シロフミ 2020/08/06 22:44

茉莉の自由研究

 ノクターンノベルズ掲載分より。


 レースカーテンの隙間からは、住宅街の窓ガラスを反射して輝く夏の陽射し。
 もうすぐ8月も終わろうというのに、いまだ35度を超える外気温に対抗して、冷房は省エネ設定などどこ吹く風とフル稼働を続けている。冷風を吹き散らすエアコンの下で、なお茉莉の身体は汗だくだった。
「はー、ッ、はーっ、はーッ」
 学習机の脇、壁に押し付けられた椅子が力強く揺さぶられる。
 それに合わせ、響くのは荒い、唸り声のような吐息。
 少女の下半身は素裸で、上半身も汗を吸ったTシャツが大きく首までまくり上げられ、慎ましやかな胸の膨らみと、硬く尖って色づいた先端までもが惜しげもなくあらわにされている。
 大胆に広げられた少女の脚の付け根、乙女の秘所は泡立つ蜜を溢れさせ、赤黒く血管を浮かせた野太い肉竿を根元まで飲み込んでいた。
 硬く反り返った生殖器が狭く細い柔孔、無垢な桃色粘膜の隙間にねじこまれるたび、重なり合った柔襞はぷじゅっと粘つく蜜を溢れさせ、きゅうきゅうと肉竿を締め上げる。
「ぁ、あッ、あんっ、……っは、はぁ、はぁーっ、はーッ」
 汗だくの身体をしなやかに揺らし、幼い容貌に似合わない巧みさで腰をくねらせ、ぬぷぬぷと交合部分を押しこねて。
「んぁ…ぅっ……ひゅぁ……っ♪」
 甘く跳ねさせた声を上げながら、茉莉は蕩けた笑顔をほころばせ、深く覆いかぶさってくる愛しい相手の背中に手を回す。
 小柄な少女の身体に圧し掛かり、一心不乱に腰を振るのは、体高80センチを超えるグレートデンだった。少女の倍ほどの体重をもつ巨体は、夏毛の下に蒸気を噴き出さんばかりの熱を滾らせ、大きな口を開け、舌を垂らして吠えながら、少女の下半身に力強く滾る雄の象徴をねじ込んでゆく。
 逞しい大型犬の、体重を掛けた容赦のない腰使いに、壁に押し付けられた椅子がぎしぎしと悲鳴を上げ、床を擦る。
「んく、ぅ、っ……ぁ、あっあ、あっ……んぁぁあっ…♪」
 成人男性のサイズに勝るとも劣らない、滾る野生に深く胎内を貫かれながら、茉莉は唇に涎すら滲ませてそれをしっかりと受け止める。子宮の口を突き上げられる衝撃すら、少女の快楽となるに十分なものだった。
 抽挿に合わせて息を吸い、止め、吐いて、吐いて。柔襞を緩め絡めて、根元からぐいぐいと締め上げる。まだ色も薄い、ほころびたばかりと思える桜色の秘所は、いまやすっかりと愛犬との交合の術を知ってるようだった。
「っ………ぁ、あっ、あ……っっ、は、はぁ、はぁッ、はーッ」
 椅子の上、ぬぽぉぬぽぉと深く抜き差しされる硬い肉の竿が、おヘソの裏側の敏感な所を巧みに探り当てて擦りつけてゆく。
 反り返った肉竿の背中が膣奥を擦るたび、茉莉は大きく目を見開いて熱い息を繰り返した。
 ずっしりと巨体の体重を掛け、逞しい腰を押し付けるように繰り返させる執拗な抽挿に、茉莉の頭はすっかり蕩け、ぐつぐつと沸騰しているかのよう。
「っはッ、は、はっ、ふーっ、ふぅうーっ……」
 茉莉の胎奥を執拗に突き上げる感覚に、ちりちりと首の後ろが電流を迸らせる。
 どくり、とおなかの奥に白く熱く、煮え滾った感覚が打ち込まれるのを、茉莉はしっかりと感じていた。
「んっ……ぅ、ぁ。あ、あ……っ!!」
 びゅるるっ、と激しく噴き上がる射精の迸りがすっかり充血した子宮口に浴びせかけられ、茉莉は必死になって悲鳴を押し殺す。ぴんと伸びた爪先が、椅子の上で暴れ、床を軽く引っかいた。
 わずかに身じろぎすることも許さず、深く深く『おんなのこ』の中心部を穿たれ、身体じゅうがベンに支配されてゆく。
(おなか、あったかい……ベン、ちゃんと、わたしのナカで、しゃせー、してる…ッ)
