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シロフミ 2020/08/06 22:49

犬のお世話・その2

「シロー、もぉ、ダメだってばぁ……っ!!」
 ふんわりとタイルの部屋を満たすまっしろな湯気。
 ボディソープの泡と、シャンプーの甘い香りに包まれたお風呂場の中を、さらに甘いマキの声が反響します。
「まだ、シローのシャンプー、終わってないんだよ……? あんっ、おとなしくしなさいよ、もうっ……」
「わおんっ!!」
 泡のついたしっぽをぶるぶると振って、シローは元気に答えます。せっかく一緒のお風呂での洗いっこなのに、シローは自分のシャンプーそっちのけで、すっかりマキにえっちないたずらをするのに夢中なのでした。
 それもそのはず、何も身につけず、しゅわしゅわの泡に包まれたマキのからだは、まるでクリームを塗ったショートケーキのようです。ちょこんと尖ったさくら色の胸のさきっぽや、お湯につかってほこほこと湯気をたてるあそこは、そのままぱくりと食べてしまいたくなるくらい可愛らしいものでした。
「はう……シローっ、やめ、……くすぐったいってばぁ……こらぁっ!!」
 ほんの少しだけふくらみ始めたマキの胸はとても敏感です。ぐりぐりと顔を寄せてきたシローが顔をうずめるたび、耳の先やひげがちくちくよ胸のさきっぽを刺激してしまうのでした。
 小さく震えるプリンのような胸をシローに舐められて、マキは思わず声を上げてしまいます。
「あぅ……やぁっ…シロー、ぺろぺろしちゃ、やだぁ……♪」
 マキはぼうっとなる頭で椅子の上で身体をよじって、シローを引き離そうとします。けれどシローはすっかり夢中になって、ふわふわのシャボンのクリームに包まれたマキの胸を大きな舌で舐め回すのでした。
「んぅ……ちょっとはいうこと聞きなさいよぉ……わかってるの、シローってばっ」
「わふっ!! ぉんおんっ!!」
 たまらずマキがぽかりと殴る真似をすると、シローは慌ててマキの側を離れ、『ごめんなさい……』というように目を潤ませます。その変わり身の早さにマキはすっかり呆れて溜息をつきました。
「もぉっ、ホントに調子いいんだから……」
 気を取り直して、マキはシャワーを片手においでおいでとシローをと手招きします。
 小さく吼えたシローは、こんどこそおとなしくマキの前に擦り寄ってきました。小柄なマキなら背中に乗れてしまいそうに大きな白い身体が、マキのおなかに押しつけられます。
「シロー、いいわね? おとなしくしててよ?」
 ほかほかと暖かいシローの毛皮に、マキはそっとシャワーを向けました。
 ぱしゃぱしゃと流れ落ちてゆく水流が、真っ白なシローの毛皮からたっぷりの泡を流してゆきます。けれどせっかく綺麗にしあげているのに、シローは小さくぶるぶると身体を振りながらお湯を嫌がって、濡れた鼻をぐりぐりとマキのおなかに押しつけてきます。
「ちょっとぉ……こら、シロー、ど、どこ潜りこんでるのぉっ……!!」
 マキの脚の間に“ぐいっ”と顔を突っ込んで、シローはシャワーから逃げようとします。お風呂の洗い椅子の上で、無防備に剥き出しになっている脚の付け根に、シローの鼻先が押し付けられました。ふんふんと荒い鼻息がマキの敏感な場所をくすぐります。
 まるでゆで卵みたいにつるつるむきだしの、ほんのり色づいた可愛らしい『おんなのこ』。大好きなマキの“そこ”を目の前に、やんちゃざかりのシローにじっとしていろと言うほうが無茶な話でした。シローは舌をのばして、マキのあそこを舐めはじめてしまいます。
「んぅ、ぁあ……や、……そ、そんなトコ、舐めちゃ、ダメだってばぁ……っ」
 まだくいっと食い込んだままのたて筋を見せるぷにぷにのあそこを、シローの長い舌がべちゃべちゃと往復します。ピンク色の舌は驚くほど器用に細い筋をくいっとこじ開けてマキの狭い隙間に入りこみ、大切なところの入り口部分のひだひだをちろちろと擦るのでした。
 シローにいたずらをされたマキのお股は、たちまちむずむずといやらしいえっちな音を響かせてしまいました。
「ふぁああぅ!? あ、や、ぁぅ……っ」
 ぞくん、と背中を走りぬけた甘い電流に、マキはたまらずシローの頭を膝でぐいっと抱え込んでしまいます。いつの間にか膨らんださくら色の花びらが、マキの足の付け根でほころびはじめていました。
 そうしている間にもシローの舌は動き続けます。
 いつもはおとなしく閉じている合わせ目の内側、こりこりと硬く尖ったところやくちゅくちゅと蕩けた柔らかいお肉を、シローの唾液でべちゃべたちゃになった舌が何度も何度もなぞっていきます。
「ぁ、や……ぁ、ぁっ」
 マキはじっとしていることもできず、ぎゅっとシローの背中に抱きついていました。シローが丹念にそこを舐め回すたび、桃色の電流が腰を走り、ふわふわと身体が宙に浮きそうになるのです。
「ぁ……ふぁ、んぅ……ぁあっ…ぁ♪」
 シローの粘つく唾液が糸を引いて、すっかり白くどろどろになった頃には、マキの脚の付け根からもじんわりと甘い蜜があふれ出していました。細く開いたマキの『おんなのこ』からも、こぷり、と蜜の塊がお風呂のタイルの上にあふれ落ちてきます。
 頭がぼうっとして、えっちなこと以外が何も考えられなくなってゆきます。それはとてもとても、どんなことにも比べようもないくらいに気持ちのいいことなのですが、なぜでしょう。マキはシローにされるがままになるのが、どこか怖いようにも思えるのです。
 そう――こんなことをしていたら、自分が自分ではなくなってしまいそうに、マキには思えてならないのでした。
「だめ、シロー、だめ……ぇ」
 力の入らない手で、かぼそい抵抗を繰り返すマキ。でも、すっかり膨らんでほころびた『おんなのこ』の花びらをちゅぷちゅぷと舐め回されていては、そんなものはなんの役にも立ちません。
 ちゅるん、とシローの舌がうねり、マキの『おんなのこ』の端にある尖った場所が、熱い唾液に舐めとられてしまいました。
「ぁ、ひゃ、あぁああんっ!?」
 強烈な一撃をまともに受け止め、マキはとたんに大きな悲鳴をあげ、身体をふにゃふにゃにして倒れこんでしまいます。
「わおんっ!」
「ぅう……シローぉ……っ」
 ねだるようなシローの声に、マキはとうとう観念し、渋々応じてあげることにしました。
 けれど実は、マキももうさっきから胸がドキドキして、きゅうっと切なくてたまらないのは、シローには絶対に秘密なのでした。
「し、シローが、い、いけないんだからね……っ」
 こくり、と口の中に溜まった唾を飲み込んで、マキはそっと洗い椅子の上で座る位置をずらして、脚を広げてゆきます。できるだけシローの舌が奥のほうまで届くように、お尻のほうから伸ばした指でやわらかいピンク色のお肉をそっと押し広げます。それだけで、じゅんっと甘い蜜が吹き出してタイルの上にぴゅぴゅっ、と飛びました。
 もう一方の手でシローの頭を抱き寄せるようにして、マキはシローの耳の後にそっとくちびるを押しつけます。
「シロー、……ちゃんと、やさしくしてよ? 約束、だからね……?」
「おうんっ!!」
 了解、とばかりにお風呂場の中に吠え声を響かせて、シローはマキのあそこにぐうっと鼻を押し付け、一心不乱にぺちゃぺちゃと舐め始めます。身体が自由になったことで、今度は入り口だけではなく、長く器用な舌はもっと奥の方まで滑り込んでくるのでした。
 太くて熱い舌がマキのあそこの入り口につぷりと入り、泡だったシローの唾液を塗りこんでいきます。
「ぁ、ぅ、あ……ふぁぁ…」
 自分の指で触るのとはまったくちがう感覚に、マキはたまらずぎゅっとシローの首を押さえつけてしまいます。
 浴室に響くはぁはぁと荒い息は、シローのものかマキのものかももうはっきりとは分かりません。ぼうっと熱くなる頭の奥で、びりびりと痺れるような甘い感じがどんどん拡がってゆきます。オシッコをずっとずうっと我慢している時のような、むずむずした感じが、もっと鋭くなってマキのお腹をえぐっているかのようです。
「っ、シローっ、ダメ、そこ、ちゅくちゅくしちゃっ……ぁ、お、おなかの、奥、ヘンになって……や、やぁ……ふわって、ふわってなるよぉっ……!!」
 さっきも舐められたいちばん敏感な突起を、シローは巧みに舌で舐め擦り続けます。マキが自分でしているときは途中で怖くなってやめてしまうのですが、シローはもちろん、途中で舌を緩めたりはしてくれません。ぺちゃぺちゃと往復する舌先が、マキをどこまでも追いつめてゆくのです。
「っ、あぁ、や、ふあ、んぁ、んっぁ、あっ、シロー、しろぉお!!」
 シローの唾液とマキの蜜が混ざり合って、タイルの上にこぽこぽと白い泡をこぼしていました。ちくり、ちくり、とまるで痛いほどに鋭い快感が、マキをぞくぞくと震わせます。
 切なさと、愛おしさと、自分がどこかに飛んでいってしまいそうなたまらない感覚に、思わずマキの腰が引けます。けれど、シローはそれを察してぐいっと顔を前に突き出し、舌をれろんっと伸ばしました。
 きゅん、と収縮した敏感なあそこの入り口を、熱い舌でちゅるんと舐め上げられて、マキの腰が浮かび、細い背中が弓のように仰け反ります。
「ふわぁあああああ!?」
 きゅん、と最後のひとこすりを敏感な場所に『ぷちゅっ』と打ちこまれたマキは、とうとうそのまま身体をはねさせてイってしまいました。ぎゅうっとシローの背中にしがみつくように抱きつき、小さな孔からぷしゅぅと透明な潮を何度も飛び散らせます。
 その間にも、シローは顔に飛んだ飛沫を払うように顔を振り、マキの内腿に鼻先を擦りつけました。
「ぅく……ぁは……ぅ……」
 まるでジェットコースター。がく、がくと腰を抜かし、マキはくてりと脱力したまま、シローに寄りかかってしまいました。
 力の抜けた手足ではまっすぐ身体を起こしていることもできず、マキはとろん、とした表情のまま洗い椅子からずりおちて、ぺしゃんとタイルの上に座り込んでしまうのでした。
 いっぽう、そんなマキの様子は気にも留めず、放心状態のマキの脚の間に顔を突っ込んで、シローはふんふんと鼻息荒く匂いを嗅いでいます。それはまるで、マキが十分に準備できているかを確認しているようでした。
「シロー……?」
 シローの眼はぎらぎらと輝いて、こぼれる息はまるで蒸気のように熱いのです。まだまだ全然満足できておらず、すっかり興奮したままのシローに、マキはまたおなかの奥がかぁっと熱くなるのを感じました。
(や、やだ……)
 たったいま、キモチ良くなったばかりなのに、どんどんと熱くなるお股の奥では、『おんなのこ』の一番敏感な場所が、やわらかいひだひだをきゅうきゅうとよじり合わせています。細く狭いその小さな孔のずうっと奥では、ふっくらと整えられた、赤ちゃんを育てるための揺り篭がじんじんと疼いていました。
 シローに心ゆくまでたっぷり舐められて、マキの身体はすっかりシローに夢中になってしまっていました。
 また、シローのあの大きくて太いおちんちんで、おなかの奥をごりごりっとして、どろどろの赤ちゃんの素をいっぱい、いっぱい注いで欲しい……マキの身体は、そう訴えています。
(だ、だめなんだからっ。シローとえっちするのは、本当はいけないことなんだから……し、シローがおとなしくしてないから、いつも、しかたなくしてあげてるだけなんだもん……)
 シローのシャンプーをしている時にまで、こんなことを考えてしまうなんて……。自分がどんどんえっちな子になってしまっているような気がして、マキはぶんぶんと頭を振って、そのキモチを打ち消そうとします。
「わおんっ!!」
 けれど、
 このままではおさまりがつかないであろうシローは、マキにねだるように尻尾を振って何度も吠え続けていました。自分がマキをキモチ良くしてあげたのだから、マキも同じようにして欲しい、と言っているのです。
(うー……っ)
 シローの期待に溢れた表情を見ていると、マキは眼をそらせなくなってしまいました。なんだかんだ言ってもやっぱりマキはシローには甘いのでした。それに、確かに、自分ばっかりキモチよくしてもらうのは、やっぱり不公平な気もします。
「わ、わかったってば……し、シローのも、してあげる……ね?」
 真っ赤な顔のまま、胸のドキドキを押し隠しながら、マキはまだだるい身体を床のタイルの上に動かし、寝そべるようにしてシローの脚の間に潜りこみました。
 いまやすっかり露になって、濡れた毛皮の間からせりだした大きな肉の塊。力強く、大きく、硬くなり、びくびく跳ね回るシローのおちんちんが、マキのすぐ目の前でぷるんぷるんと震えています。
「わぁ……っ」
 マキは、顔を覆いたくなるのをこらえて、できるだけそっとシローのおちんちんを握りました。
 熱く脈打つ、赤黒いそれは、マキの左右の手のひらを使って包んでもまだまだぜんぜん余るほどに大きくなっています。杭のように鋭い先端からは、ぴゅぴゅっと透明な先走りがこぼれています。さっきしっかり洗っておいたので、いまはシローの匂いではなく、ボディソープの匂いがしました。
「……っ、…うわぁ……」
 こんなふうにしっかり、明るい中で目にするのは初めてかもしれません。こんなに大きくてなものが、えっちしている時はマキのあそこの中に入ってしまうのです。そう考えるとなんだかとても不思議な気分でした。
 よく見れば、とってもいやらしいかたちをしているようにも思えます。
 マキはほっぺを真っ赤にしながらシローの後ろ脚の下に顔を寄せると、大きく口を開いてシローのおちんちんにキスをしました。そのまま尖ったさきっぽをくわえ、舌と唇をつかってちゅるちゅると吸い上げます。
「んぅ……シローの、たくさん出てる……」
 濃くてとろとろとした先走りが、喉に広がってゆきます。あまり美味しいとは思えませんが、不思議ととてもえっちな味にも思えました。
 そうやってシローの味を感じられるのがなんだか嬉しくて、マキは舌をちゅくちゅくと動かし、精一杯大きく口を開けてシローのおちんちんを口に含みます。まるで大きなアイスキャンデーか、焼きたてのフランクフルトを頬張っているようです。
 もちろん、噛みついてしまうわけにはいきませんから、できるだけ歯を立てないように、唇をきゅっとすぼめてぺろぺろと舐め、ちゅうっと吸い上げます。そのまま唾を飲むようにごくっと喉を鳴らすと、シローが小さく腰を震わせて吠えました。
「わぉ…ぅうぅんっ!!」
「はむ……らひゅ…、っぷ……んむっ…」
(……シローも、気持ちイイのかな……)
 こんなふうに、シローのおちんちんをしっかり舐めてあげるのは、マキも初めてでした。舌先でぺろぺろっとしてあげたくらいのことはありましたが、まるであそこに入るように、口の中におちんちんを飲み込んだことは、マキにもありません。
(んぅ……っ)
 またひとつ、シローとする“はじめて”の経験に、マキはいつしかこらえようもないほどの愛おしさで胸をいっぱいにしていました。
 マキの小さな口のなかへ、赤黒い肉の塊がゆっくりと、けれど力強く出入りします。ぐちゅぐちゅと泡だったマキの唾液とシローの先走りが、べちゃべちゃとマキの胸を汚してゆきます。
 れぷ、れぷっとマキの舌が一生懸命にシローのおちんちんを舐めるたび、びくびくと脈打つ肉の塊が熱く、大きくなってゆくようでした。
「んぅ、…はむっ……ちゅぷ……んゅ……っ」
 いつの間にか、マキは夢中になってシローのおちんちんを舐め回していました。このなかに、シローの赤ちゃんの素がたっぷり詰まっているのだ、と思うと、ますますマキの頭の中はどろどろになってゆくようです。
 柔らかいほっぺたの内側の粘膜が、ぎんぎんにそそりたったシローのおちんちんを包み、ねっとりと絡みついて吸い付きます。びくびくと痙攣するシローのおちんちんは、びゅびゅっ、びゅっと粘液を吹き上げました。ごく、と喉を鳴らすたびにおなかに流れ落ちてゆくシローの味が、マキを内側からいっぱいにしていきます。
(ふあ……なんか…、これ……気持ち、いいかも……っ)
 敏感なくちびるやほっぺたの内側を、シローでいっぱいにされているうち、またマキの頭はどんどんぼうっと熱くなっていきます。けれど、さっきよりは穏やかで、怖い感じもありません。これならずっとしていても大丈夫そうでした。
(……さ、サオリちゃんとかも、お兄さんと……こ、こんなコト、してるのかな……?)
 クラスの中でも、何人かの女の子は男の子とお付き合いをはじめていて、おませな子の中にはもう“はじめて”の経験をした子もいるのを、マキは女の子同士の秘密として知っています。
 でも、マキにとってはどんなに素敵なアイドルや、憧れの上級生や、かっこいい大人の男のひと――あるいは素敵なお姉さんよりも、シローのふかふかの毛皮に顔をうずめて、抱き締めあう瞬間の方がずっとずっと、何倍も何十倍も素晴らしく思えるのでした。
 シローのおちんちんは、こうやってマキをキモチ良くすることにかけては本当にほんとうにすごい力をもっているのですから。
「んむ…れるぅ……ひ、ひろぉ……おひんひん、ひもちいい…?」
「わぅ…っ」
 マキがおちんちんをくわえたまま尋ねると、シローは目を細めて、小刻みに腰を振るわせて小さく吠えます。とってもキモチ良さそうなシローの表情に、マキの胸の奥もなんだかほわぁっと暖かくなるのでした。
 このまま、お口の中に赤ちゃんの素を出してもらうのも、いいかも……なんて、マキが思い始めた時でした。
「うぅ、わお、ぁおおおおんっ!!」
「んぅっ!?」
 いきなり前触れもなく、シローが暴れだしたのです。
 とうとうガマンのできなくなったシローが、マキの口の中へぐいっと激しく腰を突き落とします。
 マキの喉の奥まで無理矢理に『ずるぅっ!!』とねじ込まれた肉杭の先端が、どぷっと激しく先走りをほとばしらせます。
「っ、っぶ、えほっ、ごほっ!!!」
 さっきまでの優しげな感覚はどこへやら、喉の奥に直接、熱く煮え滾った赤ちゃんの素を注ぎ込まれ、マキはたまらず咳き込んでしまいました。
 吐き出したシローのおちんちんがぶるんと震え、さらにびゅ、びゅるっ、びゅるるるぅっ!! とマキの顔めがけて激しく射精します。とても目も開けていられず、ぎゅっと顔を背けたマキの首に、胸に、真っ白などろどろが糸を引きながらぶつけられてゆきます。
(うぁ……やだ、……熱いっ……)
 えほっと咳きをするマキの唇からも、どろぉっと泡立った白いど赤ちゃんの素が垂れ落ちました。
「………っ!!」
 いきなりの乱暴に及んだシローを思い切りはねのけ、お風呂場の端へ突き飛ばします。
「うわぅ!? ふうぅ。っ、ぐるるるるぅ……」
 シローもいきなりのことに驚いて、ふだんはまるで見せないほどに怖い顔をし、興奮気味に尻尾を逆立てて、牙を覗かせながらタイルの上をはね回ります。
「っ……」
 けほけほと咳きこみながら、マキは顔をしかめ、涙目になってきっ、とシローを睨みます。
「うく…けほっ……ううぅ……し、シローっ!! もおっ!! ……えうぅ……ら、乱暴にしちゃだめって約束したのにぃ!!」
 咳きこむマキは、涙を滲ませてどろどろになった唇をぬぐいました。手のひらにべったりと飛び散ったシローの赤ちゃんの素が、胸までこぼれてゆきます。せっかくシローのキモチいいようにしてあげようと思っていたのに、ぜんぶがぜんぶ台無しでした。
「ぅう……喉いたい……もぉ、せっかくお風呂はいったのに、また汚しちゃって……」
 じろり、と睨む先では、シローは相変わらずはぁはぁと息を荒げて、マキを見ていました。足の間ではまだ大きなおちんちんがぶるんぶるんと震え、ぴゅぴゅうっ、と精液をとぎれとぎれに吹き上げています。
 まるっきり反省の色の見えないシローに、マキの心にかあっと熱い憤りがこみ上げてきました。
「し、シローのばかぁ!! もう、もう知らないんだからっ!!」
 とうとうマキはふんっ、と顔を背けてその場を立ち上がります。
 いくらマキでも、いくら大好きなシローでも、こんなに乱暴にされては、もう限界です。
 マキにはこれ以上、シローの好きなようにさせてあげるつもりはありませんでした。
「シローのばか!! もう、もぉ!! そ、そんなんじゃ、ホントに嫌われちゃうんだからね? 女の子はね、乱暴な男の子なんかだいっ嫌いなんだから!! あたしも、あんなことするシローなんか嫌いっ!!」
 大声でそう怒鳴ると、ようやくシローは自分がしでかしたことに気づいたようでした。大きな身体をたちまち丸め、尻尾を足の間に垂れ下がらせて、きゃうん、と吠えてお風呂の隅に縮こまります。
「きゃう……くうぅん……」
 いつものまんまる目で、シローは頭をうなだれます。シャワーでびしょ濡れの毛皮のせいか、そんなシローにはさっきまでの猛々しさなどどこにも見当たらず、さらに情けなく見えてしまいます。
 いつもならマキも少し言い過ぎたかも、と思ったことでしょう。
 けれど、すっかり血が頭の上ったマキは、もうそれを可哀そうだとは思えませんでした。
 お風呂場の反対側まで歩いたマキは、まだいがいがする喉に顔をしかめてシャワーを手にとり、お湯を調整し始めます。
「シローなんか、だいっ嫌いっ!!」
 どろどろになった指をシャワーで乱暴に流すと、マキはぶるぶると頭を振り、もう一度きっとシローを睨みます。
 そうしてマキは、お風呂の隅で小さくなるシローを放ったまま、大きな音をたててドアを閉め、お風呂から出てゆくのでした。


