投稿記事

R18の記事 (79)

時 自若 2022/11/03 07:33

今生のローダンセ 第7話「勝ってはいけない」

「この辺来るのは久しぶりだわ」
「そうなのか」
「前は確か、そう…」

お使いであった。
「新しい鉱物用の鍼の見本とその説明を届けてほしい」
「わかりました」
その時も二回は来たことがある。
少し辺鄙だ、スーパーやコンビニがまとまっているところから足を伸ばした先に、依頼された屋敷があり、そこでのお届けはスムーズに行われた。
緊張したので、終わったらなんかお腹が空いてきた、なにか食べるものをとコンビニ側に向かって歩きだしたときに。
「おや、君は」
知り合いのお偉いさんである。
「君のテリトリーはここではなかったと思ったが」
「お使い帰りです」
「それは大変だね」
その話中に。
「お兄さん、お姉さん、景気良さそうね、私と勝負しない?」
その娘がお兄さん、お姉さんと呼ぶほど何歳か離れたぐらいの容姿をした若い娘だった。
「ああいいよ」
すぐにお偉いさんが受けた。
「君もいいだろう?」
巻き込まれた。
「いいですが」
「じゃあ、決まりね」
「カードでいいかな」
「いいね!」
若い娘さんはノリが良かったのでご機嫌になったようだ。
(この勝負勝ってはいけないよ)
お偉いさんはぼそっと呟くが、トーンとしては仕事時のものなので、接待プレイの始まりである。
「僕が20」
次は私で、最後に勝負を仕掛けてきた娘さんというわけなんだけども。
「私も20かな」
「これは面白くなってきた、こういうときがたまらないんだよね、さあ、勝負だ、21、21!やった私の勝ちだ!」
「勝てると思ったのに」
「どうする、続ける?」
「いや、勝てると思ったが勝てないときは素寒貧まで行きそうなんでね」
「お姉さんは」
「私もここで、ちょっと豪華にご飯食べてから帰ろうと思ったけど、抜きになりそうで」
「そっか、じゃあ悪いね」
掛け金を手に取る。
「もし良かったら次も遊んでね」
娘は場から立ち去った。
「悪かったね、これで食事でもしてくれ」
そういってお偉いさんは自分の懐から数えもせずにお金を出した。
「ありがたくいただきます」
「僕が勝ってしまうかと思ったんだが」
「勝ちたくはなかったようなので、勝たせました」
「いい腕だ、これから君は帰るのかい?」
「はい、一刻も早く、何か食べるもの勝っては帰りますが」
「その方がいい」
「では失礼を」
「君は何も聞かないんだな、…これから明日から一週間、この地域に起こる事件を知っておくといい、じゃあ」
「失礼いたします」


「ということがありました」
「それで話としては?」
「彼女、男性の精液を鉱物資源に変えれる存在で」
勝負から三日後に彼女と性交渉した男性が被害にあった。
「人間ですらなかったか」
「昔からいるみたいですね、狙われたのはお偉いさんで、下手に犠牲にでもなれば、私が犯人にされる恐れがありました」
ギャンブル好きだが雑魚である、勝っても負けても興奮すると男が欲しくなる。
「お兄さん、私と遊ばない、今ちょっとエッチしたいんだよね」
チュボン
ただ彼女が勝つと被害は比較的少ないとされていたので、勝負に乗らないか、勝たせたほうがいい。
「なるほど、怖いな」
「まあ、でも対処方法さえわかっていればそうやって避けるだけで、根本的な対処をしないところが一番怖いと思いますよ」
「確かにそうだな」
「まっ、早めにここから抜けましょう、今の私は当時と姿変わらないから、誘われることが考えられます」
そういってさっさっと食べるもの飲むものを買い込み、移動した。
「あれ、今の、見たことある人かもって思っていたけども、行っちゃったか、残念…」

あっ!

