BL短編集「18禁のゲームで俺に課金するんじゃない」試し読み
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【18禁のゲームで俺に課金するんじゃない】
18禁のゲームは課金しないと、肝心のエロシーンが見られない。
とあって、いろいろあって会社を辞めてから、家に引きこもっていた俺はゲームにはまって課金しまくり。
心が病んでいたのだろう。
エロ欲しさというより、中毒になったように、わき目もふらず課金ボタンを押したもので。
収入がないうえ、毎日、とんでもない額を課金すれば、すぐに貯金は底をつきる。
闇金に手をだして、とうとう首が回らなくなった俺は、最後の最後まで課金をして崖から身投げ。
したはずが、気がつけば、ゴスロリのファッションに身を包み、ロボットたちと対峙を。
どうも18禁のゲームの世界に転生したのか、という夢を見ているのか。
なににしろ、危険でありつつ、異常な状況。
異常というのは、転生したとの設定のくせに、俺は成人男性のまま、ほかのキャラも女装した成人男性だから。
そのことを気にしてる間もなく、ロボットたちが襲撃を。
エロさを求めるプレイヤーに課金をさせるのが主目的のゲームなれど、一応、物語も戦闘もある。
【俺の通うジムの推しが淫らで困る】
俺が通うジムには人気のインストラクター、岩見さんがいる。
トレーニングについて、なんでも相談を聞いてくれるし、的確なメニューのアドバイスをして、サービス満点の個人レッスンも。
見た目もそこそこイケメンの、脱いだらすごい細マッチョ。
男が理想とする均整のとれた肉体を誇り、だれにでも親切に接する人柄と、インストラクターとしての腕前も兼ね備える。
人気がある理由はそれだけでない。
トレーニング器具を動かしながら説明をするとき。
「ううん、くう、はあ・・・」と悩ましい声を漏らし、白い肌をうすく染めて、しなやかな筋肉を震わせる。
そのさまが淫らで、岩見さんが説明おえると、トイレに走る男が続出。
本人にそのつもりがなくても、男性専用のジムにあって、ほとんどの男どもは性的に惹かれているのだ。
が、このジムのルールは厳しい。
「ジム内で不法行為、猥褻行為をしたものは追放。場合によっては訴訟を起こします」とある。
高級ジムとあって、会員は俺を含め、それなりの社会的地位のある男ばかり。
訴えられて「ジムで男に性的暴行をした変態」なんて醜聞が広まれば、社会的に抹殺されるのは百も承知で、無謀なことをする輩はいない。
なにより「追放されたら岩見さんに会えなくなる!」と恐れて、ルールを厳守。
アイドルを見守るように岩見さん推しでジム通いを
【太らせて熟したお前を食べたい】
高校に入学して、同じクラスになった佐竹は、一見、小学生のように小さく、やせ細っていた。
おどろいて「病気かなにかなの?」とこっそり聞けば「いや、親が共働きでほとんど家にいないから・・・」と寂しそうに笑って。
料理男子の俺はとても放っておけず、入学式当日から佐竹を家に招き、夕食をごちそう。
以降、ほぼ毎日、家に誘ったし、昼には俺お手製のお重の弁当をふるまったもので。
そりゃあ、はじめは「俺、おこづかい少なくて食費払えないし、ほかにお返しも・・・」と恐縮。
対して両肩をつかみ俺が力説したことには。
「いいんだ!これは俺のためなんだから!
