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ももえもじ 2024/05/02 00:21

職場で交際発表した途端に、嫉妬深い30人の同僚たちが一変した

プロローグ


 十年振りの男女交際は唐突だった。
 やはり、恋愛に於いて共通点が多いのは重要らしい。高校の同窓会で久しぶりに再会したかと思えば、その日の内に盛り上がり、彼と関係を結んでしまったのだ。
 お酒を飲みながら、高校時代の回顧である。センチな想いを極めていたようだ。
 お互いに「いい歳」なのも理由かもしれない。理想は理想でしかなく、現実的に存在する彼を手に取り、今日も互いに貪り合っていた。
「翠歌ッ、翠歌ッ、んちゅっ、んっ、ぢゅっ、翠歌ッ……!!」
「ひゃぁああっ、そ、それ、最高……巡くん……も、もっとお願い……」
「翠歌は、ホント耳舐められるの好きだな~、んちゅっ、ぢゅっ、ぢゅくっ❤」
「ひぁぁあぁああ……脳みそ掻き回されてるみたいで……幸せなの……!!」
「いくらでもやってあげるけど、手ぇ止まってるよ。俺もう限界だからさ」
「ん、んん……ごめん、巡くんの……凄くドロドロに……ガマン汁が……」
「あぁあ、イクッ、そろそろ出すよっ……!!」
「うん……私も……」
「あぁあっ、あぁああああああッ!!」
「んっ、ひゃぁあああああああッ!!」
 耳元から脳へと直接伝わる、巡くんの断末魔。同時に、私の太腿へと熱い感触が這う。巡くんが絶頂に至ったらしく、宛がわれた亀頭から白濁が満ちていた。
 私も、呼吸を合わせてオーガズムを得る。耳を蹂躙されながら、右手で巡くんを慰撫しつつ、左手で陰核を擦り上げていく。じわりと染みるような快感が昇華していった。
「はあ、はあ、はあ……」
「翠歌……気持ち良かった?」
「え、う、うん。良かったよ。耳舐められるの好きだから。巡くんは?」
「最高だよ。マジで一日中ヤッてたいわ。という訳で今度は俺が下な?」
「ええ~、出したばっかなのに凄いなあ。でもこれから買い物に行くんだよね?」
「なんか買い物はいいや。もっと続きしてたいんだけど、ダメかな……?」
「ん……良いよ。じゃあ、巡くんの……お願い」
「よっし。いやあ、エッチだなぁ~。流石は俺のお嫁さんだぁ」
「……あはは」
 三十代も中盤に拘わらず、二人して男女経験が豊富という訳では無かった。
 私が十年振りな上に、巡くんに至っては私が初めてだったのだ。
 休日なのを良いことに昼間から肉体を交える様子は、まさに思春期の男女である。それ以上かもしれない。これまで抑圧してきた性欲が一気に暴発した感じだ。
 まるで不足した思い出を補うように……必死で異性の肉体を味わい続けていた。
「仕事の調子はどう?」
「えっ!? あぁー、まあ。順調だよ。大きなプロジェクトが終わったから、やっと一息吐けるって所かな。だから、これからは定時で帰れるよ」
「言い寄られたりしてない?」
「あはは、そんなことないってば……」
 余韻に浸る中で巡くんが仕事の話を振る。私は「またか」と内心で溜息を吐いた。
 私は、大手企業の開発部に属している。技術課は私以外の全員が男性だった。
 三十二人が所属する中で三十一人が男性という。女性は、私一人だけ……女性の技術者って珍しいなと、巡くんに突かれて思わず答えてしまったのだ。
 いま考えれば、そんな内情まで話さなくても良かったと思う。
 巡くんは、思いの外に嫉妬深かった。
「そんな男しか居ない職場でホントに言い寄られたりしてないの?」
「当たり前じゃん」
「若い奴らばっかりなんだろ?」
「でも二十代の子は、私のことなんてオバサンくらいにしか思ってないから」
「ホントかよ」
「十年以上も勤めて、そんなの一回も無かった訳だし。私なんか拾ってくれるのは、この世で巡くんくらいなもんだよ?」
「へへ、そっか。じゃ、俺だけのお嫁さんだな」
「あはは」
 ところで……最近は、よく巡くんの口から「お嫁さん」という単語が出てくる。
巡くんも私も、もうすぐ35歳だ。
 巡くんは考えているのかもしれない。私との将来を……
「…………」
 別に不満は無い。寧ろ、私も望む所だ。
 きっと、巡くんを逃したら、もう私に婚期は訪れないと思う。
 巡くんは良いヒトだし、なにより一途だ。私なんかには勿体ないくらい良いヒト。
 ただ……時々、高圧的になる所が玉に瑕である。
 始めの頃は優しくて、寧ろ温和だった。
 日を重ねるに連れて少しずつ口うるさくなったというか……良いんだけども。
 また、私自身ちょっと自己嫌悪に苛まれることがある。心のモヤモヤ……
 間もなく私は三十五歳。もっと、いっぱい恋愛しておけば良かったなあ……
 二十代の頃は本当に無気力で……なんで、なにもしてこなかったのかなぁ……
 と、たま~に思う日があった。
 でも別に良い。巡くんと、これから幸せを作っていけば良いのだ。
 この時は、本心からそう思っていた。

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