「そこのお兄さん、私と勝負してみない?」
彼女はあなたに微笑んだ。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2022/11/02 21:22

今生のローダンセ 第6話 あっはんうっふんイヤンののけ反り絶頂で元気になるやつ

「もう俺のこと飽きちゃったの?エッチな気分になってくれないの!」
「そうですね、普通にしていたら…格好いいんですがね、今は少し子供っぽいかな、これはこれで可愛らしいのですが…」
撫でられるとそれはそれでご満悦。
「んふ~」
「しかし、少しばかり姿形に年の差が出ましたね」
彼の方が十歳ぐらい上になっている。
「それだけの年、会えなかったんだよ」
「まあ、そうなんですがね」
「でもさ、その間も色々と大変だったんだ、でも俺を助けに来てくれたのはお前だけで、やはり俺はお姫様だったんだなと思ったよ」

あなたが幸福ならば、そのまま去るつもりだったんですがね…

「心の中ではキャァァァ(裏声)でしたよ」
「そんな声出せたんだ(素朴な感想)」
「わかる、あの時、天使は舞い降りた、おお神よ、俺は全然そういうの信じてないけども、なんかこう…気分的に」
「なんか時の移ろいを感じました、なんというか、こんなに砕けた人たったかなと」
「その時間はな、人を大人にするもんさ」
「でもさっき撫でられると…」
「変わらないものもあるってことよ」
「やはりあなたは幸せなんじゃないんですか」
「お前を失ってから、必死でなんとか、いや、ちょうどどうにかしなければならない流派を、それこそ骨を埋めるや、身を粉にしてという言葉が合うようなことをしてたからな、少なくとも筆頭を任せられていた二年は忙しかった、その二年が終わって、次に渡して、そしたらさ、時間ができたんだが」
具体的には定時で帰る。
「誰もいない家に帰るのが辛かった、鍵を開けて、コンビニで買ってきたもの冷蔵庫に入れなきゃなって思ったとき」
ああ、そうか、もう君はいないのか。
「誰にもいってなかったが、そこで座り込んだことがあるし、でもあれだ、俺の中のお前が、俺に求めているものはこう…なんていうの、情けない俺ではないからって思ってな、だからこそだ、もう離れたくはない、離れるぐらいならばいっそのこと…」
「はいはい」
「俺の覚悟なのに」
「バーカ」
「なんだと」
「それなら忘れちゃえば良かったのに」
「なんだ他の女と結婚しろと?」
「それで幸せになれたかもしれませんし、あなたならば相手に困らなかったでしょ?」
「こういうのはさ、やっぱりその、愛がないとだな、確かにお前と会う前は、たぶん俺は結婚しなさいって言われたら、見合いなんかして、そのままだろうけどもさ、今はそういう感じじゃないってば」
「そうなんですか?」
「というか、忘れ去れてくれる人と会う前に、君は戻ってきたから、もしも、もしもだよ、またいなくなっても、たぶんまた戻ってくるんだろうなって待ち続けるんじゃないかな」
「思い出を肴にして?」
「上手いこというな、そうだな…いや、今までもそうだったから、これからもそうなんだろうな」
そこで笑顔を浮かべると。
キスをされてまたバカと言われた。
「こういうことされると、心も体もむず痒くなるんだけども、その自覚はあるの?」
「ない」
「ないよね、あったら、とんだビッチですもんね」
「昔も今もあなたの幸せを願うわ」
「そうか…」
「ええ、それだけよ」
「それ以外はないの?」
「ないかもしれない、もう終わってしまったから」
「ああいう終わりかた嫌だったの?」
「そうだね、嫌だったね、でも終わっちゃったから、しょうがないよ」
「全然しょうがないよな顔してない、納得してないじゃないか」
「この辺を、弱さを人に見せるのも嫌いだし、あなたは私を弱くする」
「いつも気を張っている場合でもないじゃん、そんなの、上手く行くはずがない」
「それでも…」
「わかるけどもさ、現実を見よう、現実を」
「あなたからその言葉を聴くだなんて」
「思わなかった?」
