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2022年 03月の記事 (24)

有坂総一郎 2022/03/25 16:30

チハたん<3>

<2>で具体的に36~40年までに採用された日英独の主力戦車砲とその後の発展砲とを比較して考えてみたが、40年以後の砲の発展はチート掛かったモノがあると実感する限り。

そらぁ、日本の戦車砲が追いつけなくなるのは道理だ。なにせ、ノモンハンの戦訓程度で得られるそれをあっさりと泥沼の東部戦線やその後のノルマンディー以後のそれで出てくる化け物と遭遇することがないのだから。

ただ、帝国陸軍を批判すればそれでいいというモノではなく、彼らは彼らで出来る限りのことをして情報収集を続け、それに基づくホニ、チト、チリ、ホリを開発していた。そして、その過程でチヌが登場しているのだから、一応の結実となったのは言うまでも無いことだろう。

そこで、対戦車戦闘を仮定する限り、以下のことが検証結果から確信を持って言えるだろう。

一〇〇式三十七粍戦車砲
500m:41mm/1,000m:31mm(九四式三十七粍砲を近似代用)
英2ポンド砲(40mm):36年制式
457.2m(500yd):52mm/914.4m(1,000yd):40mm
一式四十七粍戦車砲
500m:65mm/1,000m:50mm
独:5cm Pak38:38年制式
500m:57mm/1,000m:44mm
英6ポンド砲(57mm):40年制式
500m:112mm/1,000m:89mm
九〇式野砲(三式七糎半戦車砲)
500m:約100mm/1,000m:約85mm
五式七糎半戦車砲
500m:114mm/1,000m:99mm
英17ポンド砲(76.2mm)
500m:137mm/1,000m:126mm
独7.5cm KwK 42 L/70
500m:124mm/1,000m:111mm
独8.8cm KwK 43 L/71
500m:217mm/1,000m:193mm

これらが比較対象候補に挙がることになる。同種の砲で砲身長の違いはあるとは言えど大英帝国に一日の長があると解るのだが、そこを嘆いても仕方が無い。

まぁ、日本側の規準がAPHE弾で他国がAP/APCBC/APCR/APDS弾という違いがあるから単純に比較しても多少劣位になるのは仕方が無い。

尤も、「このはと」世界ではタングステンが大量に手に入ることもあってAPCR弾を使うことが可能だから、その面ではAPHE弾で劣位だった分もカバー出来るとは思う。それでプラス50mmは稼げるんじゃないかな?

なんせ、6ポンド砲がAP弾に対してAPDS弾ならプラス50mmの貫通性能を有しているからね。以下は拾える情報から見積もった分。

2ポンド砲:AP→APHVでプラス5mm
5cm Pak38:AP→APCRでプラス15mm
米帝の76mm/L52 M1砲:APCBC→APHVでプラス50mm

と概ね、想定される数字がそのまま示されている。

また、仏47mm/L30→L32と砲身が変わっているが、APHE→APCで概ねプラス10~20mmという資料があった。そうなると、一〇〇式三十七粍戦車砲でも2ポンド砲相当の貫通性能に達することが解る。

となれば、作中の九四式軽戦車の37mm砲は独Ⅳ号戦車の側面をぶち抜けるということになる。BT-5やBT-7相手なら余裕で勝てることになるわけだ。まぁ、BT系列くらいは元から余裕で潰せるが、格段に有利に戦えることになる。

ただ、マチルダ系列の歩兵戦車相手だと流石に無理だな。車体側面でもⅠで65mm、本格的な歩兵戦車としてのⅡで70mmとか頭オカシイとしか思えない装甲厚だもの。F型以後のⅣ号戦車ですら側面30mmであるのにだ。

そらぁ砂漠の狐と言われるロンメルですら苦労するわ。なんせ、ぶち抜ける戦車砲無いんだもの。うん、88持ち出して「これでも食らえ」ってやりたくなるわ。

全然まとまってないんだが、三式と五式の75mm砲はそれぞれプラス25mm/30mmと計算すると概ねAPHEとAPの不利を埋めることが可能になると考察可能であるということで今回は締めたいと思う。

