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R18の記事 (92)

ダラナ 2023/07/21 20:49

BL短編集「18禁のゲームで俺に課金するんじゃない」試し読み

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【18禁のゲームで俺に課金するんじゃない】



18禁のゲームは課金しないと、肝心のエロシーンが見られない。

とあって、いろいろあって会社を辞めてから、家に引きこもっていた俺はゲームにはまって課金しまくり。

心が病んでいたのだろう。
エロ欲しさというより、中毒になったように、わき目もふらず課金ボタンを押したもので。

収入がないうえ、毎日、とんでもない額を課金すれば、すぐに貯金は底をつきる。

闇金に手をだして、とうとう首が回らなくなった俺は、最後の最後まで課金をして崖から身投げ。
したはずが、気がつけば、ゴスロリのファッションに身を包み、ロボットたちと対峙を。

どうも18禁のゲームの世界に転生したのか、という夢を見ているのか。

なににしろ、危険でありつつ、異常な状況。
異常というのは、転生したとの設定のくせに、俺は成人男性のまま、ほかのキャラも女装した成人男性だから。

そのことを気にしてる間もなく、ロボットたちが襲撃を。

エロさを求めるプレイヤーに課金をさせるのが主目的のゲームなれど、一応、物語も戦闘もある。




【俺の通うジムの推しが淫らで困る】



俺が通うジムには人気のインストラクター、岩見さんがいる。

トレーニングについて、なんでも相談を聞いてくれるし、的確なメニューのアドバイスをして、サービス満点の個人レッスンも。
見た目もそこそこイケメンの、脱いだらすごい細マッチョ。

