投稿記事

大河感想の記事 (170)

ぶるがり屋 2024/03/10 23:08

光る君へ 10話 の感想

光る君へ 10話
「月夜の陰謀」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 世を変える変事と、2人だけの恋。
色々な魅力が混じり重なり編まれるこの物語。
息を飲みました。

進む陰謀の中で

 進む陰謀、失った友、汚れてしまった自分。
今までも「自分の居場所」「安らげる場所」がぼんやりしていた藤原道長にとって、全てが壊れてしまったように思えます。

 前回、直秀の死で道長とまひろの決意が固まった!
と思ったら全然固まってませんでした(笑
人の心を知り、一番優しい詮子お姉ちゃんでさえ、人の心や結婚を利用し、父のように笑う始末。
 逃げない理由があんまり無いな……(笑
と言うか直秀の死と罪が重いからこそですよね。

 恐ろしい、そして小狡く卑劣な陰謀。
得られるのは権力ただ一つ。
直秀の死を背負って、そんなものの為に?

まひろのまなざし

 生きることは苦しいのだ、人はみんな苦しんでいるのだ、間違いを政で正すべきだ
そう決心したまひろに映る世界は、儚く侘しく、愛しいものだったのでしょう。

 今まで煩わしかったいとの苦しみに寄り添い、父の女遊びを覗きに……
いやこれは生来のゴシップ好きかな(笑
ただ父の献身的な愛と貧しい女性の孤独死への静かな怒りは、直秀の死と道長の悲嘆を経た変化なように思います。

 死にゆく女性は、為時らしく学問が好きで利発な女性なのかな。

漢詩にこめるのは志

 思いを込めて交わされる詩歌!
おお平安時代〜〜!!
大きく素朴な道長の文字と、美しく正しいまひろの文字、和歌と漢詩。
藤原行成くんありがとう!
現代語訳ありがとう!

二人の契り

 今が辛いから、願いが叶わないから。
罪を知って、生まれが生き辛くて、2人は願った。
だけど生まれで、愚かさで、自分らしさが罪を犯した。

 まひろは生まれと自分の力で、正しい世に近づこうと決めた。
道長は、きっと心の奥底でその願いもあったように思います。
それでもずっとずっと、逃げたかった。
 まひろは道長を愛していたから、彼が幸せに生きるよう、彼が彼らしく進めるよう、選んだ結果なように感じました。

 罪にまみれて心繋がったまま、ではなく。
愛だけでなく、喜びに包まれるでなく、追い詰められて、狂おしい想いの果てに、結ばれた2人。
黒い闇の中で赤い鮮烈が瞬く、原色の人間の。

 一夜の、きっとこれは愛、約束、誓約。
二人は結ばれた。
誰にも知られない影の底で。

幾重もの心

 まひろは道長と幸せになりたかった。
道長に何より幸せになって惜しかった。
だから悲しくて、嬉しいと思う。
そんな涙だったのだと思います。

 また、捨てたいと思うほどの父に、失敗時に生き残ることを願われ。
かつ、汚れなきものだったことさえ父の道具に過ぎなかったのは、道長にとって救いだったのか苦しみなのか。
これも両方なのかなぁ。

寛和の変の英雄

 巨悪の陰謀、無血クーデター。
恐ろしい、なのですが小狡く卑劣な陰謀。
天をつかんだ藤原兼家右大臣家。
兼家は笑い、道隆は心酔し、詮子ははおぞましさを覚え、
道長は嫌いながらも飲み込み進むと決めた。
道綱はちょっと可哀想(笑

 策を成した、権力を奪った。
天皇を謀り、裏切って捨てた。
しかしそれを何より評価するのは兼家だけなんだよ道兼。
権力を得て、人を評価する側になって、君は変わるのか。

 陰謀で手に入れた権力で、何を行い何を得ていくのか。
とても怖くて、最高に楽しみです。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ぶるがり屋 2024/03/03 23:22

光る君へ 9話 の感想

光る君へ 9話
「遠くの君」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 壮絶
1話で描かれてたのに、まだ私はのどかな物語を心に描いてしまいました。
そう、権力は人を操り狂わし、戯れに殺すのだ。

