投稿記事

2023年 11月の記事 (12)

ぶるがり屋 2023/11/28 22:46

どうする家康 40話 の感想

どうする家康 40話
「ああああ」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHKプラス

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 秀吉の後の世
一代で築いた豊臣の世。
その秀吉がくたばった後は……

五大老・五奉行登場!

 今回の話の主役ですね。
ここにきてやっとの登場で、家康信長秀吉と比べれば明らかに小粒ですが、
毛利輝元は猜疑心嗾す曲者、上杉景勝は勝敗よりも道義!
とキャラ立ってるなぁ(笑
 家康評で「平気で嘘をつくぞ」はそこそこ当たってますからね……

 大きく賢い前田利家が見られて嬉しかった、のですがもう死んじゃうかー!
家康がまだ気づけていない、すでに自分は伝説の大大名で白兎ではいられないと忠告するのも、重いですよ。
 利家は知ってますものね。
秀吉の悪辣さも奥深さも正直な生き方も、家康の不器用さ優柔不断さ戦嫌いさも。
戦国を生き抜いた生き強さを。

 もう前田利長に代が変わって家康の配下扱いになっちゃった!
展開が早いし怖い!

家康の息子たち

 人懐っこい秀忠に続き、誠実な息子、
結城秀康登場。
ああ、いいなぁ、こういうかしこまって賢くて優しい秀康という人物造形。
親子仲も悪くないけど、主従に近い感じだなー。

 『花の慶次 -雲のかなたに-』で好きになり、たぶん私の先祖の主家筋、『へうげもの』の落ち着いた武も美も好む名称の姿と、とても好きな人物です。

レジェンド武者 本多忠勝

 修羅の道を選ぶ家康。
 正道を進んでくれたらそれが一番だけど、やっぱ覇道だよな!
その殿に侍って守るのが俺だよな!

と張り切ってるようにしか見えませんよ本多忠勝さん!
多分三成より精神年齢が男の子のままだよ!

 「守られる主君」であろう。
家康は忠勝との約束を果たしてるんだなぁ。

三成失脚

 無駄が嫌い、筋を通さないことを嫌う、話が合わない者を嫌い見下す。
三成の子供っぽさが可愛いけれど、政務失敗にも納得してしまいます。
人の心をつかめず、つかむ手間も惜しんで見せる君主に、人は頑張れませんよね。

 一番苦労した者たちの失敗も不満も受け止めなければいけない。
武士を従わせるには、最大武力の家康と力を合わせなければいけない。
しかし、筋が通らない、秀吉の遺訓とはずれる。

 でもやっぱり、目の前の人たちの努力も不満も無視して捨てちゃうのはダメですし、三成も結局合議してないのですよね。

 それはそれとして、島左近格好良いな……!

白兎の天下取り

 前回ラストで天下を獲る気が決まった!
と思ったら優柔不断でどっちつかずに見えてやきもきしましたが、三成と豊臣の世の成否で動く計算だったのか。
三成政権が上手くいけば支えて影で権力を伸ばし、失敗するだろうから次の準備に地盤を広げておく。
そしてやはりと言うべきか、三成は失敗した。

 戦ってきた強敵たち、大事な家臣たちの言葉。
今こそ、天下を徳川の手に!

 とはいえ、先に裏切ったのはやっぱり家康だったと思います。
心を。
まー家康も、天下とか家臣よりも三成を支える義理はないんですが(笑
ただ、やっぱり非情なのも確かだったなと。

 家康は星を見る仲間を、過去の自分と同じ理想を夢見る未熟で不器用な男を、支えなかった。
信長のように守りきりは、しなかった。

どうする家康

 ウィリアム・アダムス=三浦按針!大谷刑部!
そして……鳥居元忠!(涙
家康はついに天下への道を進むのか。
嫌われる道を、敵対者を殺す覚悟を、大事なものを失う覚悟を。

 次回、『逆襲の三成』
どうする家康。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ぶるがり屋 2023/11/27 02:40

