【巨大ケモミミ少女に保護されてエッチな方の口で捕食される話】サンプル

2021年09月18日に販売した作品のサンプルです。
続きはこちらから読めます。

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 大介が目を覚ますと、そこは全てが巨大な街だった。高層ビルのように聳え立つ電信柱、自分の身長と同じくらいある雑草、馬鹿げた広さの道路。

 夢かと思って頬を抓っても、逆にこれが現実であるということを教える痛みしかなかった。

 何が起きたのかと辺りを見渡していると、ずしん、ずしんと大きな足音が複数聞こえてきた。咄嗟に電信柱の裏へ身を隠した大介のすぐ近くに、巨大な茶色の構造物が地響きをあげて落下してきた。

 凄まじい衝撃に身をすくめて、びくびくしながらそちらを見れば、それは宙に浮いて離れた位置にまたずしんと着地した。それは二個、いや六個あり、それぞれが不規則なタイミングで着地と浮遊を繰り返していた。

 距離ができて初めて理解できた。それは女子が履いているような靴だ。上を見上げれば、艶やかな色をしたオーロラのようなスカートがはためいている。それらはローアングルから見上げた若い少女たちだ。それが三人、雑談をしながら歩いている。
 それだけならばただの日常的風景であるが、大介からすれば、巨人の少女という一つの要素だけで異常な存在と化す。さらに離れていく彼女たちの尻と頭には、それよりも更に異常さを感じさせるものがあった。

「……尻尾と猫耳?」

 全高が二十メートルはある少女らの尻には毛の生えた長い尻尾、更に上を見れば辛うじて頭頂部の獣耳が確認できた。

 巨大な獣っ娘が存在する世界、あまりにも意味不明な世界に、大介の頭は処理限界を迎えそうだった。故に隠れるのが遅れた。自身に影がかかって、違和感を覚えたところに、

「なにかしら、これ……」

 拡声器で大音量になった女性の声がした。驚いてそちらを見れば、自分を見下ろすワンピース姿の少女がいる。
 長い茶髪にくりっとした青い碧眼、非常に整った可愛らしいと言える顔立ちをしていた。
 だが、それでも相手が自身の十倍以上もある巨人だったら、美少女であろうと小人からすれば恐怖の対象でしかない。

「あっ、ひっ……」

 逃げなくては、本能的にそう思って後退りするが、足が絡れて尻もちをついてしまう。じたばたしながらずりずりと尻を引き摺るが、そんな移動距離で目の前の巨人から逃れられるはずもない。

 見上げた先にあるスカートの内腿が、妙に扇情的だという場違いな感想を抱いてしまい、奇妙な冷静さと恐怖心があった。身体は恐怖に反応したようで、大介は叫びにならない悲鳴をあげながら、もうほとんど転げるようにして這いずる。

 そんな大介を不思議そうに見下ろしていた少女が突然屈み込む。彼女からすればほんの数センチしか移動していない小人へ向けて、おもむろに手を伸ばし──

 ***

 結果から言えばその少女、エルに拾われたというのは、大介からして幸運な出来事であった。

 彼女は心優しかった。手の中で怯える大介を手早く自宅へ連れ帰り、危害を加える気などないということを、大介が落ち着くまで説明し続けた。
 そして、突然こんな状況下におかれた旨を説明した大介の話をすぐに信じて、この世界にいる間は世話を見ると言ってくれたのだ。

 そうして、エルに身の回りの世話をされる生活が始まった。最初はお互いにサイズ差に戸惑い、ハプニングもあったが、一週間もすれば慣れてくる。二週間も経てば互いのことが少しわかってきた。

 エルから教わったのは、この世界の人類(?)は動物の耳と尻尾があること、そして大介から見て全高二十メートル以上が彼女らの平均身長であること。他にも一般常識も聞いたが、その辺りは地球と変わり無かった。なんなら、使われている言語も日本語であった。

 そうして三週間も過ぎれば、大介もある程度順応して同居人である少女が帰宅するまでの間、用意された小さな部屋で暇を潰す毎日を過ごすようになった。

 今日もまた、日課の調べごとをしていると、

「ただいま、大介!」

 ドアの開閉音がして、靴を脱ぎ散らかす音と柔らかい足音がそれに続き、リビングへとエルがやってきた。
 学校から帰宅した彼女は毎日、まずは大介の元へ駆け寄る。そして大介を片手で優しく掬い上げると、大介が「おかえり、エル」と返事するのを待つのだ。それを聞いた彼女は嬉しそうに、頬擦りをしてくる。