 愛犬のその行為が、ただ快楽を求めるためのものではなく、より本能に即した――繁殖のための行為である事を、茉莉はしっかりと感じとっていた。
 まだ芽生え始めたばかりの茉莉の『おんなのこ』としての感覚は、しかし初めての交わりであるにも関わらす、パートナーとなるグレートデンの意図をくみ取るように、幼い秘所をせいいっぱい広げ、野太い剛直を根元からきつく締めつける。
「っあ、は……ふぅ……ぁっ」
 深く腰を落とし、たくましい後ろ脚をフローリングの上に踏みしめて、ベンは茉莉の胎内を遠慮なく犯し貫いてゆく。
 経験の浅い少女を思いやることもなく、大型犬の赤黒い生殖器は茉莉の脚の付け根を穿ち、その奥にある赤ちゃんの揺り籠に狙いを定めて、白くどろどろと濁った特濃赤ちゃんミルクを、茉莉の胎内に注ぎ込んでゆく。
(ぅあ……や、でてる、っ、ベン、いっぱい、しゃせーしてるの、わかる、よぉ…っ)
 大きく膨らませた精嚢からまるでポンプのように吹きあげる熱い迸りが、茉莉の未成熟な子宮を直撃する。
 逃げ場所を失くし、胎内をぷくりと膨らませる白濁粘液を感じながら、茉莉はこのまま、ベンが最後まで自分を独り占めするつもりであることを悟っていた。
「っ…………」
(ベン、わたしに、赤ちゃん、産ませるつもりなんだ……っ)
 そう思うだけで、胸の奥が激しく高鳴り、身体の芯がかあっと熱くなる。
 抵抗も許されないほど大きな獣に組み敷かれ、両手で握ってもあまりあるほどに太く長い肉竿に乱暴に貫かれながらも、茉莉は拒絶の気配を見せなかった。
 むしろ、それを望むかのようにベンの律動に合わせて腰を引き、押し付け、下半身をぴったりと愛犬の腰へと押し付けてゆく。
 ベンのペニスの根元は痛々しいくらいに腫れ上がり、精瘤は茉莉の拳よりも大きく、野球ボール大にまで膨らんでいる。これが茉莉の胎内に押し込まれた時、本当の射精が始まるのだ。
 おなかの奥がきゅんと疼く。
 茉莉の『お客さん』はつい最近やってきたばかりだ。それはつまり、茉莉の身体が一番、渋滞に適している時期であることを示していた。
 正確なところまで全てを茉莉が理解している訳ではないが、少女の本能もまた、ちょうど茹で上がった頭と汗ばんだ身体が、もっともっと深くでの交わりを欲している。
 ベンが体勢を変えた。ペニスの根元にある瘤をぐりぐりと、茉莉の入り口に押し付けてくる。
「っっ……」
 身体を深く貫くペニスに加え、その根元の精瘤が同時に入り口を刺激する。人間の男性との交わりでは決して味わうことのできない快感が、少女を追いつめ、残りわずかな理性すらも蕩かしてゆく。
 とてもではないが挿入るはずのない、巨大な肉の塊が茉莉の秘裂を圧迫した。その無骨な感触に敏感な突起を擦りあげられ、茉莉は身体をのけぞらせた。
 ぎしぃ、と一際大きく椅子がきしむ。
 ベンは本当の射精を前に、茉莉の身体をがっちりと『合体』させようとしていた。
(あ、あっあ、ベンの、全部、入っちゃう……おちんちん、全部入れられちゃう……っ)
 無理とわかっていても、被虐の、征服の悦びに、少女の秘裂はじゅんと潤み、少しずつほぐれて広がってゆく。野太いペニスに延々かき回された柔襞が、両手で握ってなお余るほどのベンのペニスを、全て受け入れようとする。
(本当に、ホントに、ベンの赤ちゃん……妊娠、しちゃう、よぉ……っ)
 一突きごとに飛び出しそうになる叫びを堪えようと、茉莉は掴んだシャツの裾に噛みついて懸命に声を上げるのを押さえ込む。
 ベンは膨らませた肉竿を前後させる。本来の犬の交尾であれば、このあと後背位を取って射精を始めるのが常であるが、ベンはこうして、仰向けになった茉莉に覆いかぶさった姿勢でいることを好んだ。茉莉がそれでいっそう感じてしまうのを知っているのだ。