君のことが大大大大大好きな100人の彼女 8話 の感想

君のことが大大大大大好きな100人の彼女 8話
「キスゾンビ♡パニック」の感想です。


君のことが大大大大大好きな100人の彼女 Amazon Prime Video

【原作】中村 力斗・野澤 ゆき子
【監督】佐藤 光
【シリーズ構成】あおしま たかし
【キャラクターデザイン/総作画監督】矢野 茜
【色彩設計】松山 愛子
【音響監督】土屋 雅紀
【アニメーション制作】バイブリーアニメーションスタジオ
【CAST】加藤 渉、本渡 楓、富田美憂、長縄 まりあ、瀬戸 麻沙美、朝井 彩加、千葉繁

君のことが大大大大大好きな100人の彼女

やったぜキスゾンビ回!
原作でこの回から、「この作品は何かとんでもないのでは……?」と思わせられた話、ついにきましたね!

これまでのあらすじ!

 今まで冒頭あらすじ有ったっけ?
いきなりで驚きましたが、まー確かに説明ないと意味分からないですね。
説明されて分かるかどうかも不明ですが(笑
アニメボーボボの読んでもよく分からないあらすじが脳裏に浮かびましたよ。

4人のキスゾンビ

 走り方まで4人とも違う〜!
キスしか考えられない & 限界を超えた体、のはずなのに優しかったり賢かったり弱かったり、仲良かったり(笑
キャラ愛が溢れてるなぁ。

小動物ゾンビ

 肉体能力・走り方の差で、静ちゃんがそれでも人並み以下なのがもう可愛い!
転んで羽香里に助け起こされ、付いていけなくて凪乃に手を引かれ、また転んで普通にお姫様抱っこ&なすがままで、またハンガーに吊られるだけで動かなくて(笑
 簡単に持ち運ばれたりハンガー一つで動けないなんて簡単に死んじゃいそうで……
これはこれで小動物可愛いな!

追跡モンスター彼女

 恋太郎たちを追い続ける凪乃。
怖いよ!(笑
完全にホラーゲームの倒せない追跡型モンスターじゃないですか(笑

 『シャイニング』パロ・ドア破壊&覗き込み!
……この人彼女ですよね?(笑
 パロなのは映画見てなくてもわかりましたが、変調EDは何のパロだったのかな。

お淑やかは何処行った性欲モンスター!

 今回は楠莉お披露目回ですし、唐音ももちろん可愛かったのですが、羽香里が準主人公だったように思えます。
キスしか考えてないのに転んだ静ちゃんを助け、唐音と仲良し喧嘩&ラブラブチュッチュ、記憶を取り戻して謝ったり真っ赤っかで唐音と記憶封印したり。
可愛い。

 そして期待通り、唐音との濃厚キスはエロかったですね……
もう完全に喧嘩ップルですよ。
もっともっとやれ!

 そして最後のびしょびしょ♡で落したり(笑
キャラが強い、強過ぎる!

過ちと贖罪と

 騒動が終わって、涙を零しながら謝る楠莉の姿に胸が締め付けられました。
好きなことが大好きだから、他人を苦しめて去っていくのが辛くて。

 ただ今回は誤飲ですし、渡した薬は本当に彼女たちのためにと用意した薬なのですよね。
 優しくて、自分らしさに傷ついてしまう女の子たちを、無限の愛で抱きしめる恋太郎が、本当に恋太郎ですよ。
まーこれからも楠莉の薬のトラブルはずっと続くんですけどね!
滅茶苦茶ヒドい話ばっかりなんですけどね!(笑

物語100カノ

 そして、彼女5人全員とキス。
恋が溢れる、好きが止まらない、愛を貪るような、想いが重なり合う、キス。
美しくエロく、お見事!

 根本的にスッゲーアタマ悪いのに、構成が滅茶苦茶頭良い!(笑
アニメで実感しました。
分かりやすくてエロカワなボーボボだコレ……!

 予想以上期待以上な30分でした。
次回も楽しみー!



原作ネタバレ感想

 ここからが100カノの狂気の始まりですね。
まだまだギア1ですが、ギア1もあんまり理解出来ないレベルですし(笑

 恋太郎と付き合わないとヒロインは皆死ぬという運命。
静ちゃんのあまりの死にやすさに驚愕してしまいました。
なんて、軽い。
生死が軽過ぎる……!