 ◆ ◆ ◆


「…………」
 ごろん、とベッドの上で寝返りを打ち、マキはぶすっとした表情のまま、ちらりと部屋のドアに視線を向けます。
 閉じたままのドアに変わった様子はなく、そこをノックする音も聞こえてきません。乾いていない湿った髪の毛を振りながら、枕にぎゅうっと顔を押しつけます。
(…………うぅーー……っ)
 まるでシローのように唸りながら、マキは胸の中にわだかまるもやもやした気持ちを持て余していました。
 くちびると鼻の奥には、まだつぅん、と痛みがあり、さっき乱暴にされたシローの感触が生々しく残っています。同時に喉の奥に絡まるような、どくどくと脈打つ熱いシローの赤ちゃんの素の残り味も、一緒に感じることができました。
 あんなにも乱暴に、シローにされたことはありませんでした。それで少し驚いてしまい、怖かった、というのもあります。
 でも。そんなことはマキだってわかっていたことのはずでした。
「しろーのばか……」
 押し付けた枕のなかに、つぶやいた言葉が沈んでゆきます。
 ちょっと目元に滲む涙は、マキにもよく理由はわかりませんでした。たぶん今、自分はとても可愛くない顔をしているだろう、とマキは思います。
 シローのことは、好きです。マキは胸を張って、そう言えます。
 でも、あんな風に――シローに好きなようにされていると、時々、どうしてもマキは不安になってしまうのです。本当は『いけないこと』であるはずのシローとのえっちが、どんなことよりも素晴しいもののように思えて、それは別に、嫌なことではないはずなのに、なぜだか、わけもなくマキの胸をきゅうっと締め付けるのでした。
(なんで、あんなこと……しちゃったんだろ……)
 とく、とく、と小さな胸が高鳴ります。
 それは、シローに言いたいことでもあり、大好きなはずのシローを拒絶してしまった、マキが自分自身に言いたいことでもありました。
 マキが小さい頃から一緒だった、シロー。
 ずっとずっと、一緒に暮らしてきたシロー。
 だから、シローのことは大切で、誰よりも大好きで。ああして、お父さんにもお母さんにも内緒で、えっちをするようになってからは、もっとシローのことは大事になっていたはずでした。
 マキは、知らずそっと、自分のおなかを撫でながら、俯きます。
「うぅぅ。……っ」
 何度も何度も思い悩みながら、マキはやがてがばっ、とベッドの上に起き上がりました。それからさらに何度もちらちらとドアを見て、やっぱり誰も来ないことに何度も何度も落ち込んで。
 そうして、マキは時計を確認し、ゆっくりベッドから降り、階段を下りていったのでした。
 

 ◆ ◆ ◆


「……シロー、まだ、いる?」
 マキがそおっとお風呂のドアを開けると、すっかりぬるくなってしまった湿った空気が、ぶわっと隙間から溢れてきます。
 恐る恐る覗いた向こうでは。相変わらず毛皮をびしょ濡れにしたまま、シローがうなだれて、所在なげにうずくまっていました。
「シロー?」
 もう一度、マキが声をかけると。
 シローはぴくん! と耳をそばだてます。でも、立ち上がるでもなく、飛び掛かってくるでもなく、シローは変わらず、じっとお風呂場の隅にうずくまったままでした。『伏せ!』の命令をされているわけでもないのに、そこから動こうとしないシローに、マキはきゅっと胸を締め付けられました。
「……ごめんね……怒って、るよね。シロー」
 小さく言葉を押し出して、マキはそっとドアをくぐります。
 下着はもう脱いでいましたが、なんとなく恥ずかしくてまだ、上にシャツだけは着たままでした。お風呂場に入って、シローのそばにそっと歩いていきます。
「ごめんね。あたし、シローに嫌なこと、言っちゃった。……ごめんね」
 マキは。
 そっとシローのおでこに頭を寄せ、こつん、とそこを触れ合わせます。くぅん、とシローが小さく鳴いたので、マキはすこしだけほっとしました。
 シローの身体は、マキがびっくりするくらい、熱くなっていました。あのもこもこの身体の中に、シローはいったいどれくらい、猛烈な衝動を蓄えていたのでしょう。そのことにようやく思い至り、マキはぎゅっと口を引き結びます。
「……あのね。……でも、シローだって、良くないとこ、あったよ? その、や、やさしくして、って、いったのに、あんなに乱暴にされたら……やっぱり、嫌だよ?」
「ぅおん?」
「…うん。……嫌。でも、……あのね、あたしは、シローに気持ち良くなって、欲しかったの。でも、でもね?」
 そっと、まるで湯気を立てそうなほど熱くなっているシローのおなかの毛皮を撫で、マキはそっと唇を噛みます。言葉よりもはっきりと。こんなにもシローはマキに訴えかけてきてくれていたのに。それに気付いてあげられなかったのは、マキのほうだったのかもしれません。
「……馬鹿なの、あたしもだったね。あたしが、あたしだけが、シローのこと、気持ち良くしてあげてるんじゃ、なかったのにね。……シローだって、自分で、キモチ良く、なりたかった、のにね。……それで怒るななんて、やめちゃうなんて。……いじわる……だった、よね、あたし……っ」
 ひく、と小さな嗚咽を喉の奥に飲み込んで。
 マキは、せいいっぱいの言葉を、たどたどしくも、懸命に、シローに伝えようとしていました。
「っ、シロー。その……っ」
 涙に揺れる目で。じっと、マキは、ぎゅっとシローの身体を抱き締めます。俯いた顔を耳まで真っ赤にして。マキは、今にも途切れそうになる言葉を、そっと唇から押し出します。
「し、シローが、シローがね? き、キモチ良く、なれるように……。……し、しても……いい、よ……?」
 そう言って、マキはとうとう黙ってしまいました。
 頭から煙が、ぼんと噴き出すほどに心の中もいっぱいになり、もうそれ以上、なにも出来なくなってしまったのです。
 動かなくなったマキのほっぺたを、けれどシローはぺろん、と優しく舐めてくれました。
「んぅ……っ」
 ぞるるる、と舐められた頬に、はあはあと熱いシローの息がかかります。
「わう?」
 いいの? と問いかけるシローに、マキは、小さくこくん、とうなづいて――シローのたくましい身体に、そっと身をゆだねました。


 ◆ ◆ ◆


「……こ、こう? シロー?」
 言葉のないふたりは、なんどもなんども身体に触れ合いながら、お互いの意思を伝え合います。シローがいちばんキモチ良くなれる方法で、基地盤キモチ良くなれる恰好で。
 マキは、シローを迎え入れる姿勢をとります。
「わお、わおんっ!!」
 強く吠えるシローの声にこたえながら、マキはお風呂場のマットの上に、膝をついてうずくまります。
「っひゃ!? ふぁ、あっ、し、シローっ、だめ……、そ、そんな、とこっ」
 そう――ちょうど、シローは四つんばいになったマキの身体の上に伸しかかるように、前脚を持ち上げているのでした。
 あれからずいぶん時間が経っているというのに、マキのお口の中でいっぱいキモチ良くなり、すっかり興奮したシローのおちんちんは相変わらずびくびくと力強く震え、すこしも衰えていませんでした。 いまにもマキのおなかの中におちんちんを入れたくて仕方がない、と昂るシローは、マキにのしかかるように身体の向きを変えて、白いお尻の上にぐいぐいととがったおちんちんを押しつけてきます。
「し、シローっ、……や、こんなカッコ。……っ、恥ずかしい、よぉ……っ」
 まるで、シローに征服されてしまうよう。
 お互いに顔も見えないこの姿勢は、理科の時間に習った、動物の“交尾”の格好です。わかってはいても、いざしてみるとその恥ずかしさはこれまでの比ではありませんでした。
 激しく高鳴る胸の鼓動が、マキの心をきゅうっと締め付けます。
 怖いような、恐ろしいような、でも、シローと本当の意味で一緒になれるような、言葉にできない複雑な気持ちが、マキの小さな胸の中をぐるぐると渦巻いて、途方もなく大きく膨らんでゆきます。
「シロー…っ」
 マキはせめて振り返ってシローの顔を見させてもらおうとしましたが、しっかり体重を伸しかけてくるシローに阻まれてそれもうまくいかず、反対にシローの両足にぐいっとタイルの上に押さえつけられてしまいます。
 同時、シローの熱いおちんちんが、ぬるるんっ、とマキの脚の間におしつけられました。
「ふぁあ!?」
 びく、びく、と震える熱い感触が、マキの脚の付け根を滑ってゆきます。マキの足の付け根と、閉じた太腿の間にできる逆三角形の隙間に、シローのおちんちんがぬるっぬるんっと往復します。
 ほころんだあそこの上をかすめて通り越し、その先端がおヘソの上まで届くシローのおちんちんが激しく動き、マキのあそこにもじゅわぁっと蜜がにじんでゆきました。
 心の中にはまだ燻っていた、シローへのわだかまりが、もっと別の強い感情に塗り替えられてゆきます。
 マキの耳元、すぐ後ろに、覆いかぶさるようにしてくるシローの熱い吐息が聞こえました。
「んぅ……っふ……ばかぁ……シロー、知らない、からっ……」
 マキのおなかのに当てられて、ぺちんぺちんと揺れる、真っ赤に色付いたなおちんちん。
 ネットの検索エンジンで写真を調べたことのある、男の人のものとはまるで違うそれは、けれどマキを、すっかり夢中にさせてしまう素敵なカタチをしているのでした。
「で、でもシロー、やっぱり、こんなカッコ……っ、ひぁ!?」
 ぺろ、ぺろ、とシローの舌がマキの首筋を舐め上げます、そのくすぐったさに思わず首を竦め、マキは抵抗の意思を失ってしまいました。
 にゅる、ぬるんっ、と狭い脚の間を往復するたくましいシローのおちんちん。普段はお腹の中にしまわれているシローのおちんちんは、本当は発情期という時だけしか出てくることはないのだそうです。
 ですから――いまのシローは、マキとえっちしたい、と。はっきり言ってくれているのと同じでした。
(……シロー……っ)
 そう。シローはいま、マキの身体であんなにキモチ良くなって、本当にえっちをする時ではない時期に、我を忘れてしまうくらい夢中になって興奮しているのです。
 そう考えると、なんだかマキは胸の奥と頭の中がぐちゃぐちゃになって、言葉にできないような気分になるのでした。
「ぅあ……あぁぅ、……んぁっ……や、熱い……っ」
「わふ、わふぅ……わぉんっ!!」
 ぴゅるぴゅると先走りをこぼしながら、シローはマキのおなかにおちんちんをねじりつけます。柔らかいマキのおなかに、熱く滾るおちんちんの先端を押し付けて、シローはどんどん息を荒くしていました。それが伝わるように、マキの身体もどんどん熱くなってガマンができなくなってしまいます。
 いつしか、マキまでもはあはあ、と熱い息を繰り返して、シローと一つになる瞬間を待ちわびているのでした。
「わお、わぉおおんっ!!」
「っ、きゃぁああっ!?」
 答えるように激しく震えたシローのおちんちんが、またぶぴゅるっとマキのおなかの下で白くてどろどろした射精をします。
 びちゃびちゃとお風呂場のマットの上に、マキの白いおなかに、タイルの上に飛び散る、どろどろにして繋ぐ熱い赤ちゃんの素が、マキをいっそう切ない気持ちにさせました。
 ちく、ちく、と言葉にできない不思議な感覚が、おなかの奥で疼き続けています。
(シローの、ばか……っ)
 きゅうっと小さな胸が締めつけられるような、どうしようもない気分で、マキは胸が一杯でした。
 マットの上に飛び散ったシローの赤ちゃんの素を、そっと指でぬぐって、マキはそれを口に含みます。じわあ、と広がる、濃いどろどろとした感触。
(シローの味……っ)
 それを目をつぶり、こくんと飲み込んで、マキはゆっくり、シローのおちんちんを掴んで、開いた脚の奥、ぐいっと持ち上げた腰のあたりへと招いてゆきます。
「……シロー……っ」
 シローと同じように、四つん這いになって。いつもとは違い、シローのしたいように、シローがしやすいように、シローを迎え入れます。
 マキはそっとシローのおちんちんをくちゅくちゅと蜜を吹くあそこに添えてゆきます。焼ける鉄みたいに熱いシローのおちんちんは、お風呂の中でもまるで湯気を立てているようでした。
「ぅう…わぅっ!!」
 マキの指に導かれて、シローのおちんちんが、マキのあそこにほんの少し開いた小さな隙間を探り当て、狭く閉じあわされたひだひだの中に潜りこんでいきます。にゅる、にゅぷっ、と細い入り口をくぐって、大きくて太いシローの肉の塊がぐりぐりと押しこまれるのでした。
「んうぅううっ……!!」
 マキがたまらず息を吐き出してしまうと、いったんは嵌まり込みかけたシローのおちんちんが勢い良く反って抜け、ぶるんとよじれて震えます。
 あそこの入り口を激しく抉られ、マキはがくがくと腰を震わせ、シローを呼びました。
「し、シロー……やだ……もう、っ……」
 うまく『そこ』の入口を探り当てることができず、シローは何度もおちんちんを前後させます。マキの足の付け根と内腿の間にできた三角形の隙間を、堅く張り詰めた肉の杭がくちゅくちゅと前後します。
 シローのおちんちんはどんどんと硬さを増しながら、とろとろになったマキの脚の付け根を擦りました。おしっこの出口のそばを尖った肉の槍が擦るたび、マキはひぁ、と悲鳴をあげ、白い足の間からはぷちゅっと蜜が吹き出してお風呂のタイルに飛び散るのです。
「シローっ……、もう、いいよぉ……っ、はやくっ……」
 胸の奥にじりじりと熱いものがせり上がって、きつく締めつけられるようです。際限なく高まってしまうマキの胸のドキドキは、もう爆発しそうに激しく打ち鳴らされていました。
「いじわる、しないで……おちんちん、ちょうだぁ…いっ……」
 蕩けた頭で、甘い声で、おねだりをするマキのあそこが、シローのおちんちんに擦られます。
 剥き出しになっていた一番敏感な芽が、ぞるるるっとシローのおちんちんに押し潰されてこね回されます。脚の間をびりびりと走る甘い電流に、マキはびくんと仰け反ってしまいました。
「ぁ、あぅああ!?」
 そして、ちょうどタイミングよく、まるで見計らったかのように。今度こそシローは、マキの『おんなのこ』の入り口にくぷりっとおちんちんの先っぽを押しこんできました。
「ぁ、あ、ぁ……~~~……ッ!?」
 すぐに、細く狭いえっちなお肉をかきわけて、ずぅんっ! と、おなかの奥の方までシローのおちんちんがやってきます。
 シローのおちんちんが、マキのあそこの入り口を捕らえるやいなや、一気に奥まで突っ込んできたのです。一瞬でシローと身体の奥まで合体してしまい、マキはあまりの衝撃に言葉をうしなってぱくぱくと口を動かします。
(ぅあ……シロー、すごい…)
 ぐいっと体重を預けてくるシローを、マキは腕に力を込めて支えます。マキの小さな身体を押し潰さんばかりに激しく打ち付けられるシローの逞しい腰をぐっと受け入れて、はっ、はっ、と大きく息を吐いて、マキはシローのおちんちんを根元まで飲み込んでゆきます。
「んくぅぅ……っ!!」
 すでにたくましく根元をボールのように膨らませたシローのおちんちんが、ゴムのように引き伸ばされたマキのあそこにがっちりと嵌まり込みます。身体じゅうの全部をシローで貫かれたような、たとえようもないほどの充足感がマキの全身に拡がってゆきました。
「ぁ……ぅ……は……っ」
 強引なシローのリードに、苦しげに息を吐くマキ。
 けれどそれに応じて、マキのあそこは、狭くきつく寄せ合わさったひだひだでシローをきゅうきゅうと締めつけ、シローのおちんちんの中に詰まった熱く滾ったものを残らず搾り取ろうとしていました。
「わぉお、わぉんっ!!」
 シローは大きく吠えました。キモチいいよ、とマキに伝えてくれるように、逞しい前脚でマキをぐっと押さえつけます。
「ぁ、あ、あぁ!?」
 ずっとずっと待たされていたせいか、シローの動きはまるで歯止めのきかないほど、とても激しいものでした。
 シローが力強く腰を振るうたび、ごつんとおちんちんがマキの一番深いところにぶつかって、マキはがくがくっと激しく揺さぶられます。シローの下に押し潰されているのに、おなかがじんっと痺れて、まるで宙に浮いているみたいで、マキは頭のてっぺんまで突き抜ける衝撃になんどもなんども悲鳴を上げてしまいます。
「ぁ。あ、あっ、ああぅ、あぁあ!?」
 突き込まれるときだけではなく、ずるぅっ、とシローのおちんちんが抜けかけるとき、どういう具合かマキの『おんなのこ』の天井のところを硬ぁく尖った所がぞるるぅっ、と擦るのです。それがたまらなく気持ちよくて、マキは高い悲鳴を上げてしまいました。
「ぁあ、あふぁ、し、しろぉ……だめ、そ、それ、だめぇえ……っ!!」
 がくがくふるえる腕はとうとう身体を支えきれずに、マキはぺしゃんとお風呂の床タイルの上に突っ伏してしまいます。マキは小さな唇にぎゅうっと指を噛んで、勝手にこぼれてしまう声を押さえ込もうとしました。
「わふ、わふぅ!! ぁおおんんっ!!」
 けれど、シローは一向に容赦してくれません。マキを床に押しつけるようにのしかかってきます。マキを背中に乗せても歩けるような大きな身体の下敷きになって、マキは思うように身動きが取れません。
 だから、シローのおちんちんが、気絶しそうなほどキモチいいところを深ぁくえぐっても、マキはそれから少しも逃げることもできないのです。
 ほんのわずか、身体をよじって擦れる場所をずらすことすら、マキにはできませんでした。
「ぁああ、ぁああうぁあ?!」
 もう、声が出るのもガマンし切れません。ぱくぱくと開いたマキのくちからとろっとよだれがこぼれて、タイルに散ってゆきます。そうして悲鳴を上げれば上げるほど、ますますマキはともどもない快感の波のうねりに飲み込まれてしまうのでした。
 シローの身体に押し潰されて動けずに、きゅうきゅうとよじれる大切なところをじゅぶりじゅぶりとシローのおちんちんが出入りします。
 シローに、何から何まで、支配されて。
 自分はシローのものだ、と宣言されているようでした。
 何度もあたまのなかが真っ白になって、マキはぼうっとなりながら、自分がすっかりシローのものにされてしまったことを感じました。
「ぁ、あ、ぅ、お、ぁ……~~っ……!!」
「あぉおぉんんっ!!」
 まるで、なにかの証のように。
 激しい獣の交わりとともに、シローは何度も何度も、激しくマキのおなかの中に赤ちゃんの素をぶちまけました。白く熱く、どろどろと煮詰まった塊が、マキのおなかの一番奥の、大切な揺り篭の中まで流れこんでゆきます。
 シローは、そこがマキの赤ちゃんを育てる場所だと知っているのでした。だから、直接そこに届くように、マキのおなかの一番奥におちんちんを嵌め込んで、ありったけの赤ちゃんの素を流しこんでゆくのです。
(しろーので、おなかのなか……いっぱいにされてる……っ)
 シローのおちんちんがびくびくと震えては、何度となく赤ちゃんの素を吹き出します。
 マキは、ほとんど無意識のうちに、どうしても緩んでしまうくちびるから唾液をこぼし、真っ白になってゆく頭で身体をよじり、シローのくちびるにそっと口付けました。
 長い長いキスの間にも、おなかの奥深く撃ち込まれたシローの肉杭が、なんどもなんどもびくびくと蠢いて、自分の全部を真っ白くしてゆくのを、マキはいつまでも感じていました。