 それが人間の交尾の方法である事も。そうして優しく執拗に抽層を繰り返していればいるほど、茉莉の身体が悦びに震え、妊娠の確率が増えていくことを、ベンは知っているのだ。
「ッッ…………!!」
 声をこらえたまま、茉莉はもう5度目になる絶頂へと押し上げられる。
 絶頂を繰り返す少女の生殖器は、卵胞から成熟した卵子を絞り出し、注ぎ込まれる遺伝子を受け止める準備を始める。
 柔襞は深く貫かれた肉竿を締め付け、子宮の口はくぱりと開いて、腰骨は前後左右に甘く、まるで石臼のように揺すられる。
 身体に芽生えた本能のまま、茉莉はベンの赤ちゃんをねだっていた。
 茉莉は息を殺しながら、緊張に強張りそうになる足の付け根の力を抜いて、ベンを受け入れようとする。
 その時。
 突然のノックの音に、茉莉は飛び上がりそうになった。
『……ねえ、茉莉?』
 背筋が縮みあがり、首筋に汗が浮かぶ。
 階段を上ってくる足音を、すっかり聞き逃していた。ドア一枚の向こうから聞こえてくる母親の声に、茉莉は思わず身体を硬直させてしまう。
『茉莉、お部屋にいるの?』
「な、なに!?」
 返事の声はどうしようもないくらい裏返っていた。身体の中に篭っていた熱が一気に冷め、嫌な汗が背中を溢れ落ちる。
(だ……だめ、いま、開けられたらっ……!!)
 いつもは、両親が留守の時を見計らってしていたのだが――今日は思いのほか早く、母親が帰ってきてしまったのだ。
 しかも、ドアに鍵は掛かっていない。予想外の事態に、茉莉の鼓動は先程までとは別の理由に跳ね上がる。
 しかし、部屋の壁に椅子ごと追い詰められ、ベンの大きな身体に圧し掛かられた状態でドアまで行くことは不可能だった。なにしろこうしている間にも、赤黒いペニスはてらてらと光ったまま、マキのあそこにじゅぶじゅぶと押し込まれている。
「しゅ、宿題、んっ……し、してる、っ、だけ、だよ……? じ、自由、研究…の、実験……っ」
『なあに? まだ宿題残ってたの? ……駄目よ、あんなに早く終わらせなさいって言ったじゃないの』
「う、……うんっ……ッ……!!」
 どうにか答えた瞬間、ベンの剛直がずるりと引き抜かれ、尖った生殖器の先が茉莉のおヘソの裏側をごりっと擦り上げた。
 がつん、と腹奥を叩かれる衝撃に視界が白く染まる。何度も小突かれた赤ちゃんのゆりかごが収縮し、熱く火照った子宮口が、濃い蜜液をへばりつかせた粘膜を震わせる。
「ッ……ふ……ぅ、ふーゥっ……ッ!!」
 迸りそうになった嬌声を、涎と一緒に飲み込んで、茉莉はシャツの袖を噛んで荒い息を繰り返した。
『……茉莉?』
「…………ッ、ぁ……ッッ」
 ベンが深く腰をねじり付けてくる。茉莉はさらにシャツを噛んだ口を両手で塞ぎ、こぼれる喘ぎ声を押さえこんだ。
『ねえ、茉莉? どうしたの?』
「っ、い、いま、大事な、とこ、だからっ……あ、開け、ちゃ、駄目なのっ……!!」
 訝るような母の声音に、茉莉はベンの肩を押さえ、声を絞り出す。
 お腹の奥に突き上げられる、猛烈な衝動を必死に噛み殺して、茉莉は答える。少しでも母親に不審がられたら、そこで全てがおしまいだった。
「じ、実験、して、る、から…ッ、あけ、ちゃ、ダメ……っ!!」
 そう。
 人間の女の子は、犬の赤ちゃんを産むことができるのか。それが茉莉の今年の夏休みの自由研究課題だった。
 ――まさに身をもって、茉莉はその実験のまっ最中なのである。
『はいはい。分かったわよ。……あとでご飯できたら呼ぶから、ちゃんと降りてきなさいね』
「…………ッ」
『茉莉?』
「う、うんっ……、うんっ、わ、かって、るゥっ……」
 半分呆れたような声で、母が念を押すのに、なんとか答えて。
 茉莉はびくびくと胎内奥深くで脈打つベンの迸りを受け入れてゆく。