 唐音はツンデレで他人を傷つけてしまって、静ちゃんは色々なことでころっと、凪乃は生命維持に必要なものを無駄だと切り捨ててしまって、楠莉は実験の失敗で、死にそうだと思えました。
 でも羽香里だけ死因を思いつきません。
性欲が発散出来なくなるから……とか?
うーん。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ぶるがり屋 2023/11/26 15:12

どうする家康 39話 の感想

どうする家康 39話
「太閤、くたばる」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHKプラス

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 ヒドいタイトルだ(笑
渇望の化け物・豊臣秀吉というドラマ、最終回。

豊臣家の形

 願いと憎しみの、豊臣秀頼の誕生。
可愛いなぁ。
秀吉も、さぞ可愛かろうなぁ。
その気持ちの重さが、唐入りにつながる悲劇が痛々しい。
鼻切り、聞くだけで痛い気持ちになります。

 茶々とねねが仲良くとまではいかずとも、お互いの立場に敬意を持ってつながっているようで安心します。
ただ、秀吉が居なくなってしまったら切れてしまうような、そんな遠さも感じたり。

三成の見た星

 力よりも、知恵。
知恵で世を治める。

それが夢という石田三成。
貧しく美しく、でも夢を語るだけでは夢で終わると知り、教える徳川家康。
本当にこのドラマの三成と家康は心が近いなぁ。

 ただ戦国を嫌という程苦し身生き抜いてきた世代と、ある程度以上の権力基盤の下、戦国が終わりつつある時代を生きてきたものとは、常識も夢の難しさも違いますよねぇ。
厭離穢土欣求浄土と、知恵で治める世。
同じようで少し違う、石田三成と徳川家康の絆と違いが、少し怖いです。

徳川秀忠登場

 成長著しい秀忠!
姿も人を惹きつける青年で、人懐っこい眩しい陽気さ、ええなぁ。
江との結婚で、また豊臣との絆も深まりますね。

酒井忠次 老将、最後の奉公

 幼い白兎、松平元康を支えた老将。
若き秀忠が物語に登場し、忠次は去っていくのですね。

 最後の会話、最後の法要、最後のえびすくい
ああ、駿府の花園から、藁ばかりの岡崎から、こんなにも遠くまで来たのだなぁ。

 老いて目も見えず、体も動かず。
出陣の陣触れも、そんなものがある筈もないのに、
ずれた、収まらぬ鎧姿を笑って支える妻。
そして、そのまま。
「ご苦労様でございました。」

三成に託したもの

 愛する家族を失い、殺し、体も心も虚ろになって。
権力の後ろ盾を失う茶々も、ずっと支えて来たねねも、傷だらけに見えて。

 有力な人物を一人一人読んで、秀頼の未来を頼む。
ボケたふりや今にも死にそうなふりで、何人も試したのでしょう。
おそらくはおそらくはその中でも一番強く、秀頼を託された三成。

 ああ、そうか。
ここで家康との道が分かたれるのですね。
三成の理想とは、豊臣の世。
こんなの、理想を夢見て秀吉に絶対の忠誠を誓う三成に、違う道が取れるわけないじゃないですか。
命を捨てるじゃないですか。
この理想と切望が、豊臣家、秀頼の悲劇の端緒になってしまうじゃないですか。

 ああでも、上手くいけば秀頼の生き残る唯一の道だったかもしれないのか……
世の安寧、民の幸せ
でもこれも、秀吉の"試し"に聞こえるなぁ……

 「そんなもん、嘘じゃ」
ですよねー!

