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新作小説発売!

闊達行雲(かったつこううん) 2022/11/27 10:00 更新:2024/04/16 19:41

新作小説発売!

販売告知 新作の小説が発売となりました! Amazon:https://amzn.asia/d/9JUXO24 BOOTH:https://yukigumo.booth.pm/items/4346348 BOOK☆WALKER:https://bookwalker.jp/deb644fd74-8b44-43c6-8289-b15ec6f2fa73/ Amazon:990円、BOOTH:660円、BOOK☆WALKER:770円となります。 販売額が違うのは、ショップによって手数料が違うためです。 ファイルはepubファイルになります。専用のリーダーが必要になるので、あらかじめ読めるようにアプリなどを準備いただけると幸いです。 ※どこで買っても同じ内容ですが、一番お安く、かつ卸価格もよいBOOTHで購入していただけると、著者としては一番うれしいです。 作品内容 4年制大学に通う主人公の大学生活を、一年生の夏ごろから時系列的に追っていく内容になっています。基本的に大学生という青春の日々を書いた小説ですが、主人公の心理面の変化に描写の中心をおきながら、途中、学術的な内容───心理学・哲学的な内容───も兼ね合わせて書いています。前半は大学生活を送っていく中で、サークル活動や、飲み会、バイトをし青春の日々を過ごす様子を書き、後半にいくにしたがって心理学・哲学の知見や創作に関する主人公の考えなどを書き記す、観念的で思弁的な内容が中心になっていきます。 舞台は現代と同じ歴史・出来事を共有しており、その中で架空の登場人物である主人公の加藤航介が過ごす大学生活を、おもに彼の心理面の変化に重点を置きながら、丹念に書いていきます。字数的には20万字程度で、ページ数は文庫本換算で340ページ前後の「長編」になります。 青春小説が読みたい方、心理学・哲学がお好きな方や、創作に強い葛藤を持ち悩んだり考えたりする方にお勧めです。 サンプル 以下のサイトから、全21章ある中の、第3章までを読むことができます。20000字前後です。 ・小説家になろう:https://ncode.syosetu.com/n4765hy/ ・カクヨム:https://kakuyomu.jp/my/works/16817330649355841568/episodes/16817330649355901629 感想などもお待ちしております 以上です。読まれて感想等ありましたら、ci-enのアカウントがある方でしたらメッセージ機能で連絡をいただけてもいいですし、TwitterのDMなどでもかまいませんので一言頂けると次回作の励みにもなりますので有難いです。 それでは主人公たちとともに、大学生活の青春の1ページを楽しんでみてくださいね!宜しくお願いいたします。

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CG集進捗状況【5】&雑記

ひきつづき、CG集の作業を進めております。

色塗りに手こずる→液タブの導入で切り抜ける

塗りの方でてこずっております。というのも自分はメインで「板タブ」を使用しているのですが、どうもその辺の限界が見えてきたというか、ペンを画面に接地して描く感覚が欲しくなってきました。画面に直接描いていく、そういう感覚ということですね。magic drawing padがかなり描きやすく、スラスラと下描きはうまくいったのですが、板タブの作業で色塗りになると、どうもテンションが上がらないし、苦々しい気持ちになって、塗りの手が、今週の後半は完全に止まってしまいました。
そこで「Artist Pro 16(Gen2)」を購入し導入してみようと思いたちました。magic drawing padに引き続き、高価な買い物にはなりますが、先行投資として、あとで作品をがんばって売り上げ回収ということでやろう。そのように思い立ち、購入を決意しました。

Artist Pro 16(Gen2)

こちらは昨年の8月頃に発売された商品で、ブロガーさんやレビューの評判もよく、いい感じ描画していけそうです。以前液タブは、artist16セカンドを所持していましたが、画面がツルツルで描画する気が起きなかったのですよね。それがこの商品はサラサラした感じで、フェルト芯を使用するとかなりいい描き味(紙に近い感覚)を得られると書いてありました。それがひとつ。もう一つは、解像度が2560*1600で自分のモニタと近いこと。この二つですね。あとはTypeCケーブル一本で接続できるのも取り回しがしやすくいい感じですね。そのあたりで購入していこうと思ったところです。