道長の選択

 直秀との問答でも、その後のまひろとの会話でも、やっぱり道長は直秀大好きなのですよね。
嘘もつくし物を盗むけど、人を殺さず出来るだけ傷つけず、「貴族なんてクソだ!」の新信念に嘘偽りがない。
 検非違使に引き渡せも手荒なことはも心づけも、穏便さを求めてのことなのですよね、
甘い、事なかれが少しだけ混じった……。

土御門家は今日も仲良し

 倫子様の恋バレてるー!
ハッキリ気づいたのが周りのお姫様方なのが良いですね。
他人の恋話に敏感ですよ(笑

 赤座衛門さんも気づいてると思いますが、他言するのを控えただけかな?
源雅信との線はやっぱりないですねー。
貴公子推しか。

 それにしてもこの家だけ闇が薄くて仲良しな夫婦、家族だ。

左大臣家の陰謀

 藤原兼家の仮病と安倍晴明の儀式。
両方汚くおぞましいまでの権力欲だとゾクゾクしていましたが、
ほぼ最初から結託した策でしたか!

 本当に驚きましたし感心しましたし、最低だと軽蔑もしてしまいます。
道隆お兄ちゃんは心酔しちゃったかー。
いや確かに凄いのですけど、人の心の傷を嘲笑い操る所業、残酷と言おうか卑劣と言おうか……。

 詮子は慄き軽蔑しながらも、愛息子のために算段。
道長は今度こそ汚れた権力欲だと軽蔑したのでしょう。

道兼の愉悦

 自分だけが父に使えると思われたのだ、自分で傷さえ作って騙したのだと、今まででいちばんの笑顔を見せる藤原道兼。
そうか、人の心に散り入りを騙す才能が、そしてそれを父に認めれたと、はしゃぐように笑うのか……

今日の癒やし枠

 ああ、ずっと癒しだった惟規くんが居なくなってしまう……
寂しい。
小麻呂の出番はちょとだけでしたし。

 そうするとこれからの癒しパートは、乙丸・百舌彦の仲良し従者コンビと、
藤原実資の愚痴パートになるのかな(笑
いや愚痴パート笑っちゃうけど、癒しにはちょっと遠いよ!

遠くの国へ

 直秀は、自由になりたかった、自由に生きるものになりたかった、のだと思います。
大きず傷ついて、誰も傷つけない、傷つかない世界に生きたかった、
奪う貴族が許せなかった。
だから、海の見える場所に行きたかったのかな。

 海の見えない荒れ野で死んだのか、海の向こうへ飛んで行ったのか。
道長もまひろも、分からない。
手に収めた扇は、貴人としての儀礼だったのかなぁ。

魑魅魍魎の血族の中で

 道長は父のおぞましい県央術数を見ながらも、一歩引いて、信じないと、自分は違うと行きてきたのですよね。

 検非違使が何を思ったのか。
「手荒なことはしない」を「楽に殺してくれ」と判断したのか、女も連れて貴族の中の戯れかと憎んだのか、流罪の面倒を嫌ったのか。
 本当のところは分かりませんが、道長が自分の家の権力を、家の風聞を、刑罰の常識をを、知らなかったからの過ちなのですよね。
ただ、権力の重さと大きさを知らなかったばかりに。

 嫌い、遠ざけていたつもりが、自分も罪深くおぞましい、左大臣家の一人だった。
そして嫌って避けていたから、余計に間違った……。

道長の罪

 言葉も交わさず、一晩土を掻き分け死体を埋める道長とまひろ。
帰りも一人まひろを馬に乗せて自分は歩いて馬を引いて、ああ道長は白馬の王子様なんだなぁ、最初はそう思ったのです。

 ふと思い出して、今回道長の素朴さ素直さが描かれてたと感じたのです。
まひろに距離を取られて泣きそうで、噂れると言われて拗ねて。
嫌なことからはするっと逃げて、やりたいことしか、あとちょっと「やらなきゃ」の時だけしか動かない。
嫌なこと心に背くことでも、空気を読んで、黙ってきた。