おまえを太らせて食うつもりなんだよ!」
料理男子とあって、栄養が足りていなさそうな人を見ると「食べな!いっぱい食べな!」とお節介を焼きたくなるから、前半はほんとう。
後半は冗談だったものを「そっか」と佐竹はほっとしたように笑い、それからは、俺がふるう料理を気がねなく「おいしいおいしい」と食べてくれた。
食べ盛りの年ごろにして、やはり深刻な栄養不足だったのだろう。
年並に食欲旺盛になって三か月、みるみる上も下も伸びて、小学生から高校生に急成長。
平均的な体型になり、またイケメンに変身。
もともと整った顔をしていたのが肉づきがよくなったことで表面化。
まえは「子供ゾンビ」と鼻で笑っていた女子が掌を反して、もてはやすように。
【手が六本ある魔物がくすぐるのは反則だろ!】
今は冒険者の一人であり、魔導師として世に名を馳せている俺だが、ある重いトラウマを抱えている。
そのトラウマが再発しないよう、日々、気をつけながら旅を。
ある日、薬草を摘みに森へ。
雑魚しか出現しないエリアだが、魔物避けのアイテムを持参。
集中して薬草を摘むのに邪魔をされたくなかったし。
森に踏みいってしばらくし、貴重な薬草が生えた宝の山を発見。
浮き浮きと薬草を摘んでいたところ、背後の藪が揺れる音。
「魔物避けアイテムがあるから人だろう」と思い、目をやったところ、腕が何本も生えた異形の者が跳びでてきて。
地面にうつ伏せに俺を倒して抑えつけた。
が、しょせん雑魚。
呪文を唱えれば、瞬殺できたが、口を開くまえに二本以上ある腕、その手が脇腹に。
「ちょ!」と肩を跳ねた間もなく、思いっきりくすぐられた。
とたんに全身が火照って、どっと汗が噴きだし、肌は痙攣してやまず。
「ひい、はう、くあ・・・!」と息を切らして呻き、悶えるばかりで、呪文を唱えるのがままならず。
【「エッチの練習をさせて」はフラグでしかない】
中学のころ、俺の恋愛対象が男であることを友人のオズマに打ちあけた。
それからオズマの態度は変わらず。
俺から愚痴ったり相談したりすれば、話を聞いてくれるが、おおげさに理解があるふりをしたり、逆にからかったり、茶化したりはしない。
気をつかいながらも気をつかっていないように見せかけているのだろう。
そのスマートさ、心の広さに惹かれて、高校にあがったころにはオズマに好意を。
といって、いざ告白したら「は?」と頬を引きつらせるかも。
どうしても、マイナスイメージしか浮かばず、勇気が持てなくて、友人のふりをつづけていたのだが。
ある日、俺の家にオズマが遊びにきたとき。
たまたま親が外出して二人きり。
どきどきそわそわしつつ、友人の皮をかぶってゲームに意識を集中。
一段落ついて、ゲームを中断し、二人でジュースを飲んでいたら、ふとオズマが口を切った。
「なあ、エッチの練習させてくれないか」
【エログロのホラー映画で発情するお前の神経を疑う】
芝崎は大学で知りあった友人。
且つ、ホラー同好会で意気投合したホラー映画大好仲間だ。
親しくなってからは週に一回、芝崎の家で夜通しホラー映画祭りを開催。
お互い「これぞ!」と思う作品を見せあっこ。
メジャーなゾンビ映画から、無名のB級、ネットで公開している素人の作品まで、なんでもござれ。
なかでも今回、柴崎がセレクトしたのはとっておきの作品。
絶版になった昔の映画で、やっと手にいれたという幻の逸品だとか。
「実録『俺の恋人はだるま女?』」。
「都市伝説はほんとうだった!」と銘打っての実話を基にした映画という。
主人公は会社勤めをする二十代半ばの男。
彼には結婚を約束した恋人がいたが、外国にいったまま行方不明。
二年経っても、なんの進展もなし。
外国で起きたことだけに、どうすることもできず、やきもきしながら、日々を送っていたら、出張でその外国に赴くことに。
仕事の時間以外は、彼女の捜索をしようとしたものを、強引な先輩に見世物小屋につれていかれる。
その小屋で、見世物として並べられていたのは奇形の人間。
【剣を抜いたら大人のおもちゃだった勇者の珍道中】
魔王がこの世を支配をしようとし、人間界で猛威をふるうなか、人人は勇者の誕生を祈った。
その思いに応えて、神が授けたのは伝説の剣。
岩に突きたて「この剣をぬいた者こそ勇者なり」とのお告げを。
話を聞きつけ、伝説の剣がある岩山に「我こそは!」という多くの人人が並び、そのうちの一人が農夫の息子の俺。
勇者になりたい動機は単純、モテたいから。
なんて正義感も復讐心もない、舐めた態度の俺が、伝説の剣をぬけるはずがないだろう。
そう思いつつ、「こんな機会、めったにないから記念に」とミーハー丸だしで剣の柄をにぎったところ。
まさか、あっさり引きぬいてしまい。
ただ「おお!」とどよめきが起こったのもつかの間「ん?」「は?」「ええ?」と疑問の声があがりまくり。
というのも、岩に刺さっていた部分は剣でなく、ピンクのゴムだったから。
しかも、先端には男性器を模したものが。
棹の部分がこんなに長いのは見たことないが、いわゆる大人のおもちゃ。
【恋愛ゲームでモブですらなく犬になった俺の憎き男への復讐劇】
高校にいく以外に時間を費やしてきた恋愛シュミレーションゲーム。
狙っていた女の子にとうとう、卒業式の日「大切な話があるから」と呼びだしを。
「推しゲットオオオ!」と待ち合わせ場所にいけば、目を伏せ頬を染めた彼女が「アキラくんが悩みを聞いてくれたり、相談に乗ってくれて、わたし、わたし・・・」と告げたことには。
「晴れて白滝くんと結ばれたいの!」
満面の笑みを浮かべたとたん、どこにスタンバイしていたのか、白滝が彼女の肩を抱いて登場。
「やあ、きみが俺たちの恋のキューピッドなんだね!