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有坂総一郎 2022/03/24 18:00

チハたん<2>

次期主力戦車(チハ相当)への研究をしているけれど、ある程度史実準拠にならざるを得ないなと思う。

落とし所としては、長砲身47/57mm→長砲身75/88mmへ主砲塔の交換っていうのが無難な感じだろう。

36~37年時点で一式四十七粍戦車砲で500mで65mm/1,000mで50mmなら九七式五糎七戦車砲の500mで23mm/1,000mで20mmに比べても十分な性能だろう。

36年制式の英2ポンド砲(40mm)が457.2m(500yd)で52mm/914.4m(1,000yd)で40mmとなっている。

これは40年頃までの英戦車の標準砲であることから考えても十分な数字だと言える。

同様に38年制式の5cmPak500mで57mm/1,000mで44mmと比べても十分だろう。

40年制式の英6ポンド砲(57mm)が500mで112mm/1,000mで89mmであるそれには比べると劣るが、42年頃制式の7.5cm KwK 40 L/48500mで96mm/1,000mで85mmであるから75mm級だからと言っても必ずしも圧倒的な能力があるわけでもない。

九〇式野砲は500mで約100mm/1,000mで約85mmであるから、実質的には6ポンド砲相当の貫徹性能となる。これは何れもAP弾規準での比較である。

ええい、英帝の6ポンド砲は化け物か。

17ポンド砲(76.2mm)500mで137mm/1,000mで126mmと更に磨きが掛かっている。パンター砲の7.5cm KwK 42(L/70)500mで124mm/1,000mで111mmであるからAPCBC弾同士でも化け物具合が際立つ。

これに対抗するにはケーニヒスティーゲルの8.8 cm KwK 43 L/71のお出ましを願うほかない。500mで217mm/1,000mで193mm。

これ、ぶっちゃけ九〇式野砲を転用した三式七糎半戦車砲II型の出番なくね?6ポンド砲買ってきて、魔改造して口径拡大で17ポンド砲モドキ造ってしまう方が正解のような気がする。

量産効果を考えたら九〇式野砲だろうけれど、純粋に戦車の用兵側やインフラからの要求を考えると砲が軽くて車体重量を節約出来て尚且つ九〇式野砲相当の火力を手に入れることが出来る6ポンド砲の方がメリットが多い・・・・・・。

なんせチヌは無理矢理作ったこともあって、ノーズヘビーで不安定だしね。確かファインモールド社の説明書だったかで砲塔を旋回して砲身を後ろに向けて行軍していたとか見聞きした記憶がある。

そんな間抜けな格好するくらいなら6ポンド砲を受け入れた砲が精神衛生上宜しいのではないだろうか。

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有坂総一郎 2022/03/22 21:15

チハたん

チハたん
時期的にチハ相当の戦車開発が始まっているのだけれど、「このはと」世界で現時点においてチヌ相当の性能を求めるのは流石に過剰だと思うのだよね。

作者サイドとしての欲しい性能と陸軍サイドの求める性能は明らかに異なるし、そもそもその性能要求は基本的にドクトリンや戦訓によってのみ用兵サイドから軍政サイドに持ち込まれ、技術サイドにフィードバックされ、具体化する。

無論、逆に技術サイドや軍政サイドが諸外国の様相を基礎に研究や情報収集を行った上で用兵サイドへ提案する形もある。

現時点において「このはと」世界では、一番戦訓を積んでいるのが日本である状況から諸外国の様相を基礎にするとは考えにくいから、純粋に戦訓とドクトリンによる性能要求になるだろうと考えている。