 それでも、土を掘らずにはいられなかった。
泣かずにはいられなかった。
泣かずに、我慢できなかった。

 尊敬するライバルを、見知った優しい人々を、殺してしまった。
父と違わない、汚れた人間なんだ、なっていたんだ。

 そして。
まひろの袖の土を払えるはずが無いのに払い続ける様も、まひろを大事にしたいだけでなっかたのだと、思うのです。
自分の罪が大き過ぎて、一族と同じおぞましく恐ろしい、こんな汚れたものでまひろを汚すのが怖かったんだ。
権力と左大臣家と自分の罪が、まひろを汚すのがどうしても怖かったんだ。

 土と涙で袖を汚す道長が、泣きじゃくる子供のようで、でももう戻れない青年姿で、胸に痛かったです。

藤原道長と紫式部

 愚かさで母を殺してしまったまひろ。
愚かさで直秀を殺してしまった道長。

 恋でなく、欲でなく、親しみと罪が、道長とまひろを権力へと進ませるのか。
こんな十字架を、真っ直ぐな2人に負わせるのか……。

光る君は、誰

 壮絶でした。
考えてみると大河ドラマは成り上がりが基本なので、若かりし主人公が己の権力の大きさに失敗してし舞うことってあんまりないのですよね。
尊敬していたライバルを、守ったつもりが殺してしまった。
ただ、権力の重さと大きさを知らなかったばかりに。

 「藤原道長のドラマ」が、始まったように感じます。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ぶるがり屋 2024/02/25 23:17

光る君へ 8話 の感想

光る君へ 8話
「招かねざる者」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 ドラマが重い!濃い!辛い!
面白い!!!!
序盤が終わって、ついに脚本が牙を剥いてきたな、という感覚です。
目まぐるしく動くドラマに、目が離せない!

気になったところ

 前回終わって気になってたところがきちんと描かれてストレスなく見られました。
・小麻呂ちゃんどうなった → 無事!
・まひろの誤解どうなった → 誤解したまま、直秀も言わない
・為時一家は右大臣家にとりなした? → とりなさなかった
小麻呂の安否だけはもっと早く教えて欲しかったですけど(笑
無事ならOKです!

お姫様トーク

 よく聞いたらすごいセクシーで煽るようなBGMが(笑
封建時代ではよくある話ですが、結婚は政治、恋は別なのが人間らしいですよね。
でもやっぱり濃い溢れる結婚が望ましい訳で。
 源雅信・穆子夫婦も嫉妬したり動転するぐらい仲良いですし(笑

 「心は己のもの」が、琵琶を弾いたまひろの行動の理由の一つになったのかな。

陰謀渦巻く朝廷

 今回「目に見えるもの」だけ描かれましたが、
安倍晴明は「俺の恐ろしさ高く売ったろ!」
藤原兼家・道兼は「狂言で花山天皇に取り入ろう」ですよね……
おっとろしい。

 他の貴族も呪詛陰謀してない訳じゃないですが、晴明と兼家の2人だけ陰謀詐術レベルが高いよ!
前に清明が言った、「兼家と交渉するのが楽しい」のも本心っぽいですねこれ(笑

 傷をつけたのは道兼当人、藤原の為時から取り入るように勧めたのは兼家でしょう。
道兼は身分が低い、権力に意味ない相手に興味湧かないようでしたし。
 そうなると兼家は、為時が優しくてほだされやすいこと、花山天皇がそんな為時を信頼しきっていること、為時・花山天皇が暴力を振るわれる道兼に同情することを理解して勧めたのですよね。
 ……やっぱり人の心が有って、有る上で権力志向の化け物だ。

藤原兼家一家

 兼家の恐ろしさと同時に、同時にずっと政治家としての手腕とバランス感覚は当第一とも描かれているのですよね。
前回の「先例が有れば」も、花山天皇にすり寄ったのではなく、政治として正しいものを選んだように思えます。

 兼家の野望は、「俺の"正しい政治"を自由にやるぞ!」なのかなぁ。
だとしたら共感も出来るのですが、他人は致し方なくとも、やっぱり子供たちへの言動が悪辣で眉をひそめてしまいます。

 道隆お兄ちゃんは思ったより普通の、兼家パパの手腕は認めるけどついては行かない「良い意味で普通の政治家」のようですね。
道兼に対しても悪辣な利用までは考えてないんじゃないかな。

 詮子も怖い政略家ではありますが、憎くても父を愛していたのも事実で、その複雑な思いを表に出しちゃうところが、まだ普通の人ですよ。
息子だけでも幸せに生きられるよう、戦う術を手に入れた、一番よく知る敵から真似た女性。

 道兼、道長といい、この恐ろしい朝廷で生き抜く力を手に入れた傑物たちなのですが、
やっぱり兼家パパだけレベル違いの化け物に感じます。

為時パパ、危ない!