新ガジェットでお絵かきが加速するか

やはり液タブを選択するのは、ダイレクトに線が引きたい、紙に書いているのと同じように作画したいというところがあると思います。もちろん角度を間違えると、腰や首を痛めたりするというデメリットもあるので気をつけないといけませんが、上手い人の液タブ使用率は高いので、「何かあるな」と思っていたのですよね。僕も、液タブ台をしっかり使って、身体を壊さないように注意しながら使用していきたいと思います。

液タブと板タブのメリットデメリットについていずれまとめたいと思います。この辺ははてなブログでまとめようと思いますので、関心のある人はそちらも覗いてみてください。実質、僕のメインブログが、はてなブログです(リンク)。

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CG集進捗状況【4】

CG集進捗状況

そこそこ順調に進んでいます。今週は基本CG8~9枚のうち1枚目をかなりの部分まで着色しました。相変わらず、基本的なアニメ塗りの塗り方には寄らず、厚塗りっぽい塗り方に自分独自の塗り方をミックスさせて、ひたすら作業をしています。
ふつうのアニメ塗りの場合、ラフを描いたら、ペン入れの際はそれを土台にして新しい線画を描きおこしますが、自分はラフの線画をそのまま使用したいのですね。仮置きした色もそのまま使いたい。ふつうにペン入れするやり方も試してはみましたが、それだとどうしても絵が固くなる。それで厚塗りっぽい塗り方になっていきます。
またそこからもレイヤーをあまり分けず、選択範囲を作りながら、どんどん塗り重ねてはレイヤーを統合し、塗っては統合し・・・を繰り返し、できる限りレイヤーの少ない枚数で作業をするように心がけています。このやり方をするまでは、絵が固く、細部の書き込みが思うようにいきませんでしたが、この塗り方に変えてからは、そこそこ思うような塗りができているように感じます。やはりアナログと同じように、あまりレイヤーというものを多用せず、統合しながら描いていくのが性に合っているようです。

「よい絵」といっても、いろいろある

いい絵というものは何でしょうか。Xなどを見ているとラフでもよいものは万バズいったりしています。また人の描いた絵でも、ラフがよいように感じることがあります。ところが上手い人の絵や整ったものを見続けていたり、講座動画を見たりしていると、どうしてもそちらの絵柄に吸い込まれていくというか、「上手いなと思う絵」に自分の絵柄が吸い込まれていくようになります。そしてラフや気軽に描いた絵を否定するようになる。実際は自分の描いた絵を後から見直してみると、よいなと思うものはあるのですが、結局、そこを否定してしまい、絵を描く気が失せてしまう。それではいけないと思うのですね。よい絵、といってもいろいろあり、一概にプロや講座の講師の絵がいいとは限らない。もちろんある程度のクオリティは大事ですが、一番は自分が「いい」と思ったものを、否定せず素直に出すことではないのか。そう思うようにしています。
自分が素直に描いた絵はダメで、講師や神絵師の絵はいい。それをもって自分の絵を“否定”
してしまう・・・。どうやら作画をつまらなくする原因は、この辺にありそうです。これでは、自分が楽しんで絵を描けるはずもなく、人と比べて自分の絵柄を否定する。自己否定ばかりが強くなってしまいます。これではお絵かきを楽しめるはずもありませんよね。