男が理想とする均整のとれた肉体を誇り、だれにでも親切に接する人柄と、インストラクターとしての腕前も兼ね備える。
人気がある理由はそれだけでない。

トレーニング器具を動かしながら説明をするとき。
「ううん、くう、はあ・・・」と悩ましい声を漏らし、白い肌をうすく染めて、しなやかな筋肉を震わせる。

そのさまが淫らで、岩見さんが説明おえると、トイレに走る男が続出。

本人にそのつもりがなくても、男性専用のジムにあって、ほとんどの男どもは性的に惹かれているのだ。

が、このジムのルールは厳しい。
「ジム内で不法行為、猥褻行為をしたものは追放。場合によっては訴訟を起こします」とある。

高級ジムとあって、会員は俺を含め、それなりの社会的地位のある男ばかり。

訴えられて「ジムで男に性的暴行をした変態」なんて醜聞が広まれば、社会的に抹殺されるのは百も承知で、無謀なことをする輩はいない。

なにより「追放されたら岩見さんに会えなくなる!」と恐れて、ルールを厳守。
アイドルを見守るように岩見さん推しでジム通いを




【太らせて熟したお前を食べたい】




高校に入学して、同じクラスになった佐竹は、一見、小学生のように小さく、やせ細っていた。

おどろいて「病気かなにかなの?」とこっそり聞けば「いや、親が共働きでほとんど家にいないから・・・」と寂しそうに笑って。

料理男子の俺はとても放っておけず、入学式当日から佐竹を家に招き、夕食をごちそう。
以降、ほぼ毎日、家に誘ったし、昼には俺お手製のお重の弁当をふるまったもので。

そりゃあ、はじめは「俺、おこづかい少なくて食費払えないし、ほかにお返しも・・・」と恐縮。
対して両肩をつかみ俺が力説したことには。

「いいんだ!これは俺のためなんだから!
おまえを太らせて食うつもりなんだよ!」

料理男子とあって、栄養が足りていなさそうな人を見ると「食べな!いっぱい食べな!」とお節介を焼きたくなるから、前半はほんとう。

後半は冗談だったものを「そっか」と佐竹はほっとしたように笑い、それからは、俺がふるう料理を気がねなく「おいしいおいしい」と食べてくれた。

食べ盛りの年ごろにして、やはり深刻な栄養不足だったのだろう。

年並に食欲旺盛になって三か月、みるみる上も下も伸びて、小学生から高校生に急成長。
平均的な体型になり、またイケメンに変身。

もともと整った顔をしていたのが肉づきがよくなったことで表面化。
まえは「子供ゾンビ」と鼻で笑っていた女子が掌を反して、もてはやすように。



【手が六本ある魔物がくすぐるのは反則だろ!】



今は冒険者の一人であり、魔導師として世に名を馳せている俺だが、ある重いトラウマを抱えている。

そのトラウマが再発しないよう、日々、気をつけながら旅を。

ある日、薬草を摘みに森へ。

雑魚しか出現しないエリアだが、魔物避けのアイテムを持参。
集中して薬草を摘むのに邪魔をされたくなかったし。

森に踏みいってしばらくし、貴重な薬草が生えた宝の山を発見。
浮き浮きと薬草を摘んでいたところ、背後の藪が揺れる音。

「魔物避けアイテムがあるから人だろう」と思い、目をやったところ、腕が何本も生えた異形の者が跳びでてきて。
地面にうつ伏せに俺を倒して抑えつけた。

が、しょせん雑魚。
呪文を唱えれば、瞬殺できたが、口を開くまえに二本以上ある腕、その手が脇腹に。

「ちょ!」と肩を跳ねた間もなく、思いっきりくすぐられた。

とたんに全身が火照って、どっと汗が噴きだし、肌は痙攣してやまず。
「ひい、はう、くあ・・・!」と息を切らして呻き、悶えるばかりで、呪文を唱えるのがままならず。




【「エッチの練習をさせて」はフラグでしかない】



中学のころ、俺の恋愛対象が男であることを友人のオズマに打ちあけた。
それからオズマの態度は変わらず。

俺から愚痴ったり相談したりすれば、話を聞いてくれるが、おおげさに理解があるふりをしたり、逆にからかったり、茶化したりはしない。

気をつかいながらも気をつかっていないように見せかけているのだろう。
そのスマートさ、心の広さに惹かれて、高校にあがったころにはオズマに好意を。
といって、いざ告白したら「は?」と頬を引きつらせるかも。

どうしても、マイナスイメージしか浮かばず、勇気が持てなくて、友人のふりをつづけていたのだが。

ある日、俺の家にオズマが遊びにきたとき。
たまたま親が外出して二人きり。

どきどきそわそわしつつ、友人の皮をかぶってゲームに意識を集中。
一段落ついて、ゲームを中断し、二人でジュースを飲んでいたら、ふとオズマが口を切った。

「なあ、エッチの練習させてくれないか」




【エログロのホラー映画で発情するお前の神経を疑う】



芝崎は大学で知りあった友人。
且つ、ホラー同好会で意気投合したホラー映画大好仲間だ。

親しくなってからは週に一回、芝崎の家で夜通しホラー映画祭りを開催。

お互い「これぞ!」と思う作品を見せあっこ。
メジャーなゾンビ映画から、無名のB級、ネットで公開している素人の作品まで、なんでもござれ。

なかでも今回、柴崎がセレクトしたのはとっておきの作品。
絶版になった昔の映画で、やっと手にいれたという幻の逸品だとか。

「実録『俺の恋人はだるま女?』」。
「都市伝説はほんとうだった!」と銘打っての実話を基にした映画という。

主人公は会社勤めをする二十代半ばの男。
彼には結婚を約束した恋人がいたが、外国にいったまま行方不明。

二年経っても、なんの進展もなし。
外国で起きたことだけに、どうすることもできず、やきもきしながら、日々を送っていたら、出張でその外国に赴くことに。

仕事の時間以外は、彼女の捜索をしようとしたものを、強引な先輩に見世物小屋につれていかれる。
その小屋で、見世物として並べられていたのは奇形の人間。





【剣を抜いたら大人のおもちゃだった勇者の珍道中】



魔王がこの世を支配をしようとし、人間界で猛威をふるうなか、人人は勇者の誕生を祈った。

その思いに応えて、神が授けたのは伝説の剣。
岩に突きたて「この剣をぬいた者こそ勇者なり」とのお告げを。

話を聞きつけ、伝説の剣がある岩山に「我こそは!」という多くの人人が並び、そのうちの一人が農夫の息子の俺。
勇者になりたい動機は単純、モテたいから。

なんて正義感も復讐心もない、舐めた態度の俺が、伝説の剣をぬけるはずがないだろう。
そう思いつつ、「こんな機会、めったにないから記念に」とミーハー丸だしで剣の柄をにぎったところ。