家康に遺したもの

 さすが秀吉、最後まで謀って嘘ついて試して、
恐ろしいほどに賢しく欲望深いままだった。

 三成の理想なんて信じて居なくて、力のままに家康が天下を奪うと読み切っていて。
それでも愛する秀頼のために、無様に倒れて死んだふりして、人の気持ちを操って頼み込むんだ。

 家康と秀吉、最後の問答に心惹きつけられ、揺さぶられました。
戦国を人生を戦い抜き生き抜いて来た傑物2人の、初めての魂のぶつかり合い。
言えなかった言いたくなかった、好意と羨み。

 領地も配下も今生きているのも不思議なくらいか弱く、家康と一緒に傷つきながら育ってきたものですが、秀吉はそれすらも無かったのですものね。
だから家康よりも、無様に秘境に残忍に、織田信長の後を引き継いだ、天下を奪った。
渇望、そして劣等感こそ、秀吉の力だったのかもしれないなぁ。

 でも共に生き抜いてきた家康だから、その苦しみも分かる。
「天下を引き継いだのはそなた
誠に、見事であった。」

自分の心さえ操ってきた秀吉の、虚をつかれたような顔。
そして、安らかな笑顔と言葉。
きっとここだけは、本当の藤吉郎。

 「上手くやれなされや。」
「二度と戦乱の世には戻さん 後は任せよ。」

物語初期から続いた2人の相剋が、やっと交わった一瞬だったと思います。

茶々が引き継いだもの

 全てを残した秀吉の、最期を看取るのは茶々。
血を吐く秀吉の顔を引きずり擦り上げて
「秀頼はあなたの子とお思い?」
ああ、なんて昏い情念。
悲しく重く、泣き出しそうな憎しみ。
手で擦り上げた笑顔は、本物か偽物か。
茶々のその涙は。

 憎まれて呪われて、痛く苦しい残酷な終わり。
でも私は、茶々に愛も有ったように感じるのです。
憎しみと蔑みと呪いと愛、誰よりも強い感情に包まれて秀吉は死んだのだと。
秀吉は、報いを受けたのだと。

天下簒奪

 秀吉は死んだ。
そして災いの種は撒き散らされている。
いやホント、これからゴタゴタゴタゴタ続きますからね……

 天下取りを恐れ嫌がる家康に忠次が遺したのは、愛子をいたわるような抱擁と言葉。
よく耐え忍ばれましたなぁ。
殿だから、出来るのです。
戦が嫌いな殿だからこそ。
嫌われなされ 天下を獲りなされ。

 再び天下取りに動き始める徳川家康。
それは多くの者の願いであり、三成を裏切ることでもある。

戦国の終わりに、秀吉の遺したもの

 乱世の苦しみを、織田信長は焼き尽くそうとして自ら焼かれ。
豊臣秀吉は全部飲み干して鎮め、飲み切れなかった災いが溢れて。
そんな戦国を終わらせた化け物の、心を家康が引き継ぎ。
ゴタゴタ過ちを三成が引き継ぎ、憎しみを茶々が引き継いでしまったように感じました。

 戦国が終わるまで、まだ一歩。
苦しみは終わらないんだ……

どうする家康

 織田がつき羽柴がこねし天下餅。
敗北と苦渋を積み重ね、ついに天下最大の権力者の座に着き、
天下を狙う狸と呼ばれ始める家康。

 次回、『天下人、家康』
どうする家康。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ぶるがり屋 2023/11/25 22:57

どうする家康 38話 の感想

どうする家康 38話
「唐入り」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHKプラス

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 化け物の落日
魔王・織田信長もさることながら、渇望の化け物・豊臣秀吉というドラマ、最高でした。

豊臣の世、生き残った群雄たち

 やっと前田利家登場(笑
秀吉配下もやっと登場が増えてきた!
なのに優男の髭面ばっかりで、人を覚えるのが苦手な私では覚えられる気がしません(笑

 役割的に重要なのは大谷吉継、徳川家にとって関係性が強いのは池田輝政ですが……
今回出てなかったような。

最後の将軍

 足利義昭がこんなイイキャラだとは!(笑
今までの登場シーンは権勢欲&無能だった、からこその説得力。
考えてみると多くの権力者の家に自由に入れて権力者と直に話せる、最強のスパイ&フィクサーですね。
化粧とたるみと、欲が削げ落ちた様が、人として味わい深く見えました。