「というか、あまり情報が多くなると過去に回収した場合上手く行かない恐れが」
「その事なんだが、それなら外付けの魔術書に加えるでいいと思う、必要に応じて取り出すぐらいならば、どれだけ情報が多くなってもメリットしかないわけだしな」
「面白いことを考えますね…確かに…それなら、しかも記述が本人であるから、読みとけるか…」
「このぐらいのボーナスはないとダメだろう、男の10年近くの葛藤だぞ、安くはない」
「あれ、もしかして怒ってます?」
「会えないことには、それで別れてから体の自由が効くまではどのぐらいだったんだ」
「それこそ、桃源郷に当たるところにいましたからね、飛んでしまったと、そこから意識が戻って、すぐ外に出たら、大分時間が経過していることがわかりましたからね、あっ、そうですね、あなたの顔を見るまで心配で走ってきましたね、途中で、もしも妻子がおられたら帰ろうと思ってて」
「いなかった、俺の大勝利」
「なんであんなところに」
「やることないから修行してた、それもだし、よく俺の場所がわかったな」
「ああ、それはですね、あなたの、その…」
「えっ?なんだって精気という名の精液をお腹にタプタプにされたから、自分の陰陽の理、離れていてもある程度は相手がわかるって?」
「知ってるなら、大声で聞き返さないでくださいよ」
「あれか、房中術、あっはんうっふんイヤンののけ反り絶頂で元気になるやつ」
「くそ、言い方はあれだがあってやがる。ただ私が知っているのは、男性の負担でかいので実用的じゃないですし」
「俺のところは円満になる術色々ってやつだな」
成人扱いになると教えられます。
「童貞あげれなくてごめんね」
「別にいいですよ」
「いいって何よ、大事な初物よ!」
「私にそこでどうしろと、そうなったら、たぶん凄く困ってしまいますよ」
「こう…パクっと食べたくならないの?」
「そういうのは、その、大事な人とですね」
こういう初な考えは彼の好物です。
「もし人生が順風満帆だとして、そういうのは彼氏が出来てからにするのか、それとも結婚まで守るのか」
「そういうのも答えなきゃダメなんですか?」
「聞きたいな」
「彼氏でいいんじゃないんですか、その…好きなんだし」
答えには百点をつけたい。
「好きって、その大事ですし、先はわかりませんけども、その人でいいと思うし、たぶん後悔はありませんよ」
「なんかこう…甘酸っぱいな、俺の人生とはえらい違いだ」
「そうですかね」
「映画はさ、大人になってから見始めた、自分の人生にはないものがたくさんあるって映画が教えてくれたから、そこにその、恋をしてだな」
「はぁ」
「映画誘ったんだ」
「行きましたね、あの時私の方がチケット持ってたんですよね」
えっ?話題の作品のチケットがお買い得に取れちゃうの!是非一緒に。
「そこまで乗り気じゃなかったんですけどもね、その…申し訳ないですけども、ただ見た映画でドキドキして、帰り際夕方だったじゃないですか」
「だったな、歩いて駅まで行った」
「映画の話をしたりなんかして」
「そうそう」
「楽しかった」
「そうか」
「はい、あの時は誘ってくださってありがとうございました」
「意外な一面が見えてドキドキしたんだ、それは凄く覚えているよ」
(こういう時は格好いいんだけども)
「ん?なんだ?」
「いえ、なんでもありません」
「お互い色々あったな」
「はい、ありました」
「これからも側にいてくれる?」
「は…えっ?」
「今、返事してくれようとしたよね」
「な、なんのことですか」
「本人はその気、周囲の問題が解決次第でなんとかなるってことかな、昔と変わらないけどもさ」
「それはどうでしょうかね」
「こういう話一つ楽しんだ、だから、出来れば…いなくならないで」
「出来るだけがんばります」
そういって彼の胸にもたれた。
その後、彼の指は彼女の体をさわり始めたが、彼女は顔を赤くしながらも受け入れた。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2022/11/01 21:59

