今週の へうげもの 感想 2014年 7月第1週

あらすじ

　加藤清正の死を機に、少しづつ緊張が高まっていく徳川と豊臣。
だが淀の方は、それすらも自分を中心に回っていると、更にはそれを利用して自分の世が始まると考え始め、より深みに嵌まっていく…
　龍涎香を盗み出し、妻お江との仲直りを企む徳川秀忠は、遂に…！

感想

　大久保長安の暴走が、こういう風に来ましたか…
困った事に茶々の考えも、全部妄想じゃないんですよねぇ。
家康が茶々を手に入れる為に戦争も政略もする訳は無いけど、長安は割と本気っぽいですし、今家康が死んで戦争になったら、まだ未熟で敵を作るばかりの秀忠の方が厳しいんですよね。
次代の徳川家光・忠長も戦国の英雄ではないしなぁ。

　そして前回龍涎香を盗み出した秀忠。
ああもう何て愛すべきダメ男だ！
最後のスッキリした顔は、性欲が放出されたのが一番の理由じゃないけど、2番目の理由だよなぁ（笑
ちょっと前に金時様が屹立したコマが有るのがヒドい（笑

　ついに、やっと笑ったお江。
前回、おぼつかない縄使いまで笑わなかったお江が。
秀忠の一生懸命故に歪んだ顔が、プライドを壊して突き出た想いが笑いに通じる。

　ああ、へうげものらしいなぁ。
お江が自分の優位が決定したので「笑ってあげた」可能性はまぁ、考えないでおきます。
それだと秀忠が可哀想過ぎる（笑

　秀忠が、石田三成のように、愛すべき人物に育ってきました。
光成は忍城、関ヶ原で負ける度に人としての魅力を増していきましたが、秀忠はお江との恋に負けて成長するんだなぁ（笑

　前回では気付きませんでしたが、古田織部ののろけ話の「モノを盗んで好きな女の為に命とプライドをかけて挑む」事を真似ているんですね。
秀忠が意識してるかどうかはちょっと不明ですが、豊臣秀吉を真似て、織部を真似て、望みのものを手に入れた。
この事は大きいように感じます。

　人の欲、愚かさをここまで愛おしく可笑しく描く漫画、大好きです。

今週の へうげもの 感想 2014年 6月第1週

あらすじ

　方広寺大仏殿の修復も進み、折々に徳川幕府に縛られて行く中、片桐且元は豊徳合体をあきらめはしないものの、武力を以て対等になろうと兵を集め始める。
　また夫婦仲が未だ好転出来ない徳川秀忠は、父家康が持つ媚薬、龍涎香を盗み出す…

感想

　家康顔の大仏…！
思わず吹いたけど、案外似合ってるかも（笑
少なくとも秀吉や信長よりは似合ってますね。

　関ヶ原で五奉行が、そして老いと病で七本槍が、もう殆ど居ないのですね…
そして日に日にと増していく徳川幕府の厳しい施政。
寂しいなぁ。
織部が寂しく弱々しく感じるのも仕方ないですね。

　そして秀忠、まだ引きずってんのかい！（笑
結局頼るのが前回の縄縛りに続き龍涎香と、大敵である豊臣秀吉と同じの方法をしちゃってるのが哀しいと言うか、秀忠の弱さが滑稽と言うか…
愛らしいなぁ。
ダメ男だけど（笑
　歴史の大体の流れは知ってますし、織部、家康の行く末は大体読めるんですが、秀忠だけは読めません（笑

今週の へうげもの 感想 2014年 5月第3週

あらすじ

　加藤清正は凶刃に倒れ、福島正則は老いと病に身を引く。
憎しみの疑いのまま豊臣恩顧の武将を裁こうとする徳川家康の前に、
古田織部は怯えつつも、豊徳合体の策を進めようとまた決心を深めていく…