 ◆ ◆ ◆


 いつの間にか気を失っていたマキは、シローにぺろぺろと顔を舐められて目を覚ましました。
「んぅ……?」
 びくり、とおなかの中で熱いものが震えます。
 うつぶせに身体を丸めて、タイルの上に突っ伏したその上。シローはそんなマキの小さな身体のうえにのしかかったままです。
 自分がまだシローと繋がったままな事に気付いて、マキは真っ赤になって俯きました。
「し、シロー、あたし……寝ちゃってたの?」
 本当はキモチ良すぎて意識が飛んでしまったのですが、マキにはそんな事は分かりません。これまでシローとえっちした時よりもずっとずっと強烈で、怖くなるくらいキモチ良かったことは分かっていましたけれど。
 でも、いまのえっちは、いつものような素敵なものではありませんでした。マキは、自分が自分でなくなるようなあの感覚を思い出して、ぶるっと背中を震わせます。
「え、っと……何時だろ……?」
 思わず確認しようとするマキですが、シローに圧し掛かられてしまっては思うように動くこともできません。
「わおんっ!!」
 シローが吼えると、びりっとマキの背中に衝撃が走りました。
 なんと。あそこにがっちり食い込んだまま、びくりともしないシローのおちんちんが、いまも深ぁくつながったまま、マキのおなかのなかを占領しているのです。
「わふ?」
「あぅ!? わ、分かってるってば……で、でも、ぬ、抜けないのっ……」
 はっきりと脚の間に感じてしまうシローのおちんちんの感触に、マキはまた顔が熱くなるのがわかりました。それをごまかすようにごしごしと頬を擦って、困ったように眉を寄せます。
「だ、だいたい、シローのがおっきすぎるからいけないんだよ!! ……む、無理矢理入れちゃおうとするんだもんっ……」
 繋がったまま身体をひっくり返して、マキはぽかぽかとシローの顔を叩きます。
 でも、シローだってそうそう簡単におちんちんを納めることはできないのです。一度大きくなったシローのおちんちんは、何十分もそのままでした。それに、マキのあそこが狭くて窮屈で、あまりにもキモチ良すぎるのも問題でもあります。
「……は、はやく小さくしなさいよぉ!! お母さんたち、帰ってきちゃうっ!!」
「わんっ、わふ、わおんっ!!」
 シローがまた、マキのお尻に腰を擦り付けてきます。じんわりと広がる甘い感覚に、マキはまた「ふぁあ!?」と叫んでしまいました。どうやら、シローはまだまだ足りないようです。
「ああもう、シローっ!?」
「わぉんっ!!」
 マキとシローの声は、そうやっていつまでもお昼過ぎのお風呂場に響いてゆくのでした。



 (了)
 
 

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シロフミ 2020/08/06 22:48

犬のお世話・その1

「……あのねシロー、ホントはこんなのいけないのよ? ふつうのおんなのこは、シローとこんなこと、してくれないんだからね?」
「おぅんっ♪」
 元気良く吠えてこたえ、ぴこぴこと耳を揺らすふかふか毛皮の愛犬を見ながら、ふかふかのベッドの上に仰向けになって、マキは小さくため息をつきました。
「……はぁ……わかってるのかしら、ホントに……」
 調子のいい返事に少しあきれながらマキがつぶやくと、シローはベッドの上に足を乗せてきました。脱ぎ捨てた制服がとさりと絨毯の上に落ち、ふたり分の体重を乗せたベッドがぎしぎしと揺れます。
 するすると、足の付け根を覆っていた薄水色の最後の一枚を膝まで下ろし、とうとう生まれたままの格好になったマキは、待ちきれない様子のシローを呼び寄せました。
「……もぉ。……おいで、シロー」
「わぉんっ!!」
 シローはぶんぶんと尻尾を振りながら、がばっ、とマキの上にとびかかってきました。はあはあと荒い息をあげながら、大きな舌をべろんと出して、あらわになったマキのひらべったい胸を舐め回します。
 薄いパンケーキの上に、ちょこんと薄桃色のさくらんぼが乗ったような発育途上のマキの胸ですが、シローの舌は丹念に敏感なところを探り当て、ぺちゃぺちゃと生暖かい唾液を塗りたててゆくのです。
「あんっ……もぉ、シロー、そんな、いきなりっ。……く、くすぐったいってばぁ……っ」
 はじめは身をよじるようにして逃れようとしていたマキですが、シローがあまりにも熱心に舐めつづけるものですから、いつの間にかマキの声は甘いものに変わっていきます。
 人間のように器用な指がない代わりに、シローの舌はとても力強く、ぬるぬるとしていて、マキの身体はそれで舐められたところからまるでバターのようにとろけてしまうのです。
 柔らかくこねられた胸の膨らみの先端で、ちょこんと尖った先端がシローの鼻先にぷにゅんと押し潰され、マシュマロのようにカタチを変えています。
「ぁ、は……ぅ」
 ぴくん、とマキの眉が寄せられるのを見て、シローはさらにぐりぐりと濡れた鼻先を押しつけてきます。白い肌をふんふんと嗅ぎわけるシローの熱い吐息は、マキの身体にもしっかりと伝わり、マキはシーツをつかんではびくっと背中を反らして震えました。
「ふぁ……だめぇ……っ♪」
 マキにのしかかるように身体の位置を動かしたシローが、ぺろぺろとマキの顔を舐め始めました。シローの息遣いはどんどんと荒くなり、マキの耳元をくすぐります。
 言葉の上ではダメ、と言っても、本当はマキだってシローとのえっちが嫌いなわけではありません。だってもしそうだったら、こうやって生まれたままの姿でシローと抱き合うことだってないのです。
 大切なパートナーであるマキのことを一生懸命気持ちよくしようとしてくれるシローのキモチをしっかりと受けとめ、マキはシローの首にそっと手を回しました。
 そうしてそのまま、マキはシローと唇を交わします。
「んぅ……っ…っはむ、シロぉ……ちゅ…っく」
 ちょんちょんと生えたシローのヒゲが、キスを交わすマキのほっぺたをちくちくと刺激します。真っ赤になったマキの顔は、単に息が苦しいからではもちろんありません。
「んむ……は、ぷっ……」
 ふかふかの毛皮に包まれた逞しく大きな身体にぐっと身体を寄せて、マキはシローの唇に舌を差し込みました。シローは太く大きな舌を激しく動かしてはマキの口の中を犯し、マキは熱く唾液に塗れた尖った牙を、小さく可愛い舌で舐めてゆきます。ちゅぷ、ぺちゃ、と二人の唾液が混じり合い、いやらしい音を部屋の中いっぱいに響かせました。
 口の中いっぱいにひろがる大好きなシローの味。マキの頭の中が、ほわぁと幸せでいっぱいになり、胸の奥が甘く疼き、おなかの奥がじんと痺れてゆきます。
「っは……んくっ……ごくっ……」
 じゅる、と溢れるシローの唾液をこくこくと啜るように飲み込みながら、マキはシローと何度も何度も深いキスを交わしました。
「ふはぁ……」
 十分近くもそうしてから、ようやく離れた二人の間に、つぅ、とこぼれ落ちた唾液が糸を引いてゆきます。上気した頬と潤む唇から、マキの胸にいく筋も白い雫が垂れ下がり、ぽた、ぽた、と落ちてゆきます。
「んぅ……シローぉ……♪」
 大好きなシローとの素敵なキスですっかりふにゃふにゃになって、マキは切なく濡れた瞳でシローを見上げます。
 あったかいキモチでいっぱいになった身体を、マキはぎゅっとシローにすり寄せました。ふかふかの毛皮に身体をすり寄せ、ぬいぐるみにするようにぐりぐりと額を押し当てます。
 火照った身体は、おひさまの匂いのするシローの毛皮に包まれて、まるでこのまま天国まで上り詰めてしまいそうなくらいに幸せでした。
 このままずっとずっと、シローと一緒にくっついていられたら、どんなに素敵でしょうか。
 けれど。
 おんなのこのマキがそれで十分でも、おとこのこのシローの方は、もう辛抱たまらないと言わんばかりに、マキの下腹に固く強張った腰をぐいぐいと押しつけてくるのでした。シローは普段はおなかの中にしまっているおちんちんを、力強く身体の外に突き出して、小さく腰を振り立てています。
 ぷるんぷるんと震えるかたくおおきなおちんちんは、すっかり大きくなって、尖った先端からとろとろと透明な粘液をこぼしていました。
 おなかにぎゅっと押し付けられたそれを感じ、マキはかあ、と顔を赤くしてしまいます。
「……もぉ、シロー?」
 せっかくの素敵な気分を邪魔されて、ちょっと拗ねたようにマキが声を上げると。シローがおぅん、と高く吠えました。マキにはやく続きをしよう、とねだっているのです。
「……んもぅ……しょうがないなぁ」
 まったく聞き分けのないシローに、マキは観念して溜息をつきました。
 実は待ちきれない胸のドキドキをそっと抑えこみ、マキはベッドの上で身体をよじり、ずっしりと重いシローの身体の下で腰をゆっくり持ち上げてゆきます。
「ねえ。あんまり急いでばっかりだと、おんなのこに嫌われちゃうよ、シロー?」
 そう言い聞かせるマキですが、シローはすっかり夢中になって腰を振るばかりです。そんなことはいいから、はやくマキとえっちしたい、とせがんでいるのでした。ふだんはおとぼけなシローのつぶらな瞳が、今はぎらぎらと『おんなのこ』を求めてぎらぎらと濡れていました。
 びくんびくんと跳ねまわる赤黒いおちんちんを見せつけられていると、マキもだんだんえっちなキモチが高まってゆきます。
 なにしろ、シローのおちんちんはとても熱くて硬くて太くて、それだけでマキのおなかの中はいちばん奥までいっぱいになってしまうのです。いまはだいぶ慣れることができましたが、初めてのときはもう、本当に身体が引き裂かれてしまうのではないかと思ったくらいでした。
 はやくとろとろのおなかの中を掻き回して欲しい――たかぶるシローに促され、いつの間にかそう考えてしまうようになったマキは、ぎゅっとお股の間に熱い蜜が滲むのを感じます。
「……ほら、重いよシローってばぁ……ちょっと離れてってば……ね?」
 のしかかってくるシローを押しのけ、マキはぐっと腰をもち上げ、お尻の下に頭から抜き取った枕を押し込みます。
 ベッドの上に沈みこんでいた下半身がぐいっと持ち上げられました。マキはそのまま大きく脚を広げて、シローに自分の大切なところを見せてあげます。
 マキの『おんなのこ』はまだつるつるの幼い外見ですが、シローと抱き合っているうちにいつしかふっくらと膨らみ、縦に食い込む細い筋はわずかに左右に開いてほぐれ、とろっと濃い蜜を溢れさせて、内腿までがぬるぬるになっていました。
 大切な人にしか見せてはいけない、大事な場所はわずかにほころび、その内側にさくら色のえっちなお肉が覗いています。
 狭く重なったひだひだは、マキの息遣いにあわせてきゅぅとすぼまり、じゅんっ、と白っぽい蜜をあふれさせます。シローのことなんてぜんぜん馬鹿にできないほど、マキのとろとろの蜜はおしりの方までこぼれて、ぬらぬらとえっちに光っていました。
「ね、……シロー、わかる?」
 お尻が高い位置にあるので、背中を丸めるとすこし苦しい格好になります。けれどマキはいっしょうけんめい脚を広げて、シローのおなかを脚で挟むように擦りつけます。
 はしたない格好でパートナーを迎え入れようとするマキに応え、シローも大きく吠えました。
「あは……シローのおちんちん、びくびくゆってる……♪」
 おなかの上を擦れるシローのおちんちんから、まるで焼けた鉄のように、かぁっと熱い体温が感じられました。
 シローの大きくてたくましい太い肉の杭の付け根には、まるではちきれそうなくらいにたっぷりと中身を詰めこんで震える、おとこのこの袋がふたつ、ぷるぷると揺れています。
「はあ……っ」
 ぎゅっとシローを抱きしめ、マキはそっと息を吐きました。
 もうすぐこの大きなおちんちんでおなかの奥をとろとろのぐちゃぐちゃにされてしまう――そんなイケナイ想像をしたマキの脚の付け根で、ちくんと鋭い痛みのような痺れが走り、おしっこの孔がぷくり、と膨らみ、透明な蜜を吹き上げます。
 シローのおなかをべたべたに濡らすいやらしい自分の「おんなのこ」に、マキはますます赤くなってしまいました。
「ぁ、っ、しろぉ……っ」
 もう、マキも待ちきれません。ぎゅっと、シローの耳元にささやくように、マキは甘い声でシローを誘いました。
 シローは待ってましたとばかり、マキに深く圧し掛かります。ぐいっ、と力強く持ち上げられたシローのおちんちんが、枕で位置の調節をされたマキのあそこに押しつけられます。
「ぁ、あ、あっ」
 すっかりマキとえっちをする方法を心得たシローです。狙いたがわず、シローの硬く尖った先端は、マキの中心を捉え、やわらかなお肉の間に埋まってゆきます。
 ぶぢゅっ、と粘つく膜を破るように押しこまれたシローのおちんちん。それが外れてしまわないように、マキは腰を持ち上げてシローの下半身におなかを押しつけました。
 一番最初にシローに求められたときは、痛くて痛くて泣いてばかりでしたが、いまではマキもすっかり慣れて、シローがキモチ良く動けるような方法をを身につけているのです。
「わぉんっ!!」
 高らかに鳴いたシローは、マキの倍近い大きな身体を震わせ、思いきり体重を掛けて、張り出して反り返る肉の塊をマキの中に深々と押しこんでゆきます。
「ふぁ、ぁ、あぅ、あっ……ぁああっ!?」
 ぶちゅ、ぶちゅ、とみっちり重なった『おんなのこ』のナカをかき分けられる感覚に、繰り返しぞぞぞっ、とマキの背中を快感の痺れが走ります。
 硬くて大きなシローのおちんちんは、まるで小さなおなかを深々と引き裂くようにして力強くあそこの中に押し込まれてゆくのです。
 シローのおちんちんはとても素敵なカタチをしていて、マキの大事なところの奥の奥まで、キモチいいところをぜんぶ擦ってくれるのでした。
 一方、マキの『おんなのこ』だって決して負けていません。狭く重なり合ったやわらかなとろとろのお肉を使って、びくびくと張り詰めるシローのおちんちんを、きゅうきゅうと根元から締め付けます。
 とうとう、マキはシローのおちんちんの根元のすぐ上までを、おなかの中に迎え入れました。
「あはぁ……シロぉ…っ、すごい、よぉ……お、おなか……きゅうってなってるぅ…」
 シローはぐいぐいと腰を動かし、マキの具合を確かめると、すぐに激しく腰を振り始めます。
 マキの小さなおなかを突き破らんばかりの勢いで腰を打ちつけ、出し入れに合わせてぐるんと渦を描くように回します。
「ぁ、ふぁあああ!?」
 シローのおちんちんの根元が、ぐりぐりとマキの敏感な部分を押し潰し、まるで石臼のように激しくすりつぶされる感覚に、たちまちマキはなんども高い声を上げて、シローの背中にしがみ付きました。
 小さな手のひらに精一杯力を込めて、シローに振りまわされまいと、小さな腰をぎゅっとくねらせます。
「っあ、はふ、シローっ、…っす、すご、い、よぉ…!! っ、あ、あ、ぁあああぅ!?」
 隙間なくぴったりと重なり、くっつき、絡みあうように溶け合う肉が、たっぷりの蜜を伴って激しく動きます。強引なまでのシローに、おなかの深いところのいちばん敏感なところを突き上げられ、マキはたちまち頭の中を真白にしてイってしまいました。けれど、シローはそんなことはお構いなしに腰を振りつづけます。
「ぁ、あぅ、っ、しろぉ……や、ま、またイっちゃ…うっ!! ぁ、あっ、あああっ!? やぁ、シローぉ……っ」
「ぅあぉん!!」
 なにしろ、シローのおちんちんは、この世界で一番マキと相性のいい身体なのです。ほんのちょっとされただけでマキがめろめろになってしまうのも仕方のないことでしょう。
「ふあ……しろー、しろぉ……っ、あたし、とろとろになっちゃうよぅ……」
 マキがなんども声を上げているうち、シローのおちんちんの根元が次第に膨れ、ボールのように大きくなり始めました。シローもそろそろ限界のようです。
「っ……しろー、はやくぅ…っ♪」
 マキがせがむのに合わせて、ぐい、とシローはまるでテニスボールのように大きな瘤を、マキのおなかに押しこみました。一瞬、千切れてしまいそうに引き伸ばされたマキのあそこですが、すぐにゴムのように力強く弾力を見せ、ぐぷっ、と音をたててシローのおちんちんを根元まで飲み込みます。
 マキの狭いおなかの中でさらに大きく膨らんだシローのおちんちんの瘤が、マキとシローの結合部分をしっかりと繋ぎ止めます。
 身体も心もほんとうにひとつになるこの瞬間が、マキは大好きでした。
 はじめてえっちをした時は、これがもう痛くて痛くて痛すぎて、悲鳴をあげて泣きわめいてしまったマキですが――いまはこうして、しっかりシローを受け入れ、キモチ良くなれるのです。
 それが、マキには何よりも嬉しいのでした。シローのパートナーとして、きちんとシローを気持ち良くさせてあげることが。そうして、一緒に気持ち良くなれることが。
「シロー……っ、あぅ、あ、やぁ、ぎゅうぎゅう、ってゆってる…っ。しろーのおちんちん、びくびくしてるの、わかるよぉ……っ」
 これから、シローはたっぷりとマキの中に赤ちゃんの素になる精液を注ぎ込むのです。万が一のことがないように、マキはぐっとシローの腰に脚を押し付け、シローのおちんちんが抜け落ちてしまわないようにします。
 マキは意識して、きゅんと疼いたひだひだで、シローのおちんちんをきつく締め付けました。
「わぉおん!!」
 それが「とどめ」でした。びくん、と激しく震えたシローが脚をばたばたと踏み鳴らします。
「ふぁああああああ!?」
 同時に、おなかの中に感じた灼熱の感触にマキは甘い悲鳴を上げました。
 どろどろと煮え滾る半透明の粘液の塊が、びゅるるるぅとマキのおなかの中に吐き出されます。おなかの奥にどばあっ、と注がれる生命の素は、まるでゼリーのようにぷるぷると、マキのいちばん大切な場所を隅から隅まで埋め尽くしてゆくのです。
「っふ…ぁ、ぁあう…!!」
 狭い膣の中、折り重なったさくら色のひだひだの奥、どれだけ指を伸ばしても届かないようないちばん深いトコロに、シローの白くどろどろの精液がたっぷり注がれてゆきます。
 シローがありったけの元気を注ぎ込んだ、勢い良く跳ねまわる何億もの赤ちゃんの素は、とても濃くて熱いものでした。
「ふぁあ、……ぁあああ、あ、ぁっ……♪♪」
 しかも、シローが脚踏みをするたび、精液はポンプで汲み上げられるように送り込まれてくるのです。シローの身体で作られた赤ちゃんの素は、シローのおちんちんを絡め取った柔らかな孔を満たし、とうとう出口の方まで逆流を始めました。
 けれど、シローのおちんちんの根元に膨らんだ瘤は、マキの身体にしっかりとおちんちんを繋ぎ止めています。だからマキは、シローが止めどなく脈打たせる赤ちゃんの素を、残さず飲み込むしかないのです。
「わぉぉおおん!!」
 シローが大きく吠え、ぶるると身体を震わせます。いよいよシローも限界のようです。長い長い射精はクライマックスに移り、行く場所を失ったマキのおなかのなかに、さらに激しく赤ちゃんのもとをほとばしらせました。
「ぁ、あ、あっ、あーーッ!! …ふぁ、ふわぁっって、ふわぁってなゆよぉ……」
 外に溢れることもできず、シローの精液は熱を持ったマキのおなかの一番奥の、大事なところの入り口まで殺到します。子宮の緩んだ入り口をこじ開け、針一本が通るかどうかの狭い狭い赤ちゃんを育てる揺り篭を、シローの精液が蹂躙してゆきます。
「ぁ、きてう、きてるぅ……しろーの、あついの……いっぱぃ……」
 どぷどぷと注がれつづける、シローの精液の大津波。それを赤ちゃんの揺りかごでごくごくと飲み込みながら、マキはろれつの回らない舌でなんどもなんども声を上げました。
 閉じていたはずの目の前が真っ白になって、まぶたの裏にはぱちぱちと光が弾けるように散り――マキはとうとう気絶してしまうのでした。


