吸血鬼すぐ死ぬ 9話の感想

吸血鬼すぐ死ぬ 9話
「市民野球ケーン」「鉄の左手イマイチ地味で」「渚の帝王様」3本 の感想です。

吸血鬼すぐ死ぬ

濃厚！ハイスピード変態吸血鬼ドタバタ喜劇！
いや〜、ずっと笑かしてくれる、最高の時間でした。
ヒドい状況を眺めてるキャラたちの表情だけでも味わい深い…

市民野球ケーン

　「吸血鬼野球拳大好き！」
千葉繁さんだーーー!!!!
〜拳、百裂拳、三()兄弟あたりから『北斗の拳』起用だったり？
いつも通り展開も絵面も強能力のムダ遣いも最高でしたが、千葉繁さんの
「そこのお嬢さーーーーん！」「ボインちゃんだけだーーー!!!!」
が最高でした（笑
曝け出す性癖！　良いですなぁ。

　本当の野球拳を知ってるホームランバッター偉い。
ただ野球のコスプレしてる人じゃなかったんだなって。

鉄の左手イマイチ地味で

　サテツさんホントに押しに弱いな!?
地味な仕事もしっかりやり遂げ、人が良くて優しいサテツさんの魅力いっぱいなお話でした。
ヤンキーさが出ちゃったのも、根本は優しさからなので、言動だけ載せなかったら良い気もしますが、暴力で物事解決すること自体が嫌なのかな。
じゃーハンターに向いてない気がしますし、少なくとも「格好良いハンター」は無理じゃないかな…（笑

　カメ谷くんは血に飢えたマスコミ！
一応一番のお願いは聞いてくれましたが、き本的には迷惑だ（笑
過去話ではロナルドを苦しめようとした半田くんに困らせられたカメ谷くんですが、これ半田くんもカメ谷くんもメチャクチャ周りに迷惑かけまくってるタイプですね。
サテツもですが、ロナルドも人が好いなぁ。
　「あー…名が売れるってこういうことさ」のロナルドの低いテンションと笑顔が優しくて可哀想で（笑

　吸血鬼はキッス！マナー違反！
キッスは出番が短過ぎて、以降も出るキャラに見えませんよ！
　メインのマナー違反はやってることはホント最低なのですが、ウッキウキな美青年なので可愛く見えて困ります。
　中身の斉藤壮馬さんも十分な役者さんなのですが、前後がレベル高過ぎてちょっと霞んじゃいますね（笑

渚の帝王様

　ラストは吸血鬼マイクロビキニ！
安元洋貴さんとまた良い役者良い声だな！

　「マイクロ波は何か違わないか!?」「マイクロビキニに囲まれちまった！」というパワーワード乱舞、
「本当に情けないぞお前ー！」「すぐに助けに来るからな、ジョン！」というナイスリアクション！
ゾンビパニックのヒドい展開に、涙ちょちょぎれました（笑
勝利の鍵は『キルラキル』脱衣！
アホか！いいぞもっとやれ！

　今回は怒涛の変態吸血鬼登場と、ハンターたちと吸血鬼たちの掘り下げが楽しい3本でした。
ゼンラニウムがハンターたちに協力したり、マナー違反がサテツさん慕ってたりと、軽犯罪はすぐ出所出来たり仲良くなったりと優しい世界観が見られるのも良いですね〜。
　あ、あとマリアさん格好良かった！
美しく強く勇気あふれる漢女、好き。
　サテツさんやショットの滲み出る優しさやバカな男子っぽさもいい…。
やっぱりいいキャラが出揃って、再登場してわちゃわちゃするのが一番好きです。
あー、2期3期と続いて欲しいなー！

鬼滅の刃 無限列車編 7話の感想

鬼滅の刃 無限列車編 7話 最終回
『心を燃やせ』の感想ですよー。

鬼滅の刃

　ついに来てしまいました。
煉獄さんの、死。

　死が大き過ぎて、涙を流して非力を嘆く炭治郎も、人の死の意味を知って叱咤する伊之助も、その成長が嬉しく、まだ子供なのに深い傷に、痛ましく感じるのです。

　あのカラスは煉獄さんの担当で、長く苦楽を共にしてきたのだろうなぁ。
柱たちの苦しみ嘆く姿も痛々しくて…。

　何度見ても鮮烈な、美しく苛烈ではかない、炎のような男でした。
柱として、煉獄家の長男として、明確な結果は出せ図。
自信が持てなかった煉獄さんに、勝利を叫ぶ炭治郎の言葉の一つ一つが、どれだけ煉獄さんの救いになったのでしょう。

　「煉獄杏寿郎」という人生を、貫き続けた生き様。
お見事でした。

(以下、ネタバレ注意！)

