投稿記事

触手の記事 (5)

ダラナ 2023/07/02 20:19

BL短編「愛しのパンツを追いかけて異世界に迷いこんだ俺に浮気をさせるな!」試し読み

長年悩みつづけて、やっと手にいれた至高のパンツ。
それを装着し、生まれ変わったように日々、生き生きと過ごしていたのが、ある日、急にパンツが飛んでいって・・・。

パンツをテーマにしたアダルトなBL短編です。R18。
ファンタジー転移もの。




物心ついたときから、俺はどんなパンツをはいても、しっくりこなかった。

絞めつけが強いと尻が痒くなるし、緩いと前のおさまりがつかず心もとない。
ほかにも細かいことに文句をつければきりがなく、そりゃあ、百点満点のパンツは中々見つからず。

「これじゃない感」を持て余しながら、肌にあうパンツを探しつづけて二十年以上。
男性下着メーカーに就職してまで追い求めた結果、ついにジャストフィットのパンツとの出会いが。

それがTバック。
ただしオーダーメイドのだ。

まえからTバックが理想に近くはあった。
「尻を布でおおわれたくない」「まえは最低限の布で包まれて、ずれが気にならないていどの絞めつけを」などの基本的な要求を満たしていたから。

「あとちょっと」で理想に辿りつきそうでつかなかったのが、絞めつけ具合や形の微調整、布やゴムの素材選びを徹底的にこだわりぬいてオーダーメイドしたことで完成。

いや、オーダーメイドという発想は前々からあったとはいえ、さすがに「俺、男だしなあ」と気が引けて。
が、男性下着メーカーに就職をしたらオーダーメイドをするのは新人教育の一環だったし、先輩曰く「下着をつくって販売する会社の人間としてのたしなみだから」と。

会社の後押しがあり、おかげで長年のパンツによる悩みや鬱屈が解消され、世界が一変、光り輝いて見えるように。
「これからこそ本当の人生がはじまる!」と奮い立ったほど、心機一転で社会を歩んでいこうとしたのだが。

会社終わりにジムのプールで時間を忘れて泳ぎまくり。
更衣室にいくとがらんどうで時計を見たなら閉館の十五分前。

「いつもは三十分前にアナウンスが鳴るのに!」と水着を脱ぎ、パンツをはこうとした、そのとき。

慌てたせいで落としたパンツが、風に吹かれるように飛んでいった。
空調がきいているとはいえ、パンツを飛ばすほどでなし。

釣り糸で引っぱられるように、どんどん遠ざかっていくのに、すぐさまタオルを腰に巻き「ドッキリ!いやでも、なんで俺に!?」とパニックになりつつ追走。

といって所詮はパンツだ。
「関係者以外立ち入り禁止」と書かれたドアが行く手を阻み、早くも逃走劇は終了。

そのはずが、ドアが開いて悠悠と浮遊していくパンツ。
だれもいないし、ご丁寧に閉められたのを俺は手で開けたから、自動でもないし。

そうして、どんどんドアを開けて施設の奥へと。
「このジム、こんな奥行きあったか!?」と息を切らしながらも足を緩めず、諦めようとも思わず。

この世で一つしかない俺と相思相愛の究極のパンツだ。
予備が五枚あるといっても、初めて足を通した記念すべき一枚なのだから、できれば死ぬまで添い遂げたい。

裸にタオルを巻いただけで全力疾走する俺は通報レベルなれど、かまわずパンツにまっしぐら。
また扉が開いたかと思えば、これまでとちがって白く発光して向こう側が見えず。

パンツが吸いこまれた白い光に、迷わず跳びこんだなら、勢いをつけすぎたせいでつまずき、すってんころりん。

すこし転がって、見あげたそこは真っ青な空に広大な草原。
今は夜だし、ジムはビル群の中にあるはずが。

呆気にとられて空を眺めていると、人のざわめきが聞こえて、振りむいたところ。
人の群れがなにかを崇めて拝んでいるようで、その視線を辿れば、なんと俺のパンツが。

後光が差しているようにきらめきながら宙に浮いたまま静止。

「お、おおおお俺のパンツーーーーー!」



電子書籍のサンプル(短編集のです)↓


DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ01072341.html

ギフト券発行中!
先着一名様に無料で小説を。
↓のリンク先の「送信する」ボタンを押すとすぐに読めます。
http://dlsite.jp/c7abgav/UMS0-GYQY-6SAX-VOTT

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ダラナ 2023/07/02 20:18

BL短編集「俺のパンティーを盗んだ犯人が『抱いてやろうか』と偉そうに誘ってきます」試し読み

【俺のパンティーを盗んだ犯人が「抱いてやろうか」と偉そうに誘ってきます】



俺の勤める会社はブラックどころでなく、どす黒い。
表むき「我が社がSDGsを推進する優良企業です!」と看板を掲げながら、社内ではハラスメントの嵐。

山ずみの仕事を若手社員に押しつけ、すこしでもミスなんかしようものなら。
スマホをいじって、さぼっていた上司が一時間の説教、というか、言葉の暴力でフルボッコ。

自分が餌食になりたくないからと、若手社員同士、罪のなすりつけあいをしたり、だれかを吊しあげたりのイジメも横行。
そうして日中、むだな時間を費やせば、終業時間まで仕事は終わらず。
手当がでない残業をする羽目になり、〇時を超えるのも休日出勤をするのも当りまえ。