『麒麟がくる』と合わせて、面白い人物像になったなぁ。

復讐の玉藻前

 愛と憎しみで染め上げた、戦国の美女、傾国の美姫の仮面を被った少女、茶々。
全てを繕って覆い隠して、仇の秀吉に縋り、子を成し。
天下を奪えた、と思ったら子を失い。

 家康に迫った、「なぜ来てくれなかったか」と問い、「守る」と言われた時の顔だけが、茶々の素顔だったように思えます。
「守る」なんて、軽く言いやがったな…!絶対許さない!
そんな熱く昏い、ドロドロに燃えたぎった決心。

狐と番犬

 お市様への罪悪感もあり、泣いて縋る女にめっぽう弱い家康。
家康の立場からするとまず守れないので、やっぱりまだまだダメな白兎ですよ(笑

 すっかり騙されてたのに、天下を脅かす狐の面を家康の前で見せちゃった!
これは大失敗。
プライド高くて負けん気強いのが茶々の弱点かなー。

 いやぁ阿茶の方、良い仕事をしました(笑

『どうする家康』のヒロイン

 信長の半身、家康の心の婚約者、秀吉の野望と欲望の対象。
そしてこの血と美貌を受け継いだ、嘘も涙も女も操り尽くす烈女。
日ノ本一の抜け目なく、かつ悟り枯れた男に野望の火を点ける。

 妻がいっぱいでどんどん死んじゃう家康の物語のヒロインとして、最高ですよ。
北川景子さん素敵!

化け物の落日

 秀吉は、食い物と愛を求めてたのかな。
一番欲しいものを一番愛してる人からもらえなかった。
食うために、愛を得るために、がむしゃらに働いて生き抜いて殺して奪って。
人を集めて操って、人がついてきて、金も権力も全て得た、はずなのに。
母は最後まで愛してくれず、愛してくれた妻と弟に報いないまま、多く失って。
誰もついてこれなくなって。

 一番愛して欲しかった母の言葉と死で、やっと立ち止まれた。
それでもなお、ねねが押し止め、三成や家康が身を以って止めてくれた。
止まって良いんだ。
欲望にギラつく瞳、母を喪って枯れた横顔、遠く家康や三成を見つめる姿。

 そこからの、火がついた骸骨のような哀しく恐ろしいまでの妄執の笑い。
でもそれは愛じゃない、愛じゃないんだ……

 渇望の化け物の、終わりの始まり。

どうする家康

 ラストからの予告。
枯れてからの溢れる欲望の再燃。
天下一統からの朝鮮・明との戦、後継や権力問題、これは家康も三成も困りますよ。
大弱りですよ(笑

 茶々の憎しみいっぱいの笑顔の
「貴方の子とお思い?」
なんて言うかもう、秀吉の因果応報とはいえ、もう少し手心を……!

 次回、『太閤、くたばる』
また副題も秀吉にキツいな!
どうする、家康。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ぶるがり屋 2023/11/25 21:23

どうする家康 37話 の感想

どうする家康 37話
「さらば三河家臣団」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHKプラス

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 終わりゆく戦国
ついに果たされる天下一統。
天下を握った豊臣秀吉は、新しい国を担う徳川家康は。

阿茶の方登場

 瀬名を殺し、於愛が去り、ここにきての家康の新しい妻、阿茶。
戦術戦略の腹心という、こういう形の伴侶ときましたか!
みんなキャラが立ってて、面白いなぁ。

小田原征伐

 史実は知ってますし何度も見てますが、『新九郎、奔る!』を読んでいる今、辛さが増しますね……。
今川家もですが。

 督姫=おふうはお葉の子か!
確かに佇まいが似てますよ。
敵ばかりの家中でも役目を貫くほどの、心胆も。

 北条氏政の見た夢は、北条の天下ではなく戦国の雄ではなく、瀬名が紡いだ人と人がつなぐ戦無き世の夢……。
瀬名を中心に繋がれた今川、北条、武田の見果てぬ夢、途切れた夢。
せなと同じ夢を見たはずの家康が豊穣を滅ぼす側なのが、また辛いというか、救いがないというか。

 北条氏滅亡。

 今川氏真もですが、お糸がここまで大きく描かれるのはこの物語の特徴ですね。
遠く見た夢、変わった世、託された民。
この時点では途切れた夢ですが、家康が再び重く背負って、これから厭離穢土欣求浄土の夢が、江戸になっていくのか。