となれば、重戦車よりも中戦車という考え方になるだろうし、歩兵戦車と巡航戦車の中間が望ましいという話になると思う。

特に戦場の想定が満蒙平原、支那平原を基礎としているならば、最低でも速度性能が40km台を望まれるだろうし、かと言って貧弱な道路環境を考慮して重量制限を加えると推測される。

結果、その前提条件から考えると最適解が概ねチハ相当になるのだが、そこで問題となるのが、砲火力だ。

史実では短砲身57mm砲を使って歩兵直協を主眼として開発されたが、戦車の父である原さんの思惑で改造が可能なシャーシ設計が行われたわけだ。これがノモンハンの戦訓を活かして長砲身47mm砲への換装へとつながり、チト開発の基礎になる。

更にチトの基礎研究の過程でもたらされた独ソ戦の情報から長砲身57mm砲25トン規模と75mm砲35トン規模が提案され、実際に試作1号車は長砲身57mm砲を搭載したが、2号車以後はボーフォース75mm砲をコピーして作った試製七糎半戦車砲(長)を搭載した形で制式化されたのである。

そして、「このはと」世界では九四式軽戦車が存在しているわけで、実質その性能は九八式軽戦車相当であるから、その軽快な車体と程々の砲火力の運用を考える限り、砲火力の充実を目指しても不思議はないとは思う。

よって、57mmチト砲こと試製五糎七戦車砲「新」相当もしくは、新砲塔チハ用の一式四十七粍戦車砲を最初から用意するのが落とし所には思える。

実際に当時の戦車砲は概ね37mm砲や50mm砲(何れも短砲身)あたりであるから、それらよりも優位性を担保するために長砲身というそれが望ましいだろう。

また、同スケールのオードナンスQF6ポンド砲が43口径57mmであることを考えると57mmチト砲が48口径であることを考えても十分な性能であると考えられる。

そうなると、流れから考えて、八九式中戦車の九〇式五糎七戦車砲では性能不足、九七式五糎七戦車砲では多少の性能改善に止まるため要求水準に達せずという理屈で不採用ということにしておいて、試製五糎七戦車砲「新」を開発した・・・・・・という流れであれば不自然な状態にはならんだろうと思う。

ただ、QF6ポンド砲と比べると性能不足に思える点が多々あるから、あくまでもあくまでも37~39年頃に使用する分では十分な性能という前提になるだろうか。

しかし、試製五糎七戦車砲「新」と一式四十七粍戦車砲の貫通性能みるとそれほど明確な違いが見えてこないんだよな。ってなると、ぶっちゃけ新砲塔チハで十分じゃね?って思える。

調べてみていたのだが、一式四十七粍戦車砲ってドイツの5cmPakと比べても十分に性能が上回っているから、割と性能が良い砲なんだと思った。

逆に言えば、試製五糎七戦車砲「新」が性能が悪すぎたんじゃないのかと。そら採用せんわな。

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有坂総一郎 2022/03/18 18:00

君主論と「このはと」と新作

マキャベリの君主論を読んでいるのだが、序盤の時点で「このはと」における日ソ間の問題についての解決策と支那方面における打開策を見つけることが出来た。

まさに天啓というモノだ。

元々は新作への手当として手配したモノであったのだが、こと戦争という概念の前では非常に有効に流用出来る概念だと改めて思ったよ。

またマキャベリが理想としてあげた君主のチェザーレ・ボルジアのそれも別に手配して読んでみたのであるが、ストンと納得出来たと言えよう。

更に読み進めるといくつか使えるであろうポイントが出てくるだろうから、それを元に「このはと」の連載再開も出来そうだと確信した。

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有坂総一郎 2022/03/15 07:00

魔素とは?