今生のローダンセ 第5話「迷宮模型のエッチな使い方」

この時代、世界においては彼の流派は土がつき、陰口としてはウサギ野郎などと言われている。
宗家に生れたもの以外の最高位がご家人であり、立場と発言権を有していた。
「本来継がれるところから、金銭にてご家人株を譲り渡された俺ら六人のことは、門庭組(もんていぐみ)と言われている」
大事な話を座敷に上がって聞く立場ではないから、門庭組らしい。
「それもまた」
「まあ、そんなもんだよ」
門庭組の筆頭は彼氏から始まり、二年交代で勤めている。
「これは同期ではあるが、序列は必要で、さて序列が必要な場合どうやって決めようか、一番と二番はすぐに決まったが、残りは…というやつだ」
「えっ?それはなんで決まったの?」
「これは俺が父親に付き添いで、子供の頃から儀式などに参加しているからっていうのが大きい」
きちんとそのための衣服などもある。
「一番はそんな理由、二番目のやつの方が家としてはでかいんだが、三男なのがまず理由である」
次男三男になると、教育方針はそれぞれの家による、二番目に筆頭となったものはそれこそ父親が青年時代のお下がりを来てちょくちょく手伝ったりしていた。
「勝手が知っているとなると大きいからな
他の四人は参加したことがないものがあるとか、腕がもうちょっとほしいとか、そういう理由だな」
彼氏が一番なのはそれこそ、青春などもなく打ち込んできたからである。
「見えてきたな」
この話は車中で行われていた。
「話もすぐに済むとは思うから」
「わかった車内で待ってるわ」
ここは訪れた先の駐車場である。
何か飲み物でも飲んで待っていようかと、ペットボトルの飲み物に手を伸ばしたときそれは起きた。
バン!
何の音と振り向くと、知らない女が怒り狂い、窓を叩いていた。
対応が遅れたのは、魔法を使われたわけではなかったからだ。
この人は何なのか?何をしようとしているのか。
(まあ、そんなのどうだっていいよね)
車の外の女が何か叫んでいる。
んなの、どうでもいい、要は害して来るのならばそれ相応の対応をするだけなのだから。
「待て!」
それを止めたのは彼の声である。
なぜか、彼の声だけは聞こえた。
ピッ
車のロックがはずれ、扉を外から開けられると。
「すまん」
「なんで謝るのさ」
「謝りたくもなるさ」
抱き締められた、この時彼は数秒目を閉ざした。
車の外では、言い争いが始まっている。
女は彼氏がが尋ねた家のものが付き合っている女性、言い争っているのは男で、彼女は男の浮気相手と間違われたらしい。
だからあの形相で迫り…
「うちの監査にはきちんと報告させてもらうからな」
「えっ…それは」
「怪我したわけじゃないのに、大袈裟ね」
そこまでいった女は、いきなり尻餅をついた。
「あれ?なんで、なんで体に力が入らないの」
「俺が拘束するまでもなかったか…」
じっ
「何よ、その目、あんたが何かしたの?」
かくん
そういったあと、女は自力で起き上がれなくなった。
「えっ?どういうこと、気持ち悪い、何これ」
「言っておくがこれ、彼女がやってるわけじゃないからな」
「じゃあ、誰よ」
「誰でもいいさ、拘束される理由があることには変わらないのだから」
駆けつけてきた監査に話して後は任せ、彼は彼女を乗せた車は走り出した。
「義姉さんは心配性ね」
「義父さんかも思ったが、義姉さんの方だったか」
「あそこは立派な松がありましたから、松から義姉さんに伝わったんでしょうね」
あれは普通の人には見えないが、妖精ピュティスが抑え込んでいる。
「相手、刃物持ってた」
「義姉さんが魔法を使わなければ、あなたが切り落としてましたよね」
「そうだな」
「そうですか…」
「嫌か?」
「別に、あなたは…斬れる人じゃありませんか、そんな人の目の前で、素人が刃物振り回そうとしたら、叩き切るでしょう」
「正直出遅れたぐらいだった。そして向こうの意見も聞かないといけない、そんなもん聞かずに切りたかったんだがな」
「それぐらいの方がいいですよ、ああいう人たちの言い訳を聞いても、ろくなことがない
「すまんな」
「今晩、私のいうこと聞いてくれたら、許してあげます」
「ええっと、それはスケベな方向でしょうか?」
「ええ、ドスケベな方向ですね」
「もう好きにしていいから」
胸と腹を強調して、私には敵意がありません、さあ、早くお好きなように、それをボディランゲージで伝えましょう。
「あら、それでいいのかしら」
(あっ、ドSな目、素敵!)
「でもさ」
「何?」
「殺そうとしても死なないから、恨みをぶつけられても良かったのかもしれない」
「それは、心が傷つくよ」
「そうかな?」
「そうだよ、あっ、もうすぐホテルにつくけどもさ、あれ欲しくない?」
「あれって?」
「迷宮模型」
「前にもほしいって言ってたよね」
「ホテルの一室借りたとして、その中で迷宮模型使えば、踏み込まれても、迷宮を盾にして逃げるなり、返り討ちにしたりできるからさ…」
「安全には変えられないってことね」
「そう、しかし、なんでこれこっちの業界であんまり使われないんだろう」
「今ので間に合ってますっていって、新しいこと導入しないんだよね、だからさ、行き場をなくしたり、規制されないものが一般に流れるし」
「迷宮模型持っていれば、その模型と同じ形の閉じられた空間を、その場で広げれるからな」
「きっとこれから悪用する人増えるから、手に入れようとしても手に入らなくなるでしょうし」
「つまりどこでも、エロいことをするに困らないわけですね、掃除なども、オートで綺麗にするを選んでおけば、ゴミ箱の中身も自動的に綺麗になりますし、まあ、その丸めたティッシュと使用済みのゴムを事後に見て、激しさを再確認するのもいいですがね」
「つけるのは嫌いなくせに、使用済みのゴムをきちんと結んで、はいチーズとか大好きだもんね」
「…はい、好きです」
照れ照れ。
「後、体に落書き、ずいぶんと綺麗な字は書くくせに『精液ゴクンゴクン』とか『発情期セックス』とか、ひどい言葉ばかり並ぶのよね、これはもうお仕置きしかないわよね」
こんなに自分の股間を熱くさせる女はいない、今日もしっかりと苛めてもらい、犬扱いされなければ…