あらためて俺からも礼をいいたくて!」
「ありがとう!じゃねええ!」とスマホを投げつけたもので。
真夜中だったから、喚き散らしたいのを堪えつつ、むしゃくしゃしたまま台所に。
やけになって「インスタントラーメン二個、食ってやらあ!」と上の棚から袋麺をとろうとし、椅子に乗ったところ。
バランスを崩し、後方に倒れてしまい。
なにか固いものの角に頭をぶつけ、意識消失。
すこしもせず「ジョン!」と呼ばれて、瞼を跳ねあげれば、目と鼻の先にあの憎き白滝が。
反射的に襲いかかったものを「はは!やめてよ、ジョン!くすぐったい」と白滝は涙目で笑って。
「分かった分かった、餌がほしいんだな。今、あげるから」と退室したところで、部屋に姿見があったに自分の姿を見れば。
【失恋した俺は桜の木の下で彼に慰められ搾りとられる】
長年友人だった重雄に告白をしてフられた。
「おまえを人として好きだけど、エッチができない、だから・・・」
傷心のまま、車に乗って走りだした俺は、夜の山道へ。
途中で車を停めて、舗装されていない細い道をとぼとぼと歩いていき。
暗い林を歩くことしばし、にわかに視界が開け、そこには小さい丘が。
てっぺんには、太い幹の桜が華麗に咲き誇り、夜空に浮かぶ丸い月が静かに照らしている。
丘の辺りだけ山の木がくりぬかれたような、不思議な場所。
見つけたのは、去年の秋のこと。
重雄とキャンプ場を探して、迷ったときに。
木に詳しい重雄が「これ桜の木だ!」と興奮して告げたことには。
「丸い月の下、丘にぽつんと立って咲き誇る桜は、さぞ幻想的だろうな!
来年の春に、満月の日を狙って、またここにきてみようせ!」
「二人だけで!みんなには内緒にな!」と屈託なく笑ったのが思いだされて、涙をはらはら。
腕でぬぐって、あらためて桜を見あげたら、木のそばに人がいるのを発見。
とても今の状態で人とは会いたくなく、引きかえそうとしたが、女物の着物が目にとまり、踏みとどまる。
体格や、裾から覗く首、腕の太さからして男。
【デビルハンターが吸血鬼のセフレになってどうする】
人の社会に混じって吸血鬼が生きている中世の西欧風の世界。
吸血鬼の多くは、順応して人と共生していたが、一部は血に飢えるまま残虐行為に走ったり「人類を滅ぼしてくれる!」とばかり世に混乱をもたらしたり。
それら厄介な吸血鬼を捕縛したり成敗するのはデビルハンター。
プレイヤーが操作する若い青年のキャラだ。
彼には相棒がいて、吸血鬼のハンナ。
ナイスバディな金髪美女で、服を着ておらず、黒く細い帯状の布を体に巻きつけている。
ぽろりがありそうでない、至上のチラリズムがエロいったらない。
ストーカーの狼男に襲われていたところ、デビルハンターが助けて以降、家兼事務所に居候。
色気むんむんの吸血鬼と同居など羨ましい限りだが、デビルハンターは「腹だしていると風邪引くぞ」「またヘマをして、この給料泥棒」とそっけない。
対してハンナも「あんた不能なんじゃないの」「給料があんたの血じゃあ、やる気でないわ」とつんつん。
いつもなにかとお互い、けなしあい、恋愛的な雰囲気にならないので、むしろ「これヤっているな」「セフレじゃね?」「セフレっぽい」とゲーマーの間では認識。
惚れやすいデビルハンターは、ナンパしまくってデートしまくって、しかもハンナは嫉妬しない。
「美女のセフレがいるうえ、やりたい放題で、いいご身分だなあ!」と歯軋りしながら、ハンナのお色気シーンに興奮していたのだが。
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