まさか、あっさり引きぬいてしまい。
ただ「おお!」とどよめきが起こったのもつかの間「ん?」「は?」「ええ?」と疑問の声があがりまくり。

というのも、岩に刺さっていた部分は剣でなく、ピンクのゴムだったから。
しかも、先端には男性器を模したものが。

棹の部分がこんなに長いのは見たことないが、いわゆる大人のおもちゃ。





【恋愛ゲームでモブですらなく犬になった俺の憎き男への復讐劇】



高校にいく以外に時間を費やしてきた恋愛シュミレーションゲーム。

狙っていた女の子にとうとう、卒業式の日「大切な話があるから」と呼びだしを。

「推しゲットオオオ!」と待ち合わせ場所にいけば、目を伏せ頬を染めた彼女が「アキラくんが悩みを聞いてくれたり、相談に乗ってくれて、わたし、わたし・・・」と告げたことには。

「晴れて白滝くんと結ばれたいの!」

満面の笑みを浮かべたとたん、どこにスタンバイしていたのか、白滝が彼女の肩を抱いて登場。

「やあ、きみが俺たちの恋のキューピッドなんだね!
あらためて俺からも礼をいいたくて!」

「ありがとう!じゃねええ!」とスマホを投げつけたもので。

真夜中だったから、喚き散らしたいのを堪えつつ、むしゃくしゃしたまま台所に。

やけになって「インスタントラーメン二個、食ってやらあ!」と上の棚から袋麺をとろうとし、椅子に乗ったところ。
バランスを崩し、後方に倒れてしまい。

なにか固いものの角に頭をぶつけ、意識消失。

すこしもせず「ジョン!」と呼ばれて、瞼を跳ねあげれば、目と鼻の先にあの憎き白滝が。
反射的に襲いかかったものを「はは!やめてよ、ジョン!くすぐったい」と白滝は涙目で笑って。

「分かった分かった、餌がほしいんだな。今、あげるから」と退室したところで、部屋に姿見があったに自分の姿を見れば。





【失恋した俺は桜の木の下で彼に慰められ搾りとられる】



長年友人だった重雄に告白をしてフられた。

「おまえを人として好きだけど、エッチができない、だから・・・」

傷心のまま、車に乗って走りだした俺は、夜の山道へ。
途中で車を停めて、舗装されていない細い道をとぼとぼと歩いていき。

暗い林を歩くことしばし、にわかに視界が開け、そこには小さい丘が。

てっぺんには、太い幹の桜が華麗に咲き誇り、夜空に浮かぶ丸い月が静かに照らしている。

丘の辺りだけ山の木がくりぬかれたような、不思議な場所。

見つけたのは、去年の秋のこと。
重雄とキャンプ場を探して、迷ったときに。

木に詳しい重雄が「これ桜の木だ!」と興奮して告げたことには。

「丸い月の下、丘にぽつんと立って咲き誇る桜は、さぞ幻想的だろうな!
来年の春に、満月の日を狙って、またここにきてみようせ!」

「二人だけで!みんなには内緒にな!」と屈託なく笑ったのが思いだされて、涙をはらはら。
腕でぬぐって、あらためて桜を見あげたら、木のそばに人がいるのを発見。

とても今の状態で人とは会いたくなく、引きかえそうとしたが、女物の着物が目にとまり、踏みとどまる。
体格や、裾から覗く首、腕の太さからして男。





【デビルハンターが吸血鬼のセフレになってどうする】



人の社会に混じって吸血鬼が生きている中世の西欧風の世界。

吸血鬼の多くは、順応して人と共生していたが、一部は血に飢えるまま残虐行為に走ったり「人類を滅ぼしてくれる!」とばかり世に混乱をもたらしたり。

それら厄介な吸血鬼を捕縛したり成敗するのはデビルハンター。
プレイヤーが操作する若い青年のキャラだ。

彼には相棒がいて、吸血鬼のハンナ。

ナイスバディな金髪美女で、服を着ておらず、黒く細い帯状の布を体に巻きつけている。
ぽろりがありそうでない、至上のチラリズムがエロいったらない。

ストーカーの狼男に襲われていたところ、デビルハンターが助けて以降、家兼事務所に居候。

色気むんむんの吸血鬼と同居など羨ましい限りだが、デビルハンターは「腹だしていると風邪引くぞ」「またヘマをして、この給料泥棒」とそっけない。
対してハンナも「あんた不能なんじゃないの」「給料があんたの血じゃあ、やる気でないわ」とつんつん。

