フリーセンテンス 2024/05/13 16:30

巴さまが酷い目に遭う その1

こんにちは、フリーセンテンスです。

とりあえず、今日の更新では、タイトルらしきモノをつけてみました。
正式なタイトルではありませんが、まぁ、記事の内容が伝われば、と思いまして、つけた次第でございます(*´ω`)

今日も今日とて短い内容ですが、明日も頑張って更新しますので、読んでいただけますと嬉しいです。
それでは、どうぞ。


 ・・・・・・私どもは「いいもの」を見せてもらうため、そのままお城の地下に案内されました。
 お城の地下という場所は、初めて訪れる場所ということもあって、好奇心から、最初は少しワクワクしていたんですが、その気持ちも、城内を一歩進むごとに少しづつ萎んでいきましてね、地下に辿りつく頃には、もうすっかり凍りついておりましたよ。
 というのも、領主さまのお城は陰鬱そのもので、空気は冷たく、地獄の瘴気のようなモノが漂っておりまして、その中に、錆びた鉄の臭いとか、腐った生モノの臭いとか、あと、血の臭いとか、とにかく、いろいろな気持ち悪くて不快な臭いが満ちみちておりましてね、それはもう、吐き気を堪えるのに精いっぱいでしたよ。もし、万が一にでも吐いたらどんな目に遭うか、それはもう、恐ろしくて恐ろしくてたまりませんでしたからね、とにかく必死になって耐えましたよ。ですが、そんな努力も虚しく、地下について早々、私どもは全員、吐いてしまったんですよ。
 いやぁ、それはもう、吐きましたよ。たらふく吐きました。胃の中身が空っぽになるまで、ゲェゲェとね。でも、幸いなことに、私どもが吐いても、領主さまたちはお怒りにもならず、またお咎めも受けませんでした。ただ、嘔吐する私どもを見て、領主さまたちは人外めいた笑みを浮かべてニタニタと笑っておられましたがね。
 え、地下でなにを見たのか、ですって?
 それはもう、骸ですよ、骸。
 そう、そうです、人間の死骸ですよ。
 私どもが案内されたお城の地下は、牢を兼ねた○問部屋が幾つも連なっておりましてね、その部屋の中に、腐って、溶けて、蛆が湧いて、半ば白骨化した人間の死骸が幾つもあったんですよ。鎖や枷が近くに落ちていたいましたから、たぶん、その仏さんたちは、身動きが取れないまま、きっと言葉にはできないほど「恐ろしい目」に遭ったんでしょう。
 え、なんでそんなことが言えるのか、ですって?
 それはね、旅人さん、私どもが「見て」しまったからですよ。
 いえ、正確に言えば、「見せられた」、というべきでしょうか。
 ええ、ええそうです、私どもは「見て」しまったんですよ。領主さまに逆らい、この地下に連れて来られた者が辿る末路というモノを。
 酷いことをされる巴さまを、私どもは「見て」しまったんですよ、はい。


当サークルの他の作品も、どうぞよろしくお願いいたします(*´ω`)

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