今日も今日とて、上司や同僚に虐げられ、ままならなかった仕事をだだ働きでやっつけて午前三時の帰宅。
限界まで体は疲れはて、心は荒み、床にへたりこんだなら放心。

そんな廃人一歩手前の状態を見たなら、人は「なんで辞めないの?」と首をひねったり「逃げたほうがいいよ」と助言をするだろう。
が、逃げ口はばっちり悪徳会社に封じられている。

「おまえの代わりなんていくらでもいる」と捨て駒あつかいするくせに、辞めることも許してくれない。
もし転職しようものなら、新しい職場に「そいつは、うちの会社で横領した疑惑がある」と吹きこみ、偽装した書類を見せるのだとか。

実際、転職をした先輩は「この前科者め!」と覚えのないことで責められ、二日で首になったという。
曰く「そのあとも妨害工作をされて、実家にもどって店を継ぐ以外の道を断たれてしまった」とのこと。

先輩のように恵まれていない俺にすれば、八方ふさがり。
転職ができないとなれば、死ぬしか逃げる術がないように思えて。

疲労を負うばかりの体はぼろぼろ、精神的にも限界まで追いつめられて、まともな判断ができない状態。
「とても休みなんかとれないけど、死ねば出勤せずに済むな・・・」なんて考えながら、おもむろに部屋を見渡したら、パンティーが視界に。

別れた彼女のだ。
朝に衣装ケースから下着を引っぱりだしたとき床に落ちて放ってあったもの。

別れが急だったから、彼女の私物が置いたままで、仕事が忙しく、処分できないまま。
「どうやって捨てたらいいんだ?」とパンティーに手を伸ばそうとし、ふと思いついてスマホに指をスライド。

レースのついたピンクのパンティーを注文すると、さっきまで自殺願望にとらわれていたのが嘘のように浮き浮き。
鼻歌を吹きながら、彼女のパンティーを紙袋にいれて、生ごみの袋にイン。



「俺より形のいいおちんちんが、パンティーから覗いていて、たまんないなあ」

「パンティーをこんなに伸ばしてよごしちゃって、いけない子だけど、かわいいから許しちゃう」

「食いこむの気もちいい?もっと引っぱってあげようか?ああ、いいね、きみが気もちよくなるの見ていると幸せだよ・・・」

自分でも意外に、息を吐くように褒め言葉がでてくるし。
囁きながら、胸の突起をいじりパンティーをしこしこすれば「やだあ、もお、やああ・・・!」と泣きじゃくってイきまくるし。

さっきまでの人を食ったような態度はどこへやら「やめて、やめてえ!」と命乞いするように、ぶざま。
「ざまあ」と胸がすくというか、加虐心と性欲がない交ぜになって頭が沸騰。

逆上せたまま「ほら見て」と俺と彼のパンティーをくっつけ、擦りあわせてじゅぷじゅぷ!

「こう比べたら、やっぱあ俺よりさまになって、精液が染みこんだピンクのパンティー、卑猥すぎるでしょ。
男好きなのを隠しているというけど、こんなエッチな体してて、世の男たちが放っておかないいんじゃない?

すくなくとも俺はほら、自分のパンティーを盗んだかわいい泥棒の虜になって、はあ・・・もう、はちきれそう・・・」

固く目をつぶっていたのを、一瞬、下半身を見て「やあん、やだあ、固くしなあ、でえ!」と全身を赤くして悶えまくり。

「あ、あんた、おかし・・・!泥棒をかわいいだとか、ちんこを、そんな、はあう!ああ、ああ、ああ、そんな強く、パ、パンティ、破けちゃ!ば、ばかあ、かわい、いっちゃやだあ、くうあああ!」





【愛しのパンツを追いかけて異世界に迷いこんだ俺に浮気をさせるな!】



物心ついたときから、俺はどんなパンツをはいても、しっくりこなかった。

絞めつけが強いと尻が痒くなるし、緩いと前のおさまりがつかず心もとない。
ほかにも細かいことに文句をつければきりがなく、そりゃあ、百点満点のパンツは中々見つからず。

「これじゃない感」を持て余しながら、肌にあうパンツを探しつづけて二十年以上。
男性下着メーカーに就職してまで追い求めた結果、ついにジャストフィットのパンツとの出会いが。

それがTバック。
ただしオーダーメイドのだ。

まえからTバックが理想に近くはあった。
「尻を布でおおわれたくない」「まえは最低限の布で包まれて、ずれが気にならないていどの絞めつけを」などの基本的な要求を満たしていたから。

「あとちょっと」で理想に辿りつきそうでつかなかったのが、絞めつけ具合や形の微調整、布やゴムの素材選びを徹底的にこだわりぬいてオーダーメイドしたことで完成。

いや、オーダーメイドという発想は前々からあったとはいえ、さすがに「俺、男だしなあ」と気が引けて。
が、男性下着メーカーに就職をしたらオーダーメイドをするのは新人教育の一環だったし、先輩曰く「下着をつくって販売する会社の人間としてのたしなみだから」と。