 ◆ ◆ ◆


「ぁう……全然出てこない……」
 シローのおちんちんに擦られ、おおきな瘤をぐりぐりと掻き混ぜられ、すっかり赤くなってしまったあそこを指先でいじりながら、マキは小さく溜息をつきました。あきれるほどたっぷり吐き出されていたシローの精液が、またこぽりと噴き出してベッドの上に染みを作ります。
 もう嫌になるくらい、そうやってシローの精液をこぼし続けているマキのあそこですが、いったいどれくらい出されたものか、シローの精液はあとからあとからあふれて来るのです。
「んっ……」
 顔を赤くし、小さくいきんでは粘つく白い塊をシーツにくちゅりと産み落としながら、マキはまだじんじんと痺れる小さなおなかを、そっと両手で撫でました。
「もぉ……シロー、わかってるの? ……あんなにいっぱい出されちゃったら、ホントにシローの赤ちゃんできちゃうかもなんだよ?」
「わぅ?」
「もぅ……わぅじゃないよぉ」
 眉をとがらせたマキがいくら怖い顔をして言っても、シローはすっかりくつろいだ様子で、けだるげに尻尾を振るばかりでした。その様子にマキはほとほと困ってしまいます。
 入り口のほうに溜まっていた分はいくらかを掻き出すことができましたが、子宮の奥に流れこんだ精液の大半は、しっかりとマキのおなかのなかに残って、ぷるぷると震えているのです。たっぷりと注ぎこまれ、今なおじんわりと伝わってくるシローの体温が、マキのほっぺたを赤く染めていました。
「シローってば、聞いてるの!? ……ねえ、あたしホントにシローのお嫁さんになっちゃうんだよ?」
 ぷう、と頬をふくらませ、口を尖らせるマキ。
 もちろんマキだって、シローとの間には赤ちゃんができないことは知っています。けれど、あんなに情熱たっぷりに、優しく、激しく愛してくれるシローの赤ちゃんなら、ほんの少しだけ、産んであげてもいいかなと思えるのでした。
 シローとおなじような、真っ白な毛並みをした、愛くるしい赤ちゃんたち――そんなステキなこども達のママになれるなんて、とても素晴らしいことに違いありません。
「ねえ、シロー、……あたしに、赤ちゃんできたら……責任とってくれるの?」
 顔を赤くして、ぼそりとつぶやいたマキでしたが、シローはぴくんと耳を震わせると、いち早く顔を持ち上げました。
「おぅんっ!!」
「……もぉ」
 こんなときばかり、威勢良くも胸を張って『まかせとけ!』なんて格好つけて答えるシローに、マキは呆れながらぎゅっと抱きつきます。
 おひさまの匂いをたっぷり含んだ毛皮に顔を寄せて、ぺろぺろと顔を舐めてくるシローに優しくキスを返します。
「……大切にしてくれなきゃ、やだよ」
 シローの節操のないプロポーズに、マキはそうやって、小さく応えたのでした。



 (了)

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シロフミ 2020/08/06 22:47

およめさんごっこ

 ノクターンノベルズ掲載分より。


「もーー!! ダメだって言ってるでしょ!? あたし、宿題で忙しいんだからね!! それに、もう本当にダメなんだから!!」
 あそんで、あそんで、とせがむラッキーは、椅子の下で脚にじゃれ付いてくるラッキーに、とうとう我慢の限界に達した伊織は叫んでしまいました。
 ちょっとお間抜けな顔をした飼い犬のラッキーは、もう何年も前から伊織のうちで暮らしています。庭に居るよりも家の中にいるのが好きで、散歩よりも伊織とじゃれるのが大好きという、ちょっと変わった犬なのです。
「わぅ、わうわんっ!!」
 伊織が本気で叱っているのにも気づかずに、尻尾をぱたぱたと振って、ラッキーは伊織の前でべろんと舌を出し、おどけてみせます。ラッキーときたら、伊織よりもずっと大きな身体をしているのに、中身はまるで子供なのでした。
「もぅ……邪魔しないでってばぁ!!」
 大きな机に届くように高く調整した椅子のうえで、伊織はばたばたと脚を振って、ラッキーを追い払おうとします。
 けれどどうやらラッキーはそれを遊びのひとつだと思ったようで、黒いソックスの伊織の脚の先端に飛びついて、そうっと噛み付いてくるのでした。
「ひゃん!?」
 大きな口にぱくりと爪先をくわえられ、さらにはぬるっとした熱い舌で足の裏をぞるるっと舐められて、伊織は思わず叫んでしまいます。
「や、やめ……もう、ばかラッキー、やめなさいよぉっ!!」
 不思議なくすぐったさに顔をちょっと赤くして脚を引く伊織ですが、ラッキーの尖った歯が靴下のさきに引っかかって、思うようにいきません。それどころか、ラッキーはさらに舌を伸ばして、ぢゅるぢゅると爪先を舐めてくるのです。
「っ、ひぁあっ!?」
 さらに、ふかふかの背中の毛皮にふくらはぎをこすられて、伊織は飛び上がります。開いていたノートのページが、計算問題の途中の式ごとくしゃっと握り締められてしまいました。
 確かに、人間の手みたいに前脚を使うことができないラッキーが、伊織にじゃれ付くにはそうやって舌と口をつかったり、身体をこすり付けるしかありません。
 けれど、極度のくすぐったがりやの伊織には、それはとっても危険なことなのです。
「うぅぅ~~~……ッ!! もぉ、バカっ!! バカラッキー!! やめなさいってばっ!!」
「きゃうんっ!?」
 くすぐったさに耐えかねて、伊織はラッキーに当たるのにも構わず思いっきり足を振り回しました。そのうちの一発が見事に頭にぶつかって、ラッキーは目を白黒させながら机の下を飛び出します。
 情けない鳴き声を上げ、たちまち尻尾をお腹の下に入れ、部屋の隅まで避難して『伏せ』の格好をするラッキーを、伊織はぎろっと睨みました。
「ダメって言ってるのに、ほんっと言うこと聞かないのねあんたは!!」
「くぅうん……」
「あーもぉ……靴下べたべたになっちゃったじゃない……」
「わふ?」
「わふ、じゃないわよっ、バカラッキー!!」
 がぁーっ、と八重歯をむき出しにして怒る伊織に、ラッキーはぺたんと耳まで伏せ、ますます部屋の隅で小さくなります。イタズラ好きのクセに、やたらと弱気なのが、ラッキーのたくさんあるダメなところのひとつなのでした。
 大きな身体を縮こまらせ、毛玉のように丸くなって、ラッキーはおどおどとしながら、ちらりちらりと伊織のほうを窺います。ちょっと怒られたくらいですっかり怯えてしまっている情けなさに、伊織ははぁ、と大きな溜息をつきました。
「ったくもぉ、そんなだから女の子にモテないのよ……」
 ラッキーも、もう歳で言えば立派なオトナなのだそうです。伊織なんかよりも年上で、とっくに『およめさん』がいてもいいという話でした。
 けれど、ラッキーにはまるでそんな貫録も、余裕もありません。公園に散歩にいくときも、同じように飼い主に連れられて散歩をしているたくさんの女の子の犬とすれ違うのですが、ラッキーときたら、自分よりもずうっとちっちゃなポメラニアンの子にちょっと吠えられるだけでも、たちまち尻尾をおなかの下に入れて『降参』してしまうのでした。
 ごはんの食べ方もだらしないし、することといったら他愛もないいたずらばかり。庭ではいつもごろんと横になって、居眠りばかりしています。泥棒どころか知らない人が来るだけで吼えることなくすごすごと小屋に逃げ込み、雨なのでたまに部屋にあげてみれば、伊織のこともかんがえずあそんであそんでとじゃれ付いてきます。
 これじゃあ、本当に“お見合い”をしても、結婚できるかどうかわからないと、伊織の両親も嘆いているのでした。
「……ねえ、そんなに遊びたいの?」
 いい加減宿題をする気も失せてしまい、伊織はくるんと椅子を回して、部屋の隅のラッキーに声をかけます。
 すると、現金なラッキーはたちまちきらぁんと目を輝かせ、ぴょこんと飛び上がり、元気良く吼えながら伊織に“がばぁっ”と飛びついてくるのでした。
「わぉんっ、わぅわぅ、わぉんっ!!」
「わわっ……!? ちょ、ちょっとコラ、ラッキーっ……!!」
 まるで椅子ごと蹴り倒さんばかりの勢いで飛びつかれ、椅子がぐらりと傾きます。伊織よりもずっと大きな身体をしているラッキーが、思い切りジャンプして飛び付き、全体重をかけて寄りかかってくるのですから、伊織はバランスを取るので精一杯です。
 そんなこともお構いなしに、ラッキーは後ろ脚で立ち上がり、前脚を伊織の身体に押し付けて、ふかふかの首をぐりぐりと伊織の顔に押し付けてきます。大きく開いた口から涎と一緒に舌を出し、はあはあと荒い息まであげて。
 ずしんと重い身体にのしかかられた伊織はそのままぎゅむうと椅子の上、背もたれに押し付けられてしまいました。
「ちょ、っと、重い、苦しいってばぁ……」
「わぅ、ぅわぅんっ!!」
 大きな身体をなんとか押しのけようとする伊織ですが、すっかり一緒に遊んでくれると思ってしゃにむに突っ込んでくるラッキーの勢いといったらすさまじく、突き飛ばすどころかもがくので精一杯です。
 ラッキーのぬるぬるした舌がぺろぉんと伊織の顔を舐め回し、あっというまにお気に入りのシャツをどろどろにしてゆきます。
「もうっ!! ラッキー、やめな、さいっ……ってのにっ!!」
「あぉん?」
「だ、だから、ちょっとは落ち着いて……ひゃうっ!?」
 顔をねぶりまわすラッキーの頭を、伊織はありったけの力でつかんでぐいっと押し下げます。するとこんどは、ラッキーは椅子の上の伊織のスカートの中へと、ぐりぐりと顔をねじこんできました。
 飛び掛ってきたラッキーを退かせるために夢中になって、伊織は無防備にも大きく脚を広げてしまっていました。そこに、いきなりぐいっと突き込まれた鼻先が、大きくスカートを押し上げ、一番奥の下着を探り当てます。
 慌てて脚を閉じようとした伊織でしたが、それはかえってラッキーの頭を脚の間に押さえ込むのと同じことでした。
「や、ちょ、バカラッキーっ、どこ頭突っ込んで……んぅっ!?」
 もぞもぞと動く濡れた鼻先が敏感な太腿の内側を擦り、熱く荒い吐息が伊織の脚の付け根をくすぐります。顔を真っ赤にしてスカートの上からラッキーの顔を押さえようとする伊織でしたが、ラッキーは構わずぐりぐりと椅子の上にのし上げた鼻先を押し込んできます。
「わふ、わぉんっ……」
「やぅ……な、何してんの……っ、ダメ、だめだってばぁ……っ」
 ラッキーは一心不乱に、まるで何かを確かめるように伊織のスカートの中で匂いを嗅ぎ始めました。ラッキーのおヒゲがつんつんと内腿をくすぐる感触に、伊織の指から力が抜けてしまいます。
 さらにぐうっと伸ばされた鼻先が下着をぐいっと押し上げた瞬間、伊織の腰下を、甘いような、むず痒いような痺れが走り抜けました。
「ふぁぁっ!?」
 たちまち、伊織の全身から抗う力が抜けてしまいます。それを狙い澄ましたかのように、はふはふと息を荒げながら、ラッキーは大きな舌で伊織のあそこを、ぺろんと舐めました。
 伊織の縞模様のぱんつの奥に、そっと覆われた『おんなのこ』の匂い。ラッキーはその大元を探り当てたのでした。いつもだらしなく伸びている長い舌が、べろん、と伊織の下着の上から、大事なところをなぞり上げます。
 下着の上から染みこんでゆくべちゃべちゃと響く粘ついた水音にしたがって、伊織の頭はぼうっと蕩け始めてしまいました。
「う……ぁ」
 ぞくぞくと背中が震え、イケナイ感覚が伊織を支配してゆきます。
 ぜんたい、ラッキーはてんでだらしないペットなのですが、伊織にこの遊びをねだるのだけはとても得意なのでした。たっぷりと唾液にまみれた舌は、伊織のあそこをくちゅくちゅと割りほぐし、あっという間に女の子の敏感なところを探り当ててゆきます。
 ねえ、遊ぼうよ、とせがむラッキーに、伊織はぐっと歯をくいしばって、ほかほかぬるぬるの犬舌の誘惑に耐えようとします。
「ラッキー、もう、ダメだっていってるでしょ……っ!! こ、この前、いっぱい遊んであげたじゃないっ……」
「わう、わうわうわうっ!!」
 けれど、ラッキーは全然、“この前の”では遊び足りてはいないようでした。強く吠え立てる声は、もう待ちきれないことをはっきりと知らせるもので、伊織に遊ぼう遊ぼうとしつこくせがんできます。
(だ、だめ……こんなことしてる場合じゃないのにっ……。だって、今日、ホントに……っ)
 今日はこれから宿題もしなければいけませんし、見たいテレビドラマだってあるのです。けれど、ラッキーの舌にぱんつの奥まで濡れるほどに舐められて、甘く痺れたおなかがきゅうと疼きます。伊織の胸の奥では、いつしか熱く、とくんとくんと激しく鼓動が高鳴ってゆくのでした。
 ふぁ、と甘い声を上げた小さく開いた伊織の唇から、ちらりと八重歯が覗き、ラッキーを叱るためぎゅ、と握られていた拳が、ゆっくりとほどけ、伊織の指がブラウスのボタンへと伸びてゆきます。
「んんぅ……っ」
 とうとう誘惑に負け、ジュニアブラの上から伊織の指がそっと、敏感な胸の先端を擦ります。とたん、ぴりぴりと響く桃色の稲妻に、伊織の背中がぶるると震えました。その間にも、ラッキーのたっぷりと唾液にまみれた舌は、伊織のあそこをくちゅくちゅと割りほぐし、伊織も知らないキモチのいい場所を擦るのです。
「ふぁ……っっ」
 背中を震わせ、伊織は上げてしまいそうになった悲鳴を飲み込みます。
 ラッキーの強引な押しに、伊織はついに観念してしまうしかありませんでした。
「……もぉ、わかったわよぅ……っ」
 なおも吼え続けるラッキーを、そっと抱きかかえるようにして。伊織はそのふかふかの首筋に顔を埋め、そっとキスをしたのでした。