いつもなにかとお互い、けなしあい、恋愛的な雰囲気にならないので、むしろ「これヤっているな」「セフレじゃね?」「セフレっぽい」とゲーマーの間では認識。

惚れやすいデビルハンターは、ナンパしまくってデートしまくって、しかもハンナは嫉妬しない。

「美女のセフレがいるうえ、やりたい放題で、いいご身分だなあ!」と歯軋りしながら、ハンナのお色気シーンに興奮していたのだが。




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ダラナ 2023/07/21 20:48

BL短編集「18禁のゲームで俺に課金するんじゃない」販売中


2000字以内のエッチでやおいなBLショートショートを10作収録した短編集です。R18。
ゲーム転生、日常もの、学生もの、ファンタジーなどジャンルはいろいろ。



「18禁のゲームで俺に課金するんじゃない」
ロボット×ゲームに転生した女装男

「俺の通うジムの推しが淫らで困る」
社会的地位の高い男×色気むんむんのインストラクター

「太らせて熟したお前を食べたい」
料理上手な男子高生×痩せ細った男子高生

「手が六本ある魔物がくすぐるのは反則だろ!」
魔物ロクテ×くすぐられるのが弱い魔導士

「『エッチの練習をさせて』はフラグでしかない」
男子高生×男子高生

「エログロのホラー映画で発情するお前の神経を疑う」
ホラーで興奮する男子高生×ホラー映画好き男子高生

「剣を抜いたら大人のおもちゃだった勇者の珍道中」
双子の魔物×勇者

「恋愛ゲームでモブですらなく犬になった俺の憎き男への復讐劇」
恋愛ゲームのキャラ×転生して犬のなった男

「失恋した俺は桜の木の下で彼に慰められ搾りとられる」
女物の着物を着た男×失恋した男

「デビルハンターが吸血鬼のセフレになってどうする」
金髪イケメン吸血鬼×転生したデビルハンター


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ダラナ 2023/07/02 20:19

BL短編「思いを遂げられなかった食人鬼は俺の体を貪りつくして堕落させる」試し読み

三人の兄貴分に憧れて、見劣りしないよう男らしくなろうとする大学生。
久しぶりに四人で会ったなら、成長ぶりを見せようと張りきるも、かつて食人鬼がいたという肝試しスポットに行くことになって・・・。

パンツをテーマにしたアダルトなBL短編です。R18。
すこしホラーだけどハッピーエンド。






父は柔道の師範。
そりゃあ当たり前のように、息子である俺は物心つくかつかないかのころから柔道をしこまれた。

とはいえ、俺の性格は柔道に不向き。
根っからの臆病だし、人と争うのも痛い目にあうのも相手を痛めつけるのもいや。

ただ、父の命令にも逆らえず、練習に励み、試合を重ねて、めきめき強くなってしまい。
自分も相手もあまりダメージを受けず、苦痛を覚えないよう、早く試合を終わらせるため一本背負いに磨きをかけたのが裏目にでてのこと。

すっかり父は「俺がとれなかった金メダルを!」と浮かれて、ますます俺はひっこみがつかなくなり。
父だけでなく、まわりから期待を寄せられては、とても「辞めたい」とは口が裂けてもいえず、ずるずると柔道を。

応援する人だけでなく、俺を敵視したり妬んだり、貶めようとする人もいて、胃が痛くなるし。
唯一の救いは、クラスメイトに恵まれていたこと。

平均身長より上背があり、制服がはちきれそうに筋肉質だった俺は小学生ながらに容貌も雰囲気も厳めしかった。
が、つきあいの長い友人は、その見た目にそぐわない小心ぶりを知っているに「おまえ、ほんとヘタレだなあ」と笑いとばし、昔と変わらず仲よくしてくれて。

そんな友人がいたから、非常に不本意ながら柔道をつづけていられたのが、その唯一の拠り所さえ失うことに。
原因は不良だ。

父の道場を辞めたという三人の中学生が登下校中の俺にからんできた。
べつに暴力をふるうでなし、カツアゲもしなかったとはいえ、よく噂される不良とつるんでいれば、そりゃあ友人は遠ざかるというもの。

もちろん、不良と親密になっていたわけではない。
彼らは馴れ馴れしく俺の肩を抱きながら「大会に優勝してるの、どうせ会長の父親の差し金だろ」「柔道の師範の息子は、人生が勝ちゲーでいいですねえー」と一方的にいやみを垂れ流していただけ。

