平家物語 9話の感想
【Amazon.co.jp限定】平家物語 Blu-ray box(「監督・山田尚子、音楽・牛尾憲輔スペシャルインタビュー」視聴コード付)
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
キャラクター原案:高野文子
音楽:牛尾憲輔!
発売日:2022/4/6
販売元:ポニーキャニオン
平家物語
京から逃げて、落ち延びて。
福原、太宰府、逃げて、逃げて、海の上。
傷ついて傷つけて、櫛の歯が欠けるように、人が死んでいく。
愛しい人が 死んでいく。
源氏の興亡
時の流れが速いー!(笑
木曽義仲京取った!ゴタゴタした!戦った死んだ!義経登場!
あまりに早い活躍と死にツッコんでしまいました(笑
本人や仲間は無念だったのでしょうが… 早いよ!
そしてついに登場した、源義経ー
なんだこの完璧な美青年。美しい。格好良すぎる。
これが平家の死神になるのか……
びわの旅、びわの答え
浅黄色の瞳、浅黄の方。
やっと会えた母は、美しく儚く、何故かとても、とても遠くて。
生まれてから一緒に居た時間はあまりに短くて、母に臨んだものはあまりにか細くて。
びわにとって、家族は父と平家の者たちなのだと感じました。
共に過ごした、泣いて笑ったひとたち。
それでも。
交わした時間も言葉も、とても少なくても。
同じ苦しみを悲しみを知っているから。
滅びの未来を視る力は、とても辛くて悲しい力で。
それでも、それでも。
救うことは出来なくても、赦して、祈って。
愛しい人よ、愛しい日々よ、どうか静かに、どうか安らかにと。
ああ、滅びを見る目は、愛した人の死に様を見届けられる目でもあるのか。
滅びを、死を、死に様を知り、祈る。
そして唄い、語り継ぐ。
全てを知って、赦して。
答えを見つけたびわは、独りで行くのか。
悲しい、辛い、愛しい旅へ。
滅ぶ平家
時に追い立てられるように、滅びゆく平家、その若人たち。
びわとともに日々を過ごした、平維盛、資盛、清経、そして敦盛。
維盛は… 塞いだままか……。
忠義、恩顧に背く。
平家の罪を分かっていた資盛と、分かっていなかった清経の隔絶が悲しい。
資盛は物語冒頭から、自分と清盛の傲慢とその結果を、子供のうちに味わいましたからね…
幼く、立派な武士を夢見る清経が… ああ。
そして特殊EDで、敦盛も。
笛の音を、約束を、敦盛は忘れられず捨てられず、大事に抱いて逝くのですね。
源氏方の武将、熊谷直実が何故最後に躊躇したのか、後ろに迫る味方の軍馬の音に悩んだかは、わかりづらい気がしますが、これは「平家の滅びを描く、以上は知りたい方が調べて欲しい」というコンセプトがあるように感じます。
この作品を見て後、敦盛の物語を知る順序が一番心に沁みるのではないかな…。
笛を吹き終わり。
黒い水面に、飛び立つ鳥に、羽に、月に、清経は何を見たのかな。
赤く照らされた海に、紅の陽に、きらめく刃と雄々しい武者との戦いに、維盛は何を見たのだろう。
幼き日の幸せか、失われた自由か。
美しく感じたのかな。
世界が美しいと感じたのなら、いいな。