「クオリティ至上主義」を打ち破れ

クオリティも大事ですが、一番は、描きたいものを描きたいように描いて、それで評価されていくことだと思います。自分の作品数が少なく特に絵に関しては苦手意識が強いのも、過度なクオリティ至上主義に陥り、無意識に「よい絵」を自分の外に設定して、そこから自分の絵を“否定”する。その辺に自分の最近の絵に関する行き詰まりがあるように思いました。もっと肩の力を抜いて、描けばいい。最初から上手い人などどこにもいない。もちろん10年近く描いてきましたが、まだまだ自分はクオリティを自分の外のどこか遠いところに設定して、そこから自分の素直な絵柄を否定する傾向にある。その辺にどうも絵に関して満足感が上がらない、その原因があるように思いました。最初から上手い人などどこにもいない。みんな失敗しながらも作品を出し、一枚一枚の絵(作品)を完成させていくことで経験を積み、上手くなっていく。そのようにしてきたのだと思います。もっと力を抜いて、自分で事態を複雑にせずに、肩の力を抜いて作品を出す。そこに心がけていきたいと思います。

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CG集進捗状況【3】

進捗状況:けっこう良好

新規購入した「magic drwaing pad」とPCでの作業で、CG集制作を進めております。このガジェットですが、やはり自分に合っていますね。いままで板タブではまったくテンションの上がらなかった作業が、高価な買い物をしたせいかスイッチが入り、バーッと基本CGができていきました。

中身はできあがってきたら、サンプルとして後日公開していこうと思います。

スパンとしては、塗りにどの程度時間がかかるかわかりませんが、3ヶ月内には出したいと思っております(夏頃完成予定)。今回の作品は「書き殴りCG集」と自分で名付けているのですが、あまりクオリティとか難しいことは考えずに、描きたいものを描きたいように描いて、安値で販売する・・・。そういうテンションを基本に考えています。

長らくRPGを作ってきて、成人向けの方はあまり人気もありませんが、これから徐々に伸びていけばいいなと思っております。とりあえず、作品をたくさん出していく方向に持って行って、一人でも多くの方と作品でお目にかかれればと思っております。

magic drwaing padについては、はてなブログにて、明日10:00にレビューを公開したいと思っております。こちらもぜひご覧ください。

またこのCi-enの成人向けの要素に特化した、ライブドアブログができました。
すでにはてなのほうが好調で、レビュー記事を中心に独立させていっていますが、noteの方も小説や書評ブログとして独立させていっています。このライブドアブログの方も、独自コンテンツを用意して、やがて独立させていきたいと思っております。

こちらも興味のある方、ご覧いただければと思います。

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CG集進捗状況【2】

進捗状況

今週は、xp-penから発売された「magic drawing pad」が良さそうだなと思い、購入しました。PCの新調に続き高価な買い物でしたが、断捨離して浮いたお金で購入までこぎ着けました(※本体のレビューはまた後日あげたいと思います)。

このデバイスがなかなかおもしろく、描き心地もよく、画面もiPad Proなみにひろいのでなかなか気に入っています。ガシガシ描いて、CGの下描きを4~5枚描き込みました。CG集は300円くらいのお安いものにしたいと思っているので、枚数的には基本5枚ほど、後は差分で作っていく、という感じになると思います。複数枚描いて、よいものを選別しながら、作品化するという感じですかね。
キャラの進捗報告であげた女上司との絡みにしようと思っていましたが、5枚ではそれほど枚数はさけないので、1キャラでしめていくことになると思います。

■神楽みゆか(22)

大学4年生、卒論の準備で助教授と懇意になる。そして・・・。というような流れ。デザイン案。

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【35時間】「ユニコーンオーバーロード」プレイレビュー【若干のネタバレあり】

【※クリア前、35時間ほどプレイしてのレビューです。クリアしてから追記することがあれば、追加したいと思います】

高評価、かつ50万本突破の報も入ってきた話題のゲーム、ユニコーンオーバーロードをレビューしたいと思います。

90年代の名作SRPGを彷彿とさせるストーリー

90年代には、おもにSFC(任天堂)やPS(ソニー)などのハードが有力となり、キッズたちの趣向を満たしていました。そういう時期にあっていろんな名作シュミレーションRPGが百花繚乱し、台頭してきました。

■ファイアーエムブレム

個人的にいまでも記憶に残っているのは、FE(ファイアーエムブレム)です。自分はFCの「ファイアーエムブレム外伝」のころから縁があり、当時、子どもにしては高価なゲームソフトを親にねだって(多分、、)買ってもらいましたが、難しくてクリアできず、また独特の街道をマス目のように進んでいくシステムがどこか物足りなく、売ってしまっていました。