 妻の仇と知りながら、人としての弱さや子としての不憫さを知ると優しくなっちゃうの、本当に為時パパは政略向いてないですよ……。
父を許したまひろが、朝庭での父を心配するのも納得です。
絶対傷つくし損するし裏切られるじゃないですか!

まひろの復讐

 母を殺した道兼に、まひろはなぜ琵琶を弾いたのか、弾くだけで去ったのか。
壮絶な思いがこもった音、爛々ときらめく瞳に、烈しい憎悪が未だ消えていないことを描いた上で。

 道長の言葉を信頼し、赤座衛門の「心は己のもの」を抱いたままで、
まひろは、憎しみで生きたくない、笑いやおかしさで物語を紡ぎたい、自由に生きたい、
そう生きようと決心して、母の仇への「憎しみへの決別」の演奏だったように感じました。

 それと、愛する父や弟、従者たちとの家族と、ただ健やかに暮らしたい、という思いからなように、

 決して問題が無い訳ではありませんが、弟も父と姉を大好きですし、乳母のいとも青ざめるくらいにちやはを愛し、まひろの心痛を心配したのですよね。
暖かな、家族ですよ。

道兼の報い

 道兼はこの後も父に言われるままに陰謀を進める訳ですが……
史実と逸話を見るに、最期まで道兼の心が満ち足りる気がしないのですよね。
権力も身分も「父が認めてくれるから」でしょうし。

 個人的には、誰かに愛されたと理解し、父を愛し許し、家族を愛し許し、今までの謀略を反省し、真っ当な貴族となろう!
と改心してすぐに病死するのが一番道兼に相応しい報いかなと思ったりします(笑
甘過ぎる為時にほだされて、妻殺害の罪を知って苦しむのも良いですね!

 今回も多分、為時に取り入るために痛々しくも人が良い風に接してますしね。
利用して裏切る気満々なのに!

 この物語の闇を一番注ぎこまれて飲み込まれている道兼が、どんな報いを得るのか。
とても楽しみです。
※K.Tはキャラとして道兼大好きマンです

直秀の想い

 遠国に誘ったのも、道長が身分で女を選ぶ男じゃないと伝えなかったのも、まひろに恋してるんだなぁ、と思えました。
 また相手の好意を盗みに利用するのも直秀らしくないなぁ、と感じたり。

 そうだとすると、今回盗みに失敗したのは、直秀の個人的な嫉妬心から盗みに入ってしまったから、なように思います。

 恐らくは元貴族で、右大臣家に恨みを持ち、その最中にまひろに恋して。
三角関係というには弱いですが、次回、まひろと三郎と直秀は、どんな関係の変化を迎えるのか、とても気になります。

濃厚なドラマ!

 「紫式部と藤原道長が恋するの〜〜? 安っぽいなぁ。」
と思ってたのですが、ここまで濃厚に政治権力美術愛憎渦巻くドラマなら納得です。
心が揺さぶられ持って行かれっぱなしで、2人を主軸にしないと物語が持たない気さえします。
いやー、面白いドラマだ。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ぶるがり屋 2024/02/18 23:33

光る君へ 7話 の感想

光る君へ 7話
「おかしきことこそ」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 メロドラマってきたー!
全体としては権力の闇と小貴族の学問の流れなのですが、最後に随分と恋愛を盛り込んできたな!
そこに古来の舞や競技を挟み込む演出、歴史好きな方々の悲鳴が聞こえるようでした(笑

忯子様の死

 うら若く恋する女性の死はやっぱり想いですよ。
愛する花山天皇も家族も心傷ついて。

 そうか、死の要因として、藤原兼家らが依頼した呪詛も有ったのですね。
死は穢れ。
人を殺めるは、卑しきものがすることぞ。

安倍晴明と藤原道兼を侮辱し、藤原道長を苦しめ、
そこまではと慄く藤原兼家の心に巣食う恐怖。

 忯子様の死は、大きな死だったのだなぁ。

呪い呪われ

 権力と金で支配されていると思う輩に、チクリチクリと刺し。
無垢な子らに権力の闇と呪いの片鱗を見せ。
「こう言うやり取りが楽しくてならないのです。」
さすが安倍晴明、こっわ〜〜。
飄々とした男の、光ない瞳の闇深さよ。