会社の後押しがあり、おかげで長年のパンツによる悩みや鬱屈が解消され、世界が一変、光り輝いて見えるように。
「これからこそ本当の人生がはじまる!」と奮い立ったほど、心機一転で社会を歩んでいこうとしたのだが。

会社終わりにジムのプールで時間を忘れて泳ぎまくり。
更衣室にいくとがらんどうで時計を見たなら閉館の十五分前。

「いつもは三十分前にアナウンスが鳴るのに!」と水着を脱ぎ、パンツをはこうとした、そのとき。

慌てたせいで落としたパンツが、風に吹かれるように飛んでいった。
空調がきいているとはいえ、パンツを飛ばすほどでなし。

釣り糸で引っぱられるように、どんどん遠ざかっていくのに、すぐさまタオルを腰に巻き「ドッキリ!いやでも、なんで俺に!?」とパニックになりつつ追走。

といって所詮はパンツだ。
「関係者以外立ち入り禁止」と書かれたドアが行く手を阻み、早くも逃走劇は終了。

そのはずが、ドアが開いて悠悠と浮遊していくパンツ。
だれもいないし、ご丁寧に閉められたのを俺は手で開けたから、自動でもないし。

そうして、どんどんドアを開けて施設の奥へと。
「このジム、こんな奥行きあったか!?」と息を切らしながらも足を緩めず、諦めようとも思わず。

この世で一つしかない俺と相思相愛の究極のパンツだ。
予備が五枚あるといっても、初めて足を通した記念すべき一枚なのだから、できれば死ぬまで添い遂げたい。

裸にタオルを巻いただけで全力疾走する俺は通報レベルなれど、かまわずパンツにまっしぐら。
また扉が開いたかと思えば、これまでとちがって白く発光して向こう側が見えず。

パンツが吸いこまれた白い光に、迷わず跳びこんだなら、勢いをつけすぎたせいでつまずき、すってんころりん。

すこし転がって、見あげたそこは真っ青な空に広大な草原。
今は夜だし、ジムはビル群の中にあるはずが。

呆気にとられて空を眺めていると、人のざわめきが聞こえて、振りむいたところ。
人の群れがなにかを崇めて拝んでいるようで、その視線を辿れば、なんと俺のパンツが。

後光が差しているようにきらめきながら宙に浮いたまま静止。

「お、おおおお俺のパンツーーーーー!」




【連続殺人犯に笑われながらパンツ一丁の男たちは子種をまき散らす】





俺は今日が初就任の刑事。
市民に親しまれる交番のお巡りさんになりたかったのが「刑事になれ。じゃないとクビにるす」と署長に脅されて渋渋、刑事になる道へ。

あいにく刑事になれるだけの資質があったし、真面目なほうだから、訓練や試験で手をぬくことができず、みごとに一発合格。
「俺の目に狂いはなかった!」と俺よりはしゃぐ署長に送りだされたものを、配属先ではえらいことが。

連続強盗事件と連続殺人事件二つが横行して、刑事課は大忙し。
「新人の教育なんかしていられるか!」とまるで歓迎されず、ただ一応、五才年上の先輩が教育係に。

アラサーながら、どこか昭和の匂いがして昔気質っぽく、ふだんから凄みがあって見た目もいかつい剛川先輩。
「現場百閒とか古くさいやり方を押しつけてこないかな」と不安だったなれど、刑事課のなかで一番、頭の切れるエースらしい。

その腕を見こまれて、二つの事件の捜査を任され、忙殺されている先輩だけに挨拶もそこそこ「おまえには連続殺人のほうを担当してもらう」と説明を。

半年前から裸にパンツをはいただけの男の死体がつづけて発見されているという。

どの遺体もさんざん射精したのと、レ○プされた痕跡あり(ただし相手の精液は見つからず)。
死体は被害者が住むマンションの地下室に放置。

死因は心臓発作。
注射針の跡が腕にあったので薬物により殺されたと考えられるが、検査では判明せず。

不可解な殺され方以外、被害者にとくに共通点はなく、同性愛者でもなかったとのこと。

「まあ、おそらく犯人は同性愛者だろうと見立てている。

ノンケに惨いしうちをされて怒りのあまり狂い、復讐をしているのか。
同性愛者なのを隠しているやつが、あまりに普段、自分を抑圧していることから、反動で暴走をしているのか」

これまでに頭を絞ったろう先輩方らの考えに「いや、でも」と口だししようとしたら「よお、みんな、がんばっているか」と車椅子に乗った男が登場。
きょとんとする俺に、剛川先輩が紹介したことには「この人は刑事課で断トツの腕利きだった古谷さん」と。