徳川の国

 人の話を聞かなくなった秀吉だけど、家康だけには無視するごまかすだけでなのですよね。
考えて、選んで、聞いてない。
豊臣の世、だけど無視できる徳川ではない。

 だからこそ、命じる武蔵、江戸への国替え、関東移封。
今まで何度も見てきて、武士が土地に基づいて生きてきたのをよく分かったからこそ、国替えの意味が重いですよ。

 そうですよねぇ、主人の家康も辛いですし、配下に分かってもらのも、難しいし辛いよなぁ。
ただいい遅れた理由の一番が「伝えるのが辛い」っぽくて……
もう!この!白兎が!(笑

同じ星を見ている

 戦勝と国替えをことはぎ、織田信雄の処遇を告げる石田三成。
豊臣秀吉に絶対の忠誠を捧げながらも、戦無き世の願いと、そのために徳川家康が必要だと。
戦無き世、豊臣の世を、ともに支えようと。
同じ星を見ている2人が美しく微笑ましく、この先が悲しいですよ。

三河一の色男

 ボコボコにされると分かって説得する大久保忠世が格好良いし、ボコッて静まって一致団結する三河家臣団が可愛くて笑ってしまって、
でもやっぱり物騒だな!
半日やってるぞこれ(笑

 思い悩む家康の前で、家臣一同皆優しい顔なのが見てきた視聴者として誇らしく思えますし、忠世をボコした結果だと思うと苦笑いしちゃいます(笑

さらば三河家臣団

 国替えと知り、時間をかけ十分に挨拶しきっての、故郷との別れ。
本多正信と大久保忠世の存在が本当に大きいなぁ。
 皆辛い、苦しい。
その苦しみを分かり、皆を慮って頭を下げる家康が大きいですよ。
そして戦国を生き抜いたと頭を下げ返す家臣団の姿がもう、泣きそうでした。

 まだ「主君と認める」の言葉を交わさない忠勝も最高ですし、ボロボロに泣く平岩親吉も、最高でした。
ここまでずっと、長かったものなぁ。

羽鳥半蔵、未だ君主足りえず

 そんな中、一人不満な形になった服部半蔵。
まだまだ位や実績が足りず、国を治める能力は未知数ですし、それ以上に諜報戦力を手放せないですよね。

 大名になった皆も何も助け舟出さないのもヒドい(笑
とは言え最後まで不服そうだし、まだまだ君主として足りませんね。
いやそれでも「何処かやるさ」程度で抑えたのは大きな成長なんだけど!
ちょっと大鼠に叱られてきて!

 家臣がバラバラになってもおかしくない一大事の最後に、まだまだダメなおじさんたちなオチでした(笑

秀吉の家族

 ああ、豊臣秀長と旭姫も亡くなってしまいましたか……
秀吉の欲望と闇を和らげ、徳川とのかすがいになる大きな役割でしたが、苦労してきたのを見てきたのでさもありなんと言うか……
頑張ったよ2人とも!

 残る豊臣の屋台骨はねね一人ですが、茶々が力をつけていくなら、離れていくのかな……

昏い瞳の、孤独な男

 そしてまた、最愛の息子鶴松を喪って。
昏い昏い瞳で笑って、虚空に手を伸ばす秀吉。

 天下一統、それは誰の、何の為か。
幼い頃は何も手に入れられず、何年も何年も屈辱に耐え血を流して死線を超えて、いまや日ノ本一となり欲しいままとなって。
それでもまだ、一番大事なものが手を溢れていく。

 無貌の怪物が人の幸せをつかめずに、伸ばす野望の先は、何処だ。

どうする家康

 前回で徳川家康の戦国に一区切り、今回で徳川家臣団の戦国に一区切りがついたように感じました。

 時代の流れ、次は朝鮮、明攻め。
この報を聴きながら飯をほうばる正信が大物ですよ。
若き将と古き将たち、戦国を求める者たちと厭う者たち。
荒れる秀吉と茶々の「お慕い」。
国二番の権力者になって、選択一つ言葉一つで家も日ノ本も滅びかねない状況に置かれた家康は。

 次回、『唐入り』
どうする家康。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2 3

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索