 諸悪の根源……とまではいきませんが、諸悪の代表な藤原兼家が
自らの罪と呪い返される恐怖に蝕まれて。
 と思ったら寧子様・道綱母強いな!
さすが平安貴族、闇の中で生きる心胆が太い(笑
苦しい半生を描きながらも今を自慢する日記を書き上げた御仁ですわ(笑

紫式部 最初の物語

 「狐に騙される、猿たちの話よ」
「ウンが上がるぞ〜!」

過去に絵の師匠に教えられたり前回諭されたとはいえ、一回ですぐ魅力ある脚本作れるまひろ凄いな!
物語のツボや観客層にあった演出なんて何回も失敗するもの。
普通は無理なんですが、「紫式部なら出来る!」と言われたら納得するしかないですよ(笑

 自分が作った筋で劇が動き、民たちが笑う。
こんな成功体験、こんな幸せ、早々ないですよ。
きっともう、この興奮を知る前に戻れないぐらいの。

打毬で女心をイチコロだ!

 今回のメイン、打毬。
ポロと源流は同じでしょうか。
金と権力あって初めて出来る、かつ優雅で勇ましい、これぞ貴族の華!
お姫様も男性貴族たちも入れあげるのも納得です。

 そこに欠員!
呼ばれる風来坊!
少女漫画か!(笑

 ついつい見ちゃう眼差し、格好良い若き貴族たちの肉体と技の美しさ。
惹かれるお姫様たち。
少女漫画だ!

 そこからの雨!トラブル!着替え!半裸!たまたまの立ち聞き!
メロドラマか!

そして誤解しちゃうヒロイン!
メロドラマだーーー!!!!

 展開が怒涛にも程がある(笑

聡いものたちのドラマ

 とはいえ、まひろと道長は聡いし信頼し合っているので、すぐ誤解を解いてくれると感じています。
道長は女心にはちょっと不器用ですが、政治も人の心にも聡いのですよね。

 道長と直秀も「あるべき政治、あるべき正道」は同じと理解し合っているので、確執は深まるのか否か、こっちもドキドキです。

 個人的にはききょう(清少納言)にもこの輪に参加して欲しかったり(笑
オモシレー女はいっぱい居た方が楽しいですよね!

マスコット枠は不幸!

 百舌彦はいい感じに不真面目で優しくてふてぶてしくて、道長の最高の従者だなぁ。
道長のダメな所を分かって、良い所で救われて、主人を大事に愛していますよ。

 そして今まで毎回毎回ちょっと不憫で可愛い乙丸。
報われて欲しいなぁと思っていたら
Σお、乙丸ーーーー!
お姫様守った!殴られた!バタンキュー!置いてかれた!
でも無事でちょっと怒って連れに来た!
可愛いぞ良かったな乙丸ーーーー!(涙

 そして最後は愛すべき猫ちゃんの
小麻呂ーー!
最後捕まったよね?無事確保されたんだよね?

 今回は小麻呂に乙丸に、マスコット役が可哀想な目に合ってドキドキしました。
小麻呂は多分大事に大事にされてると思うので、従者2人に報われて欲しいですよ。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ぶるがり屋 2024/02/18 19:10

光る君へ 6話 の感想

光る君へ 6話
「二人の才女」の感想です。


見逃し配信 光る君へ NHKプラス

【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK

光る君へ

 ああ、『光る君へ』を見ている……!
そんな喜びで満ちています。
今まで撒かれていた文学、政治、家と個人、権力と自由、男と女。
全てが一つの『光る君へ』に結びついた、そんな喜びで。

父と子と

 あ〜やっぱり父を迎え入れるまひろの声が優しい〜〜。
ちやは母の死の処理から離れていた藤原為時・まひろの心が、前回ラストで再び近づいたと感じたのですが、確かで嬉しいです。