そしてシリーズにはあまりよい印象を持てずに日々を過ごしていたわけですが、大きくなり中学生になって、部活の後輩からSFCででていたあの名作、「FE紋章の謎」を借りることになります。やはり王道のRPGに興味があり、パッケージの画像などにも惹かれるものがあったのですね。


そしてやってみると驚かされました。暗黒魔道士ガーネフによって平和が破られ、暗黒竜メディウスを復活させ、世界制覇をもくろみ進撃する。機縁あって島国タリスに逃れた主人公マルスは、タリスにもガーネフの魔の手が迫っていることを聞き及び、メディウス討伐に向けて剣をとっていく・・・。そう、今回レビューするユニコーンオーバーロードのストーリーは、この作品からとても強い影響を受けているように思われます。グラフィックの向上や戦闘モーションのかっこよさに心を奪われ、またその難易度の高さ、一人のアーマーナイト(ドーガ・・・名前もいまでも覚えている)で10体くらいのソシアルナイト、傭兵などを足止めするなど、独特のゲーム内容に惹かれ、どっぷりとハマってしまいました。中身は二部構成となっており、理不尽な命中率の変動や、ステージ内を縦横無尽に登場する増援部隊など、今日にも、そしてユニコーンオーバーロードにも引き継がれているであろうシステムは、この作品の時点で熟達の域にあるといってもよく、難易度の高さに歯がみをしながらも、クリアしたときの達成感がおもしろく、夢中でプレイしたのを覚えています。群がる山賊たちの中を、女の子を守りながら、キルソードという必殺率のバカ高い剣一本を頼りに、切り抜けていく・・・。ナバールと踊り子レナの登場シーンを知っている人は、きっとこのユニコーンでも似たような演出があったことを思い出すでしょう。
キャラが立っていて、高難度でやり応えがあり、2部構成のボリュームなどこのゲームでSRPGを好きになった人も少なくないのではないでしょうか。

https://youtu.be/Cq_p7ok2090?si=B4v4mqqYpa9QGDCP

●wikiより
「ハードの性能向上のためグラフィックや演出面が強化されている。難しいとされた旧作より難易度はかなり落とされたが、ゲームバランスに関しては評価が高く、同シリーズの代表作と呼べる作品である。本作は新ファン層を増やし、人気ゲームシリーズの仲間入りを果たした一作と言える。」

販売本数的にも77万本とスマッシュヒットをとばし、DSでのリメイクもありましたね。


この作品が同作をSRPGの傑作へと引き上げ、のちの聖戦の系譜、烈火の剣、蒼炎の軌跡、暁の女神などに連なる一連の名作シリーズを現出させる礎となっていきます。自分も外伝で尽きかけていた炎が、この作品を機に燃え上がったといってよく、シュミレーションRPG自体に大きく関心を向ける、そのもっとも最初の作品になりました。

■伝説のオウガバトル

そしてFEと並んで本作と類似点がよく引き合いに出されているのが、伝説のオウガバトルです。良作で少々FEとは毛色の異なるSRPGですね。当時、僕もSFCでさわり最後まで攻略しました。「リッチ」というユニットの、強力な全体魔法で無双できた。。。そのことが記憶によく残っています。
ユニット枠を拡張して、最大5人のユニットを組める、各ユニットのバラエティに富んだ編成、そして各部隊を配置してその小隊を動かしながらマップを進めていくというところはFEとは違いこのオウガバトル独特のシステムになっています。
本作の最初にゲーム画面を見たときの印象は、このオウガバトルの戦闘パートのものでした。
次作のタクティクスオウガにおいてはFFタクティクスみたいな作品になり、ヒットしたそうですが自分的には食指が動かなくなってしまいました。しかしこの作品もSFCにある作品の中で独創性のある作品で、のちのオウガバトルサーガ(本作ータクティクスオウガーオウガバトル64)の端緒となった作品です。