「どうも」「いい顔つきの新人だな」と挨拶を交わし、俺がちらりと足を見たのに気づいて「これはなあ」と苦笑。

「ある事件、猟奇殺人を調べていたら、犯人に目をつけられて殺されかけたんだよ。
一命をとりとめたが、下半身がほとんど動かなくなってな。

それから警察を辞めて、今は探偵業をしている」

「・・・べつに車椅子でもかまわないから、刑事をつづければよかったのに。
犯人と格闘できない体じゃだめだって聞かなくてな。

ていうか、車椅子だと探偵業のほうが難しいんじゃないですか?」

「まあ、そうだけど、逆に怪しまれないってのもあるんだよ。
一見、社会的弱者だからな。

調べている相手が俺を目に止めたとして『あんまり見てはいけない』とすぐに顔を逸らしたりする。
まあ中には『手伝いましょうか』と声をかけてくるから厄介だが」

放っておくと、長話になりそうだったに「あ、あの、それで古谷さんはなんの御用で?捜査の手伝いとか?」と割ってはいる。

「ああ、じつは古谷さんの依頼者がはじめの犠牲者なんだ。
だから、暇なときに警察にきてもらって、あらためて話を聞いたり、まあ、捜査についての意見を聞かせてもらっている」

「んな大層なもんじゃなく、爺が戯言を垂れ流しにきてるだけだ。
ほれ、俺のことなんか気にせず、新米刑事さんよ、さっき云おうとしてたこと云いな」

なかなか気さくな人なれど、元ベテラン刑事のまえでは緊張せずにいられず。
昭和臭のする剛川先輩が目を光らせてもいるし。

「あまりにハラスメントがひどかったら署長に泣きつこう」と一呼吸置いて告げる。

「主犯は同性愛ではないと思って・・・」




【思いを遂げられなかった食人鬼は俺の体を貪りつくして堕落させる】






父は柔道の師範。
そりゃあ当たり前のように、息子である俺は物心つくかつかないかのころから柔道をしこまれた。

とはいえ、俺の性格は柔道に不向き。
根っからの臆病だし、人と争うのも痛い目にあうのも相手を痛めつけるのもいや。

ただ、父の命令にも逆らえず、練習に励み、試合を重ねて、めきめき強くなってしまい。
自分も相手もあまりダメージを受けず、苦痛を覚えないよう、早く試合を終わらせるため一本背負いに磨きをかけたのが裏目にでてのこと。

すっかり父は「俺がとれなかった金メダルを!」と浮かれて、ますます俺はひっこみがつかなくなり。
父だけでなく、まわりから期待を寄せられては、とても「辞めたい」とは口が裂けてもいえず、ずるずると柔道を。

応援する人だけでなく、俺を敵視したり妬んだり、貶めようとする人もいて、胃が痛くなるし。
唯一の救いは、クラスメイトに恵まれていたこと。

平均身長より上背があり、制服がはちきれそうに筋肉質だった俺は小学生ながらに容貌も雰囲気も厳めしかった。
が、つきあいの長い友人は、その見た目にそぐわない小心ぶりを知っているに「おまえ、ほんとヘタレだなあ」と笑いとばし、昔と変わらず仲よくしてくれて。

そんな友人がいたから、非常に不本意ながら柔道をつづけていられたのが、その唯一の拠り所さえ失うことに。
原因は不良だ。

父の道場を辞めたという三人の中学生が登下校中の俺にからんできた。
べつに暴力をふるうでなし、カツアゲもしなかったとはいえ、よく噂される不良とつるんでいれば、そりゃあ友人は遠ざかるというもの。

もちろん、不良と親密になっていたわけではない。
彼らは馴れ馴れしく俺の肩を抱きながら「大会に優勝してるの、どうせ会長の父親の差し金だろ」「柔道の師範の息子は、人生が勝ちゲーでいいですねえー」と一方的にいやみを垂れ流していただけ。