柔道の技をつかって黙らすのはご法度。
肝っ玉が極少の俺に「かまわないで」と拒めるわけがなく、他にどうすればいいか分からず、ひどく思い悩んでいたそのとき。

「なにやってんだ、おまえら!」
「小学生相手にねちねちと、まー恥ずかしい!」
「同じ中学の者として見過ごせないな!」

三人の中学生が不良を叱りつけながら、登場。
神田くんと真山くんと水戸くんだ。

不良より三人は有名で、中学校や地域のアイドル的存在。

神田くんは陸上部のエースで、学年トップの成績を誇り眼鏡が似あう秀才イケメン。

真山くんはサッカー部の得点王で、芸人のように口達者なおちゃめなイケメン。

水戸くんは剣道部の最強剣士で、硬派を貫く日本男児なイケメン。

あまりの三人の輝かしさに怯んだようで、あっけなく不良はとんずら。
そのあとも「また、からんでくるかも」と三人は俺の登下校に同行を。

中学三年で部活を辞めたうえ、三人とも推薦が決まって、暇だったからつきあってくれたのだろう。
たまたまだったにしろ、不良のことで心配せずによくなっても交流は継続。

道場に顔をだして差しいれをしたり、試合を見にきて応援も。
そうして三人が練習や試合を見守ってくれるようになって、柔道アレルギーの俺の心境に変化が。

憧れの三人のように俺もなりたいと。
なるためには、唯一の取り得といっていい柔道で上りつめるしかないと。

そうした目標を掲げて、練習に打ちこみ試合に臨めば、まえよりも情熱を持って生き生きと柔道ができたもので。

三人のおかげで、新たな人生を切り開けたとはいえ、柔道にまい進することで弊害も。
高校卒業後、都会の強豪大学に行くことに。

まあ、俺だけでなく、神田くんは一流企業の選手団に、真山くんはプロのサッカーチームに、水戸くんは警察学校を卒業して県外に配属と、三人もばらばらに。

「これまでどおり連絡はとり合おう。
しばらくはお互い忙しいだろうから、一段落つくだろう夏に故郷で会おう」

そう約束して、三人に見送られながら俺は号泣して都会へ。

大人並に体が大きくなっても小胆なのは相かわらずで、三人と別れての寮暮らしは心細く。
でも、新幹線で向かう途中に涙をぬぐい「俺は生まれ変わるんだ・・・!」と決意。

外見も中身も男前な三人と肩を並べても恥ずかしくない雄雄しく立派な男になるんだ!

その目標を達成するため、大学生活では柔道の修行に精進しながらも、泣かず怯えず弱音を吐かず、男らしくふるまうよう心がけて。
顔を見たり声を聞くと、つい甘えてしまうから、リモートや電話をしたいのを堪えて、三人とは文字だけのやりとりを。

そうして自分磨きをして、約束どおり夏に故郷に帰り、一皮剥けた俺をお披露目することに。

待ち合わせ場所に三人を見つけ、前なら「わー!寂しかったよー!」と泣いて走っていくところ。
悠悠と歩いて「やあ、三人とも久しぶり」とにこやかに手を上げてみせた。

「俺の大学生活は順風満帆で、友人にも仲間にも先生やコーチにも恵まれて、なにひとつ困ることなく問題なく柔道に集中できて、日々、成長をしているよ。

ほら見てこの体。
三人より身長が高くなったし、これだけ筋肉がつけば、いざというとき三人を抱えることもできる」

力こぶをつくって見せたものを三人ともぽかん。

「いや、たしかに前より筋肉が張りつめてしゃ・・・いや、熱でもあるのか鉄治?」と神田くん。

「都会デューしたってか、鉄治?服が破けそうに胸を突きだして、もしや揉ま・・・やめとけよ俺らのまえで、変にかっこつけんなって」と真山くん。

「俺はどんな鉄治でも、弟のようにかわいいと思う。たとえ俺らより逞しくなっても、むしろ興・・・その、だから、むりに大人になろうとしなくても」と水戸くん。

歯切れがわるいながら、どうも俺の変貌をよろこんでないよう。
「どうして俺が一人前の男らしくなったのを認めてくれないんだよ!」と怒れば、三人は顔を見あわせて口ごもる。