　また綾鷹CMマンガも有り！

感想

　加藤清正、落つ…
豊臣秀吉を愛し、世界への野望を持ち、老いても武を誇った猛将。
道半ばで、突然の死でしたが、清正らしい死でした。
自分を闇討ちで殺した柳生利厳にかけた言葉が男らしいなぁ。
老いて家督を譲る福島正則と共に、秀吉の二猛将が消えて行く様は、時代の終焉のようで物悲しい…。

　讒言に騙されて清正を殺した形になった徳川家康ですが、その目に狂気が孕んできました。
当人家康の刺客を受けた秀吉と同じ、苦しみと猜疑心に満ちた、狂気。
愛弟子山上宗治を殺された千利休と同じ、滅びの狂気…なんじゃないかなぁ。

　これで織部には恃める仲間、自分より数寄や外交術に長けた仲間がほぼ居なくなっちゃったんですね。
織田有楽斎は危なくなったら逃げちゃうだろうし、細川忠興は直情過ぎるし、高山右近は地位も権力も無いんですよねぇ。
　しばらく、嫌な時期が続きそうです。

　そして今回も綾鷹マンガ付き！
若織部はすぐ良いものを認めるけどすぐ呑まれるなぁ（笑
生産を全部自分で独占しちゃいそうな織田信長がヒドい（笑

今週のへうげもの 感想 2014年 5月第1週

あらすじ

　大久保長安の讒言のまま、豊臣側の武将の動向の調べる徳川家康。
はたしてその通り、大野治長と福島正則は兵を集めていた。
これに家康は憤り、柳生にある命を下す…

感想

　ぐわぁ…
正義と大義を戴く大人物が暗殺を命じ、今も野望を抱く稀代の猛将が老い凶刃に落ちる。
空しく、悲しいなぁ。
おまけにこれが嘘密告と誤解からなのが何とも…
加藤清正に野望が有ったのも事実だけど、謀殺や大乱は望んでなかっただろうしなぁ。

　原因はもちろん長安ですが、今回の暗殺命令は家康の、為政者としての未熟というか、小物さを感じてしまいます。
安定の為＜私情に感じちゃうんですよね。
信じた故の裏切りに目が曇ってるというか。
まだ家康は、最終的には理性で断行した織田信長、豊臣秀吉に及んでいないのかな、と。
特に、それでも人を信じたがった秀吉とは隔絶の感が有ります。
千利休を斬った秀吉と織部のように、自分の苦しみを全て吐露して、助けを請う友は居るのでしょうか。

　服部半蔵の失敗って、秀吉ですよね。失敗した暗殺者が石川五右衛門として処刑された。
何年前だよ！（笑
ここら辺も細かくて小物っぽさが見えるような（笑
　柳生利厳って尾張柳生初代の人ですか。
尾張柳生と江戸柳生の不仲は武芸物で有名ですが、宗矩と利厳二人には特に不仲説は無いのですね（創作物ならアリ）。
よく対象的に描かれる二人ですが、こ今回の話だと普通に仲良い一門という感じで新鮮でした（笑

今週のへうげもの 感想 2014年 4月第3週

あらすじ

　遂に実現する徳川家康と豊臣秀頼の会談。
様々な思惑の中、順調に終了したが…

感想

　秀頼の鷹揚とした人物像、その風格。
これを豊臣派だけでなく、徳川派大名にも見せつけたのは良かったのか悪かったのか。
家康は秀頼の風格と豊臣派の動向から、豊臣家には名と格だけ与え公家にし、権力は全て武家・徳川幕府に移そうという考えですかねー。

　古田織部は、豊臣家にもしっかり息子送り込んでるのか。
嫡子は所領〜京、江戸と大阪にも息子2人と、要地にしっかり人材配置出来てるなぁ。
血族の人材は重要ですからね！（ 蒼き狼と白き牝鹿シリーズ
…まぁ、今までの流れだと結果的に息子に裏切られるような事になりそうですが（笑

　そして、このそれなりに穏便に事が運びそうな流れに、打ち込まれる不穏な進言。
ここで大久保長安ですか…
豊臣家勝利の為に、徳川家から諍いをしかけさせる、という事なのか、それとも…?