https://youtu.be/qjt4yxVKZJ8?si=gBDW6wHJh6ZNWiAQ

当時の印象は、FEとは違う、2Dのキャラがドット絵で綺麗かつコミカルに描かれていて、かっこよく、よく動くなという印象でした。FEとはまた違ったドット絵のコミカルなテイストが中高生ぐらいの自分に心地よく、すぐに購入したのを覚えています。40万本のヒットになったようで、後にシリーズが続いていることからも、作品内容がよかったことがうかがえます。ユニコーンオーバーロードの、ヴァニラウェアの本領発揮と言える、動きまくる戦闘シーン、豊富なキャラモーションは本作独特の魅力ですが、93年発売のこの作品の影響を、色濃く受けているなと感じます。

本作の魅力

さて本作が影響を受けたと思われる作品群について述べた後で、いよいよ、本作の魅力で遊んでみて楽しいところをレビューしたいと思います。

①ぬるぬる動く、豊富なキャラモーション

ヴァニラウェアのお家芸といっていい2Dキャラの美麗なモーションは、すでにオーディンスフィア、朧村正、ドラゴンズクラウンなどで知っている人は多いと思いますが、今作でも遺憾なく発揮されています。印象として、記憶の底から呼びかけてくるにたゲームの印象というのは、PSPのグランナイツヒストリーですね。

https://youtu.be/_Lwc6l3Inqc?si=L7S1w_I_zkJtEgYW

2011年に発売され、それなりにヒットした作品でしたが、システムや戦闘が今ひとつしっくり来ませんでした。
しかしユニコーンオーバーロードはその豊富なキャラモーションにさらに磨きをかけて、据え置き機でも遊べるボリュームや遊びごたえを加味した作風だなと思います。仲間になるキャラ数も多いですが、そのキャラたちがついている「職種」も多く、どの職がどの職に強いなどの優劣があります。その辺から、各キャラの「編成」を考えるようになっていきます。各技のモーション、職種ごとの特性、仲間になるキャラの個性などにあわせて豊富にモーションが用意されており、戦闘中シーフが飛んでナイフを投げる、飛行キャラが滑空して攻撃する、グラディエーターが受けたダメージを回復して、斧で一ラインにいる敵を一気になぎ払う・・・。スキル毎に行動が違う、クラス毎に、キャラ毎に独特のモーションが用意されているので、その組み合わせたるや、膨大な量になるのでしょうが、それらを豊富な戦闘ステージを通して、自然と目に入ってくるようになっています。ダメージを受けたとき、倒されたとき、またクラスチェンジもあるので、それを経た上での攻撃モーションもあります。美麗なキャラがぬるぬる動くだけなら、ドラゴンズクラウンや他作品などでもでもみることができますが、そこにバックグラウンドになるストーリー(物語性)と、次に述べるガンビットのような作戦システム、そして各職種の三すくみのような優劣(弓兵はシーフに強い、ホプリタイの強固な物理耐性を魔術師の魔法で破るなど)があり、戦略性が入ってきて、さらなるおもしろさを醸し出していきます。

