有坂総一郎 2022/03/22 21:15

チハたん

チハたん
時期的にチハ相当の戦車開発が始まっているのだけれど、「このはと」世界で現時点においてチヌ相当の性能を求めるのは流石に過剰だと思うのだよね。

作者サイドとしての欲しい性能と陸軍サイドの求める性能は明らかに異なるし、そもそもその性能要求は基本的にドクトリンや戦訓によってのみ用兵サイドから軍政サイドに持ち込まれ、技術サイドにフィードバックされ、具体化する。

無論、逆に技術サイドや軍政サイドが諸外国の様相を基礎に研究や情報収集を行った上で用兵サイドへ提案する形もある。

現時点において「このはと」世界では、一番戦訓を積んでいるのが日本である状況から諸外国の様相を基礎にするとは考えにくいから、純粋に戦訓とドクトリンによる性能要求になるだろうと考えている。

となれば、重戦車よりも中戦車という考え方になるだろうし、歩兵戦車と巡航戦車の中間が望ましいという話になると思う。

特に戦場の想定が満蒙平原、支那平原を基礎としているならば、最低でも速度性能が40km台を望まれるだろうし、かと言って貧弱な道路環境を考慮して重量制限を加えると推測される。

結果、その前提条件から考えると最適解が概ねチハ相当になるのだが、そこで問題となるのが、砲火力だ。

史実では短砲身57mm砲を使って歩兵直協を主眼として開発されたが、戦車の父である原さんの思惑で改造が可能なシャーシ設計が行われたわけだ。これがノモンハンの戦訓を活かして長砲身47mm砲への換装へとつながり、チト開発の基礎になる。

更にチトの基礎研究の過程でもたらされた独ソ戦の情報から長砲身57mm砲25トン規模と75mm砲35トン規模が提案され、実際に試作1号車は長砲身57mm砲を搭載したが、2号車以後はボーフォース75mm砲をコピーして作った試製七糎半戦車砲(長)を搭載した形で制式化されたのである。

そして、「このはと」世界では九四式軽戦車が存在しているわけで、実質その性能は九八式軽戦車相当であるから、その軽快な車体と程々の砲火力の運用を考える限り、砲火力の充実を目指しても不思議はないとは思う。

よって、57mmチト砲こと試製五糎七戦車砲「新」相当もしくは、新砲塔チハ用の一式四十七粍戦車砲を最初から用意するのが落とし所には思える。

実際に当時の戦車砲は概ね37mm砲や50mm砲(何れも短砲身)あたりであるから、それらよりも優位性を担保するために長砲身というそれが望ましいだろう。

また、同スケールのオードナンスQF6ポンド砲が43口径57mmであることを考えると57mmチト砲が48口径であることを考えても十分な性能であると考えられる。

そうなると、流れから考えて、八九式中戦車の九〇式五糎七戦車砲では性能不足、九七式五糎七戦車砲では多少の性能改善に止まるため要求水準に達せずという理屈で不採用ということにしておいて、試製五糎七戦車砲「新」を開発した・・・・・・という流れであれば不自然な状態にはならんだろうと思う。

ただ、QF6ポンド砲と比べると性能不足に思える点が多々あるから、あくまでもあくまでも37~39年頃に使用する分では十分な性能という前提になるだろうか。

しかし、試製五糎七戦車砲「新」と一式四十七粍戦車砲の貫通性能みるとそれほど明確な違いが見えてこないんだよな。ってなると、ぶっちゃけ新砲塔チハで十分じゃね?って思える。

調べてみていたのだが、一式四十七粍戦車砲ってドイツの5cmPakと比べても十分に性能が上回っているから、割と性能が良い砲なんだと思った。

逆に言えば、試製五糎七戦車砲「新」が性能が悪すぎたんじゃないのかと。そら採用せんわな。

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