妹は甘えんぼ8
いつも温かいご支援ありがとうございます。
さて、月曜日なので既刊の同人誌の更新です。
楽しんで貰えたら嬉しいです!
グルルッ!
グルルルルル!
獣のような低い唸り声を上げて、腹痛が小柄な身体へと牙を剥く。
じわじわと身体の深いところに食い込んでいき、絵馬の心を折ろうとしてくるかのように。
(うっ、うう! 急にくるなんて……!)
絵馬の額には脂のような冷や汗が浮かんでいる。
額に浮かんでいると言うことは、胸にも、背中にも、お尻にも冷や汗を掻いていると言うことだ。
(どうしよ。おトイレ、行ったほうがいいかも? ああ、でも!)
ぐゅるる!
ゴポッ、ぐ、ぐぅ……。
お腹から発せられる、腸が捻れるかのような痛みに堪えながら、絵馬はトイレに行くことを躊躇ってしまう。
以前、絵馬には誰にも言えない大失敗をしたことがあったのだ。
あれは成長期を迎えて、酷い便秘とのお付き合いが始まって間もないころだった。
(おトイレ、詰まられちゃうなんて……だめっ)
何週間分かは忘れたけど、便秘のうんちを学校のトイレに出した絵馬は、なんとトイレを詰まらせてしまったのだ。
あのときは男女共用トイレだったこともあり、男子たちは絵馬が出したうんちを見て大いにはやし立てた。
……絵馬が出したものとは知らずに。
それからというもの、絵馬は学校でうんちをすることに抵抗があった。
できれば、家まで我慢したい――。
この体育の授業を乗り越えることができれば、あとはもう下校するだけだ。
あともうちょっとだけ我慢すれば……。
「えっ」
絵馬が短い声を漏らしてしまったのは、下を向いていた視界がフッと開けたからだった。
気がつけば、跳び箱の順番が回ってきている――。
その事実に、フッと意識が遠のきかかる。
「えっ、あっ、ううっ」
戸惑っていると、
『絵馬キチ、どうしたー? 早く跳んじゃいなよ』
すぐ後ろにいるクラスメートが首をかしげながらも急かしてくる。
こうなってしまうと、お腹が痛くなったからパスしたいとも言い出せない。
(一回くらいなら……! 我慢できるもん!)
ギュルルッ、
グポポッ、ぐるるるっ。
低い唸り声を上げ続けているお腹を抱えながら、絵馬は跳び箱に向かって走り出す。
走る振動がお腹に伝わって、ミッチリと詰まったものが重力に引かれて下に落ちていく。
それでも絵馬は足を止めるわけには行かなかった。
(この跳び箱を乗り切れば……! あとは体育館の隅でジッとしていよう……!)
ただ、そのことを考えて走り、踏切板に両脚をついて、
……ジャンプ!
その瞬間、フワッと身体が浮かんで、跳び箱に両手をしっかりとついて――トンッ。
「おっ、おごぉっ」
絵馬は誰にも聞こえないくぐもった声で、品のない呻き声を漏らしてしまう。
それも無理はない。
当然のように絵馬は跳び箱を跳ぶことができず……、絵馬は、跳び箱に前のめりに突っ込んでしまったのだ。
「おぉっ、おおぉ……!」
絵馬は跳び箱の上で脚を開いたまま、舌を突き出して呻く。
その体勢は、うつ伏せで車に轢かれたカエルのようだ。
早く脚を閉じないと。
早く降りないと。
出る。
出てしまう。
お尻の奥の……、すぐそこにあるカチカチに固まっている棒状のうんちが。
(あっ、いっ、だ、だめ……!)
ミチ、ミチミチミチ……!
ゆっくりと、だが確実に直腸を進んでいく、固い感触。
お尻を引き締めようとしても、2週間ものあいだ水分を吸われ切ってカチカチになっているうんちは千切れてくれない。
プリッとしたお尻の括約筋は、あまりにも貧弱だった。
(お願い……っ、止まってぇ……!)
ミチミチミチ……ッ。
絵馬の願いも虚しく、ついに肛門からカチカチの硬質便が顔を出し、湿ったショーツの裏側にコツンと当たる、あまりにも絶望的な感触。
だが本当の絶望はこれからだ。
うんちがショーツに当たると、ブルマがモリモリと盛り上がってくる。
普通の量だったら、ショーツとブルマに阻まれてうんちも止まってくれるはずだが……。
しかし、2週間分のうんちは、小さな身体では押さえきれないほどの圧力でじわじわと這い出してくる。
「ぁっ、ぉぉぉっ、おぉぉっ、だ、めぇ……っ」
ミチミチミチ。
メキメキメキメキ。
小さなお尻を包み込むブルマが、歪に盛り上がっていく。
肛門を這い出してきたうんちはショーツの中で潰れ、その猛威をじわじわと拡張していく。
(だけど、まだ……!)
ここで立ち上がってそのままトイレに行けば、もしかしたらうんちを漏らしたことがバレないかも知れない。
そう思って両手を跳び箱について立ち上がろうとするも。
しゃああああああああああ……。
「あっ、ああっ、あっ」
跳び箱から降りようと、ちょっとだけ身体に力を入れただけ。
それなのに、おしっこが勝手に漏れ出してしまう。
カチカチうんちに肛門が拡張されているぶんだけおしっこ穴も開いてしまっているとでも言うのだろうか?
「あっ、やっ、勝手に……はううっ」
しゅいいいいいいいいい……。
どんなにおまたに力を入れてもおしっこを止めることはできなかった。
ブルマからおしっこが滲み出してくると、跳び箱のクッションの白い部分へと染みこんでいく。
おしっこの染みが、取り返しのつかない大きさになっていく。
この小説は、同人誌『妹は甘えんぼ』として発表しています。
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