 まるでペットのような扱いだが、身長十センチしかない小人の身では、それも致し方ない。
 大介を保護したエルは本当に心優しい少女で、大介を甲斐甲斐しく世話してくれている。
 一度「どうしてそこまでしてくれるのか」と尋ねたことがあったが、

「一人暮らしに慣れてなくて、家の中で寂しかったから……大介みたいにお話しができる家族が欲しかったの!」

 そう満面の笑みで答えられた。花のように笑い、自分への好意を示してくれる彼女に照れ臭さを感じる時も多い。そんな環境に大介は慣れつつあった。

 しかし、元の世界へ帰ることを諦めたわけではない。彼女が用意してくれたタッチパネル式の携帯端末で、自分と同じような境遇の小人がいなかったかなどを毎日のように調べていた。

 そして今日、彼女がシャワーを浴びにいったくらいのタイミングで、端末をいじっていた大介は歓喜の声をあげた。

「あった、あったぞ!」

 ようやく、元の世界に繋がる手掛かりを見つけ出すことに成功したのだ。それは匿名掲示板の書き込みで、大介と同じ身長十センチほどの小人を捕まえたという少女の書き込みであった。

 僅かながらも希望の糸口が見えた気がして、大介は小さな興奮さえ覚えながらそのページを読み進めた。だが、そこに書かれていた内容は、大介の背筋を凍り付かせる悲惨なものであった。

 書き込み主の少女は小人を玩具として扱い、虐め、嬲り、最後は踊り食いにしてしまったのだという。
 自身の胎内で悲鳴をあげながら死んでいく小人の様子まで淡々と記された文章を見て、大介は恐怖するしかなかった。まさしく、自分もエルという年頃の少女の元で暮らしているのだ。

「エルがそんなこと、するわけないって……わかってるけど」

 もし、心優しかった彼女が気を変えて、自分をそのように扱ってきたら──想像するだけでも恐ろしかった。同時に、彼女を信じてやれない自分自身に嫌悪した。

(むしろ、彼女は命の恩人だったわけだ、この掲示板の少女みたいな相手に捕まっていたら、今頃死んでいたかもしれないんだから……)

「何を読んでるの?」

 はっと振り向けば、そこには寝巻きに着替えたエルが立っていた。思わず画面を隠そうと端末にしがみつくが、彼女の大きな手はそれを軽く横に動かして、端末を拾い上げた。あっと見上げた大介の頭上で開きっ放しのページを読むと、彼女は羞恥したように頬を染めた。

「……これ、あなたと同じ場所から来た人のこと、だよね?」

「多分、そうだと思う」

「これが本当だとしたら……その、ひどいことをする人もいるんだね」

「そう、だね……」

 記事には性的なことも生々しく書かれていた。大介は異性であるエルの視線がなんだか恥ずかしく思えて、顔を伏せてしまった。

「もしかして、私が怖いの?」

「えっ、いいやそんなことはないよ!」

 それで誤解させてしまったようで、エルの声はすっかり落ち込んでしまっていた。慌てて否定したが、彼女は「無理しなくていいから」とそれを遮った。

「ごめんね大介、小さいあなたを怖がらせないようにするのは、まだ難しいみたい……どうしたらいいんだろう」

 後半は涙声にすらなって、目元を潤ませている。頭頂部の耳もへにょりと折れて、尻尾も力無く垂れて揺れている。
 ここで大介は目の前の巨人は自分と体の大きさが違うだけで、年下の少女だったということを思い出した。

(情けない、こんな優しい女の子に世話ばかりかけて、しかも泣かせるなんて!)

 この世界にやってきて保護されて、すっかり小動物となっていた大介の漢気が、僅かながらも息を吹き返した。相手は巨人でも年下の少女なのだと自身を震え立たせる。

「エル! 俺は本当に君が怖いんじゃないんだ!」

「だけど、今も怖がっていたじゃない……」

「それは恥ずかしかっただけさ! そんなにいうなら、怖くなんてないんだって証明してみせようじゃないか!」

「え……?」

 困惑するエルに大介がそれを提案する。話を聞いたエルは全力で断り否定したが、「それで君が泣かないでくれるなら、やってみせる」という大介の言葉に、最後は頷いてしまったのだった。

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