 ドア1枚隔てた場所で、母親が小さく溜息をついたのが分かった。
『ああ――そうそう。茉莉、ベンがどこに居るのか知らない?』
「し、知らない、よぉ?」
 今にも吠え出しそうなベンの口をぎゅっと押さえて、茉莉はとぼけた。
 が、いきなり顔を押さえ込まれ、苦しくなって暴れるベンは、いっそう腰の動きを強くさせる。半ばほどまでねじ込まれたペニス根元の精瘤が、茉莉の秘所を強引に埋め込まれ、きゅうっと締め付けが強くなり、とがったペニスの先端が敏感な場所を突き上げる。
「っっ………ぁ、っ……!!」
(だ、だめ、ベン、やめてっ……そ、そんなに、いっぱいされたら、わたし、が、ガマン、できなくなっちゃうっ……!!)
 どぷっどぷっと、まるで脈打つポンプのように、茉莉の胎内へと白濁液が注ぎ込まれる。熱く滾る雄の遺伝子に子宮を思い切り叩かれて、茉莉はぞくぞくと背中を震わせた。
 子宮の中に流れ込んだベンの遺伝子が、茉莉の卵子に群がって、我先にとその頭を突き刺してゆく。雄と雌が重なって、ほとばしる受精の瞬間を、茉莉はしっかりと感じ取ってしまう。
(ぁ、、あっあッ、あ、あっ、あぁあぁあッッ!!)
 頭の奥を白くさせるほどの快感の中、茉莉はそれでもなお左右の手でベンの口と、自分の口を塞ぎ、懸命に息を殺す。
(あ、あっ、あ、来た、来ちゃった……っ、来てる、いま、来てるの、わかるっ…!! べ、ベンの、赤ちゃんっ、わたしと、ベンの赤ちゃん、できてるっ、……いま、ジュセイ、して、るぅうっ……!!)
 延々と犯しぬかれ、限界まで感度の鋭敏になった茉莉の身体でしか立証しえない、犬と人間の受精の瞬間。種族の壁を超えて交わるおしべとめしべの重なりを、茉莉は途方もない悦びと共に迎え入れていた。
(できちゃった……!! ホントに、ベンの赤ちゃん、産んじゃう……わたし、ベンのおよめさんに……っ、イヌの赤ちゃんの、ママになっちゃう……っ!!)
 それは欲望の悦楽か、命を紡ぐ歓びか。
 衝撃のままに弛緩し、椅子の上、支えるもののなくなった少女の身体は、ベンの巨体にまるで擦り潰されるように蹂躙される。
『そう……お庭にいないのよね。お兄ちゃんが散歩、連れて行ってくれたのかしら?』
 当のベンはいままさに、ドア一枚の奥で茉莉との、子作りの真っ最中だ。
 ベンが強く脚を踏み鳴らし、びゅるびゅると音をたてんばかりに注ぎ込まれる赤ちゃんミルクが、茉莉のおなかの中にたっぷりと吹きあげてゆく。
 出口を塞がれた茉莉のおなかは、大量に注ぎ込まれるベンの射精でぷっくりと膨らみ始めていた。まるで既に、二人の子供がそこに根付いたかのごとく。
『あんまりうるさくしたらダメよ。ご近所の迷惑になるからね』
 そう言って、母はそのまま階段を下りてゆく。
 遠ざかってゆく足音に返事すらできないまま、茉莉は深く深く穿たれる愛犬の肉竿に一番弱いところを擦りあげれ、声を詰まらせていた。
 なおも激しく脈打つベンの肉竿からは、いまだ無垢な少女の身体を孕ませようと暴れる数億もの遺伝子が注ぎ込まれてくる。
「んぅ。あ……っ」
 うつろな意識の中、そっと、膨らんだおなかを撫でながら。
 茉莉は、ぼんやりとした思考の中で、どうやってこの自由研究の成果を発表しようかと、とりとめもない想像を巡らせる。
 ―――よく考えてみれば、いまからじゃ夏休みが終わるまでに赤ちゃんが産まれるのが間に合わないということに茉莉が気付くのは、もう少し後になってからだった。


 (了)

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

最新の記事

記事のタグから探す

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索