 「わしが浅はかであった」
ああ、子供の心の傷に寄り添った。
父として娘に寄り添った。

 為時パパは不器用で学問できる娘を大人として突き放してしまう、決して良い父とまでは言えない父ですが。
人の情を権力の道具として教える兼家パパと比べると、どれだけ良い父か……
 今の所、子に優しくて権力に使わない父は源雅信だけですしねぇ。

 父の優しさにまっすぐに見つめて感謝し言葉にするまひろ。
倫子様の女子会は、外出の楽しさ、文学に触れる楽しみもある。
そして同時に、大人として貴族として生きる武器に出来る。

 少しだけ寂しいですが、為時とまひろが、家族として、同じ大事な人を奪われた傷を持つもの同士として、一緒になったことが嬉しいですよ。

 「父上の晴れ姿拝見しとうございます。」もずっと、見たかった言いたかった言葉だったじゃないかな。

子と父と

 続いて登場の藤原道兼パパ。
……父として、一族の担うものとして、優しく教えている。
普通の親と同じように子として愛してるのも本当だと思える、だからこそその言葉の意味がおぞましい。
すぐ後で道兼も言いましたが、
「権力を手に入れるためには汚い手段、その手を汚す犠牲が必要だ」
「権力を得るために誰もが犠牲になるべき」

なのですよね。
それは親子の情など問題でなく、一族の生き方そのものだと。

 結婚話で道長がまひろのことを言えないのは、愛する資格がないからか、父を父として見られないからか。
どちらにせよ兼家は、「権力の為の結婚、色欲の対象の女」とだけ見て、子の心を見誤ったのだ思います。

 「俺たちの影は、皆同じ方を向いている」
それは、「そうあってほしい、そうあるべきだ」
傷だらけで汚れてしまった、道兼の願いなのでは……

まひろの処世術

 え、あの名著読んだことないの?お持ちします!からの
私、書物を読むのが一番苦手なの(はぁと
オ、オタクー!(笑
いやずっと漫画読み物小説読んできた私も理解出来ないですけど!

 でも反対に、口語であそこまでの教養を身につけたのか!
言った言わないの記憶力が最低レベルの私には、羨ましいぐらいですよ(笑
絶対私より頭が良い。

 ここで1カット入る猫ちゃん可愛い!

 無理して笑って、押して、でもまだ下手なまひろ。
張り詰めなくても良いと柔らかく勧める倫子様は素敵ですし、
自分の傷をさらりと話し、倫子も自分も同じ人間だと返すまひろも素敵です。

 倫子様が嬉しそうに「苦手は苦手ということで」と返したのは、自分を立場血筋でなく、一人の人間として話してくれたことが嬉しかったように感じました。

藤原兼家一家・お兄ちゃん

 道長の政治談を初めてしっかり聞けた気がします。
不器用で興味無くて正直過ぎるけど、政治の正しさを求め、政略の流れを理解し、また嫌う父の手腕や政治方向を理解して評価できる、高い判断力。
こりゃ道隆お兄ちゃんも嬉しいですよ。

 そして貴子様、愛深く察しが良く女主人らしく、立派な貴族の妻だー。
穏当で正道な政治を見せ、人の心を理解し懐柔する道隆と、同じく心の機微を理解し学識で扶ける貴子様。
この夫婦、強い。

 自分の才を信じ、まだ地位を持たない貴公子たちにとって、学問の成果を披露する場は間違いなく欲しくて欲しくてたまらないもの。
しかも最後、さも正しく期待してると讃え、本当に欲しい言葉で包み込みましたからね……。

藤原兼家一家・お姉ちゃん

 夫の愛を奪われこが利用されると知る詮子もついに政略を……
なるほど、次の「天皇の母」は強いですし、父の陰謀も大きな武器でしたか。

 「父の娘ですゆえ父に似ています。」
父と同じように脅迫するのは同じですが、自分の弱さを見せ、歩み寄って手を握りありがたいと微笑み、娘の幸せを願う。
やり口は酷いですけど、薄汚さより子を守る誇り高さが見え、格好良いですよ。