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2022/11/01 06:55

今生のローダンセ 第4話「なかなかの強い淫を感じる」

(なかなかに強い陰を感じる)
「そっちはどうです?」
「ああ、わかったぞ」
男のいる部屋に入ると。
「うわ、これは結構すごいですね」
「家に入る前から、真言再生してたから良かったんだろうな」
そうでなければ入れませんでした。
「これは…本当に昔を思い出させるような」
「だろうな、俺も思ったのだから、お前ならばそう感じるだろう」
「…」
「大丈夫だ」
二人はこのようなことで困っている人を助けることにした。
「でもこのぐらいの結び付きならば、それこそ、真言を寝ている間にだけでも再生していれば、朝の光で溶けてしまうでしょう」
「だとは思うが、本当に呪いなどの類いというのはネバネバしてるもんだ」
感謝の言葉だけ受け取って、二人は車中へ。
「しかし…」
「どうした?」
「私がこの世界に来なければ、先程の方と同じようにただ苦しむしかなかったのだろうなと思いますと、複雑な気持ちになります」
「そこまで気を病むことではないとは思うがな」
ある程度の役職にいる人たちは、余裕があるのならば、無償で自分達の培ってきた技を奉仕することも求められているが、男は女と長らく別れていた後は、その隙間の時間を埋めるように、こうしたことに力を入れていた。彼女と再開したからといって、それらをすぐに減らすとまではいかなかったし。
「手伝いますよ」
それがとても嬉しかった。
(愛を感じる)
良い。
「後ですね、言いにくいのですが」
「どうした?」
「寝ている間におかしな夢を見たのですが、あれはあなたですか?」
「どういう夢を見たのだ」
「その、あの~」
「なかなかの強い淫を感じる、ははん!エッチな奴か」
冗談のように尋ねると。
「そういうのです…」
「まあ、年頃ならばしょうがないだろうな」
「そうなのですが、その…」
「まあ、それは俺のせいだ、寝ぼけながら触ったし、舌でほじくらせてもらった」
「バカ!」
「すまん、すまん、本能的なものだし、それでどういう内容か、詳しく聞かせてもらえないか」
最初は戸惑っていた彼女も、彼からどのようなことをしたのか、細かく言葉で説明された。
「ベロリと舐め挙げたところ、ぶるぶるっと体を震わせて、じわりと濡れてな、香ったのよ、それがな、さらに興奮を…」
「バカー!寝起きに疲れてるから、そういうのやめてくださいよ」
「わかった今度は起きているときにする」
「そういう問題では…」
「そうか?でもお前、固く俺が興奮した状態で、甘え交尾が最近のお気に入りだしな」
「そ、そんなことないもん」
「へぇ、そうなんだ、おおっとこんな話をしたら、なんかむず痒くなってきたな…この辺は食事ができるところがそうなくて、けども穴場でレジャーホテルがあるので」
「それ食事だけで済まないよね」
「そりゃあそうさ、まあ、その気にならないなら一緒に映画でも見ようか」
「まあ、そのぐらいなら…」
とかいっておいて、部屋に入ったら彼氏が離してくれないわ、指があちこち触り始めるわ。
「男が興奮して我を忘れだすぐらい、いきり立ったものじゃないとイケないというのは、もう体が人妻だな」
遠慮せずに貪れる肉の体は、どんどん食べ頃になる。
そんな彼女の体を誉めながらも、まだ物足りないと二回戦が始まった。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2022/10/31 09:45