柔道の技をつかって黙らすのはご法度。
肝っ玉が極少の俺に「かまわないで」と拒めるわけがなく、他にどうすればいいか分からず、ひどく思い悩んでいたそのとき。

「なにやってんだ、おまえら!」
「小学生相手にねちねちと、まー恥ずかしい!」
「同じ中学の者として見過ごせないな!」

三人の中学生が不良を叱りつけながら、登場。
神田くんと真山くんと水戸くんだ。

不良より三人は有名で、中学校や地域のアイドル的存在。

神田くんは陸上部のエースで、学年トップの成績を誇り眼鏡が似あう秀才イケメン。

真山くんはサッカー部の得点王で、芸人のように口達者なおちゃめなイケメン。

水戸くんは剣道部の最強剣士で、硬派を貫く日本男児なイケメン。

あまりの三人の輝かしさに怯んだようで、あっけなく不良はとんずら。
そのあとも「また、からんでくるかも」と三人は俺の登下校に同行を。

中学三年で部活を辞めたうえ、三人とも推薦が決まって、暇だったからつきあってくれたのだろう。
たまたまだったにしろ、不良のことで心配せずによくなっても交流は継続。

道場に顔をだして差しいれをしたり、試合を見にきて応援も。
そうして三人が練習や試合を見守ってくれるようになって、柔道アレルギーの俺の心境に変化が。

憧れの三人のように俺もなりたいと。
なるためには、唯一の取り得といっていい柔道で上りつめるしかないと。

そうした目標を掲げて、練習に打ちこみ試合に臨めば、まえよりも情熱を持って生き生きと柔道ができたもので。

三人のおかげで、新たな人生を切り開けたとはいえ、柔道にまい進することで弊害も。
高校卒業後、都会の強豪大学に行くことに。

まあ、俺だけでなく、神田くんは一流企業の選手団に、真山くんはプロのサッカーチームに、水戸くんは警察学校を卒業して県外に配属と、三人もばらばらに。

「これまでどおり連絡はとり合おう。
しばらくはお互い忙しいだろうから、一段落つくだろう夏に故郷で会おう」

そう約束して、三人に見送られながら俺は号泣して都会へ。

大人並に体が大きくなっても小胆なのは相かわらずで、三人と別れての寮暮らしは心細く。
でも、新幹線で向かう途中に涙をぬぐい「俺は生まれ変わるんだ・・・!」と決意。

外見も中身も男前な三人と肩を並べても恥ずかしくない雄雄しく立派な男になるんだ!

その目標を達成するため、大学生活では柔道の修行に精進しながらも、泣かず怯えず弱音を吐かず、男らしくふるまうよう心がけて。
顔を見たり声を聞くと、つい甘えてしまうから、リモートや電話をしたいのを堪えて、三人とは文字だけのやりとりを。

そうして自分磨きをして、約束どおり夏に故郷に帰り、一皮剥けた俺をお披露目することに。

待ち合わせ場所に三人を見つけ、前なら「わー!寂しかったよー!」と泣いて走っていくところ。
悠悠と歩いて「やあ、三人とも久しぶり」とにこやかに手を上げてみせた。

「俺の大学生活は順風満帆で、友人にも仲間にも先生やコーチにも恵まれて、なにひとつ困ることなく問題なく柔道に集中できて、日々、成長をしているよ。

ほら見てこの体。
三人より身長が高くなったし、これだけ筋肉がつけば、いざというとき三人を抱えることもできる」

力こぶをつくって見せたものを三人ともぽかん。

「いや、たしかに前より筋肉が張りつめてしゃ・・・いや、熱でもあるのか鉄治?」と神田くん。

「都会デューしたってか、鉄治?服が破けそうに胸を突きだして、もしや揉ま・・・やめとけよ俺らのまえで、変にかっこつけんなって」と真山くん。

「俺はどんな鉄治でも、弟のようにかわいいと思う。たとえ俺らより逞しくなっても、むしろ興・・・その、だから、むりに大人になろうとしなくても」と水戸くん。

歯切れがわるいながら、どうも俺の変貌をよろこんでないよう。
「どうして俺が一人前の男らしくなったのを認めてくれないんだよ!」と怒れば、三人は顔を見あわせて口ごもる。

さらに噛みつこうとしたら「じゃあさ!肝試しで、おまえの成長が本物だと証明してくれよ!」と真山くんが提案。

正直「肝試し!?」と早くも肝が冷えたとはいえ、真山くんがにやつくのにむっとして「受けて立つ!」と勇ましく応じたもので。




パンツをテーマにしたアダルトなBL小説四作の短編集です。R18。
ジャンルはそれぞれコメディ、ファンタジー転移、サスペンス、ホラー。

ばら売りもあります。

電子書籍のサンプル↓



DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ01072337.html

ギフト券発行中!
先着一名様に無料で小説を。
↓のリンク先の「送信する」ボタンを押すとすぐに読めます。
http://dlsite.jp/c7abgav/VE27-DSKF-DSBE-I3EC

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ダラナ 2023/07/02 20:17

BL短編集「俺のパンティーを盗んだ犯人が『抱いてやろうか』と偉そうに誘ってきます」販売中


パンツをテーマにしたアダルトなBL小説四作の短編集です。R18。
ジャンルはそれぞれコメディ、ファンタジー転移、サスペンス、ホラー。

小説のばら売りもあります。



【俺のパンティーを盗んだ犯人が「抱いてやろうか」と偉そうに誘ってきます】

鬼畜な会社に追いつめられて、スーツの下にパンティーをはくようになった男。
そうして精神が壊れそうなのを食いとめていたのだが、ある日家に帰ると、干していたパンティーがなくなっていて・・・。
シュールなコメディ。


【愛しのパンツを追いかけて異世界に迷いこんだ俺に浮気をさせるな!】

長年悩みつづけて、やっと手にいれた至高のパンツ。
それを装着し、生まれ変わったように日々、生き生きと過ごしていたのが、ある日、急にパンツが飛んでいって・・・。
ゲーム転移もの。


【連続殺人犯に笑われながらパンツ一丁の男たちは子種をまき散らす】

パンツ一丁の男が凌○されて殺されるという事件が横行。
その捜査に忙しく、放置された新米刑事が独自に調べていくと、自分もパンツをはかされて・・・。
すこしサスペンスな刑事もの。