さらに噛みつこうとしたら「じゃあさ!肝試しで、おまえの成長が本物だと証明してくれよ!」と真山くんが提案。

正直「肝試し!?」と早くも肝が冷えたとはいえ、真山くんがにやつくのにむっとして「受けて立つ!」と勇ましく応じたもので。


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ダラナ 2023/07/02 20:19

BL短編「連続殺人犯に笑われながらパンツ一丁の男たちは子種をまき散らす」試し読み

パンツ一丁の男が凌○されて殺されるという事件が横行。
その捜査に忙しく、放置された新米刑事が独自に調べていくと、自分もパンツをはかされて・・・。

パンツをテーマにしたアダルトなBL短編です。R18。
すこしサスペンスな刑事もの。





俺は今日が初就任の刑事。
市民に親しまれる交番のお巡りさんになりたかったのが「刑事になれ。じゃないとクビにるす」と署長に脅されて渋渋、刑事になる道へ。

あいにく刑事になれるだけの資質があったし、真面目なほうだから、訓練や試験で手をぬくことができず、みごとに一発合格。
「俺の目に狂いはなかった!」と俺よりはしゃぐ署長に送りだされたものを、配属先ではえらいことが。

連続強盗事件と連続殺人事件二つが横行して、刑事課は大忙し。
「新人の教育なんかしていられるか!」とまるで歓迎されず、ただ一応、五才年上の先輩が教育係に。

アラサーながら、どこか昭和の匂いがして昔気質っぽく、ふだんから凄みがあって見た目もいかつい剛川先輩。
「現場百閒とか古くさいやり方を押しつけてこないかな」と不安だったなれど、刑事課のなかで一番、頭の切れるエースらしい。

その腕を見こまれて、二つの事件の捜査を任され、忙殺されている先輩だけに挨拶もそこそこ「おまえには連続殺人のほうを担当してもらう」と説明を。

半年前から裸にパンツをはいただけの男の死体がつづけて発見されているという。

どの遺体もさんざん射精したのと、レ○プされた痕跡あり(ただし相手の精液は見つからず)。
死体は被害者が住むマンションの地下室に放置。

死因は心臓発作。
注射針の跡が腕にあったので薬物により殺されたと考えられるが、検査では判明せず。

不可解な殺され方以外、被害者にとくに共通点はなく、同性愛者でもなかったとのこと。

「まあ、おそらく犯人は同性愛者だろうと見立てている。

ノンケに惨いしうちをされて怒りのあまり狂い、復讐をしているのか。
同性愛者なのを隠しているやつが、あまりに普段、自分を抑圧していることから、反動で暴走をしているのか」

これまでに頭を絞ったろう先輩方らの考えに「いや、でも」と口だししようとしたら「よお、みんな、がんばっているか」と車椅子に乗った男が登場。
きょとんとする俺に、剛川先輩が紹介したことには「この人は刑事課で断トツの腕利きだった古谷さん」と。

「どうも」「いい顔つきの新人だな」と挨拶を交わし、俺がちらりと足を見たのに気づいて「これはなあ」と苦笑。

「ある事件、猟奇殺人を調べていたら、犯人に目をつけられて殺されかけたんだよ。
一命をとりとめたが、下半身がほとんど動かなくなってな。

それから警察を辞めて、今は探偵業をしている」

「・・・べつに車椅子でもかまわないから、刑事をつづければよかったのに。
犯人と格闘できない体じゃだめだって聞かなくてな。

ていうか、車椅子だと探偵業のほうが難しいんじゃないですか?」

「まあ、そうだけど、逆に怪しまれないってのもあるんだよ。
一見、社会的弱者だからな。

調べている相手が俺を目に止めたとして『あんまり見てはいけない』とすぐに顔を逸らしたりする。
まあ中には『手伝いましょうか』と声をかけてくるから厄介だが」

放っておくと、長話になりそうだったに「あ、あの、それで古谷さんはなんの御用で?捜査の手伝いとか?」と割ってはいる。

「ああ、じつは古谷さんの依頼者がはじめの犠牲者なんだ。
だから、暇なときに警察にきてもらって、あらためて話を聞いたり、まあ、捜査についての意見を聞かせてもらっている」