　煉獄さんには救いとなった炭治郎の言葉。
よくネタになりますが、本当に猗窩座の心を深く傷つける言葉でもありました。
戦えもせず、守れず、皆死なせてしまいましたからね……
　本当に優しい鬼退治で、残酷な物語ですよ。

　映画を再構成した「無限列車編」も終了、
ついに新規アニメ、『遊郭編』開始。
楽しみです。

青天を衝け 37話 の感想

青天を衝け 37話
「栄一、あがく」の感想です。

青天を衝け

　前回から続く、千代を失った重苦しい空虚。
苛烈な時代でもすっと熱く優しく、ちょっと抜けてて笑顔の絶えない栄一の、
自分が正しいと厳しく寛容も余裕も無い戦い、
代わりにと家格と技能で雇うように妻をこしらえて。
見ていてずっと辛かったです。

　闇の中を脇目も振らず好き進む栄一に、
巨大なる敵だと戦った岩崎弥太郎は死に、
一生のライバルと信じた五代友厚は満足そうに消え。
妻に離縁を請われ、やっと。

　自分の無力と愚かさを知り、妻を人とやっと捉えられ、
多くの人に助けらてきたと知る。

　とっ様かっ様一橋家に守られてきたこと、人の縁に救われてきたことに気づいた時は、
「今更かよ！」「そうだよすごい縁だよ！」
と画面前でツッコまずに入られませんでした（笑
　でも今回立ち直れたのも、栄一自身が正しく生きようと貫き、正しく生きてきた結果なのですよね。
五代は何回も諦めず調停に入り、伊藤博文は行き過ぎた正しさを丁寧に諌め。
　そう、すぐ反省できる柔軟さも、栄一が自ら培った魅力ですね。

　顔を上げ、死んでいった仲間、敵となった弥太郎の遺志も受け継ぎ、新しい日本のために。
金融・運輸も国の政治も福祉も、正しく。
　空室に亡き妻の空虚を見るでなく
遺した営みを見る。

　さぁ生きよう、進もう。

　と思ったら嫡男・篤二くんが成長＆グレてる〜!?
…うん、まぁ理由は理解出来る、と言うかグレる理由は今回だけでいくつも出てきたからなー。
生きて老いていくと、喜びも苦しみも絶えないなぁ、辛い。

　今回塞いでいた栄一に代わり、人情深く精力的に動き回る喜作が救いでした。
次回からも、喜作にしごかれ惇忠に鍛えられたら何とかならないかな、救われたら良いな。

　今回心に焼きついたのは、このドラマは本当に…
人の死と残された者を描くドラマ、ですね。
戦った、戦えなかった、生き抜いた、不意に、不慮に、満足して、戦いで、病で、若く、老いて、
人が死ぬ。
残された人は生きる。
寂しさと苦しみと、願いと呪いを背負って、生きる。
　岩崎弥太郎と五代友厚、岩倉具視の生き様死に様は三者三様、心に刻まれました。

　前回栄一の若々しさに不満を述べましたが、今回の栄一に白髪が！
杖をつき、少しづつ老いてきましたね…
　よく見ると、年齢なりの動きの所作に変わってきており、また身分や気品らしい所作も演技されているのに気づいて感心することしきりです。
最後のシーンで左へ消えていく兼子さんは丁寧で美しい所作、くにさんかよしさんさん？は農婦っぽい動きで。
動き一つでも人物を表しているのだなぁ…

鬼滅の刃 無限列車編 6話の感想

鬼滅の刃 無限列車編 6話
『猗窩座』の感想ですよー。

鬼滅の刃

　いや〜　返す返すも
魘夢はイイ悪役だったー！
邪悪で悪趣味、卑怯で残酷、足掻きっぷりやられっぷり、負けた後も各キャラの魅力活躍を余すことなく説明し、無様に消滅。
全く反省することなく切望しながら消えゆく姿は、悲しいけれど満足いく死に様でした。

　「あいつ死んで良いと思う！」
いやダメなんだけど（笑、その気持ちは分かるよ！
炭治郎があまりに正しく優しく、心が強いから。
伊之助がどんどん惹かれ、強く優しく、人として人間として正しくなって行く様が素晴らしい。

　脱線した惨状の中を走り回り、怪我人を助ける伊之助も、禰豆子ちゃんを守るように倒れる善逸も、ホワホワします。

　煉獄さんもあまりに、苛烈なほど正しく優しく、炭治郎の呼吸を導く言い方は厳しかったけど、止血できたときの笑顔が、ドキリとする程明るく輝いて。
　怖いほどの厳しさ正しさどれも嘘じゃないけれど、この人懐っこい笑顔も、本当の煉獄さんなのでしょう。
好い男だ。