「ちょっとだけよ。ラッキー、いいわね!? ホントのホントにちょっとだけなんだからね……!?」
 椅子から下り、ぽすん、とベッドに腰掛けた伊織は、改めて興奮しっぱなしのラッキーに向かい、念入りに言い聞かせます。とは言え、ラッキーはもうすっかり頭に血を昇らせて、わうわうと吠えるばかり。伊織の声なんかまるで届いていないようでした。
「もう……」
 しょうがないと諦めて、伊織はラッキーを膝の上に招きます。もちろんラッキーは、膝の上にのっかるほど小さな身体をしていませんが、まずはそうやって、そっとラッキーの頭を抱き締めてあげたかったのです。
 ところがラッキーは伊織のそんな気持ちなんかまるで無視して、落ち着きなく腰を揺すって、伊織の肩に大きく前脚をかけ、飛びつくようにそのままどさり、と伊織をベッドの上に押し倒してしました。
「ぅん……っ」
 伊織がふたり飛び乗るよりもさらに重い二人分の体重を受け止めて、ベッドがぎし、と軋みます。せっかくの雰囲気作りまで邪魔されて、伊織はちょっと不満でしたが――いつも眠っている場所で、間近にラッキーの匂いを嗅いでいるうちに、頭の中が熱くなってゆくのを感じ、そんなイライラも遠のいてしまいます。
「わう、わぅんっ!!」
 ラッキーはベッドの上で跳ねながら、腰をかくかくと振っていました。その脚の間、毛むくじゃらのお腹の奥から、粘つく液にまみれたピンク色の塊がちょこんと顔を突き出していました。
 それはラッキーのおちんちんです。伊織がまだ小さかった頃。ママと一緒にラッキーをお風呂に入れてあげることが何度もありました。けれどそのときには、ラッキーの脚の間にはそんなものは見当たりませんでした。ですから伊織は、かなり長い間、ひょっとしてラッキーは女の子なんじゃないかと思っていたりしたのでした。
 もちろん今の伊織は、ラッキーのおちんちんが普段はおなかの中にしまわれていることも、それが必要な時にはにょきにょきと伸びてくることも、知っています。
「……あのね? 何度も言うけど、こんなの、他の女の子なんか、ぜったいしてくれないんだからね? ……ねえ、ラッキーってば、本当にわかってるの……?」
「あぉぉんっ、わおんっ!!」
「んもぅ……」
 返事だけは調子のいいラッキーです。伊織は溜息をついて、そっとラッキーの脚の間から顔を出しかけたおちんちんを、両手で握り締めました。
 ちょっと力を入れるだけで、ラッキーのおなかの奥からせり出すように、太くて熱くて、硬い肉の塊がずるんっと飛び出してきます。
 ぬるぬるとした液にくるまれた、小さな手のひらには余るほどのそれを、伊織は優しく手で包み込み、前後に擦り始めます。とたんラッキーは感極まったように大きく吠え始めました。
「わぉ、わぅんっ……」
「ひゃんッ!? ……ば、ばか、ラッキー、もぉ……じっとしてなさいよぉ!!」
「わう、わうわうわぅっ」
「ああもう、わかったからっ!!」
 にちゅ、にちゅ、と伊織の手が動くたび、ラッキーのおちんちんは太く、硬く、たくましくなってゆきます。ラッキーは気持ち良さそうに何度声を上げ、長い吠え声を繰り返します。
 はじめはまだまだ子供だったそこは、伊織の手によってあっというまに立派なオトナのおちんちんに姿を変えてゆきました。びくびくと脈打ち、先端に小さな突起を膨らませる、いやらしい形になってゆきます。
(……ま、また前よりおっきくなってる……?)
 手のひらでびくびくと震えるラッキーのおちんちんをしごいているうちに、伊織のおなかの奥もすこしずつ、じんわりと痺れてきます。自然、もぞもぞと動いてしまうスカートのお尻を気付かれないように、伊織はラッキーのおちんちんを触り続けました。
「ねえ、ラッキーってば、ちゃんとわかってよね? ふ、ふつうはさ、誰もラッキーにこんなことなんかしてくれないんだよ? あたしがラッキーの、『およめさん』の代わりになってあげてるだけなんだからね?」
 そうです。これは――本当なら、ちゃんとラッキーと、ラッキーの『およめさん』が、するべきことなのです。けれどお馬鹿で臆病なラッキーは、いつまで経ってもちゃんとしたオトナになれないから、伊織は、その代わりをしてあげているのです。
 伊織はこれを、『およめさんごっこ』と呼んでいました。
「そうよ、ただの、ごっこ遊びなんだから。おままごとといっしょなのよ? ……あたし、もうそんな幼稚園の子みたいなの、しないのに……ラッキーがどうしてもっていうから、してあげてるだけなんだからねっ」
 そんな風に言ってしまうのは、素直になれない照れ隠し。伊織だって本当はドキドキしてたまらないのでした。
 はっきりとは分かりませんが、自分がイケナイ事をしているのだという感覚は、伊織にもちゃんとありました。いつも終わるたびに、これで最後! と自分に言い聞かせています。でも、ラッキーがせがんでくるのを良いことに、ふたりの『およめさんごっこ』は、もう半年以上も続いているのでした。
 胸のドキドキを抑えながら、伊織はびくびくとせり出したラッキーのおちんちんを擦る手の動きをはやめます。ラッキーはぶるんぶるんとおちんちんを振り回しながら、腰を震わせました。
「くぅんっ……わふっ、わぅんっ」
「……ラッキー、気持ちいいの……?」
 眼を細めて答えるラッキーの尻尾は、ぱたぱたとリズム良く左右に触れています。自分でもよくわからない、熱くてどろどろとしたキモチが、胸の奥にかあっと拡がっていくのを伊織は感じていました。
 伊織がおとこのこのおちんちんの役割をはじめて知ったのは、3年生の時に、学校であったおとこのことおんなのこの身体のしくみについての授業でのことです。
 それまではなんとなくヘンな格好だな、と思っていただけのお父さんのおちんちんや、同じクラスの男の子たちのおちんちんが、赤ちゃんを作るためにあるのだと知った時の衝撃は、計り知れないものでした。
 それ以来、伊織は一度も、お父さんと一緒にお風呂に入っていません。
(……うわ…ぁ…)
 突然、ラッキーが大きく腰を跳ねさせました。同時に、伊織の手のひらによってどんどんと大きくなってきたラッキーのおちんちんの先端から、ぴゅぴゅっと透明な熱い液が飛び出します。伊織はつい、お父さんのおちんちんとどっちが大きいんだろう、なんてことまで考えてしまいました。
 伊織はどきどきしながらそおっと、両手でラッキーのおちんちんを包みました。ぎゅっと閉じた細い脚の間では、ラッキーに舐められていた女の子の大事なところがすっかり濡れほぐれ、オモラシしたようにぱんつがくちゅくちゅと音を立てています。
 『およめさんごっこ』は、みんなみんな、ラッキーのためにしてあげているはずのことなのに、いつのまにか伊織のほうまでだんだん妙な気持ちになっていくのを押さえられないのです。
「はあ、はっ、……んっ」
 次第に荒くなってきた息を、口の中の唾と一緒に飲み込んで、伊織は硬く反り返ったラッキーのおちんちんをじっと見つめました。
 伊織がいっしょうけんめい触ってあげたために、どんどん複雑でいやらしい格好になったラッキーのおちんちんは、とても複雑でいやらしい格好になって、今にもにゅるるうぅっと伊織の手の中を飛び出してしまいそうです。
 じいっと見ているうちに、伊織はふとこの前のことを思い出してしまいます。
(そ、そうだ……この前のアレ……)
 先週の事です。両親に連れられて親戚の家に言った時、いとこのおねえさんの部屋で、伊織はえっちな雑誌をみつけてしまったのでした。おねえさんも隠していたようなのですが、たまたま広げてしまった雑誌の中には、可愛い女の子と、素敵な男の子――もちろん普通の人間の男の子でしたが――が、裸になって抱き合っている絵がいっぱい載っていたのです。
(ど、どうしよう……“アレ”、やってみようかな……)
 そのなかで、女の子は男の子の大きくなったおちんちんをいっしょうけんめい口にくわえて、ぺろぺろと舐めている絵がたくさんありました。
 最初はとても汚い、と思った伊織でしたが、けれど、絵の中の女の子は、ものすごくえっちな顔で、一生懸命、情熱的に“それ”をしていました。そしてそれを受け入れている男の子も、すごく気持ちよさそうにしていました。伊織にはそれがとても印象にのこっていたのです。
 伊織は恐る恐る、ラッキーのおちんちんを眺めます。
「……………………」
 こうしてまじまじと『これ』見たことは、実はそんなにありません。
 不恰好なバナナのような、ソーセージのような、ピンク色の肉の塊は、まるで焼けた鉄のように熱くて硬いものでした。表面に一枚、薄いゴムを被った、陶器。そんな手触りの、血管の浮いたおちんちんは、先端からちょっとだけ尖ったものが突き出していて、そこからぴゅぴゅっとお汁を飛ばしています。
 そして、その根本には大きく膨らんだ瘤がありました。
 ラッキーのおちんちんは、伊織がえっちな本で知ったおとこのこのおちんちんとは、ぜんぜん違う格好をしています。それがどうしてなのかは、伊織には良くわかりません。
「ね、ねえラッキー、動かないでよ?」
 ラッキーに言い聞かせながら、伊織はそおっとベッドの上に寝転んで、ラッキーの身体の下にもぐりこんでいきます。
「んっ……」
 ラッキーの後ろ脚をくぐるようにして、おちんちんに顔を近付けると、いっそうむぅっと篭った匂いが鼻をかすめます。決していい匂いではありませんが、けれど伊織のドキドキをさらに激しくさせるものでした。
(そ、そうよね。ラッキーのこと、あたしがちゃんと面倒見てあげなきゃいけないんだもんね)
 ラッキーのお世話は、伊織の仕事です。
 それは伊織が、お父さんとお母さんに、駄々をこねて、まだほんのちっちゃい仔犬だったラッキーを飼うことを許してもらった時に、約束したことでした。家の中でも学校でも、あんまりいい子ではないこともある伊織ですが、その約束だけはすっとすっと、大切に守り続けてきました。
 だから、彼女も、恋人も、『およめさん』もできない弱虫ラッキーの、お世話は伊織がしてあげるしかないのです。
(そ、そうよ、これも『およめさんごっこ』なんだから……)
「よしっ……」
 意を決し、伊織はそおっと口を開いて、ラッキーのおちんちんをえいっとばかり、口に含みます。
「っぷぁ……っ!?」
 火傷しそうに熱い、ぬるぬるとした肉の塊が、たちまち伊織のくちびるを塞ぎました。思っていたよりもずっとずっと大きくて、太くて、とても硬い肉の杭が、あっというまに伊織の口をいっぱいにしてしまいます。
 ちっちゃな伊織のおくちでは、大きく『お』の形に広げてもまだ入りきらないほどに大きく太い、ラッキーのおちんちんが、たちまち伊織の喉の奥のほうまでをみっちりと塞いでしまったのでした。
(……っ、すごい、匂いっ……)
 びく、びく、と脈打つ肉の杭は、むうっとするほどの『オス』の匂いをたちこめさせていて、伊織はくらくらとしそうになる頭をどうにか保つので精一杯です。
 なにしろ、おくちで……しかも、イヌのおちんちんをくわえて、舐めるなんて、伊織にはこれまで一度も考えたこともない経験なのです。おねえさんのえっちな雑誌で読んだのとはまるで違って、苦しくて、辛くて、息を飲むのも、唾を飲むのも上手くいきません。おまけに臭くて、苦しょっぱいものが口の中に広がります。
 まさかこんなにも苦しいなんて、思ってもみませんでした。
(苦い……へ、ヘンな味……っ)
 なにしろ大きさも、太さも硬さも、お弁当のウインナーをくわえるのとはわけが違います。もちろん噛んでしまうわけにはいきませんし。なによりもこのすごい匂い。ちょっと吐きそうになってしまうのを我慢しながら、涙目になって、伊織はそれでも健気に、ラッキーのおちんちんを舐めはじめます。
「んっ、んちゅ、れるぅっ、んゅっ……」
 ほとんどラッキーのおちんちんで占領されてしまった、窮屈なお口の中で、伊織はすこしずつ舌を動かします。びゅるびゅるとラッキーのおちんちんからは苦い粘液が噴き出し、口の中いっぱいに流れ込み、伊織はおなかの奥にまでラッキーの味でいっぱいにされていきます。
「んちゅぷ、っ。んるぅ、れりゅっ……」
 そうしていくうちに、だんだん伊織にもやりかたがわかってきました。
 唇をすぼめてゆっくりと、アイスキャンディーを舐めるように、ラッキーの大きなおちんちんを吸い上げます。根元の方まで大きくくわえてから、ずるっと引きずり出すように顔を引いて――けれど舐めれば溶けてしまうアイスと違って、伊織が頑張れば頑張るほど、ラッキーのおちんちんはますます太く固くなるのでした。
 そしてラッキーも、ただおとなしくしていてはしてくれません。
 待ちきれないというように腰を落とし、おちんちんを前へ前へと突き出さんばかりに、ぐぐぅっと体重をかけてきました。ちょうど伊織のちいさな口の中に、おちんちんをぜんぶ押し込んでしまおうとするかのようです。
「っえぐ、ごほっ、んぶっ!?」
 それは伊織の掴んだコツなんてまるで無視するようなものでした。たまらず咽せそうになった伊織の唇から、っこぽっと白く泡立った唾液が溢れ落ちてゆきます。慌てて頭を引いて離れようとするのですが、ラッキーはそれよりも更に前に出て、伊織の喉を塞いでしまおうとします。その強引さといったら、まるで、おなかまで貫ぬこうとしているかのようでした。
 小さなおくちを奥の奥まで長くて太いおちんちんで、ぢゅぷっぢゅぷっとくり貫かれ、伊織の頭の中は真っ白になってしまいます。
「んぷっ、っぐ、んんぅうっ!?」
 ラッキーのおちんちんの先っぽからは、これまでよりも激しく断続的にぴゅぴゅっと先走りの液がほとばしり続けていました。ただでさえ苦しい喉の奥に、さらにたくさんのどろどろと注がれて、伊織は溺れてしまいそうになります。
「っ、ぷぁ、やめ、らっきぃっ……んぶぅ!?」
 暴れるラッキーを叱ろうとする伊織の口へ、さらにおちんちんが深くねじ込まれます。逆流しそうになる粘液を頑張って飲み込み、伊織は涙を滲ませながらいっしょうけんめいに唇を動かし、おくちのなか一杯のおちんちんを頬張ります。
 頬の内側がきゅうっとすぼまり、とがったおちんちんの反り返りにあわせて締め付け、喉奥が先端を包みこみます。
 ちゅぷ、ちゅぷ、と頭が前後するたび、ラッキーのおちんちんはびくびくと跳ねて、伊織の喉を奥の奥まで犯していきました。
「――ぅぅぅううぅぅぅぅッ。ふぅぅぅぅッッ!!」
 伊織が、動物のように唸るのと同時。ラッキーも似たような声で喉の奥で唸りながら、伊織の身体を押さえ込み、がくがくと腰を揺すり始めます。伊織のちいさなおくちは限界までまあるく押し広げられ、喉の奥の奥まで、ラッキーのおちんちんが押し込まれます。
 苦しさに悶える伊織の、ほんのりとさくら色に色づいた唇を、とろとろと泡立った唾液が汚していきます。
 ラッキーは伊織の小さな身体にぐりぐりと体重を乗せ、さらに伊織の顔にごりごりと腰を押し付けてきます。伊織のお口の中はもう一杯で、もうどれだけ頑張っても奥にはいらないのに、ラッキーはさらにおちんちんを伊織のおくちに押し込もうとしていました。
「っ、んぶっ……っっ!!」
 思うように息ができない苦しさに、伊織は思わず手を伸ばし、ラッキーのおちんちんの根元を握ってしまいます。その時、ぬるりっと滑った手のひらはラッキーのおちんちんの根本にある、ぷっくりと大きく膨らんだ瘤を掴みました。
 途端、