今生のローダンセ 第3話 薔薇病

第3話ウサギの睾丸野郎または薔薇病

「久しぶりにその言葉聞かされたわ」
彼が知己に会って話を聞いてきた後にこうもらした。
「ああ、あの病気の特長を捉えた罵りというか」
ウサギの睾丸にその原因はいるし、進行が進むと薔薇のようなものが肌に出る。
「若い娘さんと遊んで、自身だけではなく、妻子に、それこそ母子感染させてしまい、次代を担うことを期待されていた若者たちがごっそりいなくなる、いや、いなくなるだけならばまだか…」
その後を継ぐ人たちや残った人たちが大変だった。
「ウサギの睾丸野郎っていうのは、誰かがいい始めたら定着した、俺には直接というよりかは陰口だがな、でもそれをいい回っているやつがいるのは、聞かされていいものではないよ」
「そりゃあそうね」
「うちのオヤジは、上にコンプレックス持ってたからな」
「その話は移動しながら聞くわ、いつまでもここじゃあ、寒いでしょう」
「ああ」
「どっかお店に…あっ、この辺大分変わっちゃって…」
「まだあの時行ってた店もあるし、新しいところもできてるが、新しいところは、俺も行ったことが…」
「良ければ新しいところ行く?」
「ああ、そうするか」
腕に手を絡ませてくれる。
(今日もokですよね)
掌に指で合図を送る。
ちょっと驚いた後に、返事が来た。
(今夜も頑張る!)
ゆっくり話ができそうなお店に入る。
「あっ、座席広いわね」
「最近こういうタイプのお店が多くなった、この地域は昔からのお店はこう…狭い感じの、あれはあれで嫌いではないのだけども」
「そうね、それはそれでいいものよね」
暖かいものを頼む。
「本当に何から話せばいいのか、話は長くて、俺はあまり上手ではない」
「それでもいいから話してちょうだいよ」
「ああ、とりあえず、俺がいる流派は宗家に生まれる以外の最高峰が、今いる立場だな、ただここにいるには金がいる」
「それを払ったんでしょ」
「お前への見舞金が一部使われている、それがお前に対して後ろめたいことの一つだ」
「でも誰かが言ったんでしょ?」
「ああ、義父の奥さんだな」
第一婦人に当たります、良家から嫁いできて、家での立場もトップ。
義父とは適当に仲はいい、実子あり。
「今はうちの母の茶飲み友達しているんだがな」
「ああ、そうなんだ」
「俺にそのご家人株を金銭的なものを払えば譲渡、流派内での立ち位置を確保できる話は、普通に来るのならばそれは栄転だし、喜ばしいことだが、求められているのは苦労だ、かぶった泥を取り除くことだな」
「どのぐらい綺麗になった」
「まあまあ、お前がいなくなってから他にやることがなくて、イライラしたら怪異とか切ってたら、もう俺がやんなくても大丈夫だろうなぐらいは回ってるよ」
「苦労したのね」
「お前がいないことに比べたら、うん、本当に帰ってきてくれて良かった」
彼女は死んだかと思った、見送ったと思ったが、先日じゃ~ん!と言わんばかりに帰ってきた。
死者ではない、死者でもいいが、死者ではないのである。
「道術の適性があったので、生と死が存在しなくなる周期があるみたい、それが始めておこってああなった、肉体と精神が分離したってことで死んだように見えたというか、肉体が止まったが正解かしら」