「んな大層なもんじゃなく、爺が戯言を垂れ流しにきてるだけだ。
ほれ、俺のことなんか気にせず、新米刑事さんよ、さっき云おうとしてたこと云いな」

なかなか気さくな人なれど、元ベテラン刑事のまえでは緊張せずにいられず。
昭和臭のする剛川先輩が目を光らせてもいるし。

「あまりにハラスメントがひどかったら署長に泣きつこう」と一呼吸置いて告げる。

「主犯は同性愛ではないと思って・・・」




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ダラナ 2023/07/02 20:19

BL短編「愛しのパンツを追いかけて異世界に迷いこんだ俺に浮気をさせるな!」試し読み

長年悩みつづけて、やっと手にいれた至高のパンツ。
それを装着し、生まれ変わったように日々、生き生きと過ごしていたのが、ある日、急にパンツが飛んでいって・・・。

パンツをテーマにしたアダルトなBL短編です。R18。
ファンタジー転移もの。




物心ついたときから、俺はどんなパンツをはいても、しっくりこなかった。

絞めつけが強いと尻が痒くなるし、緩いと前のおさまりがつかず心もとない。
ほかにも細かいことに文句をつければきりがなく、そりゃあ、百点満点のパンツは中々見つからず。

「これじゃない感」を持て余しながら、肌にあうパンツを探しつづけて二十年以上。
男性下着メーカーに就職してまで追い求めた結果、ついにジャストフィットのパンツとの出会いが。

それがTバック。
ただしオーダーメイドのだ。

まえからTバックが理想に近くはあった。
「尻を布でおおわれたくない」「まえは最低限の布で包まれて、ずれが気にならないていどの絞めつけを」などの基本的な要求を満たしていたから。

「あとちょっと」で理想に辿りつきそうでつかなかったのが、絞めつけ具合や形の微調整、布やゴムの素材選びを徹底的にこだわりぬいてオーダーメイドしたことで完成。

いや、オーダーメイドという発想は前々からあったとはいえ、さすがに「俺、男だしなあ」と気が引けて。
が、男性下着メーカーに就職をしたらオーダーメイドをするのは新人教育の一環だったし、先輩曰く「下着をつくって販売する会社の人間としてのたしなみだから」と。

会社の後押しがあり、おかげで長年のパンツによる悩みや鬱屈が解消され、世界が一変、光り輝いて見えるように。
「これからこそ本当の人生がはじまる!」と奮い立ったほど、心機一転で社会を歩んでいこうとしたのだが。

会社終わりにジムのプールで時間を忘れて泳ぎまくり。
更衣室にいくとがらんどうで時計を見たなら閉館の十五分前。

「いつもは三十分前にアナウンスが鳴るのに!」と水着を脱ぎ、パンツをはこうとした、そのとき。

慌てたせいで落としたパンツが、風に吹かれるように飛んでいった。
空調がきいているとはいえ、パンツを飛ばすほどでなし。

釣り糸で引っぱられるように、どんどん遠ざかっていくのに、すぐさまタオルを腰に巻き「ドッキリ!いやでも、なんで俺に!?」とパニックになりつつ追走。

といって所詮はパンツだ。
「関係者以外立ち入り禁止」と書かれたドアが行く手を阻み、早くも逃走劇は終了。

そのはずが、ドアが開いて悠悠と浮遊していくパンツ。
だれもいないし、ご丁寧に閉められたのを俺は手で開けたから、自動でもないし。

そうして、どんどんドアを開けて施設の奥へと。
「このジム、こんな奥行きあったか!?」と息を切らしながらも足を緩めず、諦めようとも思わず。

この世で一つしかない俺と相思相愛の究極のパンツだ。
予備が五枚あるといっても、初めて足を通した記念すべき一枚なのだから、できれば死ぬまで添い遂げたい。

裸にタオルを巻いただけで全力疾走する俺は通報レベルなれど、かまわずパンツにまっしぐら。
また扉が開いたかと思えば、これまでとちがって白く発光して向こう側が見えず。

パンツが吸いこまれた白い光に、迷わず跳びこんだなら、勢いをつけすぎたせいでつまずき、すってんころりん。

すこし転がって、見あげたそこは真っ青な空に広大な草原。
今は夜だし、ジムはビル群の中にあるはずが。

呆気にとられて空を眺めていると、人のざわめきが聞こえて、振りむいたところ。
人の群れがなにかを崇めて拝んでいるようで、その視線を辿れば、なんと俺のパンツが。

後光が差しているようにきらめきながら宙に浮いたまま静止。

「お、おおおお俺のパンツーーーーー!」



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