時 自若 2022/11/01 21:59

今生のローダンセ 第5話「迷宮模型のエッチな使い方」

この時代、世界においては彼の流派は土がつき、陰口としてはウサギ野郎などと言われている。
宗家に生れたもの以外の最高位がご家人であり、立場と発言権を有していた。
「本来継がれるところから、金銭にてご家人株を譲り渡された俺ら六人のことは、門庭組(もんていぐみ)と言われている」
大事な話を座敷に上がって聞く立場ではないから、門庭組らしい。
「それもまた」
「まあ、そんなもんだよ」
門庭組の筆頭は彼氏から始まり、二年交代で勤めている。
「これは同期ではあるが、序列は必要で、さて序列が必要な場合どうやって決めようか、一番と二番はすぐに決まったが、残りは…というやつだ」
「えっ?それはなんで決まったの?」
「これは俺が父親に付き添いで、子供の頃から儀式などに参加しているからっていうのが大きい」
きちんとそのための衣服などもある。
「一番はそんな理由、二番目のやつの方が家としてはでかいんだが、三男なのがまず理由である」
次男三男になると、教育方針はそれぞれの家による、二番目に筆頭となったものはそれこそ父親が青年時代のお下がりを来てちょくちょく手伝ったりしていた。
「勝手が知っているとなると大きいからな
他の四人は参加したことがないものがあるとか、腕がもうちょっとほしいとか、そういう理由だな」
彼氏が一番なのはそれこそ、青春などもなく打ち込んできたからである。
「見えてきたな」
この話は車中で行われていた。
「話もすぐに済むとは思うから」
「わかった車内で待ってるわ」
ここは訪れた先の駐車場である。
何か飲み物でも飲んで待っていようかと、ペットボトルの飲み物に手を伸ばしたときそれは起きた。
バン!
何の音と振り向くと、知らない女が怒り狂い、窓を叩いていた。
対応が遅れたのは、魔法を使われたわけではなかったからだ。
この人は何なのか?何をしようとしているのか。
(まあ、そんなのどうだっていいよね)
車の外の女が何か叫んでいる。
んなの、どうでもいい、要は害して来るのならばそれ相応の対応をするだけなのだから。
「待て!」
それを止めたのは彼の声である。
なぜか、彼の声だけは聞こえた。
ピッ
車のロックがはずれ、扉を外から開けられると。
「すまん」
「なんで謝るのさ」
「謝りたくもなるさ」
抱き締められた、この時彼は数秒目を閉ざした。
車の外では、言い争いが始まっている。
女は彼氏がが尋ねた家のものが付き合っている女性、言い争っているのは男で、彼女は男の浮気相手と間違われたらしい。
だからあの形相で迫り…
「うちの監査にはきちんと報告させてもらうからな」
「えっ…それは」
「怪我したわけじゃないのに、大袈裟ね」
そこまでいった女は、いきなり尻餅をついた。
「あれ?なんで、なんで体に力が入らないの」
「俺が拘束するまでもなかったか…」
じっ
「何よ、その目、あんたが何かしたの?」
かくん
そういったあと、女は自力で起き上がれなくなった。
「えっ?どういうこと、気持ち悪い、何これ」
「言っておくがこれ、彼女がやってるわけじゃないからな」
「じゃあ、誰よ」
「誰でもいいさ、拘束される理由があることには変わらないのだから」
駆けつけてきた監査に話して後は任せ、彼は彼女を乗せた車は走り出した。
「義姉さんは心配性ね」
「義父さんかも思ったが、義姉さんの方だったか」
「あそこは立派な松がありましたから、松から義姉さんに伝わったんでしょうね」
あれは普通の人には見えないが、妖精ピュティスが抑え込んでいる。
「相手、刃物持ってた」
「義姉さんが魔法を使わなければ、あなたが切り落としてましたよね」
「そうだな」
「そうですか…」
「嫌か?」
「別に、あなたは…斬れる人じゃありませんか、そんな人の目の前で、素人が刃物振り回そうとしたら、叩き切るでしょう」
「正直出遅れたぐらいだった。そして向こうの意見も聞かないといけない、そんなもん聞かずに切りたかったんだがな」
「それぐらいの方がいいですよ、ああいう人たちの言い訳を聞いても、ろくなことがない
「すまんな」
「今晩、私のいうこと聞いてくれたら、許してあげます」
「ええっと、それはスケベな方向でしょうか?」
「ええ、ドスケベな方向ですね」
「もう好きにしていいから」
胸と腹を強調して、私には敵意がありません、さあ、早くお好きなように、それをボディランゲージで伝えましょう。
「あら、それでいいのかしら」
(あっ、ドSな目、素敵!)
「でもさ」
「何?」
「殺そうとしても死なないから、恨みをぶつけられても良かったのかもしれない」
「それは、心が傷つくよ」
「そうかな?」
「そうだよ、あっ、もうすぐホテルにつくけどもさ、あれ欲しくない?」
「あれって?」
「迷宮模型」
「前にもほしいって言ってたよね」
「ホテルの一室借りたとして、その中で迷宮模型使えば、踏み込まれても、迷宮を盾にして逃げるなり、返り討ちにしたりできるからさ…」
「安全には変えられないってことね」
「そう、しかし、なんでこれこっちの業界であんまり使われないんだろう」
「今ので間に合ってますっていって、新しいこと導入しないんだよね、だからさ、行き場をなくしたり、規制されないものが一般に流れるし」
「迷宮模型持っていれば、その模型と同じ形の閉じられた空間を、その場で広げれるからな」
「きっとこれから悪用する人増えるから、手に入れようとしても手に入らなくなるでしょうし」
「つまりどこでも、エロいことをするに困らないわけですね、掃除なども、オートで綺麗にするを選んでおけば、ゴミ箱の中身も自動的に綺麗になりますし、まあ、その丸めたティッシュと使用済みのゴムを事後に見て、激しさを再確認するのもいいですがね」
「つけるのは嫌いなくせに、使用済みのゴムをきちんと結んで、はいチーズとか大好きだもんね」
「…はい、好きです」
照れ照れ。
「後、体に落書き、ずいぶんと綺麗な字は書くくせに『精液ゴクンゴクン』とか『発情期セックス』とか、ひどい言葉ばかり並ぶのよね、これはもうお仕置きしかないわよね」
こんなに自分の股間を熱くさせる女はいない、今日もしっかりと苛めてもらい、犬扱いされなければ…

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