「ある意味魔法使いが到達したいところではあるが」
「嫌だわ、面倒な、私はこんなもの望んじゃいないし、時間も遡れるっぽいから、あなたの顔を見たら帰るつもりだったのよ」
「それがつい出てきちゃったってか、愛されているな、俺」
「そ、そんなんじゃないから、なんで幸せに生きてないのよ」
「幸せを感じたのはお前といるときで、いなくなった後、本当にひどく虚しくてな、荒事もそうだし、溝さらいやってた、最近はそれも一段落して、もう一回見直すかなって、あの小屋にいたんだが、まあ、再会したじゃん、俺のしばらくそのように使ってないティンコさん、むずむずしたね、まだ行けるみたいじゃない、じゃ行くゾッて」
「あのね」
「で、どうでした?」
「気持ち良かったです、これなら満足なの」
「ちょっとな」
「ちょっとって」
「ちょっとって言うしかないでしょうに、日中は話聞いたりして、必要なことを集めることにしたんだから」
「情報ぐらいは持っていけるし、そりゃあ必要な、使える経験を持っていたら、後で楽よ」
「でしょ、だからそれをやりつつ、夜はお楽しみ生活に、なんか新婚旅行みたいだね、婚前旅行みたいなのは結構したけども、衣装は好きなの選んでいいよ」
「なんで結婚式の話になるのよ」
「(俺が)挙げたいじゃないですか、(俺が)神の前で誓いたいじゃないですか」
「そうね…」
「本当に一緒にいたときしがらみ多かったんだな、今みたいな乗り気な反応してくれなかったし」
「何しても揉める、言われる、そんな感じだったからね、気に入らない存在なのよ」
「なんでさ?」
「まあ、いろんな面から、最終的には身罷の大家の養女になったのもダメみたいだったし」
「それは…」
「何が生家が求める、私が生きてほしい理想かわからないけども、あるときからそれは人間の扱いではないものに変わった、それを抵抗したらまあ、もっとひどくなったんだけどもね」
「それは業とか?」
「確かに呪いのような業はあったんだけども、私には100%来なかったのよね」
血筋につくとされていた、身罷の大家ならばそういうのに詳しいと思った、それにあそこならばそういう人間を受け入れるだろう。
「でもどのぐらいかわからないけども、だんだん変質はしていったよね」
「今はぷっつりと切れている、それこそ死を持って切れているのかはわからないけども、気配がない、まるで向こうからは見えないような、本当はそこも調べたいところではあるんだけども、おかしいじゃない?」
あんなに苦労させられたのに。
「まあ、後、あの時言ってなかった情報のひとつに、あれが生霊混ざってたとかなのよ」
「えっ?それは」
「おそらく私の身内ではないだろうかと、まあ、義実家にいたときに…」
痛いとしばらく来ないからこれで。
ハンマーを渡された。
「やれない?やれないならこっちで散らしておくけども、また来るから」
「それは私がやるとどうなるんですか?」
「どうなるかは、打ち破った後でないとわからない」


「って言われたんだ」
「俺が反射的に切る以外で止めてたのもそれか、言ってくれればいいが、生霊だとそれすらも餌か」
「そうなんだよね、一応魔除けの印を模写することで避けてはいたけども」