 「お前、左大臣家に婿入れしなさいよ」
ズコー!
ごめん、やっぱり父と似ているよ(笑
弟や息子に人権があると思ってない、色々な意味で無遠慮で傲慢だ(笑

まひろの家族

 惟規くーん!(笑
いやまぁ苦手なものは苦手でしょうがないんだけど(笑
為時パパがまひろが男だったらと悔しむのは仕方ないですよ。
せめてもうちょっと格好良くor文才ありげに断れ!(笑

 ああでも、父の想いなんて蹴ったって家族だ、という兼家一家との違いでもあるのか。
頭悪くたって家の権力に役に立たなくったって、愛する息子なのは関係ないですものね。

 乙丸は今回次回と、お姫様のために頑張り続けてホロリときます。
苦労性従者、大好きです。
次回はかなり酷い目に合うようですし、報われて欲しい!

清少納言登場

 名前の由来を多少は聞いていましたが、父の姓は「清」だけだとばかり(笑
清原元輔、文学を愛し文学を愛するものを愛し、娘大好きな人の好さが好ましい。

 そして登場、ムラサs機式部と並び評される日本文学の才女、
清少納言、この物語での名はききょう。
うっわ強い(笑
声が上から入って、学識の高さとそれを誇るプライドが言葉一つ一つから感じます(笑

 ある意味、まひろが落としてしまったものをそのままに生きる女傑ですね。
まひろからするとうっとおしいけど、同じ学識を持ってそうな女性として、ききょうはまひろに興味津々なのでは。

 この二人の物語、すっごい見たい!

漢詩の会

 まひろが道長と離れようと決意したのに、道長も苦手だから遠慮したのに、
うん、そりゃ呼ばれるよね道長(笑
若手貴族懐柔の会なんだから、道長が一番必要なんだよ!
 という結果、まひろと道長、会い辛いのに再会しちゃったー!

 藤原行成の詩。
完璧な美しい文、シンプルで綺麗な詩。
好きだなぁ。

 藤原斉信の詩。
これぞ美しい書!という綺麗な文字に、自分の心情ばかりをつぶやくような、これまたシンプルな詩。
いけ好かないけど笑ってしまいます(笑

 藤原道長の詩。
今まで描かれてるからか、文字は映さないんだと驚きました。
素朴な恋心開けがこもった詩だ。
菊はまひろの衣装の模様なのか、小菊のように可愛い君なのかな

 藤原公任の詩。
これまた美しさの違う、硬い力強さと美學が溢れ出る文字。
格調高さを感じる美しい詩であり、また政治の意味も込めるとは。

 ううん、造詣深くなくても多くを感じる、日本文学の楽しさに溢れた演出でした。
道兼・貴子の手腕、貴公子たちの才覚、
そしてこの「学問で政治を行う」この場をまひろが見られた意味は大きいように思えます。

そして政治だけでなく。

詩で向き合う二人

 まひろと道長、見つめ合う、見つめ合えない、でも離れがたい二人。
詩を通して想いを告げる様が……
ああもうなんて心ときめく少女漫画!
2人の間にキラキラと百合が見えたよ!

 そして届けられる、まひろの為だけの、まひろだけに届ける詩。
ああこのために移さなかったのですね。
道長のおおらかで大胆な筆、ただただ純粋な「君に届いて欲しい」恋の歌。

 現代訳なくとも、まひろの抱く姿だけで伝わる想い。
ああ、美しい。

まひろから紫式部へ

 おかしきことこそ めでたけれ
自分の趣味や貴族女性の嗜好で描く物語が間違っている訳ではなく、
これが唯一の正しさではありませんが、真実だと思います。
笑いって本当に人を救うのですよ。

 今回、まひろはこれからの自分の使命を求め、生きる力としての権力を求め、政治上での文学の力を知り、そして「客の視点」と「笑いの力」を知った。
作家としての一歩、の前の大きな土壌が育ったように思いました。

 これからまひろがどのように物語を書き始め、源氏物語につながるのか。
ああ、楽しいなぁ。

その他ちょろちょろ

 忯子様ー!(涙
激しいせい行為とすっぽんまでは笑えましたが、死んじゃうのは悲し過ぎますよ。
未熟と問題だらけの花山天皇も、愛だけは本物中の本物なのですよね。
辛い。

 漢詩会の後の斉信と公任、
チョロい〜〜!
男友達〜〜!(笑

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

1 2 3 4 5 6 7

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索