【思いを遂げられなかった食人鬼は俺の体を貪りつくして堕落させる】

三人の兄貴分に憧れて、見劣りしないよう男らしくなろうとする大学生。
久しぶりに四人で会ったなら、成長ぶりを見せようと張りきるも、かつて食人鬼がいたという肝試しスポットに行くことになって・・・。
すこしホラーだけどハッピーエンド。

電子書籍のサンプル↓



DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ01072337.html

ギフト券発行中!
先着一名様に無料で小説を。
↓のリンク先の「送信する」ボタンを押すとすぐに読めます。
http://dlsite.jp/c7abgav/VE27-DSKF-DSBE-I3EC

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ダラナ 2023/06/11 20:48

BL短編集「欲情する獣人におしおきを」販売中



2000字前後のエッチでやおいなショートショートを十作収録したBL短編集です。R18。
ゲーム転生、フェンタジー、コメディっぽいの、学生ものなどいろいろ。


【欲情する獣人におしおきを】
派手に女遊びする剣士×生真面目な獣人

【発情期の獣人は恋焦がれて魔物とまぐわう】
触手×獣人

【俺が男子校に潜入する男装女子になっただと?】
アニメの男子生徒×おっぱいのある男の保険医

【俺のちんすこうを食べてくれ】
見よがしいちんすこうを食べる男子高生×齧られたい男子高生

【暗殺者だって男に愛されたい】
ターゲット×暗殺者

【グラビアアイドルの俺はエロカメラマンに弄ばれる】
有名なカメラマン×副業でグラドルをする社会人

【夜○いしにきたお前は、どちらさま?】
恋人?×夜○いを心待ちにする男子高生

【大型犬のように愛くるしい男に食い散らかされました】
やりチンの大学生×童貞の大学生

【白魔導士の回復で俺はエッチになる】
白魔導士×武闘家

【乙女ゲーに勝ったらヤれるはずが、悪役王子にヤられてしまった俺の話】
悪役王子×彼女とやりたいプレイヤーの男

電子書籍のサンプル↓

DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ01065700.html

ギフト券発行!
先着一名に無料で小説を。
リンク先の「送信する」ボタンを押すとすぐに読めます↓
http://dlsite.jp/c7abgav/S7YJ-GM9T-OM3D-VNFD

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ダラナ 2023/06/11 20:46

BL短編集「欲情する獣人におしおきを」試し読み

2000字前後のエッチでやおいなショートショートを十作収録したBL短編集です。R18。
ゲーム転生、フェンタジー、コメディっぽいの、学生ものなどいろいろ。





【欲情する獣人におしおきを】



俺が剣士としてお供をする勇者一行には獣人がいる。
銀髪に銀の毛並みの三角耳と尻尾を生やし、精悍な顔つきをした男前だ。

その正体は合成獣の実験体という。

合成獣はふつう動物や魔物を二体以上、錬金術で合体させたもの。

人体を使うのは禁忌とされているし、これまで秘密裏に実験されたのは、すべて失敗。

そう、唯一の成功例がこの獣人、ギンジュなのだ。

研究所の地下で日々、データをとるため実験体として虐げられていたのを、その噂を耳にした勇者が単独で侵入し、救出。

以降、勇者一行に加わり、命の恩人に一生、忠誠を誓うとばかりつき従っている。

そりゃあ勇者には尻尾をぶんぶんふるし、仲間にも懐いて健気に戦闘のサポートをしているし。

俺以外に、はだ。

初対面から、ギンジュは俺と目を合わせないし、口も利かなければ、寄りつきもしない。
切迫した戦闘中でも、仲間を通して伝達するほどの徹底ぶり。

いやいや、きらわれる理由に心当たりがなく、勇者や仲間に聞いたにしろ「ほかの人よりギンジュには気をつかっているように見える」とのこと。




【発情期の獣人は恋焦がれて魔物とまぐわう】



動物や魔物を錬金術で合体させて、あらたな生物をつくりだす研究所。
地下深くのそこでは禁止されている組みあわせの実験がされ、生みだされた一例が俺だ。

魔物の銀狼と売られた奴○の俺。
しあがったのは、意識の主体が俺、姿形も基本が俺という、銀に髪が染まって、三角耳と尻尾が生えた程度のもの。

それでも狂喜した博士は「さらに実験の精度をあげるぞ!」と息巻いたものを、以降は失敗ばかり。

このままでは自分が生きているうちに奇跡の二例目を拝めないかもしれない。

そう心配したらしく、いよいよ博士は禁忌を犯し、俺の体を妊娠できるように改造。
錬金術でだめなら、交配によって奇跡の獣人の後継を得ようとしたわけだ。

体が改造されてからは地獄だった。
定期的に発情期がくるたび、興味本位の研究員たちに犯されたし、外からつれてきた男たちをあてがわれたし、あらゆる魔物に凌○されたし。