 びゅる、びゅるる、びゅるるるるぅ!!

 深く深く突っ込まれたラッキーのおちんちんが、爆発しました。喉の奥に焼けるように熱いどろどろとしたものが、どぱぁあっと放たれます。大慌てで口いっぱいにシチューを飲み込んだような感じに似ていました。
 糸を引くほどに粘ついてどろどろの白い半粘液を、たっぷりと吐き出しながら、ラッキーは伊織のくちのなかからおちんちんを引き抜いていきます。
「はぶっ、ぷあぁあ!?」
 ぞるるっ、ぢゅぽんっ、と伊織の口から引きずりだされたラッキーのおちんちんは、びくびくと震えながら伊織の顔になんどもどろどろとした、白く濁った精液を迸らせます。
 つるんとしたおでこに、自慢の髪、お気に入りのリボンまでを、勢い良く飛び散る白濁液がぐちゃぐちゃに汚し、まるで花嫁さんのケープのように糸を引いてゆきました。
「ぅあ、っ……っ」
(あ、熱い……ら、ラッキーの、どろどろしてる……)
 びくびくを反り返っては白い粘液を迸らせるおちんちんが脈打ち、なおも伊織の顔がどろどろにされてゆきます。口の中にのこったラッキーの味が、伊織のあたまを真っ白に塗りつぶしてゆくようでした。
「っ………」
 何度もむせ、飲み切れなかった精液をぽたぽたとベッドの上にこぼしながら、伊織は口を拭うことも忘れて、今の衝撃に呆然としていました。
 ようやくおさまったラッキーの射精の中、伊織はぼうっとする頭で、もういちど目の前の大きくふかふかの毛皮をした身体を見上げます。
(す、すごかった……いまのっ……)
 ぞくり、と伊織の背中が震え、濡れたパンツの中では、布地の上からでもはっきり分かるくらい、ぴんと尖った尖端が、ぬるぬるの蜜に包まれて擦れていました。
(ら、ラッキーのおちんちんで、おくちのなか、ぐちゃぐちゃにされちゃった……)
 ぼんやりと考えながら、伊織はどろどろに凝った口の中身を、飲み込んでしまおうとします。
 けれど、伊織のおくちにたっぷりと注がれたラッキーの精液は、なんど飲み込もうとしても、喉に絡みついてうまくいきませんでした。そっと指で触れてみると、伊織のくちびるはまるでおんなのこの大事なところのように敏感になっていて、ちょっと触るだけでびりびりと甘い電流を走らせるのです。
 こくり、と少しずつおなかの奥に流れ込むラッキーの味が、おなかの奥でじわじわと広がっていきます。喉の奥までしっかりと感じたラッキーのおちんちん――熱くうねる肉の塊の感触が、鮮烈に残っているのでした。
(どうしよ……これ、すごい、かも……っ)
 まだ、びくびくと形を保ってぶるんぶるんと震えている、ラッキーのおちんちんを見て、伊織はおもわずごくりと喉を鳴らしてしまいます。まさか『これ』がこんなにもすごいことだなんて、まるっきり想像していませんでした。
 どうやら、昨日まで食べることしか知らなかったはずの伊織のお口は、ラッキーのおちんちんで、すっかり『オトナ』にされてしまっていたようでした。
(あ……赤ちゃん、できちゃうかも……)
 あんなにいっぱい、お口の中に赤ちゃんのもとを出されてしまったのですから、その想像は決して間違ってはいないように、伊織には思えました。
 そう。こんなことは、本当の『およめさん』でもなければ、きっとしないことのはずです。
 いいえ。ラッキーの『およめさん』――ちゃんとした、犬の『およめさん』でも、今の伊織と同じことをしてあげることができるでしょうか?
(こんなの、してあげる、あたし、だけ……なんだから)
「…………」
 ぼんやりとそんなことを考えながら、ぺたん、と女の子座りでへたり込んだ伊織の腰の下。スカートに隠れた脚の付け根は、まるで電気マッサージにかかったみたいにじんじんと痺れていて、水玉のぱんつの股布にはたっぷりと恥かしい染みが広がっています。
 薄い布地の中で、すでにくちゅりと形をほぐれさせた伊織のあそこは、うねる襞の隙間に小さく丸い口を開けて、その奥にこぽりと甘い蜜を溜めていました。
 おちんちんをくわえて、舐めたりするなんて、はじめてそのことを知った時は、どうしてそんな事をしなきゃいけないのか、全然分かりませんでしたが……いまならはっきりとその意味がわかります。
 ラッキーのおちんちんを擦ったり、伊織のお股の大事なところを舐めたりするのと同じ。こうやって、たくさんたくさん触れ合うことで、『およめさん』になるための準備をするのです。
「ふわぁっ……」
 スカートの上からそっとおなかを押さえると、びりびりと甘い電流が伊織の背筋を走り抜けます。
 ちいさな一本の縦すじの、慎ましやかだった伊織のあそこは、半熟の目玉焼きにナイフを通したようにぷくりと開き、水飴のようにとろとろとした蜜をこぼし、ピンク色の花片をほころばせていました。
「わぉんっ……?」
 そんな伊織をまっすぐに見つめて、ラッキーは吠えます。伊織にはその意味がすぐに分かりました。
 もっと遊んでくれないの? と、ラッキーは続きをせがんでいるのです。『およめさん』のいないラッキーは、もっともっと可愛い伊織と遊びたいと、『およめさんごっこ』をしたいと、言っているのでした。
 ベッドの上に前脚をかけて、大きく舌を出し、はあはあと息を荒げて、ボタンのように黒くて丸い瞳が伊織をじっと見つめます。
「……わかったわよっ……。こ、これで最後だからねっ……?」
 いつものように、絶対に最後にはならない『これで最後』。でも今日は少しだけ、意味が違います。それが伝わるように念を押しながら、伊織はラッキーの目を覗きこみます。
「わう?」
「……もぉっ!!」
 ラッキーは相変わらず、お間抜けな顔をして小さく吠えるばかりでした。





 胸を突き破ってしまいそうに高鳴るドキドキを感じながら、そっと腰を浮かしてスカートに手を入れ、下着を下ろします。
 下着はもうすっかり酷いことになっていて、股間を覆っていた股布の部分には、水飴のようにとろとろとした蜜がたっぷり溢れていました。べちゃべちゃになった布地が敏感な下腹部から糸を引いてはがれ、くちゅうとシーツの上に染みを作ります。
 そおっとスカートを引き上げると、剥き出しになった下半身が、篭った熱をふわりと立ち込めさせました。すっかり熱くなった伊織のあそこは、外気に触れてすうすうとします。
「んっ……」
 とく、とくと高鳴る心臓の鼓動と共に、伊織のおなかの奥でも熱いうねりが押し寄せています。ベッドの上にもう一度、仰向けになって。赤くなる頬を擦り、そっと伊織は脚を広げていきました。
 白い脚の間にほころびた、薄いピンク色の可憐な花片の奥、やわらかなひだひだの間の小さな入り口には、ぷくりと小さな蜜の塊が溜まっているのが分かります。
「……ちゃ、ちゃんと……『およめさんごっこ』、してあげるから……おいで、ラッキー」
「わおんっ!!」
 お許しが出るや否や、ラッキーは喜び勇んでベッドの上に飛び乗り、ぐりぐりと伊織の上に覆いかぶさってきます。大きな身体に押しつぶされそうになって、伊織は『むぎゅう!?』と暴れました。
 そうです。ラッキーが好きないちばんの遊び――それがこの『およめさんごっこ』でした。伊織もこの遊びが、決して嫌いではないのです。いいえ。むしろ、伊織の方が本当は好きなくらい。
 でも、恥ずかしがり屋の伊織は、そのことに素直になれません。
「わふ、わふぅ、わおんっ」
「んぷっ……ちょ、ちょっと、落ち着いてってのにっ……」
 熱い吐息が伊織の顔に吹きかかり、たっぷりの唾液でぬめる舌がぺちゃぺちゃと伊織の顔を舐め上げます。ラッキーの匂いと味で頭がいっぱいになり、伊織は息をするのも難しいほどでした。
「んゅうぅっ……ぁ、っ、やぁ……ッ」
 まるで椅子におなかを乗り上げるように、ラッキーは下半身をぐりぐりと伊織のおなかに押し付けてきました。ラッキーの脚の間から大きく伸びて膨らんだ、ぬるぬるの肉の塊が伊織のシャツを汚して、染みを作ってしまいます。
 おなかに押し付けられるラッキーのおちんちんは、さっき伊織がくわえていたときよりもさらに硬く張り詰めて、根本の瘤をますます大きく膨らませ、びくびくと脈打っていました。
 それを感じ取ってしまうと、もう伊織もいてもたってもいられません。ラッキーのおちんちんのせいで、すっかり『女の子』にされてしまった身体がじんじんと熱く疼くのです。
「んぅ、あっ……んっっ……」
 伊織は脚を大きく開いて腰を持ち上げると、ラッキーのおちんちんの尖った先っぽを、ぐうっと脚の付け根にあてがいます。とたん、『おんなのこ』の奥からじゅわあっと濃い蜜の塊が吹き出してくるのです。
「わぅんっ!!」
「あ、あっああっ」
 すっかり柔らかくなった伊織のあそこに、づぷり、と大きく太い肉の杭が飲み込まれていきます。なんども繰り返した『およめさんごっこ』で、伊織の身体は、ちゃんとラッキーの相手をできるようになり、まるで本当にラッキーの『およめさん』であるかのように、大きく太いおちんちんをしっかりと受け入れられるようになっていました。
 ぬぷぬぷと音を立てながら、たわむラッキーのおちんちんは伊織の股を引き裂くように、深々と脚の間に突き立ってゆきます。
 それはまるで、肉の刃で白いケーキを切り分けて行くよう。新郎新婦の初めての共同作業とおなじように、二人は身体をしっかりと重ねてゆくのです。
「ぅあ、あっあっ、ぁあっ……ッ」
 おなかの奥にぬぷりと収まり、幾重にも折り重なった粘膜のひだひだをぞるるっと擦り上げる、硬く熱い塊の先端に、伊織は仰け反って声を上げました。腰の骨にずうんずうんと深く響きわたる刺激が、伊織の頭を再び真っ白に塗りつぶしていきます。
 その気持ちよさといったらもう、たまりません。ダメなところばかりのラッキーですが、伊織を悦ばせるのだけは、何よりも上手なのでした。
 口を大きく開けて、ぱくりぱくりと息をしながら、伊織は一生懸命あそこをくつろげて、ラッキーのおちんちんを受け容れていきます。
「っ、か、感謝、しなさいよねっ……!! ら、ラッキーに、いつまで経っても『およめさん』が、できないからっ……、し、しかたなく、あたしがかわって、あげてるんだからっ」
 ラッキーのおちんちんに小さなおなかを割り広げられ、身体を深く刺し貫かれ、伊織の口からはしぜんにそんな言葉が飛び出していきます。
 どうしても意地を張ってしまう、素直になれない自分の代わりに、切なくてたまらないキモチを伝えようとする小さな腕は、いっしょうけんめいラッキーの身体を抱きしめていました。
「っ、こんなこと、ば、バカラッキーの、『およめさん』の、っか、代わりなんかしてあげるの、あ、あたしだけなんだからねっ……!!」
 わけもなくあとからあとから溢れる涙をぬぐい、伊織はぎゅむぅ、とラッキーにおなかを押し付けました。さらに内腿を大きく広げ、ふかふかの毛皮を深く招き入れます。
 密着した下半身から、ラッキーのおちんちんを通じて、びくびくと脈打つ熱が感じ取れました。
 伊織はラッキーの腰に脚を絡めると、そのまま大きく足を広げ、背中を丸めるように腰を持ち上げて、ぐいぃっとおなかをラッキーのおなかに押し付けます。ぶるぶると震えるおちんちんの根元の瘤が、ぐりぐりと伊織の入り口にぶつかってきました。
「んぐぅっ……ぅあぁ、あっ、あ、ぁ、あッ……」
 いくら、太くて大きなラッキーのおちんちんにたっぷりかき回してもらっているとは言っても、オトナの男の人の拳骨くらいある大きな大きな瘤は、そう簡単に中に入ってはくれません。
 けれど、それを挿れてあげるのが、ラッキーの『およめさん』のつとめなのだということを、伊織は知っています。
「んぅ、んっ、んんッ!! んっ、ふ、んぁああああぅっ!!」
 ラッキーがぐりんと腰を突き出して体重を載せてくるのに合わせるように、伊織は全身を使って腰を打ち上げ、根元の瘤をあそこにねじつけます。ますます深くおなかの奥を突きあげる鋭い肉の先端が、一番奥の敏感なところをごつごつと突きあげて、伊織の頭はそのたびに真っ白になってゆきました。
「っは、っ、ふぅ、ぐ、っ、うぁああああ!!」
 ずん、ずん、ずんっ……ベッドを軋ませ、マットレスをこね上げ、打ち下ろされるラッキーの逞しい下半身。すっかり慣れた様子で、具合を確かめるように、ラッキーは腰を振り続けます。後ろ脚は力強く床に踏ん張って絨毯を掴み、深く突き出される肉の槍は、ちいさなパートナーの身体をこれでもかと串刺しにしてゆきました。
 ぐうッと押し上げられると同時、びりびりと灼熱の炎が下腹部を焦がしたように、伊織のそこが大きく引き伸ばされ、
「ぁああぁうあ!?」
 ぐぢゅん、と――
 とうとう、大きな大きな根元の瘤は、しっかり伊織の身体の中へと打ち込まれたのでした。

