ペンタスラスト 2022/10/18 18:41

『スピンドル』開発こそこそ裏話~プロット編~

みなさま、ごきげんよう。
みかん三十郎でございます。

前回の裏話ではサークルの事情的な話をしましたが、今回は『スピンドル』のプロット作り、初期版の試行錯誤といったお話です。
ゲーム作りの工程とかに興味ある人向けです。例によって少し長いです。

スライムクエスト

前作のゲーム『インピュアドリーム』を作りながら、次回作のプロットを練っていたのですが、そのうちのひとつが「女の子の姿をコピーできるスライム少女を拾った男の話」でした。ここでは仮に『スライムクエスト』と呼びます。

主人公はカエル頭の傭兵で、帝国に支配された街で働いているなど、基本的な要素は『スピンドル』と同じです。
主人公が拾ったスライムは、特定の女子の姿のみコピーできます。
戦闘能力はそのまま写せるのですが、スライムは知性は低くうまく喋れませんので、本人と入れ替わるようなことは出来ない感じです。
朝、スライムの姿を指定して、その日の探索や任務に出かけます。
帝国軍の女騎士をコピーすれば顔パスで基地に入れたり、セクシーな女性をコピーすれば色仕掛けが成功したり、誰をコピーするかで攻略の幅がでます。(この時点ではツクールのデフォルト戦闘を利用するつもりでした)
そして宿屋に戻ればスライムといちゃいちゃ──

面白そうに思えます。しかし問題がありました。
これだとコピー元の女性と仲良くなる機会が乏しい…!
「スライムとさんざんHしたあとに本人とHはご褒美に成りうるのか…?」
「そもそも本人とHはいらないのか…?」
「スライムとエッチした経験が本人にもフィードバックされることで好感度があがる…?」
など色々考えましたが、そもそも「それなら本人に催○かけるでいいのでは…?」となり──

(ちなみに、スピンドルでスライムのアイテムが登場するのは、このときの名残です)

正気ではないヒロイン数

当時はまだ流行り始めだった「NPC姦」の要素を取り入れつつ、マップ探索型催○ADVゲームとして企画をスタートさせました。(まだバトルを入れるかどうかは決めていませんでした)
この時点で漠然と「運命の女神の糸」と「スピンドル(紡ぎ棒)」というキーワードは頭にありましたが、ストーリーはほとんど出来ていませんでした。
そしてヒロインの案を出しまくった結果、最初期では30人前後にまで膨らんでしまいます…。明らかに正気ではありません。
なぜそんなことが可能だと、当時考えていたかというと、特殊なイベントスチル以外の通常干渉シーンはグラフィックを使いまわそうと考えていたのです。

【ゲーム制作】グラフィックの方向性
当時のこちらの記事に具体的なグラフィック例があり、ここでは立ち絵のままパコパコしているアニメのラフが見れます。
この時は、体位などは種族ごとに固定で、髪や目だけを差し替えて省力化しようと思っていました。テキストも短めでさくっと終わるものです。『インピュアドリーム』をやった方ならば「ランダム睡眠○システムを応用したもの」を想像すると分かりやすいかもしれません。
(ちなみにドットHアニメも案としてはありましたが、制作経験の乏しさやバリエーションの確保に不安があったのでボツになりました)

その後、さすがにヒロイン数は絞りましたが、上記の【モブヒロインの汎用Hシーン+数名の固有ヒロインの特殊イベントスチル】というのが、この頃考えていたHシーンの構成でした。

つまり、この時点でのゲーム企画は──
・ストーリーはあってないようなもの・
・さくさく催○かけてお手軽にHシーンを見る。
・プレイ時間2~3時間くらい。
・制作期間は1年以内。値段も安め。

といった感じだったのです。思えば『インピュア~』の初期プロットもそんな感じでした。しかし、私が作るゲームがそんなコンパクトに納まるわけもなく──

やっぱり普通のエロRPGに

結局のところ、普通に全キャラにスチルを用意する方針にしました。
それはやはり「モブの汎用Hシーンは使いまわし感が凄い」と私が感じたからです。
『インピュア~』の睡眠○は、名無しのモブかつ制服の女子生徒だからこそ、見た目が似ていても成立していました。
しかし、個性あふれるファンタジー世界の住人で固有のHシーンを表現したいと思った私は、オーソドックスに1キャラごとにスチルがあるスタイルに方針転換したのでした。
そして、この時ヒロイン数をもっともっと削減すべきだったと、後に大いに後悔することになります…。

(実は、大量にスチルを用意することが分かっていたため、1枚あたりのサイズが小さいという、意味があるのか分からない対策をとっています。断面図とテキストエリアの部分は描かないというコストカットですね。その分「みんなが見たい部分をしっかり描く」というレイアウトに気を遣っています。もっと「スチルが小さい」という感想が出るかと思っていましたが、思ったより気になっていないようで良かったです)

ゲームシステムを決める

グラフィック以外のゲームシステムは、初期案からさほど変わっていません。

スピンドル(仮)プロット紹介!
この当時の記事が詳しいです。

大きく違うのは「お金がリセットされる」というところでしょうか。
ループする1日が実は給料日で、毎朝お金がもらえます。しかし、お金は翌日に持ち越せません。名声があがるとお給料が増えるので、買える物や賄賂で行ける場所が増える、つまりお金をもうひとつのMPのような扱いにし、コストコントロールをしてもらおう、というコンセプトでした。
しかし、ボツになりました。
お金が消えるならその日のうちに使い切った方が得です。となると、薬を買うなりして消費する行動が毎日発生します。お得なはずがだんだん面倒になってきます。
結局、普通にお金を貯めるRPGにしました。

このお金のシステムを変更した時点で、1日がループしない案も考えました。
しかし、普通に日数が経過するということは当然、みなさん妊娠経過も進むことを期待されますよね…? 受精演出があるゲームなんですから…。
しかし、それをやってしまっては、さすがに作業量が莫大に増える、というか別ゲーになってしまう…! ということでやはりループ物に落ち着きました。まぁ、ループ物は、それはそれで作業量が大変だったのですが…。
(ヒロインが数人なら妊娠するゲームもやってみたいんですが…)

バトルシステムを決めた

バトルは、ツクールデフォルトのエンカウントバトルは使わないことは最初から決めていました。
マップ上で簡単に終わるものがいい。しかし、RPGツクールのシステムでアクションRPGは…、出来なくはないのですが、当たり判定などがしっくりきません。かといってアクションゲームツクールでは複雑なRPG部分が作れません。
どうしたもんかと考えていたところ、ふと懐かしのレトロゲー『カエルの■に鐘は鳴る』のプレイ動画をたまたま見たのです。このゲームは大昔にゲームボーイの実機でプレイしたことがありました。「主人公もカエルだし、これだ!」となり、バトルの仕組みやUIなどもすぐに決まりました。実際に動かすところに行くまでも、それほど苦労はしませんでした。

ただ、このシステムは本当に簡易的なバトルしか出来ず、左手装備といった味付けはあるものの、バトル中にプレイヤーが介入して出来ることはありません。
「戦闘中にタイミングよくボタンを押す」などの要素も考えたのですが、マウス操作との両立が難しいこと、そもそもザコの戦闘時間が短すぎてアクション要素が生かせない、などの理由で見送りました。
今後、似たようなゲームを作るときは、もう少し洗練させたものにしたいなと思っています。


と言った感じで、今回はここまで。
次回はストーリーとキャラの裏話をしようと思います。

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