　苛烈な戦いを切り抜き、幸せな決着…
を切り落とす墜落音！
猗窩座　登場。
待っていた、けどきて欲しくなかった…

　かまぼこ隊謎はるかに超え、煉獄さんをも超える身体能力も恐ろしいですが、何よりその
再生力。
煉獄さんが何度も攻撃を弾き捌き、手足を切り飛ばし胸を割いても、一瞬で治り。
返って猗窩座は疲れることなく、擦れば肉を裂き拳を当てれば骨を砕き、人間だから当然治る訳もなく。
上弦と柱、鬼と人。
この違いが、隔絶した壁が、ただただ残酷で。

　それでも煉獄さんは、人として生き切るのだろう。
何度誘われようと、鬼になる選択は決してしないのだろう。
本の数話でも理解できてしまうその真っ直ぐな生き方が、強い背中が、見惚れるほどに激しく美しく、痛いほどに悲しくて。

(以下、ネタバレ注意！)

　弱者を憎み殺し、相手の気持ちも無視し喋り、力を誇る。
狛治さんではあり得ない、虚ろで痛ましい、抜け殻。
猗窩座の「生前の残りカス」の痛ましさを見るに、厭夢が鬼になる前も、「やり直したい」「このまま死ぬなんて悪夢だ」と思いながら恨み苦しみ死ぬ寸前だったのではないか。
絶望して幸せな夢を見たかったのは、きっと厭夢だったのだ。
　そんな風に思いました。

　EDの「守りたい」が余りにも…重く辛く。
それでも果たしたのだと思うと、切なくなります。
かまぼこ隊や無限の乗客たちはもちろん、煉獄さんは壊れた家を守り支えつなぎ続け、守り切ったのだなぁ…
　きっと生前の狛治さんなら煉獄さんを尊敬し、仲良くお互いを高め合ったじゃないかな。
きっとそうだった、はず。

　「次回、『心を燃やせ』」
ああ、こんな静かで強い予告も有るのですね。
いつになるか分かりませんが、『役立たずの狛犬』の時も求めるものを見せてくれる、そう思えました。
ありがとう、待ってるよユーフォ！

青天を衝け 36話 の感想

青天を衝け 36話
「栄一と千代」の感想です。

青天を衝け

　岩崎弥太郎との対決。
栄一と弥太郎の経済力・政治力・魅力の戦いでもあるのは事実ですが、それよりも貧しい国が成長しなければいけない時に、多様な意見、多くの立場、様々な苦難があると言うことだったように思えます。
複雑な思想・権力の中、栄一も苦労して、苦労して、先が見えず。
　短時間でまとめた結果、新聞と自由民権派、大隈重信が悪役になっちゃった気がしますが（笑

　政略や税と福祉、疫病と会えない死に別れ、今の私たちと同じ苦しみ。
大きな目で見れば少しづつ進んで居ると信じてはいますが、何とも救われない気持ちです。

　ちょっと文句を。
今までの大河でもメインの女優が終盤で年取っても化粧が若いままで違和感がありましたが、今回は栄一の若々しさが目につきました。
小さかったうたちゃんが成人(当時)し、千代さんの年取った動きの演技が伝わってきた分、
栄一の髪の毛ツヤツヤっぷりと肌ツルツルっぷりは何だ！(笑
「若い奴が羨ましい」がギャグに聞こえたよ！

　さてさて、登場からずっと可愛差で画面を明るくしてくれた、うたちゃん。
ついに結婚かー、勝手に小さい頃から愛でてきた親戚気分だったので、寂しいでなぁ。
　穂積陳重、名族なれど権力から遠い学者、というのが渋沢栄一の政治・権力志向を感じさせます。
うたの話を聞く嬉しそうな表情が、お互いもっと知りたいと輝く笑顔が、2人が幸せになるだろう、そう思わせてくれました。
ええなっ！

　しかし伊達宗城が幕末の雄としてでなく、こんな形で出演するとは（笑
出番が仲人役で終わってるじゃないかーい！

　苦難を共に生き、大事に育てた長女、うたが嫁いで。
生き残り、生き続け、もっと先へ上へずっと進んできて、ふと気づいてしまった栄一。
栄一の良さもダメさも一途も強欲もよ〜く知って、愛し寄り添い支えてきた千代。
時には栄一を叱咤し、栄一より開明・冒険的なのも大好きです。
　誰よりも何よりも愛し信頼し合い、支えあってきた。
栄一と千代、突然の別れ。

　大事なものが、どれだけ愛しても頑張っても手からするりと落ちていく。
どれだけ素晴らしく美しく、愛していると知っているから。
千代さんは最期まで、人を愛し思いやり、栄一を信じ愛し切ったのだなぁ。

　炎がただただ昏く、居なくなった家が、部屋が、沈み空虚で。
ああ、ああ。

　栄一もですが、栄一と千代を競い合った喜作が苦しみを抑え栄一の代わりと対応する様も、最後の弟妹を失った惇忠兄ぃも、辛いよなぁ……