いわゆるファンタジー世界やナーロッパ世界にはその多くで魔法/魔術が使える。

作品によって魔法/魔術が厳密に分かれているものもあれば、実質同じ若しくは系統扱いになっているものもある。

そして、多くのもので魔法/魔術の発動に関わってくるのが魔素というものだ。

かつて宇宙にはエーテルなるものが充満していると仮説があったがアインシュタインの特殊相対性理論によって否定されている。

作品によってはその濃度によって色々と効果や状況が変わる。

例えば、魔素の濃度が濃い場所では不可思議現象が起きるとか、魔物が多いとか。あとは墓地や戦場、地下、鉱山などの特定地点では魔素がたまりやすいというものもある。場合によっては結晶化していることもある。

結晶化しているものを加工して魔道具を作るという話もある。

また、生身の人間若しくは能力者以外の人間がこの魔素に触れると体調を崩したり、場合によっては浸食されて魔物と化すとか、そういう話もある。

そうかと思えば、先述のエーテルみたいに世界中に万遍なく充満していて、一般人レベルに至っても魔法/魔術を使うことが出来るという話もある。

では、仮に魔素が空気中に存在し魔法/魔術の発動に大きく寄与しているとしよう。

その場合、それは気体なのか?それとも微粒子なのか?場合によっては一種のナノマシン的なものなのか?

まぁ、話としてはナノマシン説の方が納得はいくのだが、その場合、ロストワールドとかロストテクノロジーとかの類いになってしまう。それは魔法/魔術という代物ではない。

よくダンジョンにコア的なものがあったり、祭壇に置いてあったりしているそういったモノも視覚出来る水準のナノマシンの塊ってことになるだろう。

仮にナノマシン説ではないとしてだが、その場合、魔素に働きかけるという動作をすることで魔法/魔術が発動出来るとしたら、それは魔素を呼び水にしているということになるだろう。

ならば、その呼び水にするためには人類側(亜人、獣人を含む)にそれを可能とする器官があるということになるのだろうか?器官でないにしても感覚でも構わないが。

いや、そうであるならば、それって事実上のいわゆるニュータイプとか強化人間とかコーディネーターという存在なのではないのだろうか?

Wikipediaから引用するとニュータイプについて以下のことが記されている。

『THE ORIGIN』作中の描写では、ニュータイプは以下のように特徴づけられている。

ニュータイプは、常人とかけ離れた強い脳波を発する。
この強い脳波によって、ニュータイプ専用兵器である「サイコミュ」を動かすことができる。
この強い脳波によって、テレパシーに似た能力を持ち、通信機器を使わずにニュータイプ同士、またはニュータイプたり得る者同士でコミュニケーションが取れる。
さらに覚醒したニュータイプ同士では、深いレベルでの意識の交感が可能となる。
ニュータイプは、常人とかけ離れた空間認識力を持つ。
これによって、優れたMSパイロットとしての潜在能力を持つ。
ニュータイプは、予知能力を持つ。
これによって、ルーレットの出目を当てたり(ララァ)、敵の行動や位置を予測して行動したり(アムロ)、人為的に危険が起こされるのを巨大な悪意の存在として直前に感知(アムロ、ミライ、レビルなど)などできる。

上記を参考にする限り、いわゆる魔法/魔術の術者は、魔素を使うという前提であるなら、極めてニュータイプに近い存在に思える。

1,術者のイメージで魔法/魔術を発動させることが出来る。
2,魔素が発動条件である。
3,術者のイメージによって魔素が魔法/魔術に必要な構成物質・科学的動作を補助する
4,術者の制御能力によって3の規模や威力が決定づけられる

更に言えば、魔素にイメージを伝える方法を知っているかどうかで、魔法/魔術の適性が分かれたり有無が決定づけられると考えても良いかもしれない。

もしくは居住地域によって適性が変わるという可能性もあるだろう。山であれば土、谷であれば風、海であれば水みたいな感じだろう。逆に言えば、都市部に住んでいる場合、無・火・光・闇属性であったり適性なしという可能性が高まるということも考えられるだろう。

そう考えた場合、魔術の要件である科学的再現という理屈がある程度無視出来ると考えられるが、魔法の要件である奇跡的発現というそれの場合、才能と割り切れるかも知れない。

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