やがて元へ帰る。

その意味を込めた丸、いや、これは星である。

星の図案は、☆の形が多いだろうが、日本古来の星は○であった。
「それで書いていくと黒く変わっていくんだよね」
ああ、来てるのか…いや、いるのか。
「それを義姉さんに燃やしてもらったんだ」
そういったものを浄化する炎を管理している。
「姉さんはそういう家の生まれらしい」
「ああ、ピュティスの」
ピュティスは妖精ピュティス。
「そういえば何回か会ったことは会ったわね」
「…すごく言いづらいんだが」
「何?」
「お前がいなくなったあと、見合いの話が何件か来た。そのうちの一つがお姉さんでな」
「あっ、いいんじゃないの?」
「お前な」
話がグイグイ来たのが五件はありました、そうじゃないのはたくさんです。
「話はそこそこ進む相手だったから、っていうか、向こうからはいい印象は持たれてはない」
「そういう意味では戻れるのならばこの世界から必要なものをがっつり持っていった方がいいんじゃないかと、俺は…思う」
「ご家人の筆頭は誰なの?」
「一応は俺だ、持ち回りだがな」
みんな同時期に着任したので、二年に一回交代することになりましたが、それども一番払ったというか。
「そこも父がな」
「本当にあなたのお父さんは」
「先輩からも話は聞いたが、抜けた人たちの親の世代だな、あそこがオヤジをあまりよくは思っていなかったらしい、そしてオヤジも上についてはあまりよく思ってはいなかったそうなので、おそらくご家人株の話はなかった、譲渡事態もその時代はなかったとされるが」
それでも先輩は人間関係を教えてくれた。
「あくまで私の主観だが、もしも譲渡が起きていたら、先輩はこの位置、私はここで先輩より上にもなるが、それでも上がれることはないだろうな」
先輩の先輩が彼の父である。
譲渡の話が持ち上がるとしたら、数的に上から五人か六人ぐらいがいいところで、彼の父は二桁番、先輩がギリギリ一桁というところだ。
「これは自分の結婚相手の家族、そちらの一族が後ろ楯があると順位が高くなるんだな、今回の場合は」
まず親から譲られる門弟がごっそり上からいなくなった。
「娘と子供に母子感染させるは、遊んだ相手から高額な費用を請求させるはってことで、重く見たので、譲渡させる条件が実子ではなく人柄でってことになったんだ、少なくともこの段階で不貞を働いているやつがまず減る」
そこで×をつけていった名前に少々驚いたりもした。
「驚いたか?」
「ええ、まあ、少し」
「普段はここまではな、でもな、監査はちゃんと仕事しているよ、泣かされた女性が駆け込んできたとか、恨みかいまくってるとか」
「怖いですな」
「そうだな、お前には縁がない話だ、それでお前だ、単純に問題がないから選ばれたが大きいが、金銭的な問題が譲渡には絡むから…他のところはそれを問題なく支払えるだろうから話が来たところもある」
次男三男辺りにつける称号としては悪くない買い物だそうだ。
「だからまあ、お前のところがああいう理由で前以て払えるのならば、推薦もあったし、ご家人として同期ではあるが、筆頭はまずお前だろうな」
「推薦?」
「知らんのか?前に…」
とある達人が見学に訪れた。
が名前があまり知られてないものだから、先生の知り合いのおっさんだろうぐらいなもんで、だらけているものもいる。
「すいません、今すぐ」
「良い、こういうときこそ、どういう人間か見えるもんだから」
先生と達人はそのまま世間話の花が開いた。
「それでトイレに行ったとき、廊下でお前が素振りをしていたそうなんだが」
「ああ、あの時の、技のアドバイスをしてもらいました」
「そう、それでお前はその後、教えてもらったやり方で強盗叩きのめしたからな、その時教えてもらってありがとうございましたの手紙を先生経由で送っただろう、あれだよ」
不祥事だね、いっそのこと潰してしまった方がいいんじゃないかい?
腕のないものには冷たい人だったが。
「ふむ、でもまあ、この子がいるのならば悪くはないね、この子をご家人に入れるのならば私は応援するよ」


「ってな」
「ええ、そんな話が!」
「少なくともお前は、その後も、墨硯(すみすずり)先生が亡くなるまで、理想的な生徒であったのだよ」

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

2 3 4 5 6 7 8

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索