動物と性行為できなかったのは、せめてのもの救い。





【俺が男子校に潜入する男装女子になっただと?】



訳があって女子が男装をして男子校に潜入。
なんて、少女漫画あるあるなアニメに妹は無我夢中。

居間の巨大なテレビで、暇さえあれば視聴していたので、たびたび目にした俺は、おおまかな内容やキャラ、流れを把握。

案外、おもしろくなくはないし。
ただし、あくまで男目線で視聴してのこと。

たとえば、自分がヒロインの正体に唯一気づいているルームメイトだと想像。
なにも知らない男どもに囲まれながら、ひそかにヒロインといちゃいちゃするのとか。

過激なのだと、ヒロインの正体がばれて、複数の男に犯されるのとか。
夜のおかずにもさせてもらっている次第。

もちろん、妹にはそのことを明かさず、居間に流れっぱなしのアニメを見ては、よからぬ妄想をしていたのだが。

高校で友人とじゃれあっていて、開けっ放しの窓から落下し死亡。

首を折って即死したはずが、すこしして目が覚め、ベッドに横たわっていた。
真っ白な布団に枕、ぐるりは白のカーテン。





【俺のちんすこうを食べてくれ】



ただの地方色の強いお菓子ながら「ちんすこう」は響きからして下ネタにされやすい。
小学生なんて格好の餌食に。

給食の時間、担当教師がお土産を配ったとき、そりゃあ、男子はどんちゃん騒ぎ。
下ネタを喚きちらすものだから、女子や混ざらない男子たちも食べることができず。

甘いもの大好きな俺は、そりゃあ、食べたくてしかたなく。
が、標的になるのを避けて、がまんをしたのだが、向かいの席には猛者が。

まわりの目を気にせず、もくもくと食べる霜月。
もちろん、すぐに男子に囲まれて「エッチ!」「助平!」と囃されたのを、どこ吹く風で食べきったもので。

おもしろがって男子たちが、自分のを献上し、それを食べづつけるのを、向かいの俺は口を開けたまま凝視。

そして「うまいか!」と肩を叩かれて、思わず噛みちぎったのを目にした瞬間、ある扉を開けてしまったらしい。

自覚したのは、思春期に突入した矢先。





【暗殺者だって男に愛されたい】



幼いころから英才教育を受け、今日、いよいよ俺は暗殺者のデビューを。

仕事にむかうまえ、伝説の暗殺者と称される父が俺の肩に手を置き、告げたもので。

「わたしの血を受け継いだ最高傑作のおまえを誇りに思う。
見事に仕事を完遂してみせ、その崇高なる遺伝子を、おまえもまた後世にのこしてほしい」

神妙にうなずきつつ、内心は複雑。
「俺は」と口を切ろうとしたのを飲みこみ、ターゲットの元へ。

俺の初仕事のターゲットは、若く有望なエンジニアだ。
効率的に電気を供給できる革新的な火力発電のシステムを開発したという。

依頼者については、詳細が知れないものを、おそらく外国勢力。
今、日本に太陽パネルを売りつけようとしている某国。

もし、例の火力発電がお披露目されれば、電力不足の救世主としてもてはやされ、国中に建設されるだろう。
そうなっては、太陽パネルがお役御免となり、某国の商売はとん挫。

ので、まだ火力発電が試験中で、発明者なしには開発がままならない段階でつぶそうというわけ。

そう予測したところで、なおのこと気が重くなったが。
俺は犯罪者の息子だし、愛国者だと胸を張れる立場にないとはいえ、外国に加担して自国を貶めるなんて、気がすすまない。





【グラビアアイドルの俺はエロカメラマンに弄ばれる】



世の中には想像もつかない趣味趣向の人がいる。
女物の水着を装着した筋肉質な男に惹かれる男とか。

そういった性的倒錯者が意外といて、雑誌も存在。
男版のグラビアアイドルの写真が掲載され、袋とじもあるのだ。

その雑誌に載る常連のグラビアアイドルの一人が俺。
いや、本職はサラリーマンで、副職でしていること。

大学まで水泳をして、今も仕事おわりや休日にプール通いしているとあり、競泳選手独特の筋肉美を誇っている。
それを売りにしたグラビア写真で稼いだ分を、世界のアマチュア水泳大会に出場するための資金に。

会社にはもちろん、副業のことは隠しつつ、水泳人生を歩みつづけるため、地下系の雑誌の仕事に励んでいたのだが。

ある日、撮影にむかうと、雑誌編集者から「あらためて撮影の訓練をしない?」と打診が。

「雑誌としてはきみを、もっと推したいんだけどさ。
カメラを向けられると、どうしても緊張するのかな?