 ぷしゅ、しゅる、しゅううぅ……

 大きく左右に押し開かれ、ラッキーの身体に押し潰された伊織の脚の間に、しゅわぁあああ、と暖かいものが広がっていきます。
 大きな大きな瘤と、長く太く、膨らんだおちんちん。それを小さな伊織の身体が飲み込んでしまったのです。おなかを内側から圧迫されて、行き場をなくしてしまったおしっこが、伊織の脚の間から勝手にあふれ出してしまったのでした。小さな身体を奥の奥まで貫かれて、伊織は息をするので精一杯です。
「あぅ、はぁ……っ、はあ、はあっ……」
「わう、わぅっ、わうぅ!!」
「も、もう、ホントに、っ、ホントに、ラッキーってばぁっ……」
 ラッキーと“ひとつに”なった達成感に、伊織は顔を赤くして言います。鼓動は早鐘のように高鳴り、心のおくからせり上がってくる熱い何かが、胸をいっぱいにしてゆくようでした。
「っあ、っ、ら、ラッキーにっ、こ、こんなことしてあげるのっ……あくぅ、ぁ、あたしだけなんだから……っ!! っは、ほ、他の子になんか、ぜ、ぜったいに、ぜったいに、ぜったいぜったいにっ、ぃ、し、しちゃダメなんだからねっ!!」
「わぅっ……!!」
 叫ぶ伊織に答えるように、おなかの中にがっちりとはまり込んだおちんちんが、早速びゅるびゅると真っ白な精液を吹き上げます。どくどくとおなかの奥に吹き上がる熱いどろどろの感触に、たちまち伊織のおなかの中はきゅうんと甘く悲鳴を上げてしまいます。
 こつ、こつとラッキーのおちんちんの先端が、伊織のおなかの一番奥にぶつかるたび、伊織の頭を白い稲妻が走るようでした。
「ら、ラッキーの赤ちゃん、産んであげるの、あたしだけなんだからぁっ……!! ぜったいに、ぜったいにっ、あ、あたし以外の子と、えっちしちゃ、いけないんだからねっ……!!!」
 しっかりと繋がり、ひとつになって、興奮した伊織のそこが締め付けるままに、ラッキーはびゅる、びゅる、と激しい射精を繰り返します。そのたびに伊織のおなかはゆっくりと大きく膨らんでゆきました。
 ベッドの上でがくがく揺さぶられながら、伊織は夢中になってラッキーの身体にしがみつきます。
(あたし、本当にっ、ホントに、ラッキーの、『およめさん』に、されちゃってる…っ!!)
 そうです。これはごっこ遊びではありません『およめさんごっこ』ではなく、本当の。ラッキーの本当の『およめさん』になるための交わりなのです。
 先週、伊織は初めての『お客さん』を迎えて、めでたく一人前の女の子になったお祝いをしたばかりです。ママになる準備――おなかのなかに小さな生命を宿すための準備を整えた、女の子の身体。それをいま伊織は、ラッキーと重ねているのでした。
 だから、これはごっこ遊びではありません。
 本当の、本当に、ラッキーの『およめさん』になるための、行為なのです。
 おなかの中で、力強く噴き上がるラッキーの赤ちゃんのもとが、女の子のタマゴと結びつくのを夢見ながら。伊織はどくどくと噴き上がるラッキーのおちんちんを、しっかりとおなかの奥に繋ぎとめます。
(あたし、ら、ラッキーの、赤ちゃん、産むんだ……っ)
 恥ずかしくて、照れくさくて、言葉にしては絶対に伝えられない、胸の奥の本当のキモチ。
 いつも反対の事ばかり言ってしまう自分のキモチが、せめて少しでも伝わるように。伊織はぎゅうっとラッキーの背中に回した手に、力を込めて、ラッキーとしっかりとおなかをくっつけ合います。
 脈打つポンプのように、おなかの奥、赤ちゃんのできる場所に注ぎ込まれてゆく、どろどろの熱い“赤ちゃんの素”に、伊織は心も身体もラッキーと結びついてゆくのを感じます。
 ラッキーがたくましくそそり立たせたおちんちんから、終わりなく迸らせる、白い生命の塊。それはいまや伊織のおなかの中をたっぷりと満たし、なお際限なく注ぎ込まれてゆきます。女の子の出口は、大きな瘤にしっかりと繋がれて、伊織のおなかはぱんぱんに膨み、まるで今この瞬間にも、おなかの中に赤ちゃんを宿しているかのようでした。
「あぁ、あぅ、あっ、ラッキーっ、すごい、ぃ、あーっ、あぁっ、あ!!」
「わぅ、わぅぁっ、あぉんっ!!」
 興奮したラッキーが、長い舌でべろべろと伊織の顔じゅうを舐めまわします。伊織も大きく口を開けて、ラッキーの舌に自分の舌を絡ませ、一生懸命、なんどもキスをしました。
 ベッドを軋ませて続く二人の営みは、いつしかごっこ遊びから、本当の夫婦の交わりへと変わっていくのでした。



 (了)

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シロフミ 2020/08/06 22:46

とある通学の風景

 ノクターンノベルズ掲載分より。
 動物との交尾義務と出産が義務づけられた学校の様子を垣間見るみたいなシチュエーション。なので直接的なR18成分は少なめ。


「えー、そうなんだ。大変だねぇ」
 混雑する通勤電車のなかで、ふと漏れ聞こえた会話が、すべての切欠だった。
 郊外の市を結ぶ私鉄の路線は、首都圏のそれと比べればだいぶ大人しいが、朝の通勤・通学の時間帯にはそれなりの混雑を見せる。その日も私は吊革に手をかけ、退屈な通勤時間を、買ったばかりの文庫本を眺めることで誤魔化していた。
「その、先輩たちみたいに上手くできるか、不安で……」
「あはは。だいじょうぶだいじょうぶ。すぐ慣れるってば」
 鈴を転がすような可愛らしい声。窮屈な姿勢で文庫本から顔をあげてみれば、座席の一角に集まる制服姿の少女達の姿が見えた。鮮やかな青と胸のリボンタイは、この路線でよく見かける進学校のものだ。
 およそ5名ほどの彼女たちは車両の端にある席に陣取って、なにやら話し込んでいる様子だった。
 その場所は優先席だったはずだ。こんな時間帯から混雑する車内で席を占領している少女達に、私は眉をひそめた。
 狭量とも思われるかも知れないが、近くには杖をついた老夫婦の姿もある。できるのなら席を譲るべきなのではないかと考えたのだった。老夫婦に気付いた様子もなくおしゃべりに花を咲かせる彼女たちに、一言言ってやるべきかどうか、私が迷いながら文庫本を閉じかけたところで、言葉を失った。
 優先席に座る少女達――どうみてもまだ、十代前半としか思えない彼女たちのおなかが、大きく重そうにせり出し、制服のブラウスをはち切れんばかりに押し上げ膨らませていたのだ。
「先輩って、今何ヶ月なんですか?」
「えーっと、8ヶ月くらい……かな?」
 緑のリボンタイをしたショートボブの少女に答えて、隣に座るロングヘアの少女が、そっと制服のベストの上から大きなおなかを撫でる。愛おしげに優しくそこに触れる少女の表情には、母親だけが持つことのできる我が子への慈しみが見て取れる。
「ふふ、最近よくおなか蹴飛ばすんだよねぇ。寝てても起きててもお構い無しだから大変だよ」
 ロングヘアの少女――先輩、と呼ばれた赤いリボンタイの彼女は、重そうなおなかを抱え、眠そうにふああ、と欠伸をしてみせる。
「ミキちゃんみたいに小さいと大変だよ? 今のうちから覚悟しとかないとねね」
「えへへ。私は来年ですから」
 言われて、ショートボブの少女は照れくさそうに顔を赤らめる。彼女のおなかもまた、隣のロングヘアの少女のもに比べるとかなり小さくはあるが、制服の上からでもしっかり目立つくらいには大きくなっていた。
 立て続けの驚愕に、私は天地がひっくり返るほどの衝撃を受けていた。
 確かに、最近は交際の低年齢化が進んでいると聞くが、まさか――自分の年齢の半分にも満たなそうな少女達が、堂々と通学の車内で妊娠のことを語り合うことも当たり前なのだろうか。自分の常識を疑いかねない事態に、私は車内を見回すが、少女達を気にしていないのか、周りの乗客たちは特に注目している様子もない。
「ミキちゃんは何ヶ月だっけ?」
「4か月です。……人間で言うと」
 ………………。
 ……今、なにかとんでもない台詞が聞こえた気がした。
 いや、まさか。ただの聞き間違いだろう。手のひらに嫌な汗を感じながら、私は努めてそう思うことにする。が、席の向かいで吊革につかまっていた、青いリボンタイの眼鏡の少女が、さらに耳を疑いたくなるような発言をしたのはその直後だった。
「……3年生の交配相手って、大型犬なんですよね?」
 今度は間違いなく、聞き間違いなどではなかった。
 思わず驚がくに叫びかけた悲鳴を、ぎりぎりのところで押しとどめる。
 ロングヘアの少女――『先輩』は、くすりと微笑んで、そっとおなかを撫でる。
「うん。私のペアリングの相手はシルバって言うんだけど、グレートデンの子でね。体高80センチくらいかな……普段はちょっと寂しがりなんだけど……交配の時はすっごい激しくて、全然離してくれないんだよね。ホントにもう、子宮破けちゃうかと思ったよ」
 昨日の試験難しくてさ、というような口ぶりで、『先輩』はスカートの上から足の付け根をそっと押さえこむ。少女達からあはは、と小さな笑い声が響いた。
「あ、この前の実習の時の写真、あるけど見る?」
「あ、見せてくださいっ」
 『先輩』の少女が、鞄から携帯を取り出す。数回のボタン操作で呼び出された写真が目に飛び込んできた。
 いや、白状しよう。私はそれに視線を釘づけにされていた。文庫本の端から覗き込んだその写真は、小さな携帯のフレームの中、肌も露わに写り込んでいるのは、確かにその携帯の持ち主と同じ顔をした少女だった。
 身体の発達はまだ十分とは言えず、未成熟な部分も多くみられたが――どこか、世話焼きの先輩といったおっとりした気配は影を潜め、代わりに似ても似つかないほどに淫らに、蕩けた“女”の表情で、シーツの上に組み伏せられている。
 そして少女の背後から、力強く圧し掛かるように腰を打ちつけているのは、巨大な獣。
 少女と同じかそれよりも大きな体躯をもった、大型犬だった。少女の言葉を信じれば、グレートデンという犬種なのだろう。灰色の毛皮をした犬が、大きく舌を垂らし、涎をこぼしながら荒い息を吐いて、逞しい後ろ脚を踏ん張り、思い切り雄の滾りを叩きつけている。
 少女はその雄犬と、身体を捻って愛おしそうにキスを交わし、大きく口を開けて嬌声を上げているのだった。
 結合部分が生々しく映っていたわけではないが、力強く腰を振りたてるグレートデンと、あどけない少女の、二人の生殖器がしっかりと繋がっていること。まさに今、滾るマグマの噴出のように迸っているであろうその生命の源を、胎奥深くで受け止める悦びに顔をほころばせている。脚の間にはどろどろと白い粘液が垂れこぼれ、床にまで飛び散っていた。
「わぁ……」
 妊娠の事実をあけすけに話している彼女たちにとっても、流石にこの写真は衝撃的なものらしい。
 しかし顔を赤らめながらも、他の少女達は顔を追った手指の隙間から、興味に目を輝かせて携帯の中を覗き込んでいた。
 私の衝撃と言えば――その比ではない。獣○、という行為そのものは知識としてなかった訳ではないが、まさか、どう見ても義務教育を終えていないように見える少女達が、進んでそんな行為に臨んでいるなどとは、想像もしていなかったから。そして何よりも。少女達の胎内に芽生え、今まさに育っている生命が、ヒトのものではないのではないかという発想に至ってしまったからだ。
 そして事実、それは正しいようだった。
「サエちゃんは初めてなんだっけ?」
「はい……ちゃんと元気な赤ちゃん産んであげられるか、ちょっと怖いです……」
 『先輩』に話を向けられたのは、少し離れた場所に立っていた三つ編みの少女。こちらも青のリボンタイをしているところからして、眼鏡の少女と同じ学年だろう。彼女はまだ見たところ、特に目立った様子はないが、問われてそっと腹部をかばうようなしぐさをしたところから見ても、他の少女と同じように妊娠しているのだろうと思われた。
「大丈夫だいじょうぶ。サエちゃんだってちゃんと女の子なんだから。ペアリングの子だってキモチよくさせてあげられたんだから、自信もって! 一番乗りおめでとう。サエちゃんがみんなのお手本になってあげなきゃね」
「は、はい」
 緊張の面持ちで答える少女。
 どうやら、自分の身体がきちんと赤ちゃんを育てられるかということを疑問に思っているらしい。
 言葉の端々から想像するに、どうもサエと呼ばれた少女は、ごく最近“女の子”に……初潮を迎えたばかりらしい。
「赤ちゃん、産むときって……怖くないんですか? その、痛いとか……苦しいとか……」
「あはは。うーん。人によるかなあ。……大丈夫だよ。サエちゃんの赤ちゃん、ダックスフントでしょ? 初産講習も受けてればそんなに辛くないから」
 『先輩』は豊富な経験に裏打ちされた自信を見せるかのように、ひっひふー、と聞き覚えのある呼吸法を真似してみせる。
「それにねサエちゃん、赤ちゃんだって、ママのことを苦しめようってしてるわけじゃないんだから、そのことを忘れないであげてね。ママが不安になってると、赤ちゃんまで悲しくなっちゃうよ」
「……わかり、ました」
 こくんと力強くうなずく『先輩』に、サエの不安もだいぶほぐれたらしい。
「でも、産まれてくるのが全部で10匹超えちゃうとねぇ……最初のうちはいいけど、最後のほうはもう産まれるたびに頭が真っ白になちっゃうからね……大変は大変、かな」
「あー、先輩、サエちゃんをおどかさないでくださいよぉ」
 ごめーん、と『先輩』がおどけてみせ、少女達からまた笑みがこぼれる。
 私の背中はすでに汗でじっとりと湿っていた。
 ……夢でも見ているのだろうか? いくらなんでも、こんなことはあり得ない。空転する頭をよそに、少女達はなおも話を続けている。
「……写真って言えば、イツキのもあるよ? この前撮ったの」
「え!? いつの間にそんなの……!?」
 サエに驚いた声を上げたのは、最初に話をしていた眼鏡の少女。冷静に見えた彼女だが、その話題に一気にあわて始めていた。
「ちゃんと聞いたよ。撮ってもいい? って。イツキ、大丈夫って言ってたじゃない」
「そ、そんなの言ってないよッ」
「覚えてないだけじゃない? イっちゃん夢中だったっぽいから」
 ぱかりと開けられた携帯の中に、イツキと呼ばれた少女のあられもない姿が写っていた。
 本人に気付かれないようにしたせいか、アングルはやや複雑。ほぼ素裸で仰向けになって、大きく足を広げている彼女は、大きく眼鏡が顔からずれているのにも気づいていない。
 白い肌の少女の下腹部に覆いかぶさっているのは、体長40センチほどの小型犬だ。
 可愛らしい、おやつのCMにでも出てきそうな子犬。室内犬としても目立つ愛玩種だ。しかし見かけとは裏腹に、彼も立派に成熟した雄であることを誇るように、股間には体格に似合わないほどの大きなペニスをぶら下げている。
 ぬらぬらと光るペニスが、今まさに、赤く破瓜の血を示すぬめり蜜をこぼす少女の膣口へと入りこもうとしている瞬間だった。
「わーーっ!? い、いつのまにこんなのッ!? や、ヤダ、見ないでよぅっ」
「……今日の給食、プリンおごってくれたらいいよ」
「ちょ!? そんなこと……」
「うふふ。私にも見せて?」
「先輩ーーーっ!?」
 携帯の中の画面が切り替わる。
 次の一枚は、赤黒くてらてらと光り、不気味に節くれだった犬の肉竿が、少女の秘部へとがっちりとはまりこんでいる写真だった。すでに何度も何度も少女の胎内へと押し込まれては引き抜かれているのだろう。溢れる蜜液は犬の腰使いによって泡立ち、充血した粘膜からは、白く濁った精液と、破瓜の血を混じってほんのりと赤く泡立った蜜が混じり合いながら溢れ落ちている。
 犬のペニスの根元は見たことがないくらい大きく膨らみ、それがぐりぐりと少女の秘所に押し込まれようとしている。こんなにもあどけない少女が、犬のペニスによって処女を奪われ、それどころか、犬の子種をたっぷりと、その未成熟な胎内へ注ぎこまれている光景だった。
「だって、イツキ、私にも気づかないでキモチ良さそうに悲鳴上げてるんだもの。あんなに何度もイっちゃって、せーし、いっぱい出してもらったら、予行演習でも妊娠してなきゃ嘘だと思う」
「も、もぅ!! 怒るよッ!?」
「うふふ。明日くらいに確認なんだっけ? ちゃんとおクスリが効いて、元気な子、いっぱい妊娠してるといいわね」
「ぅ……は、はい」
 頭を撫でられ、眼鏡の少女もそれ以上怒れずに、大人しく従う。
「んー、ねえ先輩、だったら私の悩みも聞いてくださいよぉ」
「なあに? ミキちゃん」
「そのですね、べつになにが悪いって言ううんじゃないんですけど、最近みんな悪阻がひどくて、欠席ばかりなんですけど……そのせいで、わたし今日も当番じゃないのに犬舎の子たち全員のの処理してあげなくちゃいけないんですよ? 明日からテストもあるのに……」
「……2年生って、妊娠中もペアリング、お休みにならないんですか?」
「色々あってね……」
 『ミキ』は、とほほと言わんばかりの表情で、ショートボブの髪をぷるぷると振って、そっと小さなおなかを撫でる。『先輩』に比べればだいぶ控えめな、しかしそれでも制服の上からでも十分に目立つおなか。彼女自身の言によれば、柴犬の仔犬がそこには育っているはずだった。
「なんかね、おなかに赤ちゃんいるのに、キモチ良くなっちゃうなんて……なんだか、赤ちゃんに申し訳なくてですね……」
「でも、それは……他の子も一緒だと思います」
「そうそう。ミキちゃんもう四か月だったかしら。それくらいになると、パパのおちんちんにこつこつって子宮つついてもらうと、赤ちゃんも喜んで一緒に動いてくれるの、わかるでしょう?」
 『先輩』に言われ、その時の胎動を思い出すかのように、『ミキ』が目を閉じる。
「だから、ママが気持ち良くなってる事、ちゃんと赤ちゃんにも教えてあげるといいよ。怖いことでも悪いことでもないんだから」
「……はぁい」
 私が呆気にとられている間、そんなやりとりとと主に、車内アナウンスが次の到着駅を告げる。少女達は重そうなおなかを抱え、次々に席を立った。
「あ、降りなきゃ」
「また胸おっきくなっちゃって……ブラ変えなきゃ。今月もうおこづかいないのになあ」
「授乳パッドも用意した方がいいよ? 乳首、すっごく敏感になるから」
「ねえ、先輩の予定日、よかったら見学に行ってもいいですか?」
「あ、私もっ」
「うふふ、いいけど、一緒に産気づいたりしないでよ? 良くあるんだからね。クラスメイトとかで立ち会って、まだ予定日じゃないのに産まれそうになっちゃう子」
 ゆっくりとホームに入った電車が停止し、乗車口を開ける。発車のベルが鳴り響く中、少女達は連れ立って電車を降りていった。
 私は思わず、自分が通勤途中であることも忘れ、その後を追いかけようとしていた。
 が、降車と同時に乗り込んできた乗客たちに阻まれ、思うように前に進めなくなる。
「痛ってえな、どこ見てんだよ」
 ホームから乗り込んできた乗客が声を荒げる。
 脚をふまれたと怒鳴る彼に、慌てて頭を下げているうちに、気付けばドアが閉まっていた。
 人ごみの向こうに――白いブラウスとリボンタイの少女達が、ちらりと見えたような気がした。