②「作戦」システム

自動戦闘システムの「ガンビット」のようなシステムを加えることで、戦闘をどう効率よく、強力なダメージを与えることができるかを考えるように導かれていきます。なぜなら敵との戦闘は、総ダメージが多い方がwinnerとなるためです。
そう聞くと、「なんだか難しそう。。。」と感じる方もいるかも知れません。自分もそうでした。プレイしていても最初の大陸の時点では覚えているスキル数も少なく、ダメージ量もそう多くないため、「どう使っていくんだろう?」と。ところがチュートリアルが入り、第二・第三大陸にはいっていくと、違ってきます。なにしろステージ数が豊富で、何度も戦闘経験が積めるし、レベルアップや敵のレベルなどが上がるにつれて自然と作戦のほうに目が向いていくように、ゲーム内容が設計されています。この辺は、さすが10年かけてじっくりと練られた作品だなあと思い、感心しました。
ゲームの設計上、最初からラスボスを倒しに行くこともできる展開ですが、敵のレベルが高くてどうしようもなく、仲間からもいまは戦うのをやめたほうがいいと促されます。そして迂回するようにしてガレリウスから離れ、一角獣の指輪の導きに従って進んでいくと、豊富なメインクエスト、サブクエストが用意されています。
サガシリーズのように自由度が高く設計されていますが、実際遊んでみると、敵のレベルによって、こちらのレベルを上げる必要があり、レベルが足りず自軍が弱いと、ステージ攻略が困難になるように設計されています。
自分は割と変なプレイはせず、物語上の必要に応じたプレイをしていますが、35時間ほど遊んで第四大陸の頭に入ったところです。残すは第五大陸と、ラストになるかと思いますので、攻略時間は50~60時間ほどになると思いますが、やり応えがありますね。

③時間が溶ける、「編成」

ガンビットのような「作戦」システムと、各クラスの三すくみのような優劣(シーフは攻撃を高確率でよけるが、「必中」スキルをもつ弓兵に弱いなど)によって、各ステージをどのキャラで攻略するかの戦略性が生まれます。各ステージで出現する敵の種類はステージ開始時点でわかるのでm、その敵の職種にあわせて、どの編成でいくか、ステージ毎に考えていくことになります。また各戦闘パートにおいては、先述のようにいかに総ダメージを多く与えるかが勝敗を左右するので、作戦をどうするか(追撃スキルは、一番HPの少ないキャラを狙うようにして、敵の頭数を減らすようにするなど)を検討することになります。
作戦が貧弱であまり考えていないと、HPまんたんの味方にヒールを使ったり、頑丈なホプリタイに物理攻撃で攻撃したりして無駄足が増えていくようになります。また行動回数はアクセサリやクラスチェンジによって増減するのですが、その行動回数にアクティブスキルとパッシブスキルがあり、それぞれAP、PPを消費して発動します。そのAP、PPを増やすものがあるため、アクセサリ(ひいては装備)をどうするかも「編成」で考えます。
ユニコーンオーバーロードのレビューや評判、感想には、「時間が溶ける」というものが多くみられますが、この編集による総ダメージ量の調整、クラスの優劣による調整、アクセサリによるAP、PPの調整などに起因しています。複雑そうに見えますが、大丈夫です。場数を踏むというか、メインクエ・サブクエともに豊富に用意されているので、本編をクリアしていく中で、自然と身につくようになっています。そう感じさせるところが、うまいなと思うところでもありますね。

④各ステージの戦略性(豊富なギミック)

各ステージは伝説のオウガバトルのように敵拠点、あるいは敵ボスめがけて進んでいくものが多くなりますが、その間には、弓の発射台があったり、投石機があったりして、うかつに進んでいくと大ダメージを受けます。またキャラ固有の戦闘スキルがあり、範囲に大ダメージを与えたり、逆に範囲内の仲間を回復させる雨を降らせたり、あるいは、燃えている森を、雨で鎮火したりすることもできます。体験版でもプレイ可能ですが、閉じた城門を破壊して進むというステージもあります。拠点に巨大なバリアがはられていて、それを解除してボスに挑むというステージもあります。そういうステージ毎にどういうふうに攻略するかというギミックが豊富にあり(主にメインクエスト)、それを考えて攻略できたときの気持ちよさというのがあります。これは最近のゲームらしいというか、FEにもオウガバトルにもない、本作独特の魅力の一つになると思います。飛行ユニットは機動力がありますが、戦闘毎に消費するスタミナが少なく、弓兵の発射台を潰さないとやられる確率は高くなります。グリフォンナイトは、強力な騎馬兵には強いですが、弓兵にはめっぽう弱い。そういう弱点もあるので、使い方は見極める必要があります。まあ進軍スピードが速いユニットは強力な特権をもつことになるので、それをスタミナ(戦闘回数毎に消費し、0になると一定時間行動不能)や、ギミック、クラス毎の優劣などで調整しているわけですね。各ステージには制限時間がもうけられているため、その時間内にクリアする必要性があります。その点もおもしろいですね。