せっかくの柔軟性のある筋肉や、しなやかな体の輪郭が、思ったより映えない。
もうすこしカメラに慣れてくれれば、十分、表紙を飾れるし、写真集だってだせるかも」

個人的に世界の水泳大会を出場してまわるには、ひどく費用がかかる。
多少、むりしてでも稼げるなら稼ぎたいところで「こちらこそ、お願いします」と頭をさげたもので。





【夜○いしにきたお前は、どちらさま?】



エッチがマンネリ化していたので恋人のナオキと「夜○いごっこ」とすることに。

俺は寮暮らし、ナオキは実家暮らしで、なかなか夜を長く共に過ごでなかったし。
寮生や管理人にばれないよエッチするのは、さぞ燃えるだろうと。

春休みにはいり、みんなが実家に帰っていき、同室のやつと隣の住人が不在となったところで決行。

十一時に消灯し、俺はベッドイン。
「教えた警報システムや監視カメラをかわして、俺の元へこれるかな」とわくわくしながら待つことしばし。

長かったような短かったような、ひそかにドアの開く音が。
足音を忍ばせて近より、とうとう布団をめくりあげて。

こんなにも胸を高鳴らせて、肌を熱く痺れさせるのは久しぶり。
生唾を飲みこんで、寝たふりをする俺を犯してくれるのを待ったのだが、一向に動きなし。

どうも焦らしているようでなく、なにか不都合があった?
そう考えて、すこし瞼を上げたなら、目にしたのは見知らぬ男。




【大型犬のように愛くるしい男に食い散らかされました】



大学の友人の桜庭は、見境がないやりチンだ。

気にいった女の子とは絶対エッチをし、そのくせ交際せずに一晩過ごして、おさらば。
彼氏持ちだろうと、かまわず。

おまけに病的なやりチンでありながら、天性の人たらし。

ふつうなら男女ともに刃物に刺されそうなものだが、愛くるしい大型犬のような見た目をし、底なしの愛嬌も備わっているので、結局、みんな許してしまうらしい。
そんな神から愛されたような天下の陽キャラと、対照的に死神をつれて歩いているような底辺の陰キャラの俺が、よく親しくなったのだと思う。

人間不信で疑い深い俺には、桜庭の人たらしオーラが効かないのに。
俺にしろ、桜庭のような人生を舐めているチャラ男は疎ましいはずなのに。

どれだけ多くの人に囲まれていようと桜庭は、尻尾をふるようにして俺の元に走ってくるし。
「おまえといると目立ってやだ」と憎まれ口を叩きながら、桜庭がくっついてくるのを拒めないし。

そうして、つかず放れずの距離感で桜庭とキャンパスライフを送っていたのだが。

ある日のこと、背広姿の男が構内に突進してきて、桜庭を殴り倒した。
どうやら、桜庭が人妻に手をだしたせいらしい。





【白魔導士の回復で俺はエッチになる】



新しく加入したパーティーの剣士にしてリーダーに、まず忠告された。
「白魔導師の回復魔法を受けるな」と。

白魔導師はサポート役であり、仲間を回復するのも仕事だ。

その仕事をさせないとはどうして?と首をひねるも、剣士は目を逸らして、だんまり。
ほかの仲間に聞いても、はっきりとは応えてくれず。

皆の態度が意味深だから、本人に聞くのもためらわれて。

まあ、回復魔法が使われない分、回復アイテムが支給されて、困りはしなかったのだが。

ある日のこと、魔物の多数の襲撃があり、乱戦となって、気がつけば、俺と白魔導師は仲間とはぐれていた。

襲ってきた魔物は倒したとはいえ、危険な森のど真ん中。
「早く合流せねば」と白魔導師を護衛しながら仲間の捜索を。

疲れてきたころ、開けた場所にでて川を発見。
ほっと一息つき「休憩しよう」とふりかえったら、藪から魔物が跳びでてきて。

巨大な手が、白魔導師に襲いかかったのを、とっさに庇い。
上半身に深く爪がのめりこむもかまわず、血反吐を吐きながら、鉄拳を繰りだし、波動で魔物の腹に風穴を開けた。





【乙女ゲーに勝ったらヤれるはずが、悪役王子にヤられてしまった俺の話】



熱烈なアプローチをして交際に至った彼女だが、なかなかエッチをさせてくれず。
奥ゆかしいのではなく、じりじりする俺の心を弄んでのこと。

やっとOKをもらえたと思ったら「条件があるの」とにんまり。

彼女が今、はまっている乙女ゲームで、悪役王子を攻略したら、やらせてくれると。

乙女ゲー愛好家の彼女にして、難攻不落の悪役王子とは。

親馬鹿の王に甘やかして育てられ、根性が腐りきった、絵に描いたような悪役。
はじめて主人公のヒロインに会ったときは「俺の愛人にしてやろうか。週一回の性処理にはちょうどいい」と侮辱を。

対して、逆に恥をかかせてヒロインがふったことで、権力をふるってのいやがらせがはじまるわけ。

ふつう、こういう悪役は、引き立て役にすぎないが、このゲームでは攻略相手の一人。
ゲームでいちばん落とすのが難しいキャラでもあるという。

ネットでは、攻略をあきらめた人が続出していたが、念願の彼女とのエッチのためなら、なんのその。
スマホを片手に情報収集しながら、レッツプレイ。

コツは、媚びすぎず、突き放しすぎず、微妙な加減の選択をすること。
具体的なやり方は、攻略した人も言語化できないとかで、そりゃあ、俺は大苦戦。



電子書籍のサンプル↓

DLsiteで電子書籍を販売中↓
https://www.dlsite.com/bl/work/=/product_id/RJ01065700.html

ギフト券発行!
先着一名に無料で小説を。
リンク先の「送信する」ボタンを押すとすぐに読めます↓
http://dlsite.jp/c7abgav/S7YJ-GM9T-OM3D-VNFD

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

記事のタグから探す

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索