(了)

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シロフミ 2020/08/06 22:44

茉莉の自由研究

 ノクターンノベルズ掲載分より。


 レースカーテンの隙間からは、住宅街の窓ガラスを反射して輝く夏の陽射し。
 もうすぐ8月も終わろうというのに、いまだ35度を超える外気温に対抗して、冷房は省エネ設定などどこ吹く風とフル稼働を続けている。冷風を吹き散らすエアコンの下で、なお茉莉の身体は汗だくだった。
「はー、ッ、はーっ、はーッ」
 学習机の脇、壁に押し付けられた椅子が力強く揺さぶられる。
 それに合わせ、響くのは荒い、唸り声のような吐息。
 少女の下半身は素裸で、上半身も汗を吸ったTシャツが大きく首までまくり上げられ、慎ましやかな胸の膨らみと、硬く尖って色づいた先端までもが惜しげもなくあらわにされている。
 大胆に広げられた少女の脚の付け根、乙女の秘所は泡立つ蜜を溢れさせ、赤黒く血管を浮かせた野太い肉竿を根元まで飲み込んでいた。
 硬く反り返った生殖器が狭く細い柔孔、無垢な桃色粘膜の隙間にねじこまれるたび、重なり合った柔襞はぷじゅっと粘つく蜜を溢れさせ、きゅうきゅうと肉竿を締め上げる。
「ぁ、あッ、あんっ、……っは、はぁ、はぁーっ、はーッ」
 汗だくの身体をしなやかに揺らし、幼い容貌に似合わない巧みさで腰をくねらせ、ぬぷぬぷと交合部分を押しこねて。
「んぁ…ぅっ……ひゅぁ……っ♪」
 甘く跳ねさせた声を上げながら、茉莉は蕩けた笑顔をほころばせ、深く覆いかぶさってくる愛しい相手の背中に手を回す。
 小柄な少女の身体に圧し掛かり、一心不乱に腰を振るのは、体高80センチを超えるグレートデンだった。少女の倍ほどの体重をもつ巨体は、夏毛の下に蒸気を噴き出さんばかりの熱を滾らせ、大きな口を開け、舌を垂らして吠えながら、少女の下半身に力強く滾る雄の象徴をねじ込んでゆく。
 逞しい大型犬の、体重を掛けた容赦のない腰使いに、壁に押し付けられた椅子がぎしぎしと悲鳴を上げ、床を擦る。
「んく、ぅ、っ……ぁ、あっあ、あっ……んぁぁあっ…♪」
 成人男性のサイズに勝るとも劣らない、滾る野生に深く胎内を貫かれながら、茉莉は唇に涎すら滲ませてそれをしっかりと受け止める。子宮の口を突き上げられる衝撃すら、少女の快楽となるに十分なものだった。
 抽挿に合わせて息を吸い、止め、吐いて、吐いて。柔襞を緩め絡めて、根元からぐいぐいと締め上げる。まだ色も薄い、ほころびたばかりと思える桜色の秘所は、いまやすっかりと愛犬との交合の術を知ってるようだった。
「っ………ぁ、あっ、あ……っっ、は、はぁ、はぁッ、はーッ」
 椅子の上、ぬぽぉぬぽぉと深く抜き差しされる硬い肉の竿が、おヘソの裏側の敏感な所を巧みに探り当てて擦りつけてゆく。
 反り返った肉竿の背中が膣奥を擦るたび、茉莉は大きく目を見開いて熱い息を繰り返した。
 ずっしりと巨体の体重を掛け、逞しい腰を押し付けるように繰り返させる執拗な抽挿に、茉莉の頭はすっかり蕩け、ぐつぐつと沸騰しているかのよう。
「っはッ、は、はっ、ふーっ、ふぅうーっ……」
 茉莉の胎奥を執拗に突き上げる感覚に、ちりちりと首の後ろが電流を迸らせる。
 どくり、とおなかの奥に白く熱く、煮え滾った感覚が打ち込まれるのを、茉莉はしっかりと感じていた。
「んっ……ぅ、ぁ。あ、あ……っ!!」
 びゅるるっ、と激しく噴き上がる射精の迸りがすっかり充血した子宮口に浴びせかけられ、茉莉は必死になって悲鳴を押し殺す。ぴんと伸びた爪先が、椅子の上で暴れ、床を軽く引っかいた。
 わずかに身じろぎすることも許さず、深く深く『おんなのこ』の中心部を穿たれ、身体じゅうがベンに支配されてゆく。
(おなか、あったかい……ベン、ちゃんと、わたしのナカで、しゃせー、してる…ッ)
 愛犬のその行為が、ただ快楽を求めるためのものではなく、より本能に即した――繁殖のための行為である事を、茉莉はしっかりと感じとっていた。
 まだ芽生え始めたばかりの茉莉の『おんなのこ』としての感覚は、しかし初めての交わりであるにも関わらす、パートナーとなるグレートデンの意図をくみ取るように、幼い秘所をせいいっぱい広げ、野太い剛直を根元からきつく締めつける。
「っあ、は……ふぅ……ぁっ」
 深く腰を落とし、たくましい後ろ脚をフローリングの上に踏みしめて、ベンは茉莉の胎内を遠慮なく犯し貫いてゆく。
 経験の浅い少女を思いやることもなく、大型犬の赤黒い生殖器は茉莉の脚の付け根を穿ち、その奥にある赤ちゃんの揺り籠に狙いを定めて、白くどろどろと濁った特濃赤ちゃんミルクを、茉莉の胎内に注ぎ込んでゆく。
(ぅあ……や、でてる、っ、ベン、いっぱい、しゃせーしてるの、わかる、よぉ…っ)
 大きく膨らませた精嚢からまるでポンプのように吹きあげる熱い迸りが、茉莉の未成熟な子宮を直撃する。
 逃げ場所を失くし、胎内をぷくりと膨らませる白濁粘液を感じながら、茉莉はこのまま、ベンが最後まで自分を独り占めするつもりであることを悟っていた。
「っ…………」
(ベン、わたしに、赤ちゃん、産ませるつもりなんだ……っ)
 そう思うだけで、胸の奥が激しく高鳴り、身体の芯がかあっと熱くなる。
 抵抗も許されないほど大きな獣に組み敷かれ、両手で握ってもあまりあるほどに太く長い肉竿に乱暴に貫かれながらも、茉莉は拒絶の気配を見せなかった。
 むしろ、それを望むかのようにベンの律動に合わせて腰を引き、押し付け、下半身をぴったりと愛犬の腰へと押し付けてゆく。
 ベンのペニスの根元は痛々しいくらいに腫れ上がり、精瘤は茉莉の拳よりも大きく、野球ボール大にまで膨らんでいる。これが茉莉の胎内に押し込まれた時、本当の射精が始まるのだ。
 おなかの奥がきゅんと疼く。
 茉莉の『お客さん』はつい最近やってきたばかりだ。それはつまり、茉莉の身体が一番、渋滞に適している時期であることを示していた。
 正確なところまで全てを茉莉が理解している訳ではないが、少女の本能もまた、ちょうど茹で上がった頭と汗ばんだ身体が、もっともっと深くでの交わりを欲している。
 ベンが体勢を変えた。ペニスの根元にある瘤をぐりぐりと、茉莉の入り口に押し付けてくる。
「っっ……」
 身体を深く貫くペニスに加え、その根元の精瘤が同時に入り口を刺激する。人間の男性との交わりでは決して味わうことのできない快感が、少女を追いつめ、残りわずかな理性すらも蕩かしてゆく。
 とてもではないが挿入るはずのない、巨大な肉の塊が茉莉の秘裂を圧迫した。その無骨な感触に敏感な突起を擦りあげられ、茉莉は身体をのけぞらせた。
 ぎしぃ、と一際大きく椅子がきしむ。
 ベンは本当の射精を前に、茉莉の身体をがっちりと『合体』させようとしていた。
(あ、あっあ、ベンの、全部、入っちゃう……おちんちん、全部入れられちゃう……っ)
 無理とわかっていても、被虐の、征服の悦びに、少女の秘裂はじゅんと潤み、少しずつほぐれて広がってゆく。野太いペニスに延々かき回された柔襞が、両手で握ってなお余るほどのベンのペニスを、全て受け入れようとする。
(本当に、ホントに、ベンの赤ちゃん……妊娠、しちゃう、よぉ……っ)
 一突きごとに飛び出しそうになる叫びを堪えようと、茉莉は掴んだシャツの裾に噛みついて懸命に声を上げるのを押さえ込む。
 ベンは膨らませた肉竿を前後させる。本来の犬の交尾であれば、このあと後背位を取って射精を始めるのが常であるが、ベンはこうして、仰向けになった茉莉に覆いかぶさった姿勢でいることを好んだ。茉莉がそれでいっそう感じてしまうのを知っているのだ。
 それが人間の交尾の方法である事も。そうして優しく執拗に抽層を繰り返していればいるほど、茉莉の身体が悦びに震え、妊娠の確率が増えていくことを、ベンは知っているのだ。
「ッッ…………!!」
 声をこらえたまま、茉莉はもう5度目になる絶頂へと押し上げられる。
 絶頂を繰り返す少女の生殖器は、卵胞から成熟した卵子を絞り出し、注ぎ込まれる遺伝子を受け止める準備を始める。
 柔襞は深く貫かれた肉竿を締め付け、子宮の口はくぱりと開いて、腰骨は前後左右に甘く、まるで石臼のように揺すられる。
 身体に芽生えた本能のまま、茉莉はベンの赤ちゃんをねだっていた。
 茉莉は息を殺しながら、緊張に強張りそうになる足の付け根の力を抜いて、ベンを受け入れようとする。
 その時。
 突然のノックの音に、茉莉は飛び上がりそうになった。
『……ねえ、茉莉?』
 背筋が縮みあがり、首筋に汗が浮かぶ。
 階段を上ってくる足音を、すっかり聞き逃していた。ドア一枚の向こうから聞こえてくる母親の声に、茉莉は思わず身体を硬直させてしまう。
『茉莉、お部屋にいるの?』
「な、なに!?」
 返事の声はどうしようもないくらい裏返っていた。身体の中に篭っていた熱が一気に冷め、嫌な汗が背中を溢れ落ちる。
(だ……だめ、いま、開けられたらっ……!!)
 いつもは、両親が留守の時を見計らってしていたのだが――今日は思いのほか早く、母親が帰ってきてしまったのだ。
 しかも、ドアに鍵は掛かっていない。予想外の事態に、茉莉の鼓動は先程までとは別の理由に跳ね上がる。
 しかし、部屋の壁に椅子ごと追い詰められ、ベンの大きな身体に圧し掛かられた状態でドアまで行くことは不可能だった。なにしろこうしている間にも、赤黒いペニスはてらてらと光ったまま、マキのあそこにじゅぶじゅぶと押し込まれている。
「しゅ、宿題、んっ……し、してる、っ、だけ、だよ……? じ、自由、研究…の、実験……っ」
『なあに? まだ宿題残ってたの? ……駄目よ、あんなに早く終わらせなさいって言ったじゃないの』
「う、……うんっ……ッ……!!」
 どうにか答えた瞬間、ベンの剛直がずるりと引き抜かれ、尖った生殖器の先が茉莉のおヘソの裏側をごりっと擦り上げた。
 がつん、と腹奥を叩かれる衝撃に視界が白く染まる。何度も小突かれた赤ちゃんのゆりかごが収縮し、熱く火照った子宮口が、濃い蜜液をへばりつかせた粘膜を震わせる。
「ッ……ふ……ぅ、ふーゥっ……ッ!!」
 迸りそうになった嬌声を、涎と一緒に飲み込んで、茉莉はシャツの袖を噛んで荒い息を繰り返した。
『……茉莉?』
「…………ッ、ぁ……ッッ」
 ベンが深く腰をねじり付けてくる。茉莉はさらにシャツを噛んだ口を両手で塞ぎ、こぼれる喘ぎ声を押さえこんだ。
『ねえ、茉莉? どうしたの?』
「っ、い、いま、大事な、とこ、だからっ……あ、開け、ちゃ、駄目なのっ……!!」
 訝るような母の声音に、茉莉はベンの肩を押さえ、声を絞り出す。
 お腹の奥に突き上げられる、猛烈な衝動を必死に噛み殺して、茉莉は答える。少しでも母親に不審がられたら、そこで全てがおしまいだった。
「じ、実験、して、る、から…ッ、あけ、ちゃ、ダメ……っ!!」
 そう。
 人間の女の子は、犬の赤ちゃんを産むことができるのか。それが茉莉の今年の夏休みの自由研究課題だった。
 ――まさに身をもって、茉莉はその実験のまっ最中なのである。
『はいはい。分かったわよ。……あとでご飯できたら呼ぶから、ちゃんと降りてきなさいね』
「…………ッ」
『茉莉?』
「う、うんっ……、うんっ、わ、かって、るゥっ……」
 半分呆れたような声で、母が念を押すのに、なんとか答えて。
 茉莉はびくびくと胎内奥深くで脈打つベンの迸りを受け入れてゆく。
 ドア1枚隔てた場所で、母親が小さく溜息をついたのが分かった。
『ああ――そうそう。茉莉、ベンがどこに居るのか知らない?』
「し、知らない、よぉ?」
 今にも吠え出しそうなベンの口をぎゅっと押さえて、茉莉はとぼけた。
 が、いきなり顔を押さえ込まれ、苦しくなって暴れるベンは、いっそう腰の動きを強くさせる。半ばほどまでねじ込まれたペニス根元の精瘤が、茉莉の秘所を強引に埋め込まれ、きゅうっと締め付けが強くなり、とがったペニスの先端が敏感な場所を突き上げる。
「っっ………ぁ、っ……!!」
(だ、だめ、ベン、やめてっ……そ、そんなに、いっぱいされたら、わたし、が、ガマン、できなくなっちゃうっ……!!)
 どぷっどぷっと、まるで脈打つポンプのように、茉莉の胎内へと白濁液が注ぎ込まれる。熱く滾る雄の遺伝子に子宮を思い切り叩かれて、茉莉はぞくぞくと背中を震わせた。
 子宮の中に流れ込んだベンの遺伝子が、茉莉の卵子に群がって、我先にとその頭を突き刺してゆく。雄と雌が重なって、ほとばしる受精の瞬間を、茉莉はしっかりと感じ取ってしまう。
(ぁ、、あっあッ、あ、あっ、あぁあぁあッッ!!)
 頭の奥を白くさせるほどの快感の中、茉莉はそれでもなお左右の手でベンの口と、自分の口を塞ぎ、懸命に息を殺す。
(あ、あっ、あ、来た、来ちゃった……っ、来てる、いま、来てるの、わかるっ…!! べ、ベンの、赤ちゃんっ、わたしと、ベンの赤ちゃん、できてるっ、……いま、ジュセイ、して、るぅうっ……!!)
 延々と犯しぬかれ、限界まで感度の鋭敏になった茉莉の身体でしか立証しえない、犬と人間の受精の瞬間。種族の壁を超えて交わるおしべとめしべの重なりを、茉莉は途方もない悦びと共に迎え入れていた。
(できちゃった……!! ホントに、ベンの赤ちゃん、産んじゃう……わたし、ベンのおよめさんに……っ、イヌの赤ちゃんの、ママになっちゃう……っ!!)
 それは欲望の悦楽か、命を紡ぐ歓びか。
 衝撃のままに弛緩し、椅子の上、支えるもののなくなった少女の身体は、ベンの巨体にまるで擦り潰されるように蹂躙される。
『そう……お庭にいないのよね。お兄ちゃんが散歩、連れて行ってくれたのかしら?』
 当のベンはいままさに、ドア一枚の奥で茉莉との、子作りの真っ最中だ。
 ベンが強く脚を踏み鳴らし、びゅるびゅると音をたてんばかりに注ぎ込まれる赤ちゃんミルクが、茉莉のおなかの中にたっぷりと吹きあげてゆく。
 出口を塞がれた茉莉のおなかは、大量に注ぎ込まれるベンの射精でぷっくりと膨らみ始めていた。まるで既に、二人の子供がそこに根付いたかのごとく。
『あんまりうるさくしたらダメよ。ご近所の迷惑になるからね』
 そう言って、母はそのまま階段を下りてゆく。
 遠ざかってゆく足音に返事すらできないまま、茉莉は深く深く穿たれる愛犬の肉竿に一番弱いところを擦りあげれ、声を詰まらせていた。
 なおも激しく脈打つベンの肉竿からは、いまだ無垢な少女の身体を孕ませようと暴れる数億もの遺伝子が注ぎ込まれてくる。
「んぅ。あ……っ」
 うつろな意識の中、そっと、膨らんだおなかを撫でながら。
 茉莉は、ぼんやりとした思考の中で、どうやってこの自由研究の成果を発表しようかと、とりとめもない想像を巡らせる。
 ―――よく考えてみれば、いまからじゃ夏休みが終わるまでに赤ちゃんが産まれるのが間に合わないということに茉莉が気付くのは、もう少し後になってからだった。


 (了)

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