⑤限定された戦闘ステージと、縦横無尽に探索できるフィールドパートの対比

戦闘ステージはある一定程度限られた範囲を探索するものですが、フィールドパートは探索要素が高く、素材集め、街の復興、天のかけら集め、武器防具、道具の調達、宿屋でのお食事、親密度の高低による仲間との親密度会話、採掘所による発掘ミニゲーム、宝の地図探しetcやれることが多々あります。またフリーシナリオのため、難易度はあがりますがどこから攻略してもよいという自由度の高さがあります。探索の自由さと、緊張感のあるギミック豊富な戦闘パートとは、いい対比・バランスになっていると思います。

⑥豊富な会話・テキスト量

X(旧ツイッター)を見ていて感じるのが、ファンアートを書いている人がわりに多いことです。葬送のフリーレンの影響でか、エルフのロザリンデ、エルトリンデ姉妹が多いですが、ほかにクロエ、シャロン、ヴァージニアなどが多いような気がします。これだけ人数が多いにもかかわらず、キャラが立っているのでしょうね。それがぬるぬるとよく動く。自分もエルフの女剣士がデザイン的に好きですが、セクシーなものも多いですねwまた前述のように、親密度会話が用意されていて、FEのように、キャラ同士が仲良くなって、組み合わせによって豊富な会話をみることができます。親密度は宿屋の食事を一緒に食べたりして上昇できますが、ヴァニラ飯といわれるように、食事のシーンも、これまたうまそうな飯の画像が見れます。この辺の最近のRPGに見られない、手の込みようも、おもしろいですね。
個人的にはヴァニラウェアの作品はテキスト量の豊富な、重厚な物語性の高い作品を遊びたいと思っていたので、キャラモーションの豊富さはそのままに、ストーリー性の高いものがでてくれたことは嬉しいです。同社の「十三機兵防衛圏」も評価が高いので、気になってきました。
各地の大陸毎にストーリーがあり、そこに生きる人たちの生き様、実存がちゃんと描かれている。そこがいいですね。

総評(まとめ)

FEや伝説のオウガバトルなど、過去作へのリスペクトと学び。それらのよいところを参照しながら、ガンビット的な作戦システム、各クラスの優劣や行動回数、総ダメージ量を考えた、「時間の溶ける」編集、自由度の高いシナリオ構成、フィールドパート、作り込まれた豊富なモーション、お家芸のぬるぬる動く2Dグラをとことこ突き詰めた戦闘シーン。
仲間の数は多いが、一人一人に物語上の個性があり、親密度会話も用意して、キャラを立たせてある。
戦略性の高いステージ構成、時間内に戦術が決まったときの達成感の高さ、食事などの細部グラフィックへのこだわりの高さなどなど・・・。
あげればまだいけそうですが、高評価で売り上げも高い理由が分かる気がします。ゲームとして、今年の一本に間違いなく食い込んでくるでしょうし、SRPGの名作として語られていく作品になっていると思います。
未プレイの方は、序盤を体験する意味でも、まずは5時間ほど遊べる体験版をプレイしてみてはいかがでしょうか。セーブ・ロードも早く、システム面の完成度も高いです。自分はこの時点で手応えを感じ購入しました。
作品の上で後半になるにつれ、作戦やユニット編集がおもしろく、またいろいろなことができるようになっていきます(全体攻撃や複数回行動、スキルを使った範囲攻撃など)。その辺は序盤ではその一端しか体験はできませんが、その片鱗でも感じることができると思うので、このレビューが本作を遊ぶ上での入り口になってくれれば幸いです。
個人的には最近のSRPG界隈には、「FEをもっと硬派にしてほしい」など要望も少なくないので、本作のヒットを機に、良質なSRPGがたくさん出て、盛り上がっていけばいいなと感じております。

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