子さんはカーペットを捲り、隠れていた取っ手を慣れた手つきで引っ張り上げる。
 すると、そこにはまるで映画のような隠し階段が現れたのだった。
 流石の俺も息を飲む。
 だが、衝撃は更なる怒涛で俺に畳みかけてきた。
「このビルには地下があります。正確には防空壕だったようですが、旦那様が手ずから整えていきました。地下には、現在四人の女性が住んでいます」
「四人の……なんだって?」
「世界から遮断された、言葉も、自分の名前すら分からない四人の女性……もとい娘が、生まれた時から此処で暮らしているのです。暮らすという表現は適切では無いでしょう。『監禁』に言い直します」
「……そうか」
 寿司は旨い。なんて当たり前みたいなテンションで和子さんは話すもんだから、俺もバカみたいな反応しか出来なかった。
「実際に見るまでは信じがたいな。見せてくれ」
「はい、此処です」
 螺旋状の階段を降りた先には、厳重に施された重々しい鉄塊の扉が聳え立っていた。
 和子さんが目配りする。鍵を使えということか。
 三本のうちの一本を差し込